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NPO法人・宇宙船地球号が、
なぜ、企業の社会的責任(CSR)を推進し、
かつ、そのCSRの内容を、
より良いものに変革しようとしているのか、
ということを、以下にまとめておく。
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1963年 「宇宙船地球号操縦マニュアル」が出版。
 バックミンスター・フラー(米国、都市工学・建築学者)著。

 地球の資源は有限であり、このままでは人類は生き残れない。
 化石燃料の使用は、(将来の持続可能性を考え)
 再利用可能エネルギー(太陽エネルギー等)を獲得するためにこそ使うべき。

 現在の個々の国家に分かれたシステムではダメで、
 世界全体を包括する新体制が必要。


1966年 「来たるべき宇宙船地球号の経済学」が出版。
 ケネス・E・ボールディング(米国、経済学者)著。

 上記の宇宙船地球号の概念を経済学に導入。
 無限の資源を想定している「開かれた経済」ではダメ。

 有限の資源を想定する「閉じた経済」を提唱。
 循環型社会の必要性を強調。


1972年 「成長の限界」が出版。
 マサチューセッツ工科大学・デニス・メドゥズら著。

 人類の人口増加の、異常なほどのスピードを強調。
 それによって起こる食糧不足、環境汚染などを提言。
 100年以内に、人類の成長は限界に達すると述べた。


1973年 国際連合環境計画(UNEP) 発足。
 
 ストックホルムで1972年に採択された
 「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」を実施する機関。
 様々な国際環境条約を締結。

 このUNEPの発足により、世界中に環境問題への意識が高まった。
 以後、以下のような環境に関する無数の会議が開催される。


1977年 国連砂漠化防止会議
1979年 欧米で 越境大気汚染条約(NOx, SOx排出規制)
1985年 オゾン層の保護と、ウィーン条約


1987年 「持続可能な発展 sustainable development」

 この頃から、持続可能性という言葉がマスコミに頻出。


1988年 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の創設

 UNEPと、世界気象機関(WMO)が共同で創設。
 地球温暖化に対する科学的な知見の集積と、その評価をする。

 数年おきに「評価報告書」を作成する。
 世界中の様々な国の100人以上の科学者が参加している。


1992年 地球サミット(環境と開発に関する国連会議)

 リオデジャネイロで行われ、180カ国が参加した。

 セヴァン・カリス・スズキという12歳の少女が
 世界中の首脳を感動させた「伝説のスピーチ」が有名。


1996年 ISO14001(環境マネージメントシステム)

 上記の地球サミットを受けて成立した。
 企業の営利活動によって生じる環境への影響を
 持続的に改善するためのシステムを構築する規定。

 日本国内ではこれらに対応し、
 日本工業規格 JIS Q 14001 などが制定。


1997年 トリプル・ボトム・ラインの概念
 ジョン・エルキントンが提唱。

 大企業の経済力やその予算は、もはや国家予算に匹敵する。

 国家予算と企業の予算を並列にならべてランキングすると
 40位ぐらいから、大企業の名前たちが入ってくる。
 (マイクロソフト、三菱、トヨタ、など)

 これからの企業は、社会的な責任を持たなければならない。
 経済(利益追求)・環境(持続可能性)・社会(倫理の順守)
 という三つの側面(トリプル・ボトム・ライン)のバランスが必要。

 これが、世界の持続可能性のためには、必須。
 この概念が、企業の社会的責任(CSR)の元となる。


1997年 京都議定書 ( Kyoto Protocol )

 京都市で開かれた第3回「気候変動枠組条約締約国会議」での議決。
 2004年にロシアが批准したことにより2005年2月16日に発効。

 1990年を基準として各国別にCO2の削減量を定めた。
 世界全体で、−5%。日本は、−6%。


1999年 グローバル・コンパクト
 国連アナン事務総長が提唱。

 人権・労働・環境・賄賂に関する「企業の十原則」。

 人権に関しては、人権の擁護など。
 労働に関しては、組合結成の自由、児童就労の禁止、差別を撤廃。

 環境に関しては、環境問題の予防、新技術の開発。
 賄賂に関しては、賄賂を含むあらゆる腐敗の禁止。


2000年 GRIガイドライン(第一版)
 UNEPと、NGOセリーズなどが創設したCSRガイドライン。

 国連系、政府系、民間系の様々な組織や有識者が入っている。
 企業は、CSR報告書(CSRリポート)を制作するべきだとし、
 また、そのリポートの内容は、このGRIガイドラインに沿うべきだ、
 という提言を行った。
 CSR報告書の最後に「GRI対象表」を掲載することが提唱されている。


2002年前後 CSRが日本でブームに。マスコミを席捲する

2006年 GRIガイドライン(第三版)

