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(このブログは、前回の続きです。前回からお読みください。)


地球温暖化、今、私たちにできること その1 7779字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65336583.html


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5.地球温暖化に対し、緩和策(CO2排出削減)は?


国立環境研究所・江守正多博士は、

「どの(未来の経済的発展の)シナリオを想定しても、気温はあがってゆく。
 今、(人類が)だしているCO2の量の、半分弱を、
 自然(海と森林)が吸ってくれている。
 したがって、かなり単純化して考えた場合でも、
 世界全体で、少なくとも、
 CO2排出量を50%以下にする必要がある。
 でないと、地球温暖化は、止められない。」

(注: 実際は、海水の酸性化によるCO2吸収量の低下や、
    森林面積の減少により、CO2の吸収がへるので、
    50%どころが、80%以下にへらさないと
    温暖化は止められないことが試算されている。
    詳細は、私の他のブログ参照。)


現在、世界から排出される温室効果ガスの量は、
CO2に換算すると、266億トン。
産業革命以前の、70〜80倍の量が1年で排出されている。
しかも、
その排出量は、毎年増え続けている。


日本は、京都議定書の時の約束で、2012年までに
(1990年比で)6%減らすはずが、
2005年の段階で、(逆に)7%以上増加してしまった。
(よって、13%以上も減らさなければならず、達成は困難。)

気候変動枠組条約・京都議定書
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cop.html


日本は、世界でCO2の排出量が、4位。
アメリカ、中国、ロシア、日本。
(2007年以降は、中国がアメリカを抜いて1位になった。)

日本は、年間13億6千万トン。

その(CO2を排出する各部門の)内訳は、以下。

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エネルギー転換部門 30.7%
(発電部門、おもに火力発電所。化石燃料を燃やすため)
(火力が6割、原子力が3割、水力が1割)

産業部門 29.5%
(第二次産業、いわゆる工業等。鉄鋼、化学など。)

運輸部門 19.3%

民生(業務)部門 8.3%
(第三次産業、サービス業等。事務系の会社、販売店など。)

民生(家庭)部門 5.2%
(一般の消費者が「直接」減らせるのは、ここだけ。)

工業プロセス 4.2%
廃棄物 2.8%


(このように、ほとんどのCO2排出は、
 発電、工業、運輸など、企業や工場・発電所で行われているのである。
 消費者が「直接的に」関与している部分は5%程度。)

(上記のような状況のため、
 私は、一貫して、
 企業の社会的責任(CSR)の重要性を説き、
 CSR優良企業の商品を、消費者が優先的に購入して、
 良い企業を育てることを提言している。)


・・・

ともかく、
要するに、「発電部門」が、最もCO2を発生する。
このため、発電に関して、以下のような工夫を、各地、各部門で行っている。


千葉県袖ヶ浦市で、
建築の際の「廃木材」を利用して、
燃やすのではなく、高い熱と水蒸気を加えて、「水素」などを取り出している。
(水素は、CO2のでない、クリーン・エネルギーの一つである。)
(たとえば、車を走らせる、燃料電池の燃料になる。)
これを利用して、バイオマスプラント(発電)とする。
廃木材は、建築や間伐で、日本で、6千万トンもある。
森が再生可能エネルギーのもとになるかも。


神奈川県横須賀市にある、
ゴミを利用したバイオマスプラント。
まだ、実験段階。
ゴミの中から、生ゴミだけを選別。
それを、ペースト状に。
「メタンガス」が発生。それを燃料に。
既に、ゴミ収集車の燃料に使われている。


群馬県太田市では、500を超える住宅に
太陽電池を設置するという実験。
一般家庭の使用量の、90%が
太陽光発電でまかなえることがわかった。

上記の実験をしたのは、
東京農工大学、大学院教授、黒川浩助(こうすけ)博士。
彼は、太陽光発電が、もっとも有力と考える。
次のように言う。

「日本の面積の、2.5倍に相当する「ゴビ砂漠」に
 太陽電池をしきつめれば、
 世界の必要量のほぼすべてをまかなうことができる。
 (具体的には)
 387EJ(エクサジュール)/年が、
 世界で必要なエネルギー供給量であるが、
 上記の太陽光で、384EJ/年をまかなえる。
 ともかく、
 人類の社会活動が、未来永劫ずっつ続くためには、
 絶対的な要件は、大事な資源を消費しない、こと。
 地域での自然のエネルギーに依存すること。
 自然エネルギーのほとんどが、太陽起源。
 太陽起源のものは、なくならない
 なくならないものに依存すれば、
 きっと人間は、1000年たっても、生きている」

