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1965年  オギャー

漫画家志望だった、7歳上の姉のもと、
末っ子として生まれる。

姉の買ってくる少年漫画・少女漫画を
全部、無料で、読みあさる日々。

ジャンプ、サンデー、マガジン、チャンピオン、
りぼん、マーガレット、セブンティーン、など、
全て読んだ。


「火の鳥」
 (黎明編、未来編、ヤマト編、宇宙編)
  手塚治虫
  1967年から1969年

この辺りまでが、火の鳥・初期の作品群。
これら4冊を読んだことにより、
私の人生観の、ほぼ半分が作られた、と思う。

火の鳥は、過去と未来を往復しながら物語を展開し、
最終章で、「現代」を描く、という
壮大な手塚治虫のライフワークとなるはずだった。
しかし、著者は、その道なかばで、この世を去った。


「男一匹ガキ大将」
  本宮ひろ志
  1968年〜1973年

「俺の空」よりも、私はこちらの作品の印象のほうが強い。
「男は、大きな夢を持ち、それを追うものだ」
という、「刷り込み」が、私の脳に行われた。
このため、(後述する)高校時代の地獄が、私を襲う。

・・・

1970年 幼稚園入園


「アラベスク」
  山岸凉子
  1971年〜1975年

当時のソ連を舞台にしたバレエ漫画の最高峰。
漫画家志望の姉の影響で、少女漫画は、かなり読んでいたが、
その中で、もっとも印象の強い作品。


「三国志」
  横山光輝
  1971年から1986年

60巻に及ぶ、最長編漫画の一つ。
私は「三国志オタク」を自認しているが、
そのきっかけとなった作品。
他の三国志関連書籍も、ほぼ全部読んでいる。

この三国志の中には、
どんなに素晴らしい理想を持って国を作っても
その政権が長期化すれば、必ず汚職や賄賂がはびこる。
など、
現代の政治にあてはめても、全く同じ状況が
描かれている。
人間というのは、2000年の時を経ても
まったく進歩していない、ことを痛感する。

・・・

1972年 小学校入学


「デビルマン」(漫画版・原作)
  永井豪
  1972年から1973年にかけて

これほど、衝撃を受けた作品は、ない。
おそらく、今後も、一生ないであろう。
これを越えるエンディングは、地球上にない。


「ベルサイユのばら」
  池田理代子
  1972年から1973年まで

いわずとしれた宝塚の名作。
「オルフェウスの窓」とともに
池田理代子の歴史大作。
主人公クラスが、ことごとく死亡する。
少女漫画とは、とても思えない。


「人造人間キカイダー」(漫画版、原作)
  石ノ森章太郎原作
  1972年から1973年

正義の心を持ってうまれた
機械人間が、
やがて、悪い心も埋め込まれ、
「人間」になる、という話。
考えてみれば
哲学的で、ある意味、恐ろしい話。
現在、
私の「口癖」となる
「全部悪い人も、全部良い人もいない」
という概念が、(私の頭の中に)作られた。


「ポーの一族」
萩尾望都
1972年から1976年

はからずも、吸血鬼になってしまった
美しい兄弟(兄と妹)の話。
どちらも、たしか、15歳前後だったと思う。

吸血鬼なのに、
残虐性やグロテスクさは全くなく、
むしろ、
繊細で、悲しく、ただ美しい。
200年の時を超え、悲劇の物語がつづられる。

当時、少女漫画の最高傑作とする人が多かった。


「野球狂の詩」(やきゅうきょうのうた)
水島新司
1972年から1976年

水島新司の野球漫画は、数あれど
老年期の投手、岩田鉄五郎だけは忘れられない。
もちろん、
「ドカベン」、「あぶさん」、「男どアホウ甲子園」など
野球漫画といえば、この人だろう。


「レ・ミゼラブル」
  みなもと太郎
  1973年から1974年

「ああ無常」で知られるジャンバルジャンとコゼットの
ストーリーを、漫画タッチで描いたもの。
タッチはギャグ漫画なのに、
ストーリーは、感動大作。
この基本方針に、私は影響を受ける。


「つる姫じゃ〜っ!」
  土田よしこ
  1973年から1979年

一見、ギャグ漫画。
実際は、姫と家老との、主従の愛?


