.

以前、国際協力のハローワーク的な本を出版した。

「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」
小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093876401/

この本の、p.218から、
国際協力をしたい人のための「予備校」とも言える、
「イデアス」について、書いた。

国際協力を将来のキャリア(職業)として考えているが、
具体的に何をやればよいか分からない、
大学卒の人などに対して、
私が最も勧めている選択肢の一つが、
この学校である。

しかし、
上記の本の中で、イデアスについての部分は、
若干、情報が古くなってきたので、
新しい情報を、記載しておく。


・・・

まず、イデアスとは、以下である。

日本政府の、経済産業省管轄の、
日本貿易振興機構(JETRO)の中にある、

アジア経済研究所(通称:アジ研)の
「開発スクール」のことを、
IDEAS,という。

Institute of Developing Economies Advanced School
(IDEAS)


・・・

参考リンク:

経済産業省
http://www.meti.go.jp/

日本貿易振興機構(JETRO)
http://www.jetro.go.jp/indexj.html

アジア経済研究所(通称:アジ研)
http://www.ide.go.jp/Japanese/

開発スクール・IDEAS
http://www.ide.go.jp/Japanese/Ideas/index.html


・・・

簡単にいうと、将来、
国際協力(開発)系の海外の大学院に留学するための
1年(11カ月)の、留学準備校、
かつ、開発専門家になるための予備校のようなものである。

また、それだけではなく、
この約1年のコースで、
国際協力の世界の全貌を、一通り教えてくれる場所でもある。

・・・

で、今日は、現在、
このイデアスの中にいる
一人の女性から、
現在の状況の話を聞いた。

(イデアスの最新情報と、
 彼女の個人的な展望の、両方である。)


・・・

山本 どうも。。

椿  こんにちは。

山本 とりあえず、自己紹介を。

椿  はじめまして、椿(つばき)です。
   日本の大学で、国際関係学科を卒業し、
   某自動車メーカーで5年弱働き、
   昨年(2009年)8月に退職しました。

   将来、国際協力にたずさわりたくて、
   自分の「専門性」を開発に生かす術(すべ)を
   身につけたく思って、
   IDEASに在籍しています。

山本 はい。

椿  関心のある分野は、
   物流、交通、都市計画、水、です。

山本 年齢と性別は?

椿  27歳、女性です。

山本 結婚はしてますか?

椿  未婚です。

山本 彼氏は?

椿  います。

山本 結婚の予定は?

椿  結婚願望はあります。

山本 子どもは?

椿  できたら素敵ですね。
   仕事もしながら。

山本 ま、好きに言ってて下さい。(笑)

椿  そんなぁ〜
   この業界、両立の悩みは本当に切実なんですから。


・・・


山本 IDEASとは、何ですか?

椿  経産省の管轄、
   JETROの中に、
   「アジア経済研究所」という「シンクタンク」があり、
   そこで、開発系の研究をしているんですが、

   そこが、「開発の専門家を養成する」ために
   持っているスクールが、IDEASという学校です。

山本 今の言い方だと、誤解をまねく可能性があるけど、
   IDEASを卒業をすると、
   アジ研(アジア経済研究所)に就職できる
   わけじゃないですよね?

椿  はい。就職試験は普通に必要だと思います。
   でも、イデアス卒業生で、
   アジ研の研究者をしている人もいます。

   そういう方が、イデアスの講義をする授業もあります。

山本 あ、そうなんだ。


・・・

山本 ところで、イデアスを知ったのは?

椿  山本さんのこの本「世界と恋するおしごと」です。

山本 数ある、国際協力を勉強する方法の中で、
   なんで、IDEASにしたの?

例えば、FASIDとかもあるけど。

椿  タイミングが合ったんですよ。
   ネットでみたら、ちょうどその月が締め切りだった。
   去年(2009)の5月だったんですが。

山本 FASIDは、みなかった?

椿  FASIDは、見たけれど、確か応募期間も過ぎていたし、
   推薦状が必要だったので、その時の私は、あわなかったんです。


・・・

参考リンク:

FASID
財団法人・国際開発高等教育機構(FASID)
Foundation for Advanced Studies on International Development
http://www.fasid.or.jp/


・・・

山本 了解。

   あなた、大学(の専門は)なんだっけ?