東京工業大学 黒川浩助
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090203/100595/?P=5
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090203/100594/?P=4

ゴビ砂漠での太陽光発電調査研究
http://www.pvsystem.net/mongolia/index.html


太陽電池の効率化。
今、普通、(太陽光の利用率が)40%程度だが、
光を集めることで、50%まで高めたものもある。


植物の光合成からヒントを得た、太陽電池もある。

光合成タンパク質で太陽電池,効率向上,低コスト化に威力
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20080527/152455/


日本では、ソーラーシステムのパネル技術。
現在も世界のソーラーパネルの4割を製造している。
サンヨー、シャープなど。
最近では、窓ガラスとして使用できるものが開発された。

三洋電機
http://jp.sanyo.com/

シャープ
http://www.sharp.co.jp/

太陽電池、CSRランキング
http://www.ets-org.jp/csr/50on/t2


デンマークは、発電の16%を風力発電に移行。


ドイツのフライブルク(ドイツの環境首都)では、
路面電車が多い。車よりエコだから。
市内の様々な場所に、太陽光パネル。
ビルの南型の窓や壁は、ほぼ全てソーラーパネル。
サッカー場にも、1千枚。
その1枚1枚に対し、市民がその設置に投資をしている。
ベンチャー企業が、1枚1枚を
「ソーラー株」という株式として一般市民に販売した。
パネルは、無料で設置できるとこへ設置させてもらう。(サッカー場など)
生じた電力を、(ベンチャー企業は)電力会社へ売る。
売って得たお金を、株式をもつ株主(一般市民)へ配当として渡す。

かつてEU最大のCO2排出国だったドイツだが、
今では、1990年時より、20%排出を減らしている。
(日本はいまだに増え続けているのだが。)

Stadt Freiburg im Breisgau Startseite
http://www.freiburg.de/index.html


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世界中で、9億台が走る、自動車。
車からでる温室効果ガスは、世界全体の排出量の20%。

ハイブリッド(ガソリンエンジンと電気モーター)
を開発したのは、日本のトヨタ。
ガソリン消費量が、従来の半分。

プリウス
http://toyota.jp/prius/


モーターショーでは、
ハイブリッド車、燃料電池車など、
次世代エコカーが主役。

TOKYO MOTOR SHOW WEB SITE
http://www.tokyo-motorshow.com/


植物から作られる、バイオ燃料。
(バイオディーゼル、バイオエタノール)

スウェーデンでは、
排出される炭素に税金をかけているため、
バイオ燃料は、一般的なガソリンよりも
値段設定が低くなっている。
(炭素税がないため。)

ガソリン  225円
エタノール 155円

(バイオエタノールは、ガソリンより70円も安い。)

バイオエタノールは、
とうもろこしや、さとうきびから。

バイオディーゼルの原料は、
(油やしの実から採れる)パーム油や、大豆油など
植物から採れる油脂、油など。

植物は、成長する時にCO2を吸収するので、
(車などで)使用されるときCO2を出しても、差し引きゼロになる。
この考え方を、「カーボン・ニュートラル」、という。

(注:しかし、穀物価格の高騰をまねいたり、
   食糧や飼料の供給不足や、森林伐採の問題も起きた。)


油ヤシ(パーム油)が世界一とれるのは、インドネシア。
そこで、油ヤシの重要が急速に拡大。
金のなる木として、栽培された。
しかし、
その油やしを植えるために
伐採されているのが、インドネシアの熱帯雨林。
(よって、カーボン・ニュートラルではない。)
スマトラ島の熱帯雨林は、ここ40年で、半減した。。

このように、先進国の温暖化対策が、
途上国の森林破壊を加速させている(場合がある)


沖縄県、宮古島
本来捨ててしまうサトウキビのしぼりかすをつかって、
バイオエタノールの開発をしている。
日本政府主導で。


フランスのパリでは、街角に設置された低価格のレンタル自転車
Velib(ヴェリブ) が人気
2万台の自転車、1500か所の貸出場所を設置した。
これにより、
自動車利用が、20%減少した。

Velib
http://www.velib.paris.fr/


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1997年、京都議定書が採択
1990年比で、2012年までに
温室効果ガスの削減数値を
先進国に限定して、設定した。

日本 6%
アメリカ 7%
EU 8%

しかし、アメリカは、
途上国の削減目標がないことなどを理由に、京都議定書から脱退。

2004年、ロシアの批准により、
2005年、京都議定書が発効。


この時、国連アナン事務総長(当時)が
「京都議定書を守り、早急に次のステップに向かうことを求める。
 (温暖化を止めるには)もう時間がないのだ。」
と発言した。


2007年3月、ベルリンのEU首脳会議式典において、
2020年までに、CO2排出量を20%削減する、
あらたな目標をかかげた。

2007年12月 COP13、バリ島にて、
オーストラリアが、京都議定書を批准。
さらに、
2013年以降の、議定書以降の枠組み、
いわゆる「バリ・ロードマップ」を採択。

