.
青船 「わしは、いや、
    我が環境保護団体「ブルー・シップ」は
    いよいよ計画を実行に移すことにする。」

学者 「ウィルスの量産化、既に完了しております。」

青船 「よくやった。
    これで「人類削減計画」を発動可能じゃ。」

学者 「死亡率80%のエボラ出血熱と、
    感染率が全人口の40%に及ぶ新型インフルエンザを
    かけあわせましたので、推定死亡者数は、
    68億x40%x80%で、21億7600万人、
    となります。」

青船 「ちと、少ないのう。
    人類の異常な増殖と、
    資本主義で加速された経済活動、
    それによる自然界への悪影響を止めるには、
    人類の数を、最低でも、20億人以下にまで
    減らす必要があるのじゃが・・」


Population03as







学者 「ご心配なく。
    既に、第二の矢として、
    ラッサ熱の遺伝子を使用したものを。

    第三の矢として、
    鳥インフルエンザ(H5N1)の
    遺伝子を使用したものも、
    すでに、量産直前の段階に入っております。」

青船 「して、その三つの矢を、野に放った結果は?」

学者 「およそ20億弱程度まで、人口を減らすことができます。」

青船 「それで良い。いそぐのじゃ!
    今、この瞬間も、毎日、100以上の「種」が滅びておる。

    種の多様性が失われ、環境への適応性が減弱し、
    地球上の「生命圏(バイオスフィア)」を構成する生き物たちが、
    弱体化していっておる。

    地球温暖化を止めるためにも、
    分解できぬ化学物質の海への流出を止めるのも、
    今すぐでなければならぬ。

    このままでは、数年以内に「不可逆」となり、
    すべての生物は、「滅び」へと向かってしまうであろうぞ。」

学者 「わかっております。
    おそらく、今から数年後が、
    地球環境の「不可逆化への臨界点」かと。」

青船 「まかせたぞ。
    幸運なことに、最近の、地球温暖化ブームで
    わが団体には募金が多い。
    これを研究費にまわせば、しばらくは
    思うぞんぶん、好きなウィルスの開発ができることであろう。」

学者 「はい。
    まず、第一の矢の、エボラ出血熱ですが、
    やはり予定どおり・・?」

青船 「うむ。
    すべての国の首都に、ばらまく。

    人口増加がもっとも激しいのは、
    途上国の首都だ。

    経済活動が激しく、世界をグローバル化したバカものは。
    欧米諸国と日本、あとは新興国と言われているものどもだ。

    ともに、
    目にもの見せてくれよう。」


学者 「わかりました・・。
    ところで、ひとつ、
    質問をしても宜しいでしょうか?」

青船 「なんじゃ?」

学者 「いまさら、こんな質問を・・、と思われるかもしれませんが、
    他の方法は、なかったのでしょうか?」

青船 「核兵器を使うことも考えたが、放射能で他の生物も死んでしまう。

    化学兵器は、まわりに拡散せず、
    コスト・パフォーマンス(対費用効果)が悪い。

    人類だけを選択的に狙い、かつ、開発費を考えると、
    どう考えても、生物兵器、
    特に「種特異性」の高い、ウィルスが最適じゃった。

    ・・が、今さら、なにを聞く?」

学者 「いえ。それは承知しております。
    私がお聞きしたいのは、
    人類を減らすために、そうした、
    いわゆる「テロ」的な活動以外には、
    方法はなかったのでしょうか?」

青船 「国連のUNFPA(国連人口基金)は、
    家族計画の普及や、
    性病にかこつけてのコンドームの普及など、
    姑息で、無難な活動を行ってはいるが、
    結果は、お前も知っているとおりじゃ。

Population04








    人口は増える一方。
    あと50年で、100億を超える。

    おまけに、開発だ、国際協力だとほざいて、
    途上国の経済活動を振興しようとする馬鹿も多い。

    100億の人口が、東京並みの経済活動を
    するようになったら、地球はどうなると思うか?」

学者 「・・たぶん、資源の枯渇、公害、温暖化・・等。

    また、おそらく、残り少ない資源をめぐる戦争が
    世界各地で起こるかと。」

青船 「そうじゃな。
    つまり、まっとうな「人道的」な方法では
    人口の増加を止めることはできぬのじゃ。」

学者 「・・・」

青船 「他に、なにか、方法があると思うか?

    宗教で民衆の思想をコントロールする方法もあるが、
    キリスト教・イスラム教は、おおむね
    避妊に反対しており、話にならぬ。
    聖書に「産めよ増やせよ」と書いてあるのじゃから是非もない。

    共産主義が、世界をにぎったとしても、
    過去の例を見る限り、「国力は人間の数だ」として
    やはり「産めよ増やせよ」と連発したやつのほうが多かった。

    他に、何があるというのか?
    答えよ!」


学者 「・・人間の数を、減らそうという発想は、
    自己否定にはなりませんか?

