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私立の学園などから講演依頼を受けることがある。
すると、中学校と高校を合わせて
数百人から千数百人の前で、講演をすることがある。
(今年も、数件あった。)

私は、「自己満足」の講演をすることがないように
(また、次回の講演で、より良い講演ができるように)
講演を聴講された方々(この場合は生徒様たち)に
必ず、講演後に、以下のレポートを書いてもらっている。

1.一番印象に残ったことは、何ですか?
2.質問はありますか?
3.今日の講演で、悪かったところは、どこですか?

・・・

すると、必ず、批判も来る。

私は、もともと、かなりの悲観主義者で
書いてもらったコメントを読む時に、
どうしても、悪いところばかりに、眼が行く。

頂いた感想文たち、すべてに目を通すのだが、
どうしても、悪いところのほうが、
「強く」心に残ってしまう。

あまりに、強烈な、罵詈雑言も、時にあり、
立ち直れないくらい、落ち込んでしまい、
講演など、もうしないほうが、
良いんではないか、と思うことも、しばしばだ。

・・・

批判の、具体例を、自分への「戒め」のために、
あえて書いておく。


「早口すぎる」
「一人走りしている感じが、イヤだった」

「講演に、なれすぎている」
「扱うテーマが大きすぎて、何が言いたいか、わからない」

「平仮名のため、読みにくい」
「国際協力師の年収を強調しすぎ」

「何かと、日本が悪いといい、不愉快だった」
「死ぬ、という言葉を、軽くいいすぎる」

「音楽(BGM,SE)が、まったく合っていない」
「画像(写真)は、つまらない。映像(動画)がいい。」

「講演をした、あの人が、嫌いだ」

・・・

やっぱり、私は、講演をするには、向いていないんだな、
と、強く思う。

もともと私は、高校時代、ほとんど「引きこもり」状態で
内向的な性格だった。

当時、自分の夢が見つからず、夢を見つける方法すら
わからず、ただ、悶々とした日々を送っていた。

漫画と歴史小説だけを繰り返し読んでいたため、
結果的に、「対人恐怖症」のような精神状態になり、
人と話をする時に、相手の目を見ることが苦手になった。

(医者になってから、多少、改善したが・・)

そんな私が、大勢の人の前で、講演をするなど、
無謀なのも、はなはだしい。

上記のような批判たちが来る、本質的な問題は、
すべて私の「根本的な性格の歪み」にある、と思う。

やっぱり、
講演など、もうやめようか、と思ったが、
一応、上記に対する「言い訳」をさせて頂く。


「早口」なのは、テンポを良くするため、かつ、飽きさせないために
わざとそうしている。
ゆっくり話して、かえって寝てしまう人が増えた経験があるので、
難しいところ。

「扱うテーマが大きく、何が言いたいかわかりにくい」
という苦情に対しては、わかりやすいように、
今後、最初に、「結論」と、「全体の流れ」を、
言ってしまおうかと思った。

「平仮名が読みにくい」という批判に対しては、
聴講者の中に、中学生が入っている場合、
中学一年生の中でも、さらに学力の低い子に
講演内容を合わせるので、どうしても、そうなってしまう。
が、今後、小学3年生までに覚える、本当に基礎的な漢字は
導入するかもしれない。

「国際協力師の年収の強調」は、
国際協力が、無給のボランティアではなく、
有給のプロの仕事だということを、伝えるため。
一般の人の固定観念をくつがえすため、必要だった。

「日本が悪い」というよりは、
「日本の豊かな生活」が、世界の貧困や、戦争、
そして地球温暖化に関係している、ということを
わかりやすく伝えるため。

「死ぬ」という言葉を軽く言っているつもりはないが、
時間の関係で、悲しく暗いシーンを
早いテンポで、短めに流してしまうと
そういう印象になるかもしれない。

「音楽」の改善と「動画」の導入は
予算と時間の関係で、できる範囲で検討中。

「嫌われる」のは、いたしかたない。
インパクトのある講演をするためには、
なんらかの「個性」が必要で、
それが、万人に受け入れられるとは、思わない。
よって、しかたがないと思っている。

・・・

ともかく、こうした批判が、
少数意見なのか、多数意見なのかを知るために、
統計をとってみた。

・・・

G学園(中学高等学校)での、講演の結果

613人へのアンケート調査によると、

1.講演が、良かったという趣旨のもの 558人(91%)

2.講演が、悪かったという趣旨のもの 55人(9%)


この計算結果を見て、やっと少し立ち直った。
全体としは、9割ぐらいの人が
「世界のことを知るきっかけになった」
などの、概ね(おおむね)、肯定的な意見を書いていたからだ。

以下、その具体例


「世界の様々な事件が、日本と関係しているとわかった。」
「日々の生活を、改めようと思った。」

「日本が、いかに豊かで、幸せかを、実感した。」
「当たり前だと思っていることが、そうではないと感じた。」


上記以外にも、講演の手法自体への
肯定的なコメントは、相当数あった。

・・・

また
当法人が推進している「国際協力師」の概念の啓発に関しては、
「プロとして援助を行う、国際協力師になりたい」
という趣旨の感想を書いた生徒たちが、
24人(3.9%)いた。

以下、その具体例


「僕もやってみたいと思った」
「こういう職業もあるんだなぁって思った」

「国連で働くために、するべきことは?」
「ジャイカに入りたいと思った。」

「弁護士として国際協力をする方法は?」
「僕でも、役に立てますか?」


これをみて、やっぱり、講演やって良かったかな、と
少し思った。

・・・

今年(2007年)の間に、
61回の講演を行い、総計で、12、369名 の方々が
私の講演を聞いて下さった。

批判を持たれる方も、たくさんいらしただろうし、
何かを感じて下さった方も、少しはいらしただろう、と思う。

・・・

最後に、これからもずっと、批判を受け続ける勇気を
私にくれた、
ある少年からの、わずか1行だけのコメントを、掲載させて頂く。



「今日、夢をもらった」



高校時代、夢が見つからず、ひきこもっていた私が
今、こんな仕事をしている。


ちょっとだけ、今日だけでいいから、そう信じていたい。