椿  T大学の、国際関係学科。
   その後、日本の某自動車メーカーに入りました。

山本 で、その会社に入った理由なんですけど・・

椿  高校から、国際協力に興味があったんです。
   だから、大学で、国際関係学科へ。

   大学で就職活動(就活)した時も、
   具体的にどうするか迷っていました。

   そこに、山本先生が(私の母校の)T大学にきて講演をした。
   国境なき医師団(の医師)として、講演しました。

   ロジスティック(物資の運搬)の重要性を言っていました。

   そこで、医者でなくてもできることを知りました。
   あたしでもできる、と。。

   あたしは、ロジスティックにひかれました。

   あと、
   貧困には、経済の発展も必要、と理解していた。

   そこで、この二つ
   (ロジスティックと、経済の発展)
   をつなぎあわせる、貿易をやりたいと思った。

   で、貿易のできるところに就職することを目指した。

山本 なんで商社にいかなかったの?

椿  数社受けたけど、うかったとこも、
   ダメだったとこもありました。

   できるだけ、途上国と関係深い会社が良かったんです。
   あと、車が好きだったので。

   だから、(入社後は)
   アフリカ、中南米、アジアなどに、
   車をつくって、輸出をしていました。

山本 なるほど。
   その会社に、5年いたんだっけ?

椿  4年5カ月です。

山本 で、なんでやめたの?
   IDEASが受かったから、やめたの?

椿  それもあります。
   あと、実際にしてた仕事は、
   船積、輸出で、とても充実はしてたんですが・・

   途上国など海外の人と、
   Eメールとかで、
   商品の受注・発送とかはしてたんですが、

   途上国の人と、
   「直接」いっしょに仕事をすることは殆どなかったんです。

   だから、実際に、途上国にいきたいのに、いけない。

   職場の移動が、できなかった。
   「ジョブ・ローテーション・システム」はあったけど、
   今いる部署の人出が足りず、すぐにはダメでした。

山本 で、やめた?

椿  だから、会社以外の将来の道を考えました。
   そういえば、あたしは、
   「留学をしたかった?」という想いが蘇(よみがえ)りました。

   そんときは、MBA(を取った人)がまわりに、いました。
   それ(取る方法)を調べました。

   しかし、修士をとるにはお金がかかる。
   1千万円でも、たりない。

   あと、MBAをとる人は、
   経営者志望(社長になりたい人)が多かったんです。

   あたしは、経営者になることが目的じゃないから、
   ちょっと、違うと思いました。

   次に、あたしは、何を勉強したいのかを
   思い出して「世界で一番いのちの短い国」を読みました。

   あ、そうだ。
   これが原点だ、と思った。思い出しました。

・・・

「世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団」
白水社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560049629/

・・・

椿  山本先生の、他の本も読みました。
   去年の5月、ゴールデンウィークに。   

山本 で、「世界と恋するおしごと」の中の、
   イデアスの情報をみつけた?

椿  そうですね。

   あたしは、物流で、4年半つとめてた。
   それ(その専門性)を生かしたい。

   それには、
   IDEASは、一番、しっくりしました。

   ちょうど、タイミングが良かったんです。

・・・

山本 ここで、お金のことを、確認します。

   IDEASが、当時(4年前)は、
   授業料は、28万円、ぽっきりだった。

   で、ほとんどの学生が優秀なので、
   100万円の奨学金が、
   事実上、当時は、全員もらえてた。

   今は?

   あと、この100万円は、何に使うの?

椿  当時の100万円は、海外の大学院に行った時の、
   留学の費用です。
   授業料とか、生活費とか。

   イデアス初期の昔は、
   300万円以上でてたと聞いています。

   でも、
   今年から、100万円が、ゼロになった。
   授業料が、55万円弱に上がりました。

山本 あなた、東京?

椿  千葉です。

山本 じゃ、(IDEASのある)幕張は近いね。

椿  そうですね。
   実家から、通えました。

・・・

山本 次が、海外留学をする場合に必要なお金だけど、
   最低で、生活費と授業料の合計で、

   300万と300万で、600万円ぐらいが、
   かかると思うけど?
   貯金あんの?

椿  全部はとてもないです。

山本 ぶっちゃけ、いくらあんの?

椿  会社を辞めた時、ぶっちゃけ、
   手持ち250万円ぐらい。

山本 今、へったの?

椿  へりました。
   だから、奨学金がいります。

山本 奨学金は、
   例の、日本学生支援機構のページ?

椿  はい。だいたい、あのサイトです。

山本 あとは、フルブライトと・・

椿  ロータリー・・

山本 が、メジャーだよね?

