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(最初に、言い訳。
 今回の話は、カメラに興味がないと、意味不明です。あしからず。)

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私は、コンパクト・デジタル・カメラでは、いい写真が撮れない。
一眼レフでないと、ダメだ。

そう思いこんでいた。

しかし、
これではいけないと思い、
コンパクト・デジタル・カメラ(以下、コンデジ)で、
いい写真を撮る練習をすることにした。

理由は、

1.一眼レフは、重くてでかいので、普段持ち歩けない。
  ちょっと撮りたい時に、すぐ撮れない。

2.私は写真家として活動する時間よりも、
  医業や講演活動その他で、全国を巡業する時間などが多いが、
  その時に、でかい一眼レフなど、持っていない時に
  素晴らしい風景に出会うことがある。

3.コンパクトデジタルカメラだと、シャッター音が鳴らないため
  中東などの紛争地帯に行って撮影する時に、より安全。

と、いうわけで、ともかく、常に
1台の、コンデジを持ち歩くことにした。

が、
それには、何かを買わねばならない。
買うには、「選ぶ」必要がある。

どうやって選ぶかというと
コンデジの欠点が少ないものを選ぶことになる。

で、以下、
コンデジの欠点を、列挙しておく。


コンデジの欠点 8個 (私だけの思い込みも有り)

1.
いい写真を撮るために必要なのは、
道具のカメラの「性能うんぬん」ではなく、
「いい写真を撮ってやろう」
という精神的な気構えと、その後の集中力なのである。

一眼レフは、でかく重いために
これを両手にしっかり持った以上は
いわゆる「戦闘態勢」になり、
「撮る気になる」のである。

これが、実はもっとも重要なことだ。
この「撮る気」にさせてくれる『立派な』コンデジには
なかなかお目にかかれない。


2.
写真を撮るには、三つの要素がある。
それらは、構図、露出、ピント、である。

この中で、最も重要なのは、構図、である。
この構図を決定するのが
一眼レフの場合、ファインダー、なのだ。

ファインダーとは、写真を撮るために覗き込む
あの、穴、のことである。

ここを覗き込むと、撮影したい構図だけが
日常の世界から「切り取られ」、
自分の世界を「創造する」ことができるのだ。

(撮影しようとする部分だけが見えて、
 それ以外の、まわりの部分は、黒くなって見えない。
 このことが、切り取られたように、感じられる。)

つまり、ファインダーを除いて
「創造したい『自分の世界』だけが見えること」が
何よりも重要な要素なのである。

しかるに
コンデジでは、裏面にある液晶を見て構図を決めるため
周りにある、その他の風景も見えてしまう。

少なくとも、その周りは、まっ黒ではない。

このために、
芸術家(?)モードに入っていくことができず
撮る気にならない・・のである。


3.
シャッターの音も、ひとつのポイントだ。

一眼レフの最上級機を使ったことがある人なら
わかると思うが、
ニコンやキヤノンの
「フラッグ・シップ・モデル」(最上級機)で
シャッターを押すと、ものすごく「いい音」がする
のである。

これが、快感なのだ。

今、まさに、自分の世界を「切り取った」という
証(あかし)となるのが、このシャッター音!


あるエッセイに書いてあったのだが、
写真家とは、
このシャッター音に興奮し、陶酔する「変態」
なのだそうだ。

ある意味、それは正しいと思う。


それはともかく、
最上級機でなくても、
一眼レフであれば、それなりにいい音がするので
撮る気になる、のである。

が、コンデジでは、音は鳴らず、
コンピューターが偽造した、
偽物の、シャッター音を
聞かされる、ことになる。

これが、ものすごく興ざめしてしまうのである。


4.
さらに興ざめするのが、
タイムラグ、である。

一眼レフは、
シャッターをきれば、それと同時に、
画像が撮影される。

コンデジは、シャッターを押してから
0.5秒から、下手をすると1秒後に
シャッターが切れる。

この、タイムラグが、ものすごく、いやな感じ、なのだ。

撮影をする楽しさ、とは、
シャッターを切った「瞬間」に
フィルム(デジカメの場合、CCDか、CMOS)に
画像が焼きつけられ、
自分の世界が創造されるところにある。

押してから、しばらくたたないと
自分の世界が創造されないのは
ものすごーーく、興ざめ、なのであーる。(涙)

これが、撮る気にならない、最大の原因かもしれない。


5.
あと、撮影をする時に、
一眼レフであれば、RAWという画質で撮影できる。

これは、データが圧縮されていないため
最も画質がよい。
圧縮されていないデータは、後日、
色や明るさ、トーンカーブなどを調整しても
画質があまり劣化しないので
プリントや出版の時に調整しやすいため、
プロのほとんどの人は、このRAWモードで
撮影するのである。

