.
温暖化を考える上で、
私が以前から「最も疑問」に思っていたことを
紹介する。


地球温暖化は、あと10年以内に
"point of no return" と呼ばれる、
「暴走」が始まる可能性があり、
それが始まったら、
もはや地球の温度上昇は止まらない(?)
という仮説があるのだ。

また、
それを止めることができる最後のチャンスが、
今回の、「COP15」だった、というものである。


注:COP15とは、
気候変動枠組条約(UNFCCC)の第15回目の締約国会議(COP)のこと。
2009年12月7日から12月18日まで。
現在開催中。


日本やEUなどは、
(1990年比で)CO2の25%程度の削減を
表明していた。

ただし、その条件は、
アメリカ及び新興国(中国、インドなど)も含めた
主要国が、いっせいに数値目標を持つことだった。

しかし、
中国などが、CO2の排出量を
「2020年までに、GDPあたりで40%削減する」
と言っている。

中国のGDPは、毎年10%前後成長しており、
2020年には、現在の4倍になる。
CO2排出量も比例して増えると仮定した場合、

(それをGDPあたりで40%削減しても)
CO2の絶対排出量は、
1990年比で、6倍(600%増加)になる。

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65330619.html

つまり、
中国は、まったく減らす気がなく、
それどころが、
現在の全地球からのCO2の総排出量を、
中国一国だけで将来的には、抜いてしまうことが
確実な状況である。

インドも、中国と同じように、
「GDPあたりの20%削減」を言っており、
減らす気はない。
また、インドがCO2を排出する潜在能力は、
中国に匹敵する。


で、
新聞等で報道されている通り、
議長国のデンマークは、

途上国よりの考えを示しており、
「京都議定書」の単純延長を表明していて、

EUと日本だけに
25%という重大な数値目標を課し、

アメリカは、
(1990年比で)4%でよく、
新興国(中国、インド等)にも
途上国にも、数値目標を課さない、
という
到底、納得できない「案」が
議長案として提案されている。

これが、いわゆる(議論する上での)「たたき台」
となってしまっているため、
これを、どう改善したところで、

12月18日のCOP15の終結までに、
まともな「政治的合意」が
生まれることは、ないといってよい。

ちなみに、
まともな案、とは、
10年以内に起こってしまうかもしれない、
「温暖化の暴走」を止めるような、
CO2の絶対排出量の削減である。

・・・

CO2の絶対排出量を減らすためには、
途上国も含んだ、
数値目標の設定が必要だったのだが、
それが、できない。

理由は、

途上国には、まだ電気の使えない人が住む地域、
いわゆる、「非電化地帯」が多く、
今後の発展は、必要だ、と主張していることと、

これまで、先進国の人々は、
さんざんCO2を排出してきた。
つまり、産業革命以来の地球温暖化は、
先進国のせいなのだから、
先進国だけがCO2の削減をすればいい、

という、二つのものがある。

いずれも、一理(いちり)あることなので、
これを説得することは、なかなか難しい。


・・・

と、いうわけで、
10年以内に訪れると言われている
世界全体のCO2濃度の

"point of no return"
(引き返せない限界点)
を、
越えてしまうことは
確実な状況である。


この「限界点」を越えてしまうと、
後述する
「ポシティブ・フィードバック」が起こり、
温度はどんどん上昇を続け、
その後、いくらCO2を減らしても、地球の温度の上昇は、
止まらなくなる可能性(仮説)がある。