    極端にいえば、人間の数を減らしたいのならば、
    まず、・・・

    まず、自分が死ねばよい、
    そうすれば、一人は減る、とも考えられますが・・」

青船 「もちろん。そうじゃ。
    わしも、死ぬつもりじゃ。
    こうした、非人道的な「テロ」を行う償いとしてな。

    が、
    ただでは死なん。
    愚かな人類68億を、削減してから、死ぬことにしておる。
    それが、人類の、他の生物への罪滅ぼしじゃ。」

学者 「・・・」

青船 「良いか。
    もちろん、わしは、人間じゃ。
    わしの中に、悪魔がおり、天使がおる。

    人間の中にも、悪い人間と、良い人間がおる。

    わしは、一人の人間であると同時に、
    わしは、人類全体であるのじゃ。

    なぜなら、仮に、わし一人が、生き残り、
    子どもを10人作ったとしたならば、
    その半分は、必ず、また愚かな道を
    繰り返すこととなろう。

    人類とは、この遺伝子を持つかぎり、
    永久にこれを繰り返す、愚か者よ。

    が、わしは、
    わしが、愚かであるということを、
    知っている愚かものじゃ。

    だから、わしは、わしに鉄槌(てっつい)を下す。
    わしは、人類全体という名の「わし自身」にに鉄槌を下すのじゃ。

    矛盾しておると思うか? 気が狂っておると思うか?」

学者 「・・・いえ。筋は通っているような気が致します。

青船 「ならば、従えい!

    お主の、心の中の悪を、体の中の悪を、
    浄化するために、この計画を実行するのじゃ。

    いや、浄化などできぬ。
    人が人である限り、その心の悪を
    完全に浄化することなどできぬ。

    だからこそ、せめて一時(いっとき)、減らすことが必要じゃ。

    そして、また増えてきたら、
    わしの意思を継ぐ、他の誰かが、
    数十年後に、同じことを試みるであろう。

    この、未来永劫続く、繰り返しこそが、
    人類への「罰」だとしれいっ!    

    人類削減計画。わしの冥土の土産に、発動してくれるわ!」


学者 「・・・一つ、気ががりなことがあります。」

青船 「なんじゃ?」

学者 「エル、という名の探偵が、われわれのことを調査しているようです。」

青船 「探偵ごときに、何ができるというのじゃ。」

学者 「なんでも、FBI(アメリカ連邦捜査局)も、日本の内閣諜報部も、
    各国の諜報機関全てを、動かせる存在のようです。」

青船 「どの組織も、わしの息のかかったものが、働いておる。
    踏みつぶしてくれるわ。」


学者 「いや。どうも、エルは、ただの探偵ではないようです。

    彼は・・


    彼は、見つけたようです。




    この世界を変えるための「子ども」を。」




















・・・・・・・・・

解説1:

映画 "L: change the world" は、
大ヒットした漫画(と映画)
デス・ノートから
スピンオフした作品だ。

注:
スピンオフとは、
ある映画の中で、脇役だった存在が、
人気が高かったために、
後日、別の映画の主役となって
登場することを言う。

エルは、デス・ノートにおいて
脇役だったのだが、
人気が高かったために、
後日、この作品
"L: change the world"
が、生まれた、ということになる。


解説2:

上記のように、
地球環境を考えた場合、
(他の生物、全体のためには)
人類を滅亡させたほうが良いのではないか?
という議論は、
昔からずっとあった。

皆さんの中には、
それから目をそらして来た人も
いるかと思う。

なぜなら、文中にあるように、
人類の否定は、自己否定につながり、

「だったら自分が死ねば、一人減るじゃん」
として、自殺を考えるか、

(あるいは、自暴自棄になり社会倫理的な問題を起こすか)

「しょうがない」
として、考えを打ち切る人、
などが多いかと思う。


が、私は、逃げない。
私は、考えるのをやめない。

こういう議論を続けると、
いわゆる「環境左翼」系の「極左」だと
誤解される可能性があるので、
あんまり、やりたくはないのだが、
今日は、映画を見たこともあり、
いい機会なので、論じてみた。

で、
いろいろ考えた末に、
私が今、行っている
一応、現実的で、中庸を得ている活動が、
NPO法人・宇宙船地球号の活動、
というわけだ。

やっている内容は、
ホームページに記載してあるとおり。

NPO法人・宇宙船地球号
http://www.ets-org.jp/


ともかく、今回のストーリーは、
自分の人生や、
人類という種は、なんなんだろう、
ということを考える
きっかけにして頂ければ幸いだ。


解説3:
上記のストーリーは、
映画の本篇にあるものではなく、
私が作った、架空の話である。

時系列としては、
映画が始まる「直前」の時期に、
(映画に登場する、架空の)環境保護団体
「ブルー・シップ」という団体の中で
行われたであろうストーリーを、
(想像して)描いた。

だから、実際の映画は、
上記とは、けっこう違う話である。


また、この映画を見るには、
是非、まず、本編の
「デス・ノート」2部作を
見てから、こちらを見ることを
強くお勧めする。

そうでないと、エルが何者かわからないので、
理解不能である。

以上。



L: Change The World Trailer (English Subs)

http://www.youtube.com/watch?v=8M7mXu_0gP4&feature=related