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このブログは、前回の続きですので、
まだ、前回を読んでいない方は、下記から読んで下さい。

善意の井戸で悲劇1、カンボジアのヒ素中毒
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65228868.html


・・・第五幕 水質検査という対策・・・

国谷:
 被害の実態さえも、まだ、
 つかめていない中で、
 増え続けている、この井戸。

 今、井戸水のヒ素汚染という実態を受けまして、
 支援のあり方を、見なおそうという動きが
 始まっています。

(映像; クメール語(カンボジア語)のカラオケ)

女: あなたが掘った 井戸の水
   透明できれい 私はうれしいわ

男: でも僕はね 不安なんだよ
   ヒ素が入っているんじゃないかと

ナレーター:
 これは、ヒ素の入った井戸水を飲まないよう
 住民を教育するためのカラオケです。

 カンボジアで活動するアメリカのNGO,
 RDIが制作しました。


参考: RDI ( Resource Development International )
http://www.rdic.org/waterstart.htm


 このNGOも、
 かつては井戸堀りを支援していました。

 今は、井戸に頼らずに、安全な水を供給する方法を
 模索しています。

 まず、開発したのが、
 川の水や、雨水を濾過(ろか)する、
 素焼きの鉢(はち)です。

 化学の博士号を持つ、代表の
 ミッキー・サンプソンさんが、
 専門知識を生かして、
 素材の配合などを、考えました。

RDI代表・ミッキー・サンプソンさん:
 これは、簡単な、素焼きのフィルターで、
 穴の大きさが、0.2から0.3ミクロン
 しかありません。

 バクテリアや寄生虫が、
 通り抜けることは、できません。

ナレーター:
 使い方が簡単なため、
 井戸水がヒ素に汚染された多くの村で、
 使われるようになりました。

 このNGOは、
 企業や個人から集めた寄付金、
 年間およそ3千万円を、
 カンボジアでの活動にあてています。

 水質検査を専門に行う研究所も運営しています。

 予算も人材も限られている、
 カンボジア政府に代わって
 各地から持ち込まれる井戸水の検査を
 うけおっています。

 この日も、日本のNGOが、井戸水を
 持ち込んできました。

 井戸掘り体験ツアーを主催していた
 NGOです。

 ヒ素汚染の実態が、明らかになったことを受け、
 この春から、自分たちが掘った、すべての
 井戸を検査することにしたのです。


NGOスタッフ・山浦昌浩さん:
http://maketheheaven.com/member/cambodia.html


山浦:
 こちらは専門的に、水に関して、本当に専門的にやられてるんで、
 まず、そこに預けて、あの、あのー、見てもらうことが、ほんとに、
 ぼくらてきには、本当に安心できる・・ことなんで、
 あずけさしてもらってます。はい。

ナレーター:
 RDIは、
 危険な井戸をなくすため、すべてのNGOが、水質検査をするよう
 呼びかけています。

 さらにこの夏、あらたな試みが始まりました。
 カンボジアの農村では、まだほとんど普及していない、
 水道の敷設(ふせつ)に乗り出したのです。

 ヒ素中毒患者がでている村で、
 地元の事業家と協力し、
 川の水を浄化する施設を作りました。

 すでに一部の地域で、
 水道の利用が始まっています。

カンボジアの男:
 水道の水が使えるようになって、
 ほっとしています。
 健康面で、安心できますからねぇ。

ナレーター:
 水道は、将来、地元の住民によって
 運営されることになっています。

 住民が料金を支払い、
 村全体で、水道を維持していく仕組みです。

RDI代表・ミッキー・サンプソンさん:
 井戸を、ただであげることは、簡単です。
 でも、住民が、ある程度の費用を支払えば、
 彼らは、水道を、大切に使うようになります。

 支援する側としては、
 彼らに、そうした力を与えることが
 大事なのです。



・・・第六幕 スタジオ、山本のコメント・・・

国谷: 
ええ、今夜は、国際貢献の経験が、非常に豊富で、
現在は、国際協力の人材の育成に取り組んでいらっしゃいます、
NPO法人代表で、医師の山本敏晴さんに
お越しいただきました。

山本:
 よろしくお願いします。どうも。

国谷:
 今のRDIですけどもー、
 カンボジア政府ができないことを
 政府に代わって
 包括的に行っている、かなり頼もしい存在だと思いますけども
 どのようにご覧になられましたか?