もちろん、私も、そうしている。

コンデジは、普通、JPG(JPEG)でしか
撮影することができない。

JPGは、データが圧縮されているため
画質が悪い。
また、圧縮された画像を加工すると
ものすごく画質が劣化するため、
プリントや印刷媒体には、ほとんど使えない。
(大きさにもよるが。)

これが、実用上、コンデジが
仕事では使えない、最大の理由である。

(ただし、コンデジでも、
 ニコンやキヤノンの上位機種であれば
 RAWで撮影できるモードが付いている。)


6.
あと、一般に、

コンデジは、軽い。
軽すぎて、手ぶれ、し易い。

また、持ち方も、これに関係する。

一眼レフの場合、両手で持つ以外に
ファインダーを覗き込むために、
目のまわりに、ファインダーを押しつけることにより、
両手と合わせて、3点で、カメラを固定している。

(しかも、両肘を、ぎゅっと締めた感じでカメラを持つはずだ)

コンデジの場合、両手で、カメラの2点を持っており、
かつ、脇を開いた状態で、裏の液晶を見ながらの撮影のため、
ぐらぐら揺れやすい。

これでは、手ぶれするのは、当たり前だ。

(手ぶれ補正機能など、基本的に、まったく信用していない)


7.
いい写真を撮影するためには、
「明るい、大口径のレンズ」が必要である。

カメラのことを知らない人に、わかりやすく言うと、
F2.8とか、F4とか、F5.6とか、書いてある数字が
小さいほど、いいレンズ、なのである。
明るいレンズ、なのである。

最低でも、F2.8より明るいレンズでないと
いい写真は撮れない。

この理由は、二つある。

明るいレンズのほうが、正確にピントを合わせられる
確立が高くなる。

もう一つは、
明るいレンズで、かつ、絞り解放で撮影した場合、
(F2.8のレンズで、F2.8のままで撮影した場合)
背景が、ぼけるのである。

背景をぼかすと、ぴんとを合わせた被写体だけが、くっきり写り、
浮き上がって見えるため、
なんとなく、雰囲気のある、
なんとなく、芸術的な写真に、見えてしまうのである。

ちなみに、この技術は、女性ポートレートを撮るときの
基本、となっている。

で、
一眼レフであれば、F1.2という
ものすごい明るいレンズまであるのに、
コンデジでは、F4.0とか、よくても、F2.8が
いいところ、である。
このため、雰囲気のある、芸術的な写真は、撮りにくい。


8.
最後に、

コンデジは、
ピントを合わせる能力が、低いことも、ネックになっている。
ちょっと暗いところだと
ほとんどピントが合わなくなる。

一眼レフの上位機種であれば
相当暗くても、画面の真中付近であればピントを合わせてくれるのだが。


また、
コンデジは、ピントが合うまでの時間が遅い、ことも
いらいらさせられる。

シャッターボタンを半押ししたら、すぐに
ピントを合わせてもらいたい。

で、
すぐに、構図を、左右に移動させて、
自分の好きな構図で、切り取る・・

と、思っても、
今度は、すぐ、シャッターが切れない・・
ということで

いらいら、いらいら、いらいら


・・・
・・・

で、こうした欠点の全てを克服できるコンデジは
現在、どこにも存在しない。

しかし、欠点が少ないコンデジは、
いくつか存在する。



結論を話すと、
RICOH GR Digital II
という機種を買ってみた。

http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital2/

この機種は、上記の欠点の約半分を
クリアーしている点で優秀な機種だ。

ピントを合わせる速度が速く、
小さいのに比較的重く、このため、手ぶれが少ない。

F2.4と、コンデジでは最高クラスの明るいレンズであり、
このため、背景をぼかすことができ、
かつ
なんといっても、RAWで撮影できる。

このため、
プロでも、使っている人が多い。

さらに
リコーのGRレンズは、
写りが、ものすごくいい
という『神話』があり、
このため
(それが、本当がウソかは、ともかくとして)
「撮る気にさせてくれる」
のである。


さあ、
今日から、このコンデジを片手に
ちょっとずつ、撮影をしてみようと思う。

(一眼レフでなくても、いい写真が撮れるように。)



あ、そうそう。

一眼レフよりも、コンデジの方が得意なことが
一つだけ、ある。

それは、接写能力である。マクロ撮影ともいう。


小さいものに、接近して撮影できる能力は
なぜか、コンデジのほうが、高いのだ。

と、いうわけで、最初に撮ったのは、

こいつ!

キリギリス01