で、あるとするならば、
実は、
CO2の削減(緩和策)、などやっても
ほとんど無駄であるから、
各国は、そのような対策に奔走するのではなく、

現実的な
温暖化への「適応策」に
お金を使ったほうがいいのではないか、
と考えることもできる。

その理由を、以下に解説してゆく。

・・・

まず、
温室効果ガスについて、説明する。

基本的に地球の温度を決めているのは、
太陽からの「太陽放射」である。

これが地球の地面にあたったあと、
赤外線に姿を変えて、宇宙に向って放出される。

これがそのまま出ていけば、
地球の温度は、−19度になってしまう。

しかし、実際は、
(地球の平均気温は)+14度ぐらいになっている。

これは、温室効果ガスのお陰で、
基本的に、温室効果ガスは、あったほうが良いもの、
なのである。


・・・

次に、温室効果ガスについて、
みなさんが思っている誤解を
解いておく必要がある。

温室効果を持つ、最大の物質は
水蒸気であり、
90%以上の温室効果は
水蒸気によって行われている。

CO2は、全温室効果の5%ぐらいにすぎない。

(もともと、地球温暖化の懐疑論者たちは、
 このことをもって、
 人類由来CO2による地球温暖化など、
 ウソだ、と言っていた。)

では、
どうして、たかが5%にしかすぎない
CO2が、1.3倍〜1.5倍になるぐらいのことを
ぎゃーぎゃー騒いでいるのか、というと、

それは、
「ポシティブ・フィードバック」が
かかるからである。

「ポシティブ・フィードバック」とは、
温暖化が(ちょっとでも)進む方向にいくと、
どんどんそれが進行してしまうことを言う。
例えば、以下である。

大気中のCO2が増えると、
地球が少し温まって、海水を蒸発させ、
大気中の水蒸気の量が増える。
すると、その水蒸気自身が温室効果を持つため、
またまた地球が暖まり、海水を蒸発させ、
再び生まれた水蒸気が、また地球を暖める・・、
以後、その繰り返しが起こっていくこと、
である。

これに対して、
「ネガティブ・フィードバック」
という現象もある。
それは、温暖化が進むと
それを止めようとする反応が起こること、である。
例えば、以下である。

大気中のCO2が増えて、
海水の水を蒸発させると、
その(大気中の)水蒸気は、やがて雲を作る。
雲の色は白いので、
太陽の光を反射する割合が高く、
地球に届く太陽放射の量を減少させる。
これにより、
CO2による温度の上昇には
ストップがかかり、制御される。

(これを、「雲のアルベド(反射能)」、という。)


つまり、
大気中のCO2が増加した場合、
上記の
「ポシティブ・フィードバック」

「ネガティブ・フィードバック」

両方が起こっているのである。

また、大気中のCO2濃度が増えた場合、
「ポシティブ・フィードバック」
を起こすものは、水蒸気以外にもある。

(例えば、北極の氷が溶けると、
 「白い大地」が減るので、
 太陽放射の(白による)反射が減る、など。
 反射されないと、熱がたまるので、より温暖化する。)

(氷などによって太陽光が反射されることを
 「雪氷アルベド(反射能)」という。)

同様に、
「ネガティブ・フィードバック」
を起こすものも、白い雲、以外にもある。

(例えば、温暖化により
 降水量の減少する地域が増えると、
 砂漠が生じる。
 砂漠は白っぽい大地のことが多いため、
 太陽放射を(森林などよりも)反射する。
 すると、温暖化を止める効果がある。)


このように、
(たかが、全温室効果の5%しかない)
CO2の(ちょっとの)増加による温暖化が
生じた場合でも、

上記のように、
複数の「ポシティブ・フィードバック」
と、
複数の「ネガティブ・フィードバック」
が、
同時に、世界の各地で起こっているため、
はっきりいって
人間の頭では、絶対計算できないくらいの
複雑な要素たちの「うごめき」のもと、
地球の温度は、決定されていく、のである。

このため、
「気候シミュレーター」と呼ばれる、
スーパーコンピューターによる計算が
必要になっているのだ。


・・・

で、以上が、話をするための「基本」である。
本当の話は、ここからだ。

一般に、
CO2による地球温暖化が進行する理由は、
上記の様々な「フィード・バック」の中でも、
「水蒸気」による
「ポシティブ・フィード・バック」の要素が
最も大きいため、
地球は温暖化してゆく、と言われている。