椿  はい、そうです。

山本 それ以外に(あなたは)二つあるっていってたっけ?

椿  世銀(世界銀行)と、JICAもあります。
   JICAは、あたしはあてはまらない。

山本 世銀は、可能性あるの?

椿  あります。
   でも、競争率高い。

山本 フルブライトで、いくらもらえるんだっけ?

椿  たしか、(必要な費用が)
   全部でるんじゃなかったでしたっけ?

山本 フルブライトの奨学金には、
   まず、研究者用と学生用があり、
   で、
   学生用の奨学金には、
   全額給付と部分給付があるみたいだよ。
   (詳しくは、ホームページを見てね。)


・・・

参考リンク:

日本学生支援機構
http://www.jasso.go.jp/

日米教育委員会(フルブライト):FULBRIGHT
http://www.fulbright.jp/

ロータリージャパン: ROTARY
http://www.rotary.or.jp/

海外長期研修制度/国内長期研修制度: JICA
http://www.jica.go.jp/recruit/choukikenshu/index.html

日本/世界銀行共同大学院奨学金プログラム 日本人向け特別枠
http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:21442083~menuPK:4091050~pagePK:1497618~piPK:217854~theSitePK:515498,00.html


・・・

山本 もどって、イデアスに入りましたが、
   その感想は?

椿  良いです。

山本 具体的に、どこが良いですか?

椿  四つあって。

   一つは、ネットワーク。
   人とのつながり。

   それは、
   まず、先生達が開発分野で一流の方であることと、
   同期の人たち。
   (同期の生徒は)13人で少ないけど、かえって密。

   お互い刺激しあえる。情報交換も豊富。

   今、20期生なので、卒業生も多い。
   開発分野で、今、まさに働いている。
   そうした業界の情報がいっぱい入ってくる。

山本 卒業生が、学校にくるわけ?

椿  (そうしたことが)あります。あります。
   帰国報告で、
   大学院修士をとった後の帰国報告とか。

   それ以外でも、
   アジ研に、用があってくるとか。

山本 で、もう一つのメリットは、

椿  自分の勉強です。

   経済学をちゃんと学んだことがなかったんです。

   ミクロ経済、マクロ経済、開発経済などを
   学問として、基礎から勉強できます。

   (文系だったので)
   数学も、ほとんどやってなかったので、
   それを教わった。
   指数・対数・微分という授業もある。

   統計も勉強した。

   一人だったら、絶対、勉強できないことでした。

   経済と、数学と、あと、開発学。
   経済開発、社会開発も、教えてもらえる。

   統計学的解析 statistical analysis とかも。

山本 なるほど。

椿  三つ目が、英語。

   私の場合、これまで留学の経験がないんです。
   生きた英語の経験がない。

   イデアスには、途上国政府からの
   派遣生(国家公務員・官僚)も、勉強にきています。

   途上国の学生と英語で話します。
   今年は15カ国からきています。

   フィリピン、タイ、パキスタン、スリランカ、ネパール、
   ブータン、バングラデシュ、ベトナム、中国、ミャンマー、
   ブルネイ、ウズベキスタン、ラオス、カンボジア、モンゴル。

   英語で話して、日々のコミュニケーション力がつきます。

   彼らとの合同授業は半数近くあり、それも全部英語。
   自分の英語力の、強化になりました。

   あと、
   四つ目の、イデアスのいいところが、
   一人一人に、自習ブースがある。
   そこに一人一台のパソコン。


・・・


山本 次、悪かったところは?

椿  うーんと・・

山本 (上述したように)奨学金がなくなった?

椿  あ、そうですね。
   でも、入学前に、知ってたから、それは。

   それと、留学サポート、という意味では
   思ったより、不十分。

   なんでかというと、
   2010年の秋から(外国に)留学するためには、
   2009年の年末年始には、
   出願をしないといけない。

   それなのに、
   2009年の9月入学では、
   スケジュールがタイトで、おいつかない。
   例えば、英語のスコア、
   GRE(米国等海外大学院入学のための予備試験)
   の点数を短期間の準備で十分に上げるのは相当難しい。

   入学前に、こうしたことを準備しておけ、
   と、言ってくれたほうが良かった。

   スケジュールは、自分で管理する感じ。
   (イデアスの)授業と(海外の大学院の)出願の
   両立が、大変。

・・・

参考リンク:

GRE
Graduate Record Examinations
アメリカの大学院に入る前に受ける必要のある学力テスト
http://www.ets.org/gre/

・・・

山本 そりゃ、大変だ。

   で、今、2月8日だけど、
   出願が年末年始だとして、
   今回、出願しましたか?

