.
このブログは、前回の続きです。

まだの方は、以下からお読み下さい。


M教授インタビューその1(ツバルの真実、その取材) 5656字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65326063.html


・・・ツバル付近の潮位の実際の上昇・・・


山本 あと、ですね。
   ツバルに潮位計(海面の高さを測定する機械)が
   二つ、設置されておりまして、

教授 ええ。

山本 たしかハワイ大学などの大学関係で設置された
   もののようなんですが、

教授 ・・

山本 2007年に、オーストラリアの気象庁が、
   過去の13年間の潮位系の記録によって、
   毎年、5.8mm程度の、海面の上昇を
   している、という報告をしました。

   (これは、100年間で、58cm上昇する
    というペースに相当し、
    つまり、IPCC第四次報告の予測
    (100年間で18〜59cm上昇)
    の中の、
    最悪のペースとほとんど同じ速度で、
    海面上昇が起こっていることを示す。)

   実は、その前の年(とし)までは、
   オーストラリアの気象庁は、
   毎年、1mm程度(百年で10cm程度)で、
   (海面上昇は)大したことない、
   って言ってたんですが、
   突然、データを変えて、言いだしたんですよ。

   で、なんで、そんなことになったのか、
   ということを、英語の論文等で調べましたところ、
   
   海面、というものは、
   4年ごとと、10年ごと、35年ごと、など、
   周期的に変動していて、
   上がったり下がったりする時期が自然のサイクルの
   中でもあって、
   だから、たかだか10年程度の(海面の)計測で
   未来の傾向を推測してはならない、
   と、言っている人もいるようです。

   また、
   エルニーニョという、
   例の有名な海水温の上昇で、
   ツバル付近の海面が、逆に下がり、

   ラニーニャ(海水温の低下)があれば、
   ツバル付近の海面が上がる、という論文も
   見つけました。


   ・・と、いうわけで、
   その35年ごとの周期的な変動や、
   エルニーニョ、ラニーニャなどの影響などで、
   ツバル付近の海面が上がったり下がったりしている
   側面もあるのかな、と思っているんですが、

   このあたりは、どうお考えですか?

教授 うんとね、それはー、
   僕はあんまりわかんない分野で、
   確定的には、知らない分野なんですけど、

山本 はい。

教授 海面が、いつも一定していることじゃない、
   っていうのは、それは非常に広く知られている
   事実なんですね。

   日本だって、季節によって、数十cmの
   平均海面の違いは、すぐありますが、

山本 はい。

教授 ですから、そういうことは、起こるんですね。

山本 はい。

教授 それからー、えーと、ツバルの周辺の、
   長期的な、海面の変化が、
   何によって起きているのか、っていうことについては、

   いろいろ読んでみると、いろいろな説があることから
   わかるとおり、あんまり、解明されていない。

山本 ・・解明されていない?(苦笑)

教授 と、僕は、思っています。

山本 わかりました。

教授 それでですね。
   ただ、オーストラリアの努力は、
   僕は非常に高く買っていて、
   あのー、
   ツバルだけじゃなくて、
   あの辺の、潮位観測なんか、なかった島々に、
   十いくつか、潮位計を配置して、ですね、

山本 はい。

教授 1990年代から、
   シー・フレイム(潮位計?)っていうんですけど、

山本 はい。

教授 オーストラリアの、
   「タイダル・ファシリティー」(潮位測定施設)
   っていうところでですね、
   その記録を、ずっとやってんですね。


National Tidal Centre
National Tidal Facility of Australia (NTFA)
http://www.bom.gov.au/oceanography/projects/ntc/ntc.shtml


山本 はい。

教授 でねー、それを見ると、わかるんですけど、
   短い時間でやると、わかるんですけど、
   誤差がすごく、大きかったんですけど、
   最近、
   誤差が、すごく小さくなってきたんですよ。

山本 はい。

教授 十年以上、観測して、ですね。

山本 はい。

教授 それで、その結果として、
   5〜6ミリ、ってだしてんですけど、

山本 はい。

教授 昔1mmといってて、
   今5mmと言ったっていうのは、

   (そのデータについては)ちょっと不思議で、
   と、いうのは、最近は、

   だいたい、それぐらいの値を、
   ずっと言ってるんですよ、毎年。

山本 5mmぐらい?

教授 正確な数字は、ちょっと忘れましたが、
   統計的な解析をしたうえで、
   この期間の平均は、何ミリですって、
   彼らは、言ってるんですよね。

山本 はい。

教授 もちろん、ずっとデータをとり続けて、
   観測して欲しいと思いますけど、

   あのー、タイダル・ファシリティーの
   元のデータに帰るとですね、
   
   その辺をどういうふうに解析しているのか、
   っていうことが、非常に詳しく載っていますから、

山本 なるほど。

教授 僕よりも、そっちのほうを見たほうが、
   いいんじゃないかなあと、思います。

山本 はい。


・・・南極かグリーンランドの氷の崩壊?・・・


山本 次がですね、
   これも、マスコミで時々とりあげられるんですが、

   南極またはグリーンランドのどちらかの氷が、
   まとめて半分、どちらかの全部の氷の半分が、
   溶けると、

   海面が、6mから7m、一気に上昇する、という風な
   内容のことが、雑誌やテレビでやってまして、
   
   これ、(根拠を)調べたらですね、
   
   氷河の表面にある氷が、太陽光で溶けると、
   それが下にしみ込んでいって、
   それが氷河に「亀裂」を生じ、
   その亀裂が、ナイフのように氷河を切断し、
   さらに、一番下、底まで到達すると、
   氷河の下層に、水たまりを作る。

   で、下には、水たまりがあり、
   氷河自体は、亀裂で切りきざまれてゆくので、
   
   そのうち、南極かグリーンランドが、
   一気に、崩壊して、
   氷河の半分ぐらいが、どどどっと海に流れ落ちていく
   って言っている人が、
   いるようなんですが、

   これちょっと、一見、信じられない・・
   んですが、これはどう考えたら、いいんでしょうか?

