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どんドコどんどん、どんどんどん
どんドコどんどん、どんどんどん


いまから 99ねんまえ
ぼくらは こどもだった

ストリートに すみ
みちを あるいた

さむさを しのぐために
ビニールで いえをつくった

せいふのひとが やってきて
いえを こわしてしまった

だから だから
トラックのしたで ねむった

とつぜん あめがふりだした
ぼくらはぬれて こごえた

でも、センターのひとがやってきて
ぼくらをいえに つれてった

よのなか いいひとも いるもんだ


どんドコどんどん、どんどんどん
どんドコどんどん、どんどんどん


・・・

先日、「チョコラ!」という映画をみた。
ケニアの映画だった。

チョコラとは、スワヒリ語で
「拾う」という意味。

路上のゴミを拾い、それを売って生活する人を
侮蔑(ぶべつ)して呼んだ言葉だ。

ストリートで生活し、
空き缶などのゴミを拾って業者に売り、
時には盗みを行い、
シンナーやタバコを吸う少年たちなどが
特にこう呼ばれている。


ちなみに、
集めた鉄くずは、1キロ、8シルで
買いとってもらえる。

(シルとは、ケニア・シリングの略称。)
(1.23円が、1ケニア・シリング。)
(つまり、1キロ集めて、10円ぐらい。)


この映画は、ドキュメンタリーで
数人の少年たち、一人一人が、
それぞれ10分ぐらいずつ、
たんたんとビデオカメラで追いかけられる
という構成をとっている。

合計で90分弱、という長さ。


・・・

この映画の面白いところは、
別に「貧困の中にある子どもたち」
というよくある話をあつかったものでは
ない、という点だ。

映画に登場する子どもたちには、
普通の家もあり、
家族もいて、
その家族も特に貧困ではない。

(アフリカの実情を知らない人には
 初めてみると、貧困と思うかも
 しれないが、
 アフリカの平均的な生活レベルを
 知っている場合、
 映画に登場する子どもたちの家庭は
 むしろ平均レベルより高い、
 ことがわかる。
 アフリカの暮らしを、日本の生活レベルと
 比べてしまうのは、間違いである。)

で、
子どもたちは、

父親に虐待されたわけでもなく、
母親が食事を作ってくれないわけでもなく、
家庭が貧困で働かなければならないわけでもない。

「どうして、家をとびだして、
 ストリート・チルドレンとなり、
 ゴミを拾って売るような生活をしているのか?」

ときいても
彼らは答えられないのである。
黙ったたまである。

うつろな目をして、黙ったまま。

(おそらくは、
 彼ら自身のプライド(?)を 守るために、
 自分自身の内(うち)なる世界を守るために、
 沈黙を続けるのだろう。)


彼らの年齢は、
だいたい10歳から16歳ぐらいまで
であった。


・・・

この子どもたちは、もちろん学校にも行っていない。
行っても続けられない。

子どものための施設やNGO(非政府組織)が
彼らが学校に再びいけるように
手はずを整えてあげても
続けることができず、すぐやめてしまうのだ。

学校をやめる理由をきくと
「友達とあわない」
などの普通の理由をいう。

中には、

「街でシンナーを吸っていた、と言って
 いじめるやつがいるから」

「僕が学校の同級生の女子をレイプしたと
 ウソをつくやつがいるから」

などの解答もあったが、
どうも彼らには、共通する「香り」が
あるような気がした。


・・・

共通する香り、というのは、
日本の10代の子どもたちと同じ
「思春期の悩み、迷い」
である。

日本の子どもたちにも
登校拒否や、いじめ、引きこもり、
ニート、その他の問題があるように

ケニアの子どもたちにも
そうした精神的な「ふつうの悩み」がある、
ということかと思う。

別に、
豊かな国に生まれた子どもでも、
やや貧しい国に生まれた子どもでも、
どんな国の子どもにも
思春期の悩みはあり、

社会や学校、自分の家庭に
適応できない人たちがいる、
ということが
この映画のメッセージなのではないか、
と私は思った。


・・・

なお、この映画の舞台は、
ケニアの首都ナイロビの北にある
ティカ、という名前の町。

その中にある
「キャンドゥドゥ・スラム」
という所。

ここには、
日本人の女性が運営している
「モヨ・チルドレン・センター」
という、
ストリート・チルドレンの
ケアをする施設がある。

映画の中には
この女性がたびたび登場し、
「迷える少年(?)」を
なんとか更正させようと
努力していた。

(その子がもともと住んでいた家の
 普通の家庭の親に会ったり、
 学校にもどそうと、
 学校の先生たちと話し合いをしたり、
 などしていた。)

が、結果はかんばしくない。
子どもたちは、結局、
もとのストリートの生活に
戻ってしまう。


・・・

と、いうわけで、この手の
(途上国での)ドキュメンタリー映画の
内容としてはめずらしいものだったので
個人的には、面白かった。

が、
みなさんに、この映画をみることは
正直のところ、あまり勧められない。

理由は、(一般的にいって)
かなりつまらないからである。


アマチュアが撮影し、かつ編集した
ドキュメンタリー映画でよくあるのだが、
自分の撮りたいものを
単に写し、それを、そのまま上映しているため、

あまりにも淡々としており、
(道を少年が歩いているだけなどの映像が多く)
めりはりがなく、
何を伝えるために見せられているかもわからず、

したがって、
見る人の多くが、寝てしまう、
という現象が起こる。


私がみた会場でも、
3分の1以上の人が、寝ていた。

もともと、このタイプの映画をみよう、
として、わざわざ交通費を払って
会場に来るような人は、
途上国の問題などに関心がある方だと思うが、
それでも3分の1以上寝ていた、
ということである。

よって、もし、一般の人にみせたら
間違いなく半分以上、寝ていたと思う。


私も、一応、映画を作っているので
編集方法なども、一通り知っているのだが、
なんぼなんでも
淡々としすぎていて
見る人に対する配慮が
ちょっとなさすぎ、というのが
率直な感想だ。


・・・

が、それでも見たい、
という人がいるかもしれないので、
以下に上映会場の情報を掲載しておく。


2009年8月14日(金)14時
2009年8月16日(日)14時

JICA地球ひろば
(東京、広尾、3番出口から徒歩1分)

要予約
chikyuhiroba@jica.go.jp

JICA地球ひろば
http://www.jica.go.jp/hiroba/index.html


・・・

関連リンク

チョコラ!
http://www.chokora.jp/

モヨ・チルドレン・センター
http://moyo.jp/mcc.htm


・・・

ちなみに、来週から
私はこのケニアの地、
ティカに向かう。

日本の子どもたちと同じ、思春期の悩みを持つ
子どもたちに会うために。