しかし、私はこれに疑問を持っていた。


もし、それが本当であれば、
以下のようになってしまうからだ。

CO2の増加から、ちょっと温暖化が始まり、
少しの水蒸気が発生し、
それが、また温暖化を進行させ、
さらに大量の水蒸気を発生させ・・

ということが繰り返された場合、
地球温暖化は、
「暴走」どころではなく、
永遠に、また、無限に、温度が上がり続けて
しまうからである。

(だって、海の水がある限り、
 それが温まったことによる水蒸気の発生は、
 繰り返されるからだ。)

少なくとも、
100年で、4度だの6度だの
上昇する程度のことでは
すまないはずなのだ。

(将来的には、
 40度とか、60度、またはそれ以上、
 上昇する可能性もある。
 だって、永遠に、無限に上がり続けるのだから。)


・・・・

よって、
CO2の濃度が上昇した場合、
または、
地球の温度が上昇した場合、

どこかの段階で、
「強烈な」ネガティブ・フィードバックが
かかる、
自然の摂理(仕組み)がある、
と考えたほうが自然だ。

その理由は、
過去に、(たとえば縄文時代ごろに)
今よりも、ずっと気温が高かった時期があり、
その頃、もし、
ポシティブ・フィードバックが起こって
悪循環が繰り返されたならば、
地球上の生物は、全滅するような状況に
なってしまっていた可能性もあるからだ。)

で、
その
「強烈な」ネガティブ・フィードバックの
候補者は、
上述した、
白い雲が増えること、や、
(白っぽい)砂漠が増えること、
などが考えられる。


しかし、雲と砂漠だけで、
それが起きるのだろうか?

(まず、空気中の水蒸気が増えた場合、
 水蒸気による温暖化と、
 雲による寒冷化が起きるが、
 基本的に前者の効果のほうが強い、
 と言われている。
 また、
 地球上の砂漠が、光の反射率を増やすほど
 広がってしまう頃には、
 もう、そうとう、地球の荒廃は進んでしまう。)


私は、他にも何か、
「強烈な」ネガティブ・フィードバックを起こすものが
あるのではないか、と思って、
調べてみた。


・・・

そんな時、次の本を見つけた。

「環境問題のウソ」
池田清彦
ちくまプリマー新書

この本は、いわゆる
(地球温暖化の)懐疑論者の本の中で、
悪いほうの本である。
(つまり、根拠がそもそもまちがっており、
 論理展開も、おかしい。)

しかし、有用な情報も、部分的には、あるかもしれないと
思って読んでみたら、次のような記載があった。


p29
「温室効果ガスは、地球を毛皮のようにくるみ、
 出ていく熱をブロックする(出ていかないようにする)。
 ブロックする割合が多くなればなるほど、
 地球は温暖化するが、問題は、
 地表から出ていこうとする熱の、95%以上は、
 すでに存在する温室効果ガスでブロックされて、
 地表に再放射されていることだ。」


これには、衝撃を受けた。知らなかったからだ。

(もし、これが本当なら、
 温室効果ガスによる、地表からの赤外線の吸収は、
 すでに95%以上に達しており、
 すなわち、ほぼ飽和しており、
 これ以上、CO2や水蒸気が増えても、
 もう、温室効果による温度の上昇が起きることは、なくなる、からだ。)


ところが、この本には、データの出典がなかったため、
自力で図書館にこもって論文を捜したところ、
あった、あった。

Petty W. Grant(2004)
“A First Course in Atmospheric Radiation”,
Madison WI USA: Sundog Publishing, 445pp.
ISBN 0-9729033-0-5.