椿  はい。既に終わりました。

   基本的に、アメリカは、12月から1月締め切りが多い。
   イギリスは、締め切りはないところが多いが、
   合格率は、出願が、早いほうが高いらしい。
   だから、この時期。

山本 具体的に、願書だした大学院の名前は、
   いえないよね?(笑)

椿  はい、言えないですね。(笑)

   でも、7校受けてます。
   アメリカ2校、イギリス5校。

山本 オーストラリアは無視?

椿  はい

山本 2年で長いから?

(注:イギリスなどは、1年前後で修士がとれる所が多い。)

椿  安いから、いいんだけど、
   あたしの行きたい国じゃなかった。

   あと、オーストラリアは2月始まりが多いので、
   7月が終了のイデアスと、時期的にあわないんです。


・・・

山本 他に欠点は?

椿  あえて言うなら(交通の)アクセスが悪い。
   海浜幕張が、最寄の駅だけど、
   京葉線と武蔵野線の、電車の本数が少ない。

   授業の後に、
   東京の面白そうなセミナーにいくのが大変。


・・・

山本 これで、ひととおり。
   以上より、どんな人に、
   IDEASは、おすすめですか?

椿  国際協力に、がっつりたずさわりたい人、
   だけど、大学院にいくための準備をしたい。
   開発業界に行くための、準備をしたい。
   自分に何かが足りないという気持ち、意思がある人。
   それを埋め合わせるには、
   イデアスは内容がとても充実していると思います。

   また、開発業界の情報収集がしやすいので、
   自分と向き合ってキャリアを考える場所としても有益です。

   授業見学ができるので、
   興味がある方は、是非どうぞ!(笑)

・・

山本 さて、
   そろそろ、全然違う、話を始めます。

   イデアスの主旨とは違うかもしれませんが、
   あなたの、総合的な人生の話ですが・・

   一つのポイントが、
   イデアスの卒業後に、
   受験した海外の大学院に、全部落ちた場合、

   あるいは、
   仮に受かっても、結局、そこには行かず、

   会社に就職するとか、
   彼氏と結婚するとか、
   もありうるよね?

   それらも考えてるの?

椿  ・・考えてます。

山本 海外に留学しない中では、
   どれが一番有力な選択肢?

椿  日本で就職することです。

   でも、迷っていて、
   日本に就職するか、
   または、
   国境なき医師団で現場をみる。
   ロジスティシャン(物資調達・運搬係り)になって。

   あれって、一応、就職ですか?インターンかな?

山本 いや、あれは、
   (少なくとも)国境なき医師団の内部では、
   ボランティア、と呼んでいる。

   お金は、それなりにでるけど。

(注:初めて参加する場合:144,000円/月など。要確認)

・・・

参考リンク:

国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/index.php


・・・

椿  ともかく、三つで迷ってます。

(国際協力の途上国の)現場をみる、
日本での就職、
そして、結婚。

山本 それらは、海外留学をするよりも、
   その三つをあわせた確率は高いの?

椿  高いです・・

   IDEASに入って、5カ月やって、
   都市計画の勉強とか、やりたいと思ってきたけど、
   それが本当に、将来につながるのか、確信がもてない。

   それが間違いなく、
   私の将来の、キャリアにプラスになるかの
   確信がもてないので、迷っている。

   とりあえず、1年、イデアスで勉強すれば、
   その知識をもって、仕事をすれば、
   自分が進むべき道を絞るっていう
   意味ある経験になるんじゃないかって。

山本 ふうん。

椿  例えば、開発コンサルタント会社とか、
   企業のCSRとか、
   企業の物流とか、
   途上国のロジスティシャンとか。

山本 最後のやつは?