2008年、G20,ダボス会議。
世界は、温室効果ガス削減にむけて
一歩一歩すすもうとしている。

(しかし、そうでは、なかった。
 2009年12月のCOP15において、
 CO2削減(緩和策)については、
 先進国と途上国の折り合いがつかず、決裂した。)


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京都議定書でとりきめられた
排出量削減のための、メカニズム。
「京都メカニズム」。


1.排出量取引(排出権取引)
International Emissions Trading : IET

CO2の排出枠を、国と国との間で取引する仕組み。

企業もこれを同様の仕組みで、
排出権取引市場を確立。

例えば、
A社は、あまった排出枠を、
取引所に売りに出す。
達成できなかったB社は、
その排出枠を、必要な分、買い取ることで、
B社も、達成したとみなされる。


ロンドンにある、CO2排出枠の取引所
CO2、1トンが、22.85ユーロ、
およそ3800円で、売買されている。


EUでは、2005年から、
企業による排出量取引が開始。
開始からわずか2年で、2兆円を超える市場に。
市場経済の原理を組み入れることで、
二酸化炭素の削減が加速されることを期待。
排出量取引は、企業の経営を大きく変えた。

イギリスの電力会社は、
2基の火力発電所を閉鎖。
自然エネルギーへの変換。
たりない分を、排出枠の購入へ。

現在、EUが主導し、
アメリカやオーストラリアが参入し、
排出枠の世界市場の導入が
模索されている。

排出量市場は、2010年には、
20兆円の市場になる予想。
巨大な市場は、拡大の一歩。


2.CDM クリーン開発メカニズム
Clean Development Mechanism : CDM

例えば、
日本の企業がインドネシアなどで植林事業を行おうと。
およそ、20kmぐらいの海岸に、植林する。
すると、植えられた木が、吸収するであろうCO2の量を、
先進国にある企業が減らした、とみなされる。
さらに、その企業は、削減した分を、
国や他の企業などに売ることもできる。
しかし、現在の問題点は、植林事業は、
企業の利益率が低い。
しかし、途上国の森林保護になる。


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個人が排出量削減に貢献できる仕組み。
イギリスのロンドンで誕生した、
「カーボン・オフセット・サービス」
まず、
パソコン上で、
自分が排出した(年間の)CO2の量を調べる。
(家庭からの排出量(後述)や、車・電車・飛行機での移動なども含む。)
そして、自分が排出した量にみあうお金を寄付する。
寄付されたお金は、
途上国での自然エネルギーの普及や、
森林開発などに役立てることができる。
この仕組みで、2007年に
100億円を超えるお金が
途上国でのCO2削減事業に活用された。
個人がCO2の排出削減に貢献できるネットワークが
世界に広がる。

日本カーボンオフセット
http://www.co-j.jp/home/

我が国におけるカーボン・オフセット
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/guideline/guideline080207.pdf


ところで、
私たちの生活から、どれくらいのCO2がでているか?

家庭からでる1日あたりのCO2の量を、風船であらわす。

浄水器、20L,
給湯器、20L、
食器洗浄機が、260L,
パソコン 265L、
冷蔵庫 290L、


消費者でできることは、
省エネ家電に買いかえること。
冷蔵庫は、10年前より、55%の電力消費を削減。
エアコンは、40%。。

白熱灯から、電球型蛍光灯にかえると、80%削減。
LED(発光ダイオード)。
有機ELディスプレイ。


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地域ごとに工夫した、地球温暖化対策もある。

北海道雨竜郡沼田町
年間の降雪量が10m。
雪をエネルギーへ。
雪室(ゆきむろ)と呼ばれる伝統技法。
雪の下に野菜を入れて春まで保存すること。
スノー・クール・ライス・ファクトリー。
米を貯蔵する施設に1500トンの「雪で冷房」。
電気冷房の3分の1の代金。


三重県伊勢市
無駄をなくす。
市内すべてのスーパーで、レジ袋を有料化した。
1枚を5円で購入させる。
マイバックの普及につながった。
一か月で9割の人がマイバックを使用。
レジ袋は、年間300億枚が、焼却される。
これはつまり、60万トンのCO2排出削減になる。


