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2010年6月ごろ出版予定の書籍
「ツバルの真実、地球温暖化を超える衝撃」(仮題)
の取材のため、
3人の大学教授にインタビューをした。

それらの内容を、私のブログで、順に公開してゆく。

教授たちの所属や実名は、(2010年出版する)書籍の中で公開する。
が、まずは、インタビューの内容を原文のまま公開しておく。

それを読んで頂く前に、
何にも知らない人のために、
ツバルとは何か、を若干説明しておく。

・・・

「ツバル」

南太平洋にある小さいな島国。
ニュージーランドの北にある。
9つの小さい島々からなる。

それぞれが、環礁(かんしょう)と呼ばれる、
サンゴ礁でできた「輪のような形の島」である。

このため、標高が低く、
住民居住地域は、1m前後。

今後、地球温暖化による海面上昇が続くと、
世界で一番最初に消えてなくなる国、
になる可能性が高い、と言われている。

しかし、一方で、
ツバルが沈むのは、
地球温暖化による原因だけではない、
とも言われており、
それを確かめるために、
私はツバル現地に数回いって、
詳細な取材を行った。

・・・

以上を踏まえて頂いた上で、
以下、
2009年10月14日、インタビューの記録、
原文のまま、である。

(書籍化する時は、適当に編集すると思う。)

(長文になったので、3回に分けて、お届けする。)



・・・はじめに・・・


山本 うちの団体は、ですね。
   小学生でもわかる、写真絵本の媒体と、ですね。

教授 ええ。

山本 上級者っていうか、大学生ぐらいの人以上向けに、
   文章の本も作成するっていう、
   両方の活動をしているんです。

教授 はい。

山本 ええ、で、このツバルは既に、初心者向けの、
   写真絵本も、映像作品も、一昨年(2007年)に
   作っていまして、
   その、いわゆる、
   主に、「地球温暖化でツバルが沈む」、
   という、有名な部分だけを取り上げたものを
   作りました。


地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4097262955


   ですので次は、上級者向けに、
   「本当にツバルで起こっていること」
   を正確に書いて、
   かつ、どういう対策をとるのが本当は良いのか、
   ということを書いていきたいと思っています。
   
教授 はい。

山本 それでまず、先生にですね。
   地球温暖化に関する専門的なことを
   おききしたくてですね。
   先日、質問項目を書いたEメールを
   送らせて頂いたんですが、

教授 はい。


・・・地球温暖化の本質・・・


山本 まず、「地球温暖化が、本当かどうか?」、
   という、一番よくある質問なんですけれども、

教授 はい。

山本 まず、わたし個人の理解では、
   地球温暖化は三つに分けなければならないのでは
   ないか、と考えています。

地球温暖化の考え方、出発点 3775字 (環境問題、地球温暖化)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65320034.html

   まず、産業革命から現在までの、
   過去の、過去200年の地球温暖化に関しては、
   太陽放射の影響等々の要因を考えても、
   到底否定することはできないくらい、
   「人類由来のCO2による地球温暖化」は、
   疑う余地がないくらい証明されている、
   と考えているんですね。

教授 うん。

山本 2番目は、今から100年後ぐらいまでの
   近い未来については、
   スーパーコンピューターによって、
   95%以上の確率で、
   たとえば、
   地球の気温が、1.8度から。6.4度上がり、
   海面が、18cmから59cmの間上昇する、
   ということが予測されていて、
   IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の
   第四次報告書に、そう書かれている、と。

   つまり、スーパーコンピューターの推測によって、
   そう書かれている、という話と、ですね。

第二の地球温暖化は仮説にすぎないが、正しいか? 9221字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65322518.html

教授 ・・・

山本 もっと先、100年以上、200年以上先の、
   遠い未来のことに関しては、
   温暖化がどうなるか、わからないのではないか、

   なんでかというと、
   地球は温暖化と寒冷化のサイクルを繰り返していて、
   今、地球は寒冷化に向かっている、
   という学者もいて、

   それが起きるのが、何年先か、何万年先かは、
   わかりませんが、

   仮にそれが起こった場合に、現在の、
   「人類由来のCO2による地球温暖化」
   の効果をうちけすほどの効果があるのかないのか、
   ということが、誰にもわからないこと。

教授 ええ。

山本 要するに、過去と、これからの100年と、
   もっとずっと先の遠い未来の地球温暖化の、
   三つの話があり、
   それぞれ、
   100%と、95%と、さっぱりわからない、
   という三つの話があるのではないか、と
   私は思っているんですが、
   これに対して先生は、どうお考えでしょうか?   