「エースをねらえ!」
  山本鈴美香
  1973年から1980年

宗方コーチ、お蝶夫人、など
夢にまででてきた。
キャラクターの魅力が強かった
「屈折した愛」の話。


「ガンフロンティア」
  松本零士
  1975年から1988年

同時期の「宇宙戦艦ヤマト」よりも
こちらの印象のほうが強い。
トチローと、ハーロック、そして謎の美女、といった
松本零士の基本キャラが、ここに全てある。
彼の作品は、有名になっていないもの
のほうが、秀逸だ。
作者の世界観が、その人生観と一致してるためだ。
「わが青春のアルカディア」「セクサロイド」なども
挙げておく。


「彩りのころ」(みのりのころ)
津雲むつみ
1976年

強姦され妊娠した少女と、
それを愛する少年が、
生命について考え、成長していく話。

恐らく、この作品をモデルとして
1979年ごろから、「3年B組金八先生」などにて
中学生や高校生が妊娠するストーリーなどが
頻発することになっていった。


「エロイカより愛をこめて」
  青池保子
  1976年から現在

現在、少女漫画の世界では
「ボーイズラブ」という
少年たちの同性愛を描く作品が
流行っているが、
そのさきがけとなった作品。

・・・

1978年 中学校入学


「機動戦士ガンダム」
  富野喜幸
  1979年から1980年

 正義が悪を倒す、という
 ロボット漫画(ロボットアニメ)の構図を
 根底からくつがえした作品。
 戦争のどちら側にも、「人間」がいる。


「パタリロ!」
  魔夜峰央
  1978年から現在

ブラックギャグの多い、
1巻から4巻ぐらいまでがお勧め。
このギャグセンスが好き。
この影響で
私のギャグセンスも、基本的に、ゆがんでいる。


「みゆき」
あだち充
1980年〜1984年

あだちみつるの作品は、この頃、ほとんど読んだ。
「タッチ」「陽あたり良好!」「ナイン」など
基本的に、野球と、友達以上・恋人未満の恋愛、
という二つの要素が描かれる。

「みゆき」は
血のつながりのない「かわいい妹」を持った兄、
という、漫画では非常に多い設定、の話しだったのだが、
それなのに
作品の「タッチ」が良く、印象に残っている。

登場人物、特に主人公に
さりげなく共感を持たせる
手法自体が、うまかった。

・・・

1981年 高校入学


「日出処の天子」
  山岸凉子
  1980年から1984年

異色の聖徳太子の話し。
日本の歴史の影にある
どろどろとした、人間たちの情欲の話。
うまく
説明できないので、読んで下さい。


「キャッツ・アイ」
北条司
1981年から1985年

刑事と泥棒が、恋人同士という設定の
ラブコメディー。
この作家の描く女性は
「少年誌にしては、女がきれい」
だと、姉貴が言っていた。

1巻の頃は、デッサンが狂っていたが
書き続けているうちに、絵がうまくなっていった。

読者も成長していくが、作者も成長していく・・。


「風の谷のナウシカ」
  宮崎駿
  1982年から現代

ある意味で、環境問題への「きっかけ」を
与える作品。けっこう感動した。

が、ファンタジーで終わっているので
(現実の世界での)実効性は、なし。
これを、実際の世界で、
なんとかしようと
あがいているのが、私、という生き物だ。


「課長島耕作」
  弘兼憲史
  1983年から1992年まで

「黄昏流星群」(たそがれりゅうせいぐん)もいい。
大人の人間ドラマが描かれるのが
この作家の作品。
男女の恋愛にも、登場人物たちが抱える人生の背景が見える。

私も、大人になってしまったのか・・・?