この文献の中に、
地表からの赤外線の放射を、
現在存在する温室効果ガスで、
95%以上、すなわち「飽和」に近いくらい、
すでに吸収していることを示す
グラフがある。

つまり、
これからCO2がどんなに増えようが、
(ポシティブ・フィードバックで水蒸気などが増えようが)
95%以上だったものが、100%に近づくだけで、
それほど影響はないのではないか、
とも考えられる。

また、
これこそが、
縄文時代などの現在よりももっと高温だった時期に
ポシティブ・フィードバックが「頭うち」になり、
温暖化が止まった、原因ではないか、と
考えられた。

で、あるならば、
CO2の削減など、やらなくてもいいのではないか、
とも考えられる。

(だって、かってに「頭うち」になって、
 もうすぐ、止まるのだから。)

(もし、CO2削減をやる必要があるとしたら、
 それは、その進行速度を、「多少」遅らせることに
 なんらかの意義がある場合、だ。)


・・・

ところが、さらに調べてみたら、違った。

東北大学・アジア研究センター・明日香壽川教授によれば、
上記の論文は、
CO2の吸収の部分だけをみたものであり、
池田教授は、誤った解釈をしている、と言う。

簡単にいうと、

地球の地面から放射された赤外線は、
空気中の温室効果ガスにぶつかって吸収されるのだが、
(宇宙に熱エネルギーが出ていくのを止められるのだが、)
その後、
また、地面に向かって赤外線を放射し、
それがまた、地面から反射されて、温室効果ガスにぶつかり、
ということを
延々と繰り返しているのである。

で、一回目の赤外線の「吸収」だけをみた場合、
たしかに、その部分は95%以上に達しており、
いわゆる、「飽和」しているのだが、

大気中の温室効果ガス(の分子数)を増やしてゆくと、
上述の、吸収と放射を繰り返す現象の回数が増える結果、

最終的に、
やっぱり、地球温暖化は、進行していく、ことが、
気候シミュレーターによる計算の結果、判明している、という。

・・・

と、なると、やっぱり、
「頭うち」は、ないのであるから、
水蒸気による「ポシティブ・フィードバック」による
"point of no return"
(温暖化が止まらなくなる限界点)
が、存在するのではないか、という懸念が出る。

(つまり、その温度を突破してしまったら、
 もう、CO2削減対策など、やっても無駄になってしまう
 ポイントがあるのかないのか、ということである。)


・・・

東京大学の生産技術研究所の山本良一教授は、
著書「温暖化地獄」の中で、次のように記載している。

上述のポシティブ・フィードバックを起こす
様々な要因について、である。

(ただし、彼は、ネガティブ・フィードバックについては
 知っているはずなのに、ほとんど書いていないので、
 彼は、地球温暖化の擁護者、と考えられる。)


p48−51

1.地球温暖化により、
  海水中に含まれていたCO2が放出され、
  直接的な
  ポシティブ・フィードバックがかかる。

  (海水温が上昇すると、物理的な現象として、
   海水は溶解していたCO2を放出する性質がある。)

2.北極の氷が溶ける。
  74万平方キロメートル。

  (今までは、北極の地域において、太陽放射の80%を
   反射してくれてた「白い氷」が消失)

3.シベリア凍土の融解。
  それによる、メタンガスの放出。
  1日に、10万トンほど。

  (ちなみに、メタンの温室効果は、CO2の21倍。)

4.海洋が酸性化し、海水のCO2吸収能力が低下する。

  (CO2は海水に溶けると、炭酸になり、酸性化させる。)

5.森林の減少。それによるCO2吸収能力の低下。

6.土壌からのCO2放出が促進。

7.南極の氷床に眠っていたメタンなどが放出。

8.グリーンランドの氷床に眠っていたメタンなどが放出。

9.アマゾンの熱帯雨林が枯れ始め、大量のCO2放出。

10.海洋中のメタンハイドレートが不安定化し、メタンガス発生


(11.もちろん、水蒸気によるポシティブ・フィードバックもある)


以上のような
11個にも及ぶ、ポシティブ・フィードバックの進行、
すなわち、

"point of no return"
(温暖化が止まらなくなる限界点)

