.
初めてこのブログを読む方は、まず
国際協力の歴史(国際機関編)から、どうぞ。

「国際協力の歴史(国際機関編)その1」
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65094484.html

「国際協力の歴史(国際機関編)その2」
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65095358.html

.
以下、NGOの歴史と、日本でのその発展の話。

.........

時は、19世紀にまで遡る(さかのぼる)。

.
1859年ごろに
フランスとオーストリアとの戦争であった
「ソルフェリーノの戦い」において
スイス人の「アンリー・デュナン」(1828-1910)という人が、
「戦争で傷ついた人々は
 敵味方にかかわらず助けよう!」
という活動を始めた。

これが、「赤十字」という
世界で最も有名なNGOの
もとになった。

(赤十字の詳細は、以下を参照)
http://www.ets-org.jp/hosoku/sekaitokoi_008_03.html

その後、
人権関係のNGO,
労働条件に関するNGO、
などが、多数、世界で創設され、
現在、世界では、
2万前後の国際大型NGOがある
と言われている。

NGOは、民間人が作った、非政府組織であるため
基本的にどこにも(どこの国の省庁にも)登録されていない。

このため
活動内容も、予算の規模も、
そもそも、住所すら分からず、
その存在自体を確認できないこともある。

このような状況のため
(世界では)NGOは
二つのグループに分けられている。

一つは、
国連憲章における協議資格を持つNGO

これは、
国際連合・経済社会理事会(ECOSOC)
United Nations Economic and Social Council
http://www.un.org/ecosoc/
の中の
「非政府組織(NGO)委員会」
http://www.un.org/esa/coordination/ngo/
に議席をもち
国際的な発言力を持つ大型国際NGO。
(現在、3187団体がこれに登録されている。)

もう一つは
上記の国連における協議資格も議席ももたないNGOで
これは
基本的に、どこにも(各国の政府等にも)登録されていないため
学生数人で活動しているサークルレベルのものや
主婦が数人で形成した小さい市民活動なども含まれるため
存在の確認のしようがなく、
その数は、世界で、少なくとも
数百万と言われている。

・・・

一方、日本での民間による国際協力の歴史は
1938年に
日中戦争で日本軍の侵攻で傷ついた
戦争被災者を救おうと
医師や看護師が中国に派遣されたのが
始まり、と言われている。
(キリスト教系の人々だった)

また
1950年代の、高度成長期の時期に、
(その時代背景に呼応して)
公害に対する環境問題系の市民活動と、
労働条件に関する市民活動などが
始まった。


国際協力を行うNGOについては
(日本では)
1979年に始まった
インドシナ難民の大量流出問題が契機となり
その救出を目的とする
NGOたちが、複数、作られた。
これが最初と言われている。

(注: インドシナ難民問題とは、
 東南アジアの、カンボジア、ベトナム、ラオスなどが
 社会主義国家になった時に、その体制にあわない人や
 迫害された人々が、ボートピープル、などと呼ばれ
 国外に流出した問題。日本にも、多数やってきた。)


1980年代に、大きな動きがあり、
この10年で、
50団体程度だったNGOの数が
200団体以上に、飛躍的に増加した。

その一つの理由は
欧米の大型国際NGOたちが
この時期に
日本に日本支部を創設し
募金・寄付金を集める、
という活動が広がったため。

マスコミたちも
この1980年代に、
NGOという単語を
ニュースの中に頻出させるようになる。

これらの相乗効果で
日本国内に、日本産のNGOたちも
多数、創設されていった。


こうした状況の中、
日本国内における
NGOたちのネットワークを形成しようという
動きが始まった。

NGOのためのNGO、
NGOのために活動するNGO、のことを
ネットワークNGO、と呼ぶ。

この「ネットワークNGO」としてもっとも有名なのが
JANIC(NPO法人・国際協力NGOセンター)
である。
http://www.janic.org/

以後、このJANICが
NGOたちの総元締めとして機能し、
この団体に登録されている組織が
正規のNGOである、という風潮があった
時期があった。

現在、350前後の団体が
このJANICに登録されているNGO
となっている。


が、
以後、国際協力や市民活動を行う団体は
一気に急増し、
少なくとも数十万の団体が日本で乱立しており
もはや、JANICが
到底、把握できない状況に
陥ってしまっている。

(このため、現在では、
 JANICは、日本のNGOの総元締め
 とは言えなくなってしまった・・と、思う)


1998年になると
日本において
特定非営利活動促進法が成立し
いわゆる、NPO法人・
特定非営利活動法人という
法人格が創設される。
http://www.npo-homepage.go.jp/

現在、約3万5千の団体が、
都道府県かまたは内閣府からの
認証を受けている。

すなわち、
日本に少なくとも、数十万ある(と言われている)
NGO団体・市民団体のうち
その1割未満である、3万5千の団体が、NPO法人格を取得し、
その存在や住所を確認できる、
という状況になっている。

このため、
活動内容や予算の規模どころか、
住所を含めた「存在」の確認できない団体も、無数にあり、
また、そうした団体のほうが、数としては圧倒的に多い。

そうした団体たちが
どのような組織で、どのような活動を行っているかは
全く把握できない。


この背景にあるのが
1990年前後から
いわゆるフリーター(フリー・アルバイター)
と呼ばれる若者が増え、
これに伴い
派遣会社・派遣社員というものが
社会に増えていった。

こうした人々は、
「自分探しの旅に出たい」
「いきがいをみつけたい」
「ボランティアというものをやってみたい」
「世界でたった一つの花になりたい」
などとして
軽い気持ちで、なんとなく国際協力を始まる人が
増えていった。

このため、
良くも悪くも、国際協力やボランティアを行う人は
増えていく傾向にあり
また、軽い気持ちでの安易な国際協力が
増えていくこととなった。

こうした、
ちょっと国際協力を行う人々のことを
「ちょいボラ」
(ちょっとだけ、ボランティア)
と呼び、以前から長期的に活動している人々から
批判を受ける場合もある。


国際協力は、実際は、
開発学などの講義を受け、かつそれを実際の現場で研修し、
きちんとした方法論を
(知識・経験ともに)身につけてから行うべきもので
事前にそうした準備をしていない人が
活動を始めた場合、
活動の中で、様々な問題をおこすことがあり
援助をして、「助けてあげる」つもりが
かえって「現地の迷惑」になることもある。

(国際協力は、基本的に、
 自分の行ったことのない途上国にいくため、
 そこには、
 全く違う宗教・文化・気候・風土がある。
 このため、
 その人の予想できない、問題がおこることがあり
 援助をすることが、かえって迷惑になることも、十分ありうる)


こうしたNGOたちの活動に対して
ネットワークNGOたち(JANICなど)が
NGO向けに様々な
(プロジェクトのやり方などに関する)講習を
随時行うようになった。

また、JANICは、
NGOとJICA(政府系の国際協力機構)間の
連携事業も始め、
政府機関とNGOが情報交換や共同事業を行い、
よりよい国際協力を行う体制を
近年、整えつつある。


しなしながら、NPO法人格をもたず、
JANICにも登録されていないNGOのほうが
数としては圧倒的に多いため、
今後、そうしたNGOたちが、安易な活動をして起こしてしまう問題たちを
どのように予防していくかが、現在最大の問題の一つ、になっている。