 現在、これを基準にして、世界中にCSRが広がっている。

2007年 IPCCからの第四次報告書

 地球温暖化が人類の産業活動によるものであることが
 90%間違いないこと、などを明言。
 未来の予測についても触れている。


2009年 ISO 26000

 国際標準化機構(ISO)が、
 CSR・マネージメント・システムを創設する予定。

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以上が、主な歴史の流れである。
こうした流れの中で、

2004年に、NPO法人・宇宙船地球号を私は創設した。

2006年 NPO法人・宇宙船地球号による各企業のCSRランキングを開始した。

 プロジェクト「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」 始動

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CSRの普及には、3段階が必要と考えている。

 第一段階: 環境や社会性に配慮している、と標榜する企業の増加

 第二段階: 具体的に行っている行動を書いたリポートの作成と公開
       (CSRリポート、社会環境報告書、持続可能性報告書、等)

 第三段階: 作成されたCSRリポート等を、第三者機関が監査する制度の確立


以下、もう少し詳しく、解説する。

 1.まず、とりあえず、形だけでもいいから、
   環境に配慮し、社会の倫理を守ろう、といっている企業が増えること。
   会社のイメージアップのためでも、広報戦略でもいいから、
   企業はそうしなければならない、という風潮を社会に作ること。

 2.次に、CSRリポート等を制作させること。
   具体的にどのように環境や社会に配慮した活動をしているか、
   まずは、自社側からの説明で良いから、細かく書いてもらうこと。

 3.最後は、そのCSRリポートの内容が第三者機関により監査されること。
   これにより、企業は、言ったことと、やっていることが、
   一致せざるを得なくなる。
   具体的には、国連環境計画(UNEP)の作ったGRI対照表などが、その一例。
   他にも、国際標準化機構のISO14001など。


で、2002年前後に、日経新聞や、経済系の週刊誌で、CSRが特集されたため、
1.を(形だけでも)言うようになった企業は、かなり増えた。
全体の7割ぐらいだと思う。
 
このうち、CSRリポートなど等を
まがりなりにも、とりあえず発行している企業は、
現在、1割前後、ぐらいである。

(東証一部上場企業1700社のうち、CSRリポート等を発行しているのは、約200社)

と、
いうわけで、この第二段階の、入口にいるのが、日本の現状だ。

第三段階の監査まで入れて、きっちり行っている企業は、もっと少ない。
全企業の数%、というところ。

が、しかし、ここまでやっている企業こそが、本物のCSRを行っている企業だ、
ということになる。

是非、そうした企業たちを見つけてやって欲しい。

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以上より、
当法人は、上記のような三段階にわたるビジョンを持ち、
徐々に、
CSRを普及し、かつ、その内容を「本物」にしていくための方法を
模索してきたのだ。

そして
企業のイメージアップのためだけのCSRを行うのではなく、
本当に社会の役に立つ(第三者機関からの監査を受けながら)CSRを行う企業を、
世の中に増やしていこうと考えている。

このためには、
一般の市民(消費者)に、どの企業がどのくらいCSRを行っているのかを明確にし
かつ、
市民が商品を買う時に、そうした情報が簡単に入手できるシステムが
社会になくてはならない。

(それ以前の問題として、市民一人一人に、CSR優良企業の商品を
 優先して買うのだ、という社会の意識改革が必要なことは、言うまでもないが。)


そこで考えたのが、(最終的には)携帯電話で見られる予定の、
以下のサイトである。

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「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html


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まだ、実験段階であり、パソコン上でみることが前提となっており、
携帯からみると、非常に読みにくいが、現状でも、一応、見られることは見られる。

たとえば、
消費者が、コンビニに入って、チョコレートを買おう、という時に
上記のホームページにいき、

「チョコレートを作っている会社の中で、
 一番、CSRを正しく行っている会社は、どこかしら?」

と思って、携帯電話を開き、ウェブにつないで、上記のサイトに来ると、
そこには
商品が、あいうえお順に並んでいるため、簡単にチョコレートが見つけられる。

かつ、そこをクリックすれば、以下が表示される。

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_chocolate.html

チョコレートに関する
CSRの客観的評価とランキング

明治製菓   ☆☆☆
森永製菓   ☆☆
ロッテ    ☆
不二家    ☆
江崎グリコ  ☆

(もちろん、星の数だけでなく、どのように評価されたかも記述。)
(かつ、各社のCSRリポートがあるURLにも、リンクしている。)

と、いうわけで、
2007年度の各社のCSRリポートで比較する限り
チョコレートに関しては
明治が、もっとも上だった、ということになる。

どのように評価したかは、以下に詳細がある。

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000.html

(要するに、まず、CSRリポート等があるか?
 次に、第三者機関の監査が、どれだけ入っているか、を見ている)

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なお、当法人は、どの企業からも一切の献金を受けておらず、
政治・宗教的にも中立である。

さらに、こうした評価を行った当法人のスタッフには
事前に履歴書を提出してもらっている。
その人が、評価を担当する企業と利害関係にない、ことが重要だからだ。
(過去および現在、その企業に在籍している人などには、作業をさせない、等。)


以上だ。

これが、2006年から、試行錯誤を繰り返しながら行ってきたプロジェクト、
その全貌である。





「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html





追伸:
なお、この評価システムには、もちろん、欠点があり(改善の余地があり)
それについては、また後日、詳述する。


CSRランキング制度は、進化していく。

しかもそれは、まだ  始まったばかりだ。