が、どの段階で起こるのかというと、

山本教授によれば、
2028年頃に、
(産業革命前と比較して)「2度C」
の上昇をしてしまうかどうか、
だと、している。


で、
この話が本当である場合、
(2020年までのCO2削減案を決める)
COP15は、最後のチャンスだったのだが、
それを我々は、逃してしまったわけだ。


・・・

ドイツのポツダム研究所の
ヘアと、マインスハウゼン博士によると、
地球温暖化を起こす熱エネルギーの蓄積は、
現在も
海などに蓄えられている。

(人類由来のCO2は、いったん、
 海などに吸収されることが多いため。)

そして、それが徐々に放出されてゆく。


B. Hare & M. Meinshausen(2004),
“How much warming are we committed to and how much can be avoided?”
(PIK Report No.93)



http://www.rite.or.jp/Japanese/labo/sysken/research/phoenix/outline-phoenix/PHOENIX200606.pdf


つまり、
今、仮に、人類由来の温室効果ガスの排出を
100%減らして、ゼロにしたとしても、
今後、(少なくとも)10年間は、温度は上昇を続けることが
わかっている。

よって、2028年の2度C突破を防ぐためには、
2018年までには、
CO2の排出量を、適正なレベルまで
減らさなければならない、ことになる。


具体的には、
2020年までに、
25〜32%程度のCO2削減は絶対であったのだが、
(本当は、それでも足りないのだが)
それすら(COP15において)達成できる見込みは、ない。


理由は、
EUと日本だけが、25%削減をやったところで、
全世界からのCO2排出量の、1〜2割ぐらいしか
担(にな)っていないから、である。


よって、(このようなCO2削減は)意味がないといってよい。

それどころか、
中国は600%増やす、と言っているのだから、
馬鹿馬鹿しくて、やってられない、というところだ。


・・・

しかし、困ったね、これは。

"point of no return"
からの
ポシティブ・フィードバックの連鎖が、
ウソであることを願うしか
やることがないとは!


(ええと、実際には、
 地球温暖化対策のうち、
 緩和(CO2排出の削減)は、仮に意味がなくなるとしても、
 適応(途上国への支援)は、いろいろできる。)

(理由は、温暖化による被害である、
 旱魃、洪水、台風その他の影響がでるのは、おもに途上国だから。)


それはともかく、
温暖化に歯止めをかける
強烈な「ネガティブ・フィードバック」は
他に、必ずあると思われるので、
もうちょっと調べてみる予定。

乞うご期待?




補足1:

一応、雲のない月のアルベド(太陽放射の反射能)は、7%。
雲の多い地球のアルベドは、70%、である。
よって、
地球温暖化により大気中の水蒸気がどんどん増えていった場合、
雲のアルベド(反射能)が、どこまで上がるのか、という話が、まず一つ。

(どんどん上がって、アルベド(太陽放射の反射能)が、
 100%近くまでいく可能性はあるのか?

 また、そうなった場合、
 強烈なネガティブフィードバックがかかり、
 温暖化が止まる(頭うちになる)可能性が、あるのかないのか?

 もし、ないなら、
 代わりの、温暖化を頭うちにするネガティブ・フィードバックは何なのか?

 それもない場合、
 なぜ、過去の温暖期(間氷期)の時に、
 11個ものポシティブ・フィードバックによって、温暖化が暴走し、
 地球全体が灼熱(しゃくねつ)地獄にならなかったのか?

 地球の公転・自転・ブレ、すなわミランコビッチサイクルによる変動は、
 数万年周期で訪れるので、私が心配している数百年以内に、
 10度以上上がるような「急速な温暖化の暴走」(を止めること)
 には、おそらく関係しない可能性のほうが高い。

 残りの可能性としては、
 (ネガティブ・フィードバックなど関係なく)
 たまたま、周期的に、太陽放射の弱まる時期が来て、そこで止まる可能性。
 これには、11年周期、20年周期、85年周期、200年周期で、
 太陽放射が弱まるサイクルがあることが知られている。
 過去の温暖化も、これで止まったのかもしれないし、
 今回の温暖化も、これで止まる可能性が、あるかも?)