山本:
 えっと、(まず一般的なことから申しますと)
 その、やっぱり、
 国際協力団体っていうのはですね、
 自分(の団体)だけでやっておりますと、
 (予想できない)間違いをしてしまったり、
 ミスをしてしまうことが、(時々)あるんですよ。

 で、このために、
 (外部から)第三者機関の監査を入れることが
 一番重要だ、と言われています。

 他のNGOであったり、
 政府系の団体の監査を入れることで、
 より良い国際協力ができる(ようになる)んじゃないでしょうか。

 えーっ、特にこの、井戸の水質検査の場合は、
 病原微生物の検査や、
 屎尿(しにょう)の混入の問題や、
 (数十種類の)有害化学物質の検査など、
 項目がいっぱいありまして、

 NGOの少ない予算では、
 技術的にも、予算的にも、
 全部(の項目)を(自分だけで)まかなうことが、
 できないことが多いですので、

 ま、こういった・・
 それ(その多数の検査)を代わって、代行する団体があるのは、
 非常に有用だと思いますねぇ。

 あと、その、国際協力をやる時に、一番重要になるのが、
 長期的に、長くやること、なんですよ。

 ま、なんでかといいますと、
 その、

 (途上国で、国際協力を行う場合)
 自分が行ったこともない、見ず知らずの国に行きますから、
 宗教的・文化的に(日本と全く違っており)、
 気候や風土が(日本と)全部違う国で、活動しますと、
 自分が予想していなかった予想外の事態が、
 問題が生じてくることが、非常に多いんですよ。

 井戸の問題だけじゃなく、教育や医療をしてもそうなんですけれども、
 そういう問題が生じてきた時に、必ず、
 フォローアップをして、長期的な観察をして、その問題を見つけて、
 早い段階で、それに対応することが重要だと、思ってます。

 えぇー、で、(ところが)
 今回のような、NGOが活動した、ケースでは、ですね、
 NGOは、やがて、その予算が、なくなってしまいますと
 撤退してしまいますから、
 長期的な活動をすることが、非常に難しいことが多いんです。

 よって、最終的には、
 作った井戸が、ずっと続いていくためには、
 村に、コミュニティーを作り、地域の共同体を作って、

 その村(の井戸)の管理を、
 予算的にも、
 水質の管理をするためにも、
 地域住民の健康診断を「定期的に」するためにも、
 ま、
 「村のコミュニティーに」
 管理をやって頂く、と。

 我々国際協力団体は、あくまでもそのサポートに徹して
 主役は、あくまでも地域の住民の方々である、と、
 いう考え方で、国際協力を行うのが、
 最も重要ではないかと、最近、言われるようになりました。

国谷:
 そういった意味で、
 水道の料金を徴収する、というのも
 その一貫につながるんだと思うんですけども、

山本:
 はい

国谷:
 今のRDI代表のサンプソンさんは、
 実は、大学での学業を終えて、
 その、友達に誘われて、ちょっと、
 カンボジアにボランティアに行った。

山本: はい

国谷: 
 そのことで、今の活動に
 つながっているそうですけれども、
 ちょっと・・こう、試してみる、と・・
 いうことからの出発点って、大切なんですねぇー?

山本: (ちょっと首をひねった後)
 そうですね、あのー、
 1990年ぐらいから、
 ちょっとボランティアをやる方、
 通称、「ちょいボラ」と言うんですけども、
 そういう方々が増えてきた・・

 ま、フリーターとかが増えてきた背景があるんですけども・・
 (そうした人が、「自分探し」のために、ちょいボラを行うケースが増えた。)

