.
マスコミから取材された時、または、
講演などが終わった後、一番くる質問がこれである。

「なぜ、国際協力をしているのか?」

これは、簡単には、回答はできず、
強いて言えば、これまでの人生の積み重ねの結果、

成り行きや、紆余曲折(うよきょくせつ)があって、
現在、こうした活動をやっているのである。


(何か一つの、強烈な体験があったから、
 国際協力をやっているわけでは、決してない。)


が、
それでは、質問をした人は、納得してくれないので、
しょうがないので、以下の
いろいろある回答例のうちから、
一つを選んで答えることにしている。

(すべて、本当であり、
 すべて、ちょっとずつ、
 私が国際協力を行っている理由の一つになっている。)


・・・

と、いうか、基本的に、へそ曲がりの私は、
毎回、同じことを答えるのが、なんか嫌なので、
意地でも、毎回なにか違うことを言ってやろう、
と思っている・・節(ふし)もある。(爆)


・・・
・・・

小学生向けの解答:


小学6年生の冬休みに、
父に連れられて、
南アフリカ共和国に行ったからです。

当時の南アフリカは、
『アパルトヘイト』と呼ばれる人種差別が行われており、

白人が、黒人や黄色人種より偉い、
という政策がとられていました。

それに衝撃を受けたのが、きっかけです。

具体的には、
飛行機から降りて、
ヨハネスバーグの空港に降り立ったとき、

いきなり、
飛行場の入口から、
白人用と、有色人種用とが、分かれていたことを
鮮明に覚えています。

ちなみに、日本人は、黒人と同じ有色人種で、
動物以下の扱いを受けます。


・・・

中学生向けの解答:


中学2年生の時、
父に、一眼レフのカメラを
買ってもらいました。

ペンタックスの、
MEスーパーという機種でした。

そのカメラで、写真を撮るのが好きでした。

東南アジアのタイなどに連れていってもらい、
途上国の写真を撮って、喜んでいました。

このころから
途上国に興味を持つようになりました。


・・・

高校生向けの解答:


高校時代、唯一の取り柄だった勉強もダメになり、
クラスでビリに近い成績になり、
非常に、落ち込みました。

この頃、
やりたいことも見つからず、
夢をみつける方法もわからず、
自分自身に対する、憤り(いきどおり)を感じていました。

両親にも、強く、反発しました。
あの頃は、口をききませんでした。

人生とは何か、生きるとは何か、も真剣に考えていました。
死ぬことについても、かなり深く考えました。


その結果、
誰でも、人生、やがて、いずれ死ぬのですが、
それでも、その命を、何に使うのか、

「限りある命を、何に使うのか?」

ということを考えること自体が、
もっとも重要なことだ、と思うようになりました。

この考え方が、
今、国際協力を行っている理由の、根本になっています。

つまり、「自分の命を、何につかうのか?」ということです。


・・・

大学生向けの解答:


学生時代、カメラを片手に、途上国に写真を撮りにいきました。

国際協力に興味があったから途上国に行っていたのではなく、
人に撮れない写真を撮りたいがために、途上国に行っていたのです。

ヨーロッパやアメリカにいくよりも、
あまり人の行かない、途上国のほうが、インパクトのある写真が撮れる。

写真家として、有名になれるかもしれない。

そう思って途上国にいっていたのです。
そうした、「不順な動機」が、きっかけでした。

ところが、
途上国にいってみると、私がいくようなところでは、
いろいろな国際協力団体が活動していました。

しかし、
そうした国際協力団体たちが行っている活動は、

その頃、まだあまり国際協力の知識がなかった私がみても、
「おかしいな」
と思うようなことをやっていたのです。

例えば、

「お金を渡しても、何か食べ物やお酒を買って、食べちゃったら、
 後に何も残らないよね? 元の貧乏な状況に戻るんじゃない?
 また、お金、あげるの? あげ続けるの? ずっと?」

「というか、お金をもらえる『癖』(くせ)がつくと、
 甘えてしまい、途上国の人、自分で働かなくなるよね?
 それでもいいの?」

「あと、西洋的なやり方や、日本的なやり方を、おしつけると、
 その国のもともとの文化や生活習慣が、失われていくんじゃない?
 世界中、全部、
 マクドナルドと、コカコーラの文化にしていくの?」

「あなたがやっていることって、自己満足じゃないの?
 本当に、途上国側のために、なっているのかな?」

など、
いろいろ疑問に思うことがあったのです。

で、その頃は、まだ、自分で国際協力をやる気はなかったのですが、
この頃から、
もしも、万が一、自分が将来、国際協力をやることがあったなら、
これこれ、こういうところに注意してやるべきだ・・
ということを考えるようになりました。


で、それを考え続けていたら、
いつのまにか、やってみたくなってしまったのです。(苦笑)


・・・

大人向けの解答:


30歳を過ぎた頃、
俺の人生、そろそろ半分終わったなぁ・・と思いました。

「俺の人生、真ん中あたり」だと。


当時、小さい病院の院長をしていたのですが、
このまま一生、ここで終わることに疑問をもち、

以前から、なんとなく興味のあった
国際協力を始めることになりました。

一度しかない人生なんだから、
気になることは、やっておこう、と。

で、やるんだったら、
「自己満足ではない、本当に意味のある国際協力」
をやってやろうと思い、

いろいろな本を読んで、
たくさんの人の意見を聞いて、

あと、オーストラリアの大学院で国際協力について勉強して、

自分なりに、これが最善、という「理論」を作ってから、
国際協力団体に入りました。

で、それを、アフリカにある
平均寿命が、当時34歳だった国で、「実践」しました。

私が最初に作った理論は、
「世界で一番いのちの短い国」
という本の、後書きに書いてありますので、
ご興味のある方は、ご一読を(笑)。


参考:
世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560049629/


・・・

主婦の方、または、ご高齢者向けの解答:


私は、一応、医者であり、写真家であり、
これまでたくさんの、世界中の途上国に行きましたが、
いろいろ見たり、やってみたりした結論は、

「途上国の貧困を改善するためには、
 途上国にいって、いろいろな活動するだけではダメで、

 先進国側の経済活動を、
 適切な範囲にコントロールしなければならない」

ということです。

要するに、先進国側で行われてる、
「資本主義・市場経済のグローバリゼーション」、
という「暴走気味の経済活動」が、

世界全体の貧富の差の拡大を生み出している、
それが、根本的な原因だ、と私は考えています。

ですので、最近は、
日本にある会社たちに、
金もうけの活動だけでなく、
環境に配慮し、社会に貢献しようとする意識をたかめる、
「企業の社会的責任」(CSR)という概念を
啓発する活動を行っています。

簡単にいいますと、
もしも、みなさんが、

環境に配慮し、社会貢献をしている、
良い企業が作る商品だけを買い、

環境に配慮しない、社会貢献をしない、
悪い企業が作る商品を買わない、

という活動を続けると、
やがて社会から、悪い企業が駆逐されていき、

未来の子どもたちも幸せになり、
途上国の人々の貧困問題も、ある程度改善される、

と、考えています。

つまり、私たちの生活において、もっとも身近な
「買い物」に気を付けること、こそが、
最大の国際協力である、と気づいたこと。

それが、私が現在も国際協力を続けている、理由の一つです。



・・・

お笑い系の解答:


いや、その、
アフリカで国際協力をやって、
帰ってきたら、

某出版社から、本を書け、と言われて、

どうせ書くなら、読みやすくしよう、と思って、
なるべくギャグを入れて、書いてみたんですが、

それが、けっこう売れてしまい、


・・かっこつけて、印税ゼロにして出版したので、
まったく儲(もう)からず、馬鹿だったのですが・・(涙)


ともかく、そのうち、テレビなんか出ちゃって、

本とかテレビで、
「国際協力は、持続可能性が大事!」
とか、偉そうなことを言っていたら、

「じゃ、お前自身の、持続可能性はどうした?」

と言われて、
国際協力を、いまさら、
止めるに、止められなくなっちゃったので、
しかたなく、続けているんです。

はっはっは・・






・・・


えーと。

以上、全部、本当です。




ですが、その他、
「なぜ、国際協力をやるか?」
に関し、多少、参考になるブログを、最後に一気に掲載します。


いずれも、「人生への哲学」、に関するものです。


要するに、国際協力を
(ちょっとだけやってみて、すぐ止めるなら別ですが)

国際協力を一生にわたり、「続けていく」ためには、
自分の中に、確固(かっこ)とした「人生に関する洞察」
が必要だと思っています。


生とはなにか? 死とはなにか? 
なぜ自分は生きているのか? どのように自分は死ぬのか?


考えてもしかたがないことだから・・と思って、
考えるのを止めるのではなく、

死を恐れず、厳然(げんぜん)とした事実に向かい合い、
その上で、冷静に自分の

「生(せい)を決めてゆく」こと。


一人の人間にとって最大の課題: 「自分の人生を、何につかうのか?」



自分のために使うのもよし。

世界のために使うのもよし。


大きく分けて、上記の二つの道があります。

どちらでも、良いのです。

本当に、どちらでも、いいのです。


私は、いろんなことを考えた末、
後者を選択した。

それだけのことです。


もう少し、正確にいうならば、
世界のために生きていくことが、
間接的に、ですが、
自分のためになる、自分の人生のためになる、
と思うようになったのです。

最終的に、
人生の終わりを迎える時に、
そのほうが、幸せだろう、と、
そう考えるようになりました。


なぜ、そう考えるか、と聞かれると、
またそこから長い話になるのですが、
以下に記載した、
いろいろなブログを読み、ご自身で、想像して頂ければ幸いです。





死 1,363字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51602804.html

生命の誕生 4608字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65308270.html

胡蝶の夢 2340字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65233429.html

生き方この人 4143字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65234964.html

時(とき)を数えぬ世界 2563字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65235964.html

星守る犬 2187字 (書籍・映画レビュー)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65305533.html

漫画で作られた私
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/64876562.html

CASSHERN (書籍・映画レビュー)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65000056.html

ツタンカーメン 5432字 (書籍・映画レビュー)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65320517.html

世界を治す医師、という人生の選択 4413字 (国際協力、開発学)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65233205.html

雨 241字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51322848.html

卒業へのメッセージ 2183字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65224064.html

のだめカンタービレ 761字 (書籍・映画レビュー)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51271068.html

言葉のない世界 2,240字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/52109473.html

ペイ・フォワード Pay It Forward 3732字 (書籍・映画レビュー)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65321515.html

昇華 849字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/52380586.html