このあたりのことを、
今後さらに調べてゆくつもりである。




補足2:

と、いうことを書いてるうちに、自分で謎を解いてしまった。
以下、それを説明する。

地球の気温は、基本的に、次の三つで規定される。

1.太陽放射

(これが最大の要因で、これで与えられる熱量よりも、
 地球の気温が上がることは、絶対にない。)

2.地球の反射率

(白い雲のアルベド(反射能)、白い北極の氷(雪氷アルベド)などで、
 反射されなかった光が、地球に到達する。
 到達した光は、地面から赤外線を放射させる。)

3.温室効果ガス

(地面から放射された赤外線は、温室効果ガスでトラップ(吸収)された後、
 またその分子が、赤外線を放射し、一部は宇宙に飛びさり、
 一部は地球をあたため、それがまた赤外線を放射し、
 それがまた、温室効果ガスでトラップされる、ことを繰り返す。)

で、
2004年の、Pettyのデータにあるように、
地表から宇宙へ放射される赤外線は、
水蒸気やCO2などの温室効果ガスによって、トラップ(吸収)されるのだが、
一回めに起こる分のそれ(吸収)は、すでにほぼ飽和している。

で、
東北大学の明日香教授は、空気中の分子数が増えるほど、
二回目以降に起こる、赤外線の再放射を、宇宙に逃がさず、
地球の中に(熱量、熱エネルギーを)かかえこむ可能性を高くする、
と言っているが、

それは、もちろん、そうなのだが、
それには、限界があり、

あたりまえだが、最初に入ってくる太陽放射よりも
熱量が増えることはない。

(温室効果ガスが、新たな熱を「産む」わけではない。
 宇宙に逃げる分の熱を、ある程度、止めるだけである。)

(また、地表から放出される赤外線のうち、
 水蒸気やCO2がトラップできる「波長」は、
 全赤外線のうちの、一部、にすぎない。
 つまり、多くは宇宙空間に逃げていってしまう。
 さらに、
 前述した通り、一回あたりの、温室効果ガスの赤外線の吸収が、
 既に、ほとんど「飽和」してしまっていることも影響し、
 基本的に、熱エネルギーは、どんどん宇宙に逃げてゆく。)

(さらに、地球の温度が上昇していった場合、
 地表から放射される赤外線の量も、ますます増えることが、
 単純に物理的な法則として、証明されている。
 で、
 温室効果ガスは、その一部しか吸収しないため、
 基本的に、温度がある程度以上、上がった場合、
 宇宙に逃げる赤外線の量のほうが、はるかに大きくなる。)


つまり、これが「温暖化の頭うち」、である。


(温室効果ガスが、どんなに増えても、
 ある一定以上、地球の温度が上がることは、ないのだ。
 よって、ポシティブ・フィードバックが、11個もあっても、
 それよりも強力なネガティブ・フィードバック、
 すなわち、
 「地球から宇宙へ放射される(逃げる)赤外線量の増大」
 によって、
 必ず、地球の温度上昇は、止まる。)


つまり、温室効果ガスが、どんなに増えようと、
地球の温度上昇には限度があり、
それは、なぜかというと、

基本的に、そもそも「太陽放射」が
それ(地球に入ってくる総熱量)を規定しているからである。



補足3:

もっと、決定的な証拠を見せよう。

7千万年前の、白亜紀には、
CO2の濃度は、現在の5倍以上あった。

(現在、われわれが騒いでいる地球温暖化は、
 産業革命前に、280ppmだったCO2が、
 380ppmに上昇したことを
 心配しているもの。
 つまり、1.3倍になった程度、である。)

しかし、その頃(CO2が5倍もあった、白亜紀)の平均気温は、
現在より、6度、高いだけである。

これこそが、すべてを物語ってる。


CO2などの温室効果ガスが、ちょっと増えることにより始まる、
(11個もの)ポシティブ・フィードバックの嵐は、
(それがもし本当に起こったとしても)
いずれ、必ず、止まるのである。



