.
美咲 「あの、何か、したいんです。」

山本 「は?」

美咲 「私に、できることって、ないですか?
    世の中の、役に立つような・・」

山本 「・・一応、それなりに、いろいろあると思うよ。
    学生だったら、とりあえず、国際協力師をめざしてみたら?」

美咲 「国際協力師?」

山本 「プロとして、生活に十分な給料をもらいながら、
    国際協力をやっている人たちのこと。
    具体的には、国連職員とか、JICA専門家とか、いろいろ。

    ま、興味があったら、俺の本を読んでみてよ。
    立ち読みでもいいので。

 参考1: 「国際協力師になるために」白水社
 参考2: 「世界と恋するおしごと」 小学館
http://www.ets-org.jp/pub.html


美咲 「あ、あの、でも私、すぐ、何かしたいんです!
    学生の私でも、すぐできるこって、ないですか?」

山本 「それなら・・、結論からいうと「買い物」だよ。

美咲 「買い物?」

山本 「まあ、簡単にいうと、環境に配慮し、社会に貢献しようとしている
    企業の商品を、優先的に買うことだ。」

美咲 「・・・?」

山本 「そんなことで世界が良くなるか?、と思うかもしれないけど
    もしも、
    もしも、だけど、
    あなただけじゃなく、みんながそういう風に考えて、
    環境に配慮している企業の商品だけを買う、と決めたなら、
    やがて世の中に、
    そういう企業だけが残っていくことになる・・かもしれない。」

美咲 「・・」

山本 「そうじゃない企業は、淘汰(とうた)される。
    消えてなくなっていくんだ。
    だって、誰も環境に悪い商品を買わなくなるんだから。」

美咲 「そ、そうかもしれませんが・・」

山本 「もうちょっと説明すると、
    現在、世界中にある、国(国家)の持っている年間予算と、
    企業がもっているそれを、一列にならべて
    1位から100位まで、順番をつけた場合、
    なんと!
    上位100位までのうちの
    53が、企業で占められてしまうんだ。

    半分以上が、企業なんだ。国じゃない。

    つまり、
    現代社会というのは、
    国家よりも、企業のほうが、より多くの金を持っている。
    はっきり言えば、
    世界や社会を動かす力は、
    現在、国よりも、企業のほうが強い時代になってしまったんだ。」

美咲 「・・はぁ」

山本 「と、言うわけで
    一応、うちの団体、NPO法人・宇宙船地球号としては
    そんな、強大になってしまった企業たちの中で
    環境に配慮し、社会に貢献しようとしている企業は
    どのくらいあるのか?
    それは、どの企業か?
    どの程度、がんばっているのか?
    自社のイメージアップのためではなく、本気でやっている企業はどれか?
    を
    調査する活動を続けてきた。

    企業が、
    利益の追求だけではなく、
    環境に配慮し、社会の倫理を守ろうと努力して
    経営を行っていくことを
    「企業の社会的責任」
    英語で、Corporate Social Responsibility (CSR)
    と言うんだけど、

    それをまとめて公開したサイトが、うちの団体で作った
    「CSRランキング」だ。

    現在、パソコン版と、携帯版の
    両方を公開している。」


 参考3: CSRランキング(2008年度)パソコン版
      http://www.ets-org.jp/csr/

 参考4: CSRランキング(2009年度)携帯電話版
      http://www.ets-org.jp/csr/m/

 携帯サイトの、QRコード

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山本 「うちの団体は、どんな企業からも1円も献金を受けていない。
    だから、完全に中立、公正な立場で、各企業の評価をしている。

美咲 「わたしの携帯でも、見られるんですか?」

山本 「誰でも、見られるよ。一般に公開している。」

美咲 「じゃ、今度、見てみます。」

山本 「こう改善したらいい、と思ったら、それを教えてね。」

美咲 「・・と、ところで、
    こんなことが、本当に世界の役に立つんでしょうか?」

山本 「一応、非常に、間接的にだけど、
    役に立つと思うよ。

    具体的には
    環境問題の悪化によって、世界でいくつかの問題がおきている。

    例えば、戦争が起きているケースがある。

    中東のアフガニスタンでは、
    地球温暖化による気候変動のため、と言われているんだけど、
    降水量が減っている。

    雨が少なくなると、川の水が減るので、
    それを自分の畑にひいて、麦などを作っている農家
    と
    川の水をヤギや羊に与えて、遊牧をしている民族
    が
    水の奪いあいの、ケンカをするようになる。

    要するに、中東やアフリカで怒っている内戦の悪化・長期化の
    誘因の一つが、地球温暖化から来る水不足だ、という側面がある。」

美咲 「うーん・・」

山本 「もっと、直接的なものとしては、
    地球温暖化による海面上昇によって、
    沈んでしまう、と言われているツバルのような国もあるし。」

美咲 「それは、テレビで見ました・・」

山本 「まあ、あまりピンとこないかもしれないけど
    消費者として、今からできることっていうのは、
    そんな感じのことに、なると思うよ。」

美咲 「と、途上国の人と、もっと、こう、直接かかわりたいんですけど」

山本 「で、あれば
    まずは、インターネットの検索エンジン(グーグルなど)で
    スタディーツアー、や、ワークキャンプ、という単語を
    検索してみるといい。