教授 うん。まあ、似たような感じですけどねぇ。
   そのー、
   氷河期、間氷期(かんぴょうき)の
   サイクルっていうのは、
   10万年とか、11万年ぐらいの周期で
   起きているわけですよね。

山本 はい。

教授 それは自然のサイクルなので、必ず起きて、ですね。

   今の温暖化が進もうが、進むまいが、
   それとは全然別の現象として起きると思うんですよ。

   で、氷河期が来たら、地球の平均気温っていうのは、
   7度とか8度、下がりますから、
   今の温暖化とは、全然、違うレベルの問題に
   なると思います。

山本 はい。

教授 問題は、産業革命以降、そのー、
   CO2とか、温室効果ガスが増えて、ですね、

   人為的な活動による、気温の上昇が起きた、
   ということですから、

   それは、そういう「自然の地球のサイクル」の上に、
   「人為的な影響」がのっている、と、
   ・・言うことですよね。

山本 はい。

教授 ですからあの、おんなじような話だと思いますが、
   長い自然のサイクルと、
   現在の100年ぐらいの問題とは、
   二つとも起きている、というか、重なっている、
   という風には、思ってるんですね。

山本 はい。なるほど。わかりました。


・・・海面上昇の理由・・・


山本 次は、ですね。
   IPCCの第四次報告書は、一応、
   拝見させて頂いたんですけれども、

教授 ・・

山本 温暖化による海面の上昇が起こっている原因の
   だいたい50%以上ぐらいが、
   単純な海水の「物理的な熱膨張」によるもの、
   
教授 ええ、そうですね。

山本 で、ユーラシア大陸の氷河などが溶けたのが、
   20〜30%ぐらい、
   グリーンランドの氷が溶けたのは、10%、
   残りが、その他の要因。

教授 はい。

山本 と、いうのは、だいたいそういうことで、
   よろしいんでしょうか?

教授 ええ。そうだと思います。
   今(現在)は、
   (地球温暖化による海面上昇の原因として)
   海水の熱膨張が一番おっきい、
   ていうのは、そうだと思うんですよ。

   (しかし将来は、氷河の融解が原因で、
    海面上昇が起こる割合が、
    海水の熱膨張による海面上昇よりも、
    大きくなる可能性があるのではないか、
    と、M教授は考えている。後述。)

山本 はい。
   ところで、それに関して、
   一番、よくわからない場所が、南極で、ですね。

教授 はい。

山本 南極の氷に関してですね、
   IPCCの第四次報告書の、
   最初のほうと最後のほうで、
   氷が増えているっていう記述と、
   氷が減っているっていう記述があって、

   これはおそらく、
   あの報告書が、多くの研究者の意見の
   ごちゃまぜだ、ということなんだと思うんですが、
   これは、
   長所でもあり、欠点でもあると思うのですが、

教授 うん

山本 私は、つくばの、JAXA
   (国立宇宙航空研究開発機構)
   に友人がおりまして、そこにきいたら、

   人口衛星から、南極の氷の体積を
   測定する方法がありまして、
   そこに聞いたら、増えてる、ということでした。


JAXA(国立宇宙航空研究開発機構)
http://www.jaxa.jp/


教授 はい。

山本 JAXAは、明らかに、増えていると。

教授 はいはい。

山本 先生は、この点については、どうお考えですか?

教授 あのー、南極の氷の体積が、
   これから「当面は」増える方向に移動する、
   ってことは、
   いろんなところで、言われていることなんですね。

   どうしてかっていうと、ですね、
   温暖化すると、
   (海水が蒸発して、空気中の水蒸気が増えるため)
   (地球全体としては)
   雨は、増えるんですよ。

   南極に降る雨は、雪になりますから、
   どんどん、どんどん、雪は南極の上に降り積もって、
   南極の「雪氷」(せっぴょう)と言うんですが、
   雪や氷の量は、増える方向に移動する、
   っていうのは、これは、ま、当然、
   起こりうる、ことなんですね。

山本 はい。

教授 それで、じゃあ、

   南極の氷が溶けて、海面が上昇するってことに
   ならないのか?、ってことですが、

   今(さっき)の話っていうのは、
   海から蒸発した水が、
   南極の上に降り積もるっていうことだから、

   「南極は、海面を下げる方向に働いている」
   っていうことなわけですよね。
   
山本 はい。(さっきの部分では、そうですね。)