(と、なれば、最初に戻って、
 point of no return という概念は、怪しいもの、となるのだが、
 いずれにしても、
 地球温暖化を誇張して報道し、
 それによって儲(もう)けよう、得(とく)をしよう、
 という輩(やから)に、騙(だま)されてはいけない、と思う。

 なぜかというと、たくさんの国の、国家予算が、
 「温暖化によって生じると予想される、将来の被害の大きさ」
 (の試算)
 に比例して、増えていってしまうのだから。

 また、いずれ温暖化は止まるのであれば、
 それを遅らせるために、CO2の排出削減を行う意味が、
 どれほどあるのか、という話にもなる。

 少なくとも、
 中国が、2025年までに、600%増加させることが決定的な時期に、
 日本とEUだけが、25%減少させることなど、
 まったく意味がないことに変わりはない。

 CO2増加を遅らせる速度に、効果があるとは思えないからだ。)


(しかし、議長国のデンマークも、国連事務総長も、
 中国とインドに削減目標を定めず、
 日本とEUだけに、25%削減をさせようという方向で動いている。
 京都議定書の、単純延長、というやつである。
 ともかく、
 新興国を懐柔(かいじゅう)して、
 「政治的合意」をなんでもいいから、とりつけたい、
 という思索が動いているためだ。
 しかし、
 そのような「政治的合意」など、なんの意味もないことは、
 科学的に明白である。)




さあて、人類は、どこまで馬鹿なんでしょうかねぇ。

「馬鹿な子ほど、かわいい」という諺(ことわざ)もあるが、

流石の私も、見捨てたくなるほど、愚かな議論が、

今、デンマークのコペンハーゲン、


「COP15」で行われているのである。























補足4:
IPCCの第四次報告書を精読したら、
地球温暖化は、最大6度C,と記載されていた。
つまり、IPCCも、
地球温暖化には、上限があることを明記している。
よって、温暖化がいずれ止まることは、確定と言ってよい。

補足5:
ポイント・オブ・ノー・リターンの定義には、
いくつかのものがある。

定義1.
排出されたCO2は、一度海水などに取り込まれる。
これが、10年ぐらいかけて、徐々に放出されるから、
たとえば、
2028年の2度C突破を防ぐためには、
2018年までに、CO2の排出を削減しないといけない。
が、
2018年までにそれをできなかった場合、
それを達成できないことになる。
この「部分」だけをもって、
ポイント・オブ・ノー・リターン、という場合もある。

定義2.
もう一つの、
ポイント・オブ・ノー・リターンは、
上記してきた、ような、いわゆる地球温暖化の暴走、
すなわち、11個ものポシティブ・フィードバックがかかってしまうような
臨界点を、いう場合だ。
ただし、この場合、
「ラン・アウェイ」"run away"という言葉も
同義のものとして用いられている。

以上のように、ポイント・オブ・ノー・リターンという言葉が出てきた場合、
上記のどちらの意味で使われいるかを、文脈から判断することが必要である。


補足6:
気候学者のジョン・ホートンによれば
「暴走温室効果の条件が地球で生じる可能性は全くない」とされている。

John T. Houghton, Global Warming :
The Complete Briefing, 2d ed., Cambridge University Press
(1997) ISBN 0521620899





関連ブログ:

地球温暖化の考え方、出発点 3775字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65320034.html

第二の地球温暖化は仮説にすぎないが、正しいか? 9221字 
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65322518.html

気候変動国際シンポジウム,その1 7526字 (環境問題、地球温暖化)
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気候変動国際シンポジウム,その2 8511字 (環境問題、地球温暖化)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65327715.html

COP15開幕!、中国、アメリカ、インド主席が参加 4738字 
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65330619.html



参考リンク:
暴走温室効果・北極振動など
http://www.es.ris.ac.jp/~nakagawa/term_collection/yogoshu/ll/ho.htm

水蒸気が温室効果ガスとしては最大?
http://www-cger.nies.go.jp/qa/11/11-2/qa_11-2-j.html