椿  国境なき医師団のロジスティシャンか、
   その他の、NGOのインターンとか。

山本 なるほど。

   ・・・考え方が、リアルでいいね。

椿  結局、なんで、悩むのかっていうと、
   私がやりたい、ロジスティックと、
   開発をつなげた学問っていうのは、ないから。

   だから、私が行きたい、(海外の)大学院が、
   みつけにくい。

   都市計画が、一応、それを含むけど、
   はっきりそれでいいか、自信がない。

   つまり、モデルがいない。
   先輩に、同じようなことを目指した人が見つからない。
   追いかけるモデルがいない。

   だから、大学院や就職先も、見えない。

   だから、不安。

   物流を中心としている、学問がないみたいで。

   たしかに物流は、
   仕事でやって、なんぼだから、
   机上の学問じゃないのかも。

   実際、やってみないと・・。

   色んな人にも相談したんだけど、
   みんなアドバイスが難しそう。

   インフラも、範囲が広すぎて、
   ちょっと、あたしのやりたいのと違う。

   都市計画でも、
   病院をつくるなら、
   困っている人、みんながアクセスできるように
   それを作りたい。

   でも、それを相談できる人が、まわりにいない。

   都市計画修士の先輩に相談したら、
   机上ではあっても、
   特に国際機関で成功した例を見つけるのは
   難しいって言われた・・

   とにかく、迷いだらけ。
   だから今は、自分で体験して、
   感じたとおりに道を作るしかない、と思っています。


山本 なるほど。
   そりゃ、難しいね。

   ま、物流は、結局、
   国際協力の「対象」ではなく、「手段」の一つ。


   例えば、
   病院をつくるときには、

   道路、建物、薬の運搬。
   まわりに、学校(医学部や看護学部)、
   まわりに、住宅(があること)。


   そうした建物や道を作り、物資を運搬するための
   「町」としての機能や環境をまとめて作ることが必要だ。

   というか、
   人口何人あたりに、小さい診療所を作り、
   人口何人あたりに、大きい病院を作るとか、

   一次医療(小さい診療所)から二次医療(大きい病院)への
   重症患者の転送(リファーラル)とかも。

   薬を運ぶ時も、ワクチンの
   「コールド・チェイン」(冷蔵したままで運搬すること)
   とか、いろいろある。


   以上の全てに、ロジスティック(物資の運搬)が関係する。
   しかしそれは、手段であって、目的ではない。


   また、都市計画や物流をやるには、
   途上国でも(日本でも) 
   (仮に、病院を作って上記のシステムを動かすためには)

   保健省、
   教育省、
   経産省、
   国土交通省、
   NGO省(外国の国際協力団体を統括する省庁)、
   など、

   少なくとも5省にまたがっていて、
   ホリゾンタール(水平横断的)なプロジェクトが必要になる。

   でも、省庁同士は、どこの国でも仲が悪いので、難しい。
   仲良く話し合いをする機会すら、もちにくいことが多い。

   というわけで、あなたが質問をした都市計画の専門家が、
   「難しい」と言ったのは、そういうことじゃないかと思う。


   要するに、物流やロジスティックの仕事は、
   「学問」ではなく、実際に「現場」で、
   関係する団体と団体との間で、物資の移送をさせるような
   コーディネートをすることに、つきる。

   いわば、対人関係の構築とか、コミュニケーションというか、
   そうした学問になりにくい側面が多い分野だ、ということだと思うよ。


   ともかく、
   ま、(イデアスで)1年勉強したら、
   いっぺん「現場」にいくのを勧めるよ。

   「学問」と「現場」を、ちょうど半々のバランスにしたほうが、
   正しい世界が見えてくると思う。

   だから、国境なき医師団のロジか、
   青年海外協力隊の村落開発普及員の、
   IGA(収入増加活動 Income Generation Activity)等の
   プロジェクトで、
   村で作った製品を、都市にもっていって売るのとかに
   かかわるのがいいかも。

   村から都市に運ぶときに、物流がからむし。

椿 そうですね。


・・・

参考リンク:

青年海外協力隊
http://www.jica.go.jp/activities/jocv/

村落開発普及員
http://jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=List&jID=1503&n=y

・・・・



椿サンより、追加文:

今回のインタビューでは、まだ将来の見えていない私の、
極めて個人的な内容を公開させていただきました。

何らかの形で貢献したいけれども、
例えば自分の関心を活かす場所探しと方法、
家庭と仕事の両立、など
自分の道について悩みながら、
国際協力に貢献したいと考える人は
きっとたくさんいると思います。

成功者の話ではないので、
どれだけの人に役立つ情報になるかは謎ですが、
この分野で活躍するためには
様々な選択肢があることを伝えようとしました。

私自身、まだまだ模索の日々は続きますが、
イデアスに来たお陰で
半年前の自分から前進できたことは確実です。

またいずれ、私が進んだ道の先に見えたものについて
ご報告できる機会があれば幸いです。