    それらは、途上国へいく観光旅行で、かつ、現地で
    貧しい学校や病院、孤児院などを訪問するツアーだ。

    ちょっとしたボランティアが含まれることも多い。」

美咲 「あ、あたし、そっちのほうに、興味があります!」

山本 「ただね、そうしたものは、
    言い方は、悪いかもしれないが、
    一時的な、興味本位の、・・行ってみれば、気まぐれ、で
    終わってしまう場合が多い。

    最終的に、プロの国際協力師を目指す、
    その過程としてなら、いいんだけど、
    そうでない場合、単に、
    旅行しました。ちょっと面白かったです。
    いい経験になりましたー・・(おしまい)
    に、なってしまい、
    世界のためには、何にもならない、可能性が高い。」

美咲 「・・」

山本 「まあ、その、
    世の中をよくしようと思ったら、
    毎日毎日、地道に何かを「続ける」ことが大事、
    なんだと思う。

    なにか、おもしろそうな、派手なことを、一発やっただけで、
    それで世の中がよくなることは、絶対にない。

    で、毎日、あなたが、確実に、
    いやでもやること、間違いなくやること、それは何か、
    というと・・」

美咲 「買い物!」

山本 「そういうことだ。」

    他にも、電気の節約、水の節約、ゴミを減らす、などの
    あったりまえの、環境問題対策も大切だけど
    それ以上に重要なのが、やっぱり、「買い物」だと思う。

    理由は、
    国(国家)に対しては、私たちは選挙をして税金を払っている。
    でも、
    国より強大になってしまった企業に対しては
    私たちは、なにもできない。
    買う、という行動しか、できない。

    だから私たちは、
    よりよい社会を作るために、よい企業を未来に残すために、
    「投票」するつもりで、
    買い物をしなければならない、と思う。」

美咲 「ど、どうして、企業は、国よりも強くなっちゃったんですか?」

山本 「ひとつの理由は、グローバリゼーションのためだ。
    たとえば、
    企業は、以下のように、国や地方自治体を脅迫することができる。

    この国(この市町村)、税金、高いよ。
    もっと安くしないと、税金の安い他の国に移転しちゃうよ。
    いいの? 
    (うちの企業が毎年支払ってる、莫大な税金が入らなくなるよ)
    外国なら、人件費も、安くすむし、
    うちとしては、移転したほうがいいんだけど。
    日本の法人税は、中南米の某国と比べると、数十倍以上だよ。

    すると、国や地方自治体は、

    わ、わかりました。安くします。
    (または、安くはできないけど、いろいろ便宜を計らいます。)

    と、いうことになるんだ。
    あと、
    日本の経団連は、非常に強くて、
    日本政府が、EU(ヨーロッパ連合)のように
    企業のCO2等の排出量の上限を決める法律を作ろうとしても
    反対して、それを作れない状況にしてしまっている。

    CO2の排出量の上限なんかを法律で作られたら
    企業は、ヒット商品の大量生産を行うことができなくなるからね。

    ともかく、
    日本では、事実上、政府は大企業たちの言いなりになっているのが
    現状だ。

    ま、しょうがない側面が強いんだけど。」

美咲 「じゃ、わたしたちは、どうすればいいんですか?」

山本 「すっきりした、簡明な解決方法は、ない。
    世界には、いろいろ人がいて、いろいろな考え方がある。
    お金を稼ぐことも、ある意味、重要な側面の一つだし、
    そもそも、資本主義社会なんだから、それに反対しても
    しょうがない。

    こういった、様々な制約の中で、
    一人一人、なにができるか、ということを
    考えないといけない。

    様々な人の意見をきき、極端な意見に走らず、
    中庸で、かつ、現実的な路線を考える。

    そうした葛藤(かっとう)の中で生み出してきたのが
    うちの団体の、CSRランキングと
    それを参考にして消費者が、買い物をするシステムだ。

    ただ、誤解のないように、補足しておくと
    うちの団体がつけた、各企業のCSRランキングに基づいて
    消費者に買い物をしてもらうことが、本当の目的では、ない。

    ひとりひとりの方に、

    宇宙船地球号は、こんな評価をしているけれど、
    ほんとうは、どうなのかしら?
    あたし、自分で、この企業の活動を、ちょっと調べてみたいわ、

    と思ってもらい、
    自分自身で、各企業のCSRリポートを読んで
    評価できるまでの「賢い消費者」に育っていってもらいたい、
    のが、本当の目的だ。

    が、CSRの概念の中には、難しい単語も多く
    一般の人が、すぐ理解できるわけではないので
    しょうがないので、
    うちの団体で、まずランキングをつけ、
    かつ、
    その横に、CSRの勉強方法のページもくっつけた、
    という構成になっている。

    ・・と、いうわけで、
    まどろっこして、申し訳ないんだけど、
    とりあえずは、使ってみてほしい。

    その上で、自分なりに、
    (うちの団体が提唱している概念よりも)
    もっと良い、世の中を変える方法を見つけてくれたら
    それでいいと思う。

美咲 「・・・わかりました。まずは、使ってみます。

    コンビニにいって、チョコレートなんかを買う時に
    それぞれの商品を作っている企業が
    どのような社会貢献をしているのか、みてみまーす!」

山本 「よろぴく」