教授 それはね。あのー、ええと、
   事実として、
   グリーンランドの氷河の底にですね、
   広い、水の塊(かたまり)、
   湖みたいなもんがあるっていうのは、
   事実なんです。

山本 はい。

教授 そういう風なものから、
   いろいろ類推して、ですね、

   そんな風なことが起こるっていうことを
   言っている人がいるのかもしれないですが、

山本 はい。

教授 あのー、北極や南極の氷河が、
   温暖化に対して、どうレスポンス(反応)するのか、
   っていうことに対しては、

   まさに今、
   ホットな(最も注目を集めている)研究の
   最前線になっていて、ですね、

   誰も、(まだ)事実はわかんないんですよね。

山本 はい。

教授 で、10年くらい前からですね、

山本 はい。

教授 グリーンランドの氷河の中に、ですね、
   今、おっしゃったみたいに、
   溶けて、穴があいて、
   ぐーっと、水がもぐりこんで、
   下の岩盤との間に、水の塊がある、
   っていうことは、
   わかってきて、
   
   で、そんな凄いことが今、起きてるんだったらば、
   どんどん、(氷河の一部が)流れ出して、
   大変なことになるんじゃないか、
   っていうことに、なったわけです。

山本 はい。

教授 ところが、調べてみると、ですね、
   (昔から)かなり広い範囲に、そういうものがあるらしい、
   ということが、わかってきたんですね。

山本 はい。

教授 だから、あのー、
   その極端な、考え方が、
   今いったみたいに、
   ナイフで、「切る」みたいにですね、
   氷河を切って、それが流れだすっていう話なんだけど、
   ええと、
   そういうものを発見した人たちの目から見たら、

   そういうことは、今までだって、
   いろいろ起きていたんだ、と。
   
   つまり、以前から、氷河の底には、
   いっぱい水が溜まっていたんだ、と。

山本 はい。

教授 で、その結果として、今、グリーンランドの氷河が、
   (徐々に、海へ)「流れ落ちるっていう速度」
   が、決まっているんだから、

山本 はい。

教授 あのー、その結果、ですね、たとえば、
   あと5年後に、グリーンランドの氷河が全部、
   どどどって、流れ落ちる、とかですね、
   そういう風には、
   なかなか言えない、
   と考えていいんじゃないか、と思いますけどね。

山本 あー。

教授 ただ、じゃあ、
   100年の間に、その危険性があるのか、
   500年の間に、その危険性があるのか、
   1000年の間に、その危険性があるのか、
   っていうことになると、ですね、

山本 はい。

教授 さっき言ったみたいに、
   まさに、研究の最前線ですから、
   あんまり、よくわかっていない。


(注: 山本の作った映画「ツバル 大切なものに導かれて」の中で、
    オーストラリアのジョン・ハンター博士が同様のコメントをしている。)


NPO法人 宇宙船地球号・動画サイト(暫定版)
http://www.ets-org.jp/hosoku/YouTube20080124.html


山本 なるほど。

教授 あのー、そこの評価は、
   はっきり言えば、今、誰もできない、
   んだと思います。

山本 ほぉー

教授 一番最初に、
   (IPCCの会議において、議論されたのですが)
   「南極は、どういう役割を果たしますか?」
   って、きかれたのがですね、
   実は、その問題なんですよ。

山本 ・・はい(?)

教授 つまり、
   (地球温暖化による海面上昇を防ぐために)
   南極は、どんどん、どんどん、水を汲み上げて、
   南極の上に、雪を降り積もらせて、
   氷の量を多くしてるっていうことは、
   海面を下げる方向になっている。

   ところが、南極の氷河の
   (海への)滑り落ちる速度が、ですね、
   速くなれば、

山本 はい。

教授 そのー、降り積もる速度より、ずっと速く、
   氷河として、あるいは、氷山として、
   海に(水を)返すわけですよ。

山本 はい。

教授 ですからそこの、
   氷を貯める速度が速いのか、
   すべり落ちる速度(の方)が速いのか、っていうのは、
   まさに、あのー、えー、
   「雪氷学(せっぴょうがく)」って言うんですけど、
   それの、
   最前線の話題になっているってことですね。

山本 はい。

教授 それで、ですね。
   宇宙からそれを測って、ですね、
   南極の氷の体積が、どんどん増えてると、
   だから、
   南極の氷河は、溶けていないんだ、っていうのは、
   今のような議論には、答えをだしたことに
   なっていなくて、
   と、いうのは、
   別にその、
   氷の量が増える(または、減る)
   ことが問題なのじゃなくって、
   それが動く速度が速くなるかどうか、
   が、問題なわけですよ。ねぇ?

山本 はい。なるほど。

教授 (氷の体積が)増えれば増えるほど、
   (南極の傾斜のある大地にある氷河などが、
    重くなって、滑り落ち易くなり、
    海に落っこちていってしまう、その速度が、さらに)
   速くなる可能性もあるわけですよね?

山本 はい。

教授 そこらへんのことをね、ちょっと、
   早く、答えをだして欲しいなあって、
   思ってんですけどね。

山本 ・・なるほど。

   南極に降り積もる雪によって、氷が増える速度と、
   一方で、氷の重さが増すことによって、海に流れだす速度。

   その二つのバランス(どちらが大きいか)によって、
   南極が、海面の上昇に貢献するか、下降に貢献するか、
   が、決まってゆく、

   なるほど。
   これは・・、知りませんでした。


・・・次回に続く・・・
・・・

このブログの続きはこちらへ
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65326066.html