教授 それは、過去は、そうだったんです。

山本 はい。

教授 ところが、ですね。
   南極の氷は、溶けなくても、ですね、
   海面を押し上げるような方向の作用を
   持つことがあって、

山本 はい。

教授 っていうのは、
   氷河だとか、氷床(ひょうしょう)の氷が、
   ずっと海に張り出していって、
   それが、氷山として流れ出してゆく、と。

   (すると、それは海を移動するうちに、
    やがて溶けて水になり、海水を増やす。)

   そうすると、それが別に
   (南極で氷が)溶けなくても、
   海の体積は、その分だけ増えるわけですから、
   
山本 はい。

教授 だから、ですね、
   南極の氷河が、(海に)流れ出していく速度、
   (氷の)不安定が、増せば、
   南極は、海面上昇の要因に、なると。

山本 なるほど。これは知りませんでした。

教授 それで、それが今、起きてるかどうかってのは、
   わかってないんですよ。

山本 なるほど。

教授 で、どんどん、どんどん雪が(南極に)
   降り積もるっていうことは、重くなって、
   (それにつれて)
   (南極の氷が海に)流れだす(すべりおちてゆく)速度も、
   速くなるっていう方向に作用しますから、

山本 はい。

教授 だから、その、
   南極に雪が降り積もるっていうことが、
   必ずしも、
   海面を降下させる方向に「だけ」作用する、とは
   必ずしも、言えない、と。

山本 ・・はい、わかりました。


・・・ツバルが沈む、現地側の理由・・・


山本 次があの、
   (世界の全体的な傾向の話ではなく、局地的な)
   ツバルの水没についてなんですが、

   仮に、地球温暖化がこのまま進んだ場合、
   海面が最大の59cm程度上がってですね、
   満潮の時に、70〜80cm上がれば、
   住民居住地域が、海抜1mぐらいしかない場所が、
   沈むかもしれない、っていうのは、
   ま、そうだと思うんですけれども、

教授 ・・

山本 私も、現地に入って、まんべんなく、
   いろいろな人の意見を聞いたところですね、

   ツバルが沈んでいる理由は、
   それ(地球温暖化)だけではなくて、
   現地側の理由もある、と。

   それは、おもに三つありまして・・


   一つ目が、人口増加の問題。

   具体的には、

   もともと300人ぐらいしか住んでいなかった島に
   (首都のあるフナフチ島に)
   今5000人も住んでいる関係で、
   昔は、住んでいなかった、海抜の低い「湿地帯」に
   人が住むようになってしまった。
   だから、大潮(おおしお)の時に、
   沈むのは、仕方がない、という側面。

   (地球温暖化が始まる、それより前の時代から、
    上記の湿地帯は、大潮の時に、沈んでいた。
    つまり、以前から沈んでいた場所に、
    人口増加のために、
    人が移り住むようになってしまったのである。)


   あと、人口増加によって生じた
   「屎尿」(しにょう、尿や便)が増えたことにより、
   また、その処理が適切でないために、
   それらが海水に流出し、
   海水の「富栄養化」や「酸性化」などで、
   サンゴや砂浜を作る有孔虫が死ぬ、という側面。

   (ツバルはサンゴと有孔虫の作る砂でできているので、
    これらが死ぬことは、島が消えてゆく、ことを意味する。)

   (海水の富栄養化がサンゴに悪い理由は別のブログで詳述する。)


   二つ目が、近代化によるゴミの問題。

   昔は、魚をとって、タロイモを育てる、という
   自給自足の生活をしていたのに、

   ここ二十年ぐらいで、急速に近代化したため、
   スーパーマーケットができて輸入製品が増え、
   食品などの入っていた、
   カン、ビン、プラスチック、ビニールなどの
   ゴミが出るようになった。
   しかも大量に。

   もはや島の北側はゴミだらけで、
   もう捨てる場所がないので、
   人々は、違法、あるいは合法の方法で
   ゴミを燃やす。
   すると、ダイオキシン等の有害化学物質が生じ、
   それが海水に流れて、サンゴや有効中を殺す。

   で、人口増加による屎尿の問題とあわさって、
   サンゴと有孔虫が死んでゆくので、
   サンゴ礁でできているツバルは、消滅してゆく。


   三つ目が、米軍の「土地改変」に関係する問題。

   太平洋戦争中に、日本軍の最前線が、
   ツバル付近まで拡大したため、
   アメリカ軍は、日本軍に対抗するために、
   ツバルに空軍の軍事基地、すなわち、
   飛行場を作った。