神奈川県厚木市
厚木なかちょう大通り商店街、
エコロジーが町のテーマ。
ハイブリッド街路灯は、
風力と太陽光で、電気を40%削減。
商店街の中央に、
空き缶、ペットボトルのリサイクル施設、
エコステーションもあり、そこに
生ゴミの処理機がある。
なんと!、お金にかわる。
生ゴミ、100gにつき、1円相当のポイントがもらえる。
生ゴミを、ふつうに燃やした場合、
CO2が発生する。
それを防ぐだけではなく、
生ゴミを乾燥させ、不純物をとりのぞいた後、
地元の農家に運ばれる。
堆肥とまぜて、肥料となる。野菜をつくる。
なかちょう野菜、というブランドになる。
地産地消。一村一品運動。


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日本全国で行われているものは、

クールビズ、かつ、冷房を28度。
ジャケットをぬぎ、ネクタイをはずす。
2007年夏、140万トン、
およそ300万世帯が一か月で出すCO2の量の削減を達成。

その他、
コンセントをこまめに抜く。
アイドリングストップ。
エコドライブ。


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しかし、京都議定書発効後も、
アメリカ、中国、日本のCO2排出量は増加している。

また、京都議定書の問題点や不満を各国が訴えて、
まったくまとまらない。

アメリカ、ドブリアンスキー国務次官
「国際枠組み以外の方法をさぐるべきです。」

インド、環境相、ラジャ
「われわれは貧困と闘ってきた。
 我々にCO2排出削減を求めることは
 そうした努力を阻害することだ。」

中国、王金祥 代表
「まずは先進国が、削減の約束を実行するべきだ。
 先進国は、途上国に、資金と技術を提供するべきだ。」

このように、温室効果ガス削減にむけて
世界の国々の意見は、一致しなかった。


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一方、
イギリスの経済学者である、ニコラス・スターン博士が、
かの有名な、「スターン報告書」を発表。

スターン・レビュー(気候変動の経済学)

「ただちに、温暖化対策をとった場合、
 全世界のGDPの1%ですむ。

 しかし、なんの対策もとらなかった場合、
 GDPの20%を、将来、損失する。

 強調したかったことは、
 いますぐ、温暖化対策をとれば、
 経済的損失が少なくてすむ。
 このように
 経済(的な考え方)が社会をうごかし、
 低炭素社会をつくることができる。」

Stern Review on the Economics of Climate Change- HM Treasury
http://www.hm-treasury.gov.uk/sternreview_index.htm

スターン報告書: 気候変動の経済学
http://www-iam.nies.go.jp/aim/stern/SternReviewES(JP).pdf



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6.地球温暖化に対し、適応策は?


IPCCは、1988年の発足。
130を超える国、450人の科学者の集まりである。
科学的、技術的、社会経済学的な知見の集積を行う。

三つに分かれている。

第一作業部会
温暖化の自然科学的根拠

第二作業部会
温暖化の影響と「適応策

第三作業部会
温暖化の進行を食い止める「緩和策


つまり、IPCCは、
緩和策と、まったく同じぐらい、
適応策も、重要だ、としている。

例えば、
高潮にそなえて、護岸に堤防。
農作物被害を防ぐための新たな作物の導入。
(品種改良?)

途上国のほうが、適応策の必要性は、深刻。

もともと自然災害があるところで、
その災害が増え、また被害の規模も甚大になりやすい。

インフラがないため、適応策がとりにくい。

このため、
援助・開発が必要である。


(で、実は、先日の「COP15」において、
 先進国と途上国の間で、CO2排出削減の折り合いがつかず、
 緩和策の方は、うまくいく可能性が低くなったため、
 今後は、適応策のほうに力が入れられていくことになる。)

(しかし、このDVDビデオは、日本の一般消費者向けのものであり、
 国際協力や開発を行う立場の人向けではないため、
 途上国への適応策については、ほとんど触れられていない。
 ちょっと残念であるが、見る対象を考えると、当たり前である。)



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7.まとめ


IPCC・第四次報告書の最後に、
人々の「ライフスタイル・チェンジ」が必要だ、
と書いてある。


IPCCの、パチャウリ議長は、言う。


「国の政策を変えることも大切です。
 しかし、第四次報告書で、最もつたえたかったことは、
 消費や、生活の行動を変化させる、
 ライフスタイル・チェンジの必要性です。

 わたしたち、ひとりひとりの行動を変えることです。

 温暖化の影響を受けるのは、
 私たちではなく、私達の子どもや孫。

 数十年先の将来を考えてほしい。

 私達が、今まさに行っていることが、
 数十年後の未来を決定するのだから。

 未来のために、今すぐ行動を。」





地球温暖化 今、私たちにできること  チーム・マイナス6%
http://www.team-6.jp/warming/whatwecando/index.html