・・・

(余談)

この、高校時代は、
いくつかの理由で、死ぬほど落ち込んでいた。

「夢を追うのが素晴らしい生き方」のはず、なのに
まったく、その夢が見つからない。

それどころか、
自分には、何の才能もない。

スポーツダメ、勉強もダメ(当時、ビリ)、ピアノも止めた、
将棋が好きだけど、プロになるには四段が必要(でも当時、初段ぐらい)。

つまり、なんの取り柄もない。

さらに、
少女漫画をかなり読んでいた私は、
高校生ぐらいになったら、
漫画本の中のような、恋愛ストーリーを
経験するのだろうと(潜在意識の中で)思っていたようで
結局、そんなことは、まったく縁が無かったこともあり
(男子校だったので、当たり前だが)
さらに、真っ暗な青春を過ごしていた。

・・・


1984年 大学入学


「2001夜物語」
  星野之宣
  1984年から1986年

宇宙世代の作者が描く
人間の近未来ストーリー。
人類を待つのは、滅亡か、それとも・・。


「ドラゴンボール」
  鳥山明
  1984年から1995年

少年ジャンプを600万部以上売った
ある意味、最強の漫画。
主人公がどんどん強くなり
敵も、どんどん強くなる、という
単純明快な、格闘アクション。
考えてみれば
それだけの話しなのに、面白い!
やはり
少年漫画の基本は、これか。


「動物のお医者さん」
  佐々木倫子
  1987年から1993年

北海道大学の獣医学部の学生の話し。
教授が変なのが、リアル。
医学部版で
こういうの、描いてみようかな、
と、ちょっと思う。
勉強にも、なるやつ。


「BASTARD!! 暗黒の破壊神」
萩原一至
1987年から現在

魔法とSFがミックスするストーリーの中、
少年漫画で、ここまで描いていいのか?、
というエロスが錯綜する。

途中まで面白かったが、
聖書の黙示録ネタなどをとりこんだため(これも、ありがち、だが)
話しが大きくなりすぎて、
ストーリーが収集つかなくなった。
このため、頻繁に休載を繰り返す作品。


「SLAM DUNK(スラムダンク)」
  井上雄彦
  1990年から1996年

バスケットボールを中学高校で
流行らせたほどの作品。
絵とストーリーに、勢いがあった。
こういう作品の典型として、
最後は、しりきれとんぼ、で終わる。
が、それでいい。
この作品で描ききれなかった答えは、この作者の
その後の作品「バカボンド」などを見ればわかる。


「新世紀エヴァンゲリオン」
  庵野秀明
  1995年から1996年

主人公が、人間とは何か?、生きるとは何か?
と、哲学を、アニメの作品中で、考える、
という異色の作品。
ガンダムに続いて、ロボットアニメの
根本を変えた衝撃作。
エンディングが、わけわからないのも、話題に。
監督が、
全知全能を使ったため、途中で「壊れた」
ためと言われている。
が、それでいい。芸術とは、そういうもの。

・・・

1990年 研修医へ


「新ジャングルの王者ターちゃん」
  徳弘正也
  1990年〜1995年

格闘とギャグ。ちょっとエッチな漫画。
この作品の後、
作者は、青年漫画家へ転職。
それで正解だった。

・・・

この時期は忙しくて、流石に
あまり漫画を読まなかった。
でも、少年ジャンプだけは、わりと読んでいた。
というか
読まなくても、買って、トイレに積んでいた。
で、
トイレの床から、天井までが、
少年ジャンプでつながった!
のが懐かしい思い出。
それを見て、満足した、記憶がある。