 ま、批判される場合もあるんですけれどもね(苦笑)、
 ま、最初は、あの・・
 多少問題はあるかもしれませんが、
 ・・それで、いいんじゃないか、と私は思います。

 まず、始めてみることで、しかもそれを、続けることで、

 自分がやってきたことが、
 「良かれ」と思ってやってきたことが、
 いろいろ問題が起きることがある、ということに
 その人が自分で気づく、と。

 (そして、やがて)
 日本にまた戻ってきた時に、
 (間違った国際協力をしないために)
 やっぱりこれは、何か、勉強しなきゃいけない、と(本人が思う)。

 (そして、ひとの役に立つための)専門性を、
 なんか、身に付けなきゃいけない、という(思う)ことで、
 大学や大学院で、
 経済(貧困の改善)とか、教育とか、環境問題、医療の勉強をする、ことで、

 そしてまた、
 その専門性をもって、(カンボジアなどの現地に戻って)
 本当に意味のある、より良い国際協力をする人材に、
 育って行ってくれるんじゃないかな、と私は思います。

国谷:
 あのーぅ、日本のNGOというのも、
 非常に数多く、今や、ありますけれども、
 その中でも、今、世界の中で、
 すごく、持続的に、活動が行えている団体っていうのも、
 組織も、でてきてますよねぇ?

山本:
 そうですね。
 1980年代ごろから、国際的な支援をするNGOが
 日本に増えてきたんですけれども、
 もう、その、
 二十数年以上、続けているNGOが、日本にもたくさんあります。

 国連の「経済社会理事会」の「NGO委員会」の中に、議席を持ち、
 国連で発言力を持つNGOも、日本国内に多数、でてきていますので、
 これから、日本のNGOは、大規模になっていくんじゃないか、
 と思いますねぇ。


参考: 国際協力の歴史(NGO編)
 http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65159811.html


国谷:
 実際にそうやって、国連での、発言権もあるNGOがある一方で、
 これから、自分たちも、ま、貢献したいと、
 そうやって熱意をもっている
 (小さい)NGOも、たくさんあるかと思いますけども、
 育っていくために、どんなサポートが、今、必要だとお考えですか?

山本:
 まあ、いくつか、既に 
 (世の中に、NGOを教育するシステムが)
 あるんですけどもー、
 ひとつは、その、NGOたちに正しい情報を提供するためのNGO,
 通称「ネットワークNGO」というものが、多数日本にございます。

 これはですね、NGOのために、こういう方法論でやると、
 国際協力をより正しくできるよ、というような講習会などを
 定期的にやっていたり、ですね、
 あと、インターネット上で、
 メールマガジンなどの形で、情報を提供している団体も、
 いっぱいあります。

 ま、こういう講習会に、積極的に参加されるのが
 ひとつの道ではないか、と思いますね。


参考: ネットワークNGOの最大手
 JANIC 国際協力NGOセンター(JANIC) - NGOを支援するNGO
 http://www.janic.org/


参考: 政府系の団体も、国際協力をやりたい人のための講習会や情報提供を実施

 パートナー PARTNER - 国際協力キャリア総合情報サイト
 http://partner.jica.go.jp/

 FASID 財団法人 国際開発高等教育機構
 http://www.fasid.or.jp/


国谷: 
 体制整備も、整ってきている、ということですよね?

山本:
 はい、そうです。

国谷:
 ま、実際に、長い間、国際支援にたずさわってこられて、
 この国際支援の、ご自身として、鍵(かぎ)、
 個人としての鍵は、何だという風にお考えですか?

山本: (苦笑)
 ま、その、良かれと思ってやっても、
 どうも、間違いが・・・
 「ありがた迷惑」だったことが、どうも多いので、
 必ず、
 現場に行ってがんばったら、
 次は、日本に帰ってきた時に、
 ああ、こうやればよかったな、という風に勉強をして反省をして・・
 そしてまた、現場に行く。

 この繰り返しをすることが、
 よりよい国際協力をするための最善の道ではないか、と
 個人的には、思っております。

国谷:
 はい。
 どうもありがとうございました。
 山本敏晴さんとともにお伝えして参りました。
 今夜は、この辺で、お別れです。

山本: (礼)




参考: 12人の国際協力をやってみたい人たちと山本との個別のケース別相談
 未来の国際協力師たちへ
 http://www.ets-org.jp/mirai/index.php

・・・

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