   この飛行場の滑走路をつくるために、
   大量のコンクリートが必要で、そのために
   大量の砂が必要だった。

   で、アメリカ軍は、海岸の砂をもっていったり、
   島のあちこちに、
   「ボロー・ピット」と呼ばれる巨大な穴を掘り、
   砂をもっていってしまい、
   逆にその多数の穴には、
   海水と、そしてやがて人間の屎尿(しにょう)が
   侵入してきたこと。

   また、
   となりの島から、滑走路を作る島(首都のフナフチ島)に、
   大量の砂を運ぶために、
   島と島をコンクリートの道で
   無理矢理、つなぎあわせたため、

   沿岸流(えんがんりゅう)と呼ばれる
   「島の周囲を、ぐるりと回って流れる海流」
   が止まってしまい、
   太平洋側で有孔虫によって生産される砂が
   ラグーン側(内海型)にまわってこなくなったこと。
   このために、どんどん砂浜が消失していったこと。

   (これがフナフチ島の海岸浸食(砂浜消失)の最大の原因
    と考えられる。)


   まだ、他にも、いくつもの要因がありますが、
   以上のように、大枠で、三つ、すなわち、

   人口増加、近代化によるゴミ、米軍の土地改変、
   という三つの現地側の理由でも、
   ツバルが沈んでいる可能性がある・・
   ということが、
   様々な取材で、わかってきたのですが、
   これについては、先生は、どうお考えですか?

教授 あのー、いろんな問題があるってことは、
   事実ですよね。

山本 はい。

教授 今、そこで言われた問題っていうのは、
   種類が違う問題が、いくつか混じっていて、

山本 はい。

教授 例えば、ゴミだとか、ですね、
   水(汚水)がちゃんと処理されていない問題
   だとかですね、

山本 はい。

教授 そういうのっていうのはですね、
   地球温暖化とか海面上昇の問題とかじゃなくて、
   どっちかっていうと、
   地元の環境問題とか、生活環境の問題ですよね?

山本 はい。

教授 そういうのが、すごい深刻っていうのは、
   そのとおり、だと思います。

   で、そのー、米軍が空港を作るために、
   いろいろ無理に、ですね、
   サンゴを掘りだして、
   それで、今の滑走路を作って、
   そこ(湿地帯)を平坦にして、
   そこを空港にした、というのは、
   そういう事実は、その通りだと思うんですよね。

山本 はい。

教授 ところで、あの、
   じゃあ、海面上昇とか、将来の気候変動とかが
   起こらなければ、
   起こらなくても、ですね、
   そういう(現地側の)問題だけがあれば、
   ツバルが、
   どんどん水没って、いうか、
   水が上がってくるっていう状態には、
   なるかっていうと、
   それはならないわけです。

山本 はい。

教授 ですから、
   地球環境全体の悪化っていうのが、
   一つの大きな原因になって、
   それに対して、
   ツバルの地形だとか、
   あるいは「社会」っていうのが、
   それに対抗する上で、力が弱くなっている、
   という要因には、なっていると思うんですよね。

山本 はい。

教授 だから、問題が、
   なんもかんも、
   全部同列で、議論されるっていうのは
   ちょっと・・、問題かなぁっていう気がしますよね。

山本 なるほど。

教授 両方とも、
   解決しなきゃいけない問題だっていうことは、
   よくわかりますが 

山本 はい。

教授 あのー、えー、
   今、言っているような、
   地球規模の温暖化だとか海面上昇っていう問題と、
   それに対して、ツバルが、
   その対策をとるときに、
   いろんな対策を妨げる(さまたげる)ような
   要因をもっているっていうのが、
   二つあるんじゃないかなあ、と思ってますけどね。

山本 なるほど。わかりました。

   ツバルの現地側に、いろいろな問題もあるが、
   それらは、
   今後、海面上昇が起こった時に、それに対する
   「脆弱性」(ぜいじゃくせい、弱さ)を増すことにはなるが、

   ツバル現地側の問題だけで、
   ツバルがどんどん沈んでしまう、とは考えにくい。

   いずれにしても、
   全地球的な温暖化や海面上昇の問題と、
   局地的なツバルなどのそれぞれの地域における個別の問題の、
   両方に対する対策が必要だ、ということかと思います。
   


・・・次回に続く・・・

・・・

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