.
山本  「準備は、いいか?」

オトモ 「いいニャ」

山本  「今回、弱らせてから捕(つか)まえるのは、ピンク色のゴリラだ」

オトモ 「了解だニャ」

山本  「俺が、しびれ生肉、を使って麻痺させるから、その隙に・・」

オトモ 「ゴリラを殴りまくるニャ。まかせるニャ」

山本  「ピンクのゴリラは、時々、屁(へ)をするから気をつけろ」

オトモ 「知ってるニャ」

山本  「おっけー?」

オトモ 「おっけーニャ」

山本  「いくぞっ!」

オトモ 「ニャ」


青い海と白い砂。そして、晴れ渡った空。

砂浜の海岸が広がる、美しい風景の中、
ピンク色の群れをひきつれて歩いている
堂々とした猿の勇姿がある。

ひときわ大きな体躯(たいく)を持ち、
群れのボスであることを印象づける。

私は今から、このゴリラのボスを、狩らねばならない。

ある高貴な女性が、このゴリラから
「屁をひっかけられたざんス」
といって激しく怒り、
私に、このゴリラの狩猟を依頼してきたのだ。

報酬が高額だったため、
お金に目がくらんだ私は、この依頼を受けることにした。

最近、
オトモの「猫」の食費代を支払うのにも
困窮していたため、
この依頼は、渡りに船、であった。


山本  「さっそく落とし穴を、しかけるぞ」

オトモ 「いそぐニャ」

山本  「そう、せくなよ。あわてる乞食は・・」

オトモ 「あ、ピンクが気づいたニャ」

山本  「まずい、こっちに来る!」


ド、ドガッツ!!


ピンクの巨体は、意外にも動きが速く
私と、オトモを、宙(ちゅう)にはじき飛ばす。

「ぐっ」

「ニャッ」


しかし、
私がしかけた落とし穴は、
間一髪、その設置に間に合ったようで
気がつくと
ゴリラは、落とし穴に落ちていた。

なんと、
間抜けなゴリラは、
頭から突っ込んで、落とし穴にはまっており、
お尻まる出しのまま
両足をジタバタさせている。


山本  「やった!」

オトモ 「やったニャ」

山本  「今だっ いくぞっ!」

オトモ 「あ・・ ニャ」



勢いこんで、ゴリラの尻に切りつけようと
飛びかかった私の目の前が
強力な、黄色のガスでいっぱいになり、
さらに、
そのガスの噴出する勢いによって、私は再び、
空中に飛ばされる。


ピンクのゴリラの「屁(へ)」だった。


事前情報で知っていたはずだったのに
結局、くらってしまった。(涙)

体力の半分以上を、タックルと屁の攻撃で失い、
瀕死になった私は、
頭の上に、黄色い星がまわっており、
めまいのため、動きがとれない。


絶体絶命。


うっ
ご、ゴリラが、こっちを向いた(冷や汗)。
次の攻撃をするため、
両手を振りまわしながら
ピンク色が、こっちに突っ込んでくる。


や、やられる。

(狩りにきたはずなのに、逆に、ゴリラに狩られる(涙))


私は目をつぶり、観念と慙愧(ざんき)の念を噛みしめる。


と、その時、
ゴリラは動きをとめ、体中を、小さく痙攣(けいれん)しだした。

見ると、地面に、なにか、罠のようなものが設置されている。


山本  「こ、これは・・」

オトモ 「しびれ罠だニャ」

山本  「おお、ありがとーーー」

オトモ 「さっさと、回復するニャ」


ぴーひゅるるるー


なんと、オトモは、回復笛、という不思議な笛を奏で(かなで)
私の体力を、大きく回復させてくれた。


そうこうするうちに、ピンクのゴリラは
オトモがしかけてくれた、しびれ罠から、脱出する。


山本  「くっ、速いな」

オトモ 「こんどは、へましないようにニャ」

山本  「わかってる。いくぞっ!」

オトモ 「・・ご主人は懲(こ)りない人だニャ」




・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・


さあて、皆さん。
モンスター・ハンター、というゲームを知っているか?

略して「モンハン」という。
プレイステーションなどの様々な家庭用ゲーム機で
発売されてきたが、
現在、もっとも売上を伸ばしているのは、
携帯ゲーム機である、
PSP(プレイ・ステーション・ポータブル)向けに発売された
モンスター・ハンター・ポータブル・セカンド・G
(略して、MHP2ndG)
である。

このソフト、なんと、300万本以上、
売れたらしい。

これほどの(売り上げの)数字をたたきだすのは、
ドラゴンクエストか、ポケットモンスターぐらいだと思う。

つまり、そうしたビッグタイトルに匹敵する
怪物ソフトが、新たに出現したことになる。

このゲームソフトが発売開始されたのは、
一昨年から昨年(2007年から2008年)にかけての
ことだったのだが、
おくればせながら、私も、やってみることにした。


で、
話は、ちょっと、変わるが、
私は、運動神経が、まったくない。

このため、
スーパーマリオなどのアクションゲームは
大の苦手である。

よって、運動神経がなくてもプレイできる
ドラゴンクエストなどのRPG(ロールプレイングゲーム)や
「選択肢のある小説」を読み進めていくような
アドベンチャーゲームなどを好む。


が、
モンスターハンターは、
アクションRPG,という分野に属するゲームで
アクションが必要なタイプのゲームなのだ。

だから、
私は、自分には、できない、向いていない、と思い、
プレイするのをあきらめていた。


しかし・・

モンスターハンターの最新版には
(今までと異なり)
オトモの「猫」が登場するという。

モンスターを狩るために
猫が、手伝ってくれる、というのだ。

しかも、その猫を
自分好みに、育成していくこともできると言う。

(育成型のゲームは、市長となって町を運営する
 「シム・シティー」の時代から始まって
 私の最も好きなジャンルのゲームなのだ・・)



うっ


私の心の中で、
なにかが、動いてしまった。


気が付けば、私は、
家電量販店で、ソフトを手にし、
レジの前に並んでいた。

気が付けば、私は、
通勤に使う電車の中で、
座っても立っても
PSPを握りしめるようになってしまった。

気が付けば、私は
今日も
ピンクの猿に、オナラで吹き飛ばされ、
屈強なドラゴンを倒して、その皮を剥いで売る生活。


そして

気が付けば、私の隣りには、
いつも、オトモの猫がいて

狩りに行く前に、ご飯を作ってくれて、
トレジャー(お宝)を捜して船をこぎ、
変な形のハンマー(?)をもって、私と冒険にいく。



ああ

今日も、通勤の電車に乗ると
オトモが私に話しかけてくる(幻の)声が聞こえる。


    「ご主人、ひと狩り、行こうニャ」


ふと、気配がして、まわりを見回すと
私以外にも、けっこうな数の会社員風の大人たちが、
携帯ゲーム機をもって、夢中になって何かをプレイしているではないか。


山本  「ああ、みんな、プレイしてるんだな・・」

オトモ 「ご主人、あぶないニャ! ピンク、ニャ」

山本  「えっ」


ド、ドガッツ!!


かくして私は、今日も、ピンクのゴリラに吹っ飛ばされ
宙を舞う・・



電子の世界にできた、箱庭の王国で、虚空を舞う・・

のだニャ





あるハンターの出来事
http://www.youtube.com/watch?v=Sj2Jnbe_ygo

MHP2ndG 店頭PV
http://www.youtube.com/watch?v=kP7CwB5EMs4

ハンター苦悩の日々
http://www.youtube.com/watch?v=jdueVVs05rk