・・・

1992年 医者へ


「ブッタとシッタカブッダ」
  小泉吉宏
  1993年

漫画で、哲学を説く方法を教わった。
四コマ漫画なのに、深い。
こういうメディアも、そのうち、使ってみたい。


「蒼天航路」(そうてんこうろ)
  李學仁、王欣太
  1994年から2005年

三国志漫画、再び。
曹操(普通は、悪役)が、主人公なのが、気に入った。

曹操(そうそう)は、
ものすごく素晴らしい「差別のない政府」を作った業績

ものすごく残忍な「目的のためには手段を選ばない非道」

部分の両方が存在する極端な人物。

また、中国の文学史に残る、偉大な「詩人」でもあり、
「孫子の兵法書」を改訂して、後世に残した「哲学者」でもあった。

あまりにも多才。かつ、多彩な生き方。
最後は、脳腫瘍、または、気が狂って死んだ、と言われるが
彼らしいと思う。

私が、「尊敬する人物は誰か?」、と聞かれたら、迷わず、こう答える。
三国志の悪役、「曹操」である、と。

「蒼天航路」は、
原作者が、連載中に、途中で死亡(発狂?)するなど、
作者の生き様が、作品の主人公に投影されたため、
なおさら、趣(おもむき)のある作品となった。

・・・

2000年 国際協力の世界へ


「のだめカンタービレ」
  2001年から現代
  二ノ宮知子

ちょっと関係あった人が、
この作品にからんでいるため、
漫画も、テレビドラマも、アニメも見た。
詳細を知りたい方は、私のブログを検索して下さい。
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51271068.html


「西洋骨董洋菓子店」
  よしながふみ
  2002年

よしながふみの作品は、どれもすごい。
が、この作品が、一押し。

ストーリー構成がうまい。
何もしゃべらないコマが多いのだが、
それで、伝えてしまう、技術がある。

ただし、
この人は、もともと同人誌出身で
ボーイズラブ系が多いので、買うには注意。

・・・

「PLUTO(プルートウ)」
  浦沢直樹
  2003年から現在

手塚治虫の作品を、自分なりにアレンジして
描いた作品。
「鉄腕アトム」の中の、「地上最大のロボット」
というのが、元になっている。
が、
これが、アトムか!?
という、アトムが登場する。

浦沢直樹の作品は、他にも
「モンスター」「21世紀少年」など秀作が多い。

・・・

2004年 宇宙船地球号へ


「フラワー・オブ・ライフ」
よしながふみ
2003年から2007年

高校生の、なんでもない日常を描いた作品。
当たり前の、高校生活が
いかに大切であったか。

私にとって、「青春の盛り」、すなわち
「 flower of life 」
とは、いつだったのか?

作品中では、
大きな盛り上がりを、わざと描かないことで、
読者により深く
「自分自身の高校時代を考えさせる」
という手法がとられた。
作者の高等技術に感服した。


「監督不行届」
  安野モヨコ
  2005年

安野モヨコは、
記述の「エヴァンゲリオン」を作っていて
「壊れてしまった」監督・庵野秀明の妻である。

オタクな夫を持った妻が
オタクになっていく話し。
が、
それでも、幸せそうだ。


・・・
・・・

で、
以上により
私が、漫画が大好きなことは
お分かり頂けたことと思う。


私は、絵が下手で、自分で漫画が描けない。


(・・・くすん)(涙)


ところが、
天は、私に、写真をそこそこ撮れる、
という才能を与えた。

だから
私は、漫画のような構成で、
写真の絵本や、文章の本を
なんとかして
作っている・・・
という人なのである。

もちろん、時々、

「パタリロ」のような、
ブラックなギャグをはさみ、

「キカイダー」のように、
善と悪の、人間の二つの面を、描いてゆくことも、忘れない。


私の生き様を、そこに折り込みながら。


・・・

追伸:
今、下記を読んでいます。

「舞姫」(テレプシコーラ)
山岸凉子
2000年から2006年

全10巻
手塚治虫文化賞・受賞

30年の時を越えて
ソ連から、日本に舞台を移し、
バレエ漫画を山岸凉子が再び描く!

成長した作家の作品を
成長した読者(?)として、拝読してみたい。


山岸凉子の30年間を、行間に思い描きながら。