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昔、憧れていた。

マンガやアニメ、映画の中に登場するような
主人公(ヒーロー)のような生き方をすることに。


「大きな夢を持ち、それに挑み、命をかけて、がんばる!

 今、世界では、こんなことが問題(悪いこと)になっている。

 だから、僕は、それを正すために、
 その問題を解決する行為(正義)を行おう!

 それこそが、僕の一生をかけても悔い(くい)のない夢にちがいない。」


しかし、それは、
二つの意味で、大きな間違いだった。


・・・

一つ目の間違いは、
「命をかけてがんばる」
ことが、世界を良くすることには
必ずしもつながらない、ということである。

(本人が、自分一人のために、
 人生の意味を見出すことには、
 つながるかもしれないが。)

もし、
本当に世界を良くしたい、と思ったならば、
やらなければならないことが膨大にあり、

(例えば、貧富の差の縮小、環境問題、教育、医療、人権・・・)

決して、一人だけで全てを行うことはできず、
たくさんの人の協力が必要で、

かつ、いつまでやっても終わることのない、
多分野にわたる、しかも膨大な量の仕事を、
永遠に続けないといけない。


つまり、一人の人が、
いくら「命がけで」がんばったところで、
どうにかなる問題ではない、
というのが、一つの「事実」である。


すなわち、ある言い方をすれば、
「終わりがなく、果てしのない行動を続ける」
ことが、
世界を良くするために必要な側面の一つであり、

よって、
「めりはりがなく、ドラマ性がなく、
 マンガや、アニメや、映画のような「命がけの」展開にはなりにくい」
行為が、
世界を良くしてゆく行動だ、と言ってよい。


これが、まず一つ。


・・・

二つめの間違いは、
世の中においては、
「悪いことがあって、それを正すことができる、正義がある」
ということは、成り立たないのである。

ちょっと哲学的になってしまうが、
なるべく平たい表現するならば、

世の中にある問題(悪いこと)として、
例えば、
アフリカの飢餓(きが)や、中東で起きている戦争の問題がある。


アフリカの飢餓が起きている理由の一つは、
日本、中国、アメリカなどが放出している
二酸化炭素(CO2)によって起こる「地球温暖化」と「気候変動」により、
アフリカのいくつかの地域の降水量が減り、旱魃(かんばつ)が起き、
農業ができなくなってしまったため、
飢餓が発生している、という側面がある。

つまり、
悪い奴は、だれか、と言えば、
問題(悪いこと)を正そうとしている、
「正義の味方」を自称している人(私たち?)こそが、
悪い奴の正体である、ことになる。


中東のイラクやアフガニスタンで戦争が起こっている原因の
一つは、先進国や軍事大国たちが、
石油や天然ガスなどの資源を奪い合い、
自国に輸入するためだ、ということが、
根本的な背景にある。

日本の場合、電気を作る60%は、
これら石油や天然ガスなどを燃やす火力発電である。

つまり、極論をするならば、
中東の戦争を止めたければ、
「電気を使うのを完全にやめろ!」
という話になり、
電気を使っているくせに、
「正義の味方づらをするんじぇねぇ!」
という、誹り(そしり)を受けても
しかたがないことになる。


上記の二つの例でわかるように、
世の中にある間違っていること(悪いこと)を
正そうとした場合、

(ちょっと考えてみれば、わかることは)

自分が日々、豊かな生活を送っていることこそが、
世界の問題の根本的な原因になっていることに気づき、
だからといって、
もしそれを止めようとすると、

いわゆる「普通の生活」が
家庭でも、仕事でも、学校でも、
できなくなってしまう。

(それを止めてまで、世界に貢献しようとは思わない。)

だから、だから、しかたがないから
「電気などを使った豊かな生活を続けてゆく」しかなく、
しかして、
問題は永久に解決しない、という、
堂々巡り(どうどうめぐり)に陥っていくのである。


要するに、
子どもの頃に読んだり観たりした、
マンガやアニメ、映画などに登場するような
「はっきりした悪」

「はっきりした正義」

ともに存在しないのである。

(正義を行おうとしている人の、心の中に「悪」を産む根本があるからだ。)


だから、
若者が、自分の人生に目標を立てようと思った時にも、
「はっきりした「素晴らしい夢」を持ちにくい、見つけにくい」
んだと思う。


・・・

国際協力だけに限らず、
あらゆる社会貢献(に含まれる行動)を
しようと思っている人は、
けっこういるにも関わらず、
結局のところ、世の中は、さっぱり良くならない。

理由は、以下の1点で、説明される。


「仮に、一人の人が、
 国際協力や社会貢献等を行ったとしても、

 その人が、
 日々、豊かな生活を送っていることによって、
 二次的に発生している「世界への悪影響」は、
 前者の効果を打ち消してしまうどころか、
 前者の効果の少なくとも数倍に及んでいる」


ということである。


私は、だいぶ長い間、
国際協力について考えてきたが、
上記が、残念ながら、現段階での結論である。

しかし、
だからといって、
私は、国際協力や社会貢献活動を行うことを、
個人的にはやめないし、
また、
無意味だとも思っていない。

なぜならば、そこに
「一人の人間の人生の本質」があり、
また同時に
「一つの種としての人類の興亡の行方(ゆくえ)」がある、
と、思っているからだ。

(理由は、以下。)


・・・

人は、必ず死ぬ。

どのような、幸せになるための努力をしても、
必ず、最後は死ぬ。

そういう意味で、最後に待っているのは
「敗北」である。


しかし、その最後の「結論」を悟った上でも、
どのように生きるのかを考えることが、
「人生」なんだと思う。


最後に「死」が待っているのだから、
何をしても無駄だと考え、
早々に命を絶つ(たつ)人もいるだろう。

(私は、自殺をする人のことを、決して否定はしない。)


しかし、限りある命だからこそ、
その生きている間に、
何らかの「人生の意義」を、
あるいは「人生の意味」を見出したいと思い、

(仮にそれが幻想であっても)
「自分なりの幸せ(しあわせ)」を見つけてみたい、
と思い、
迷いながらでも、行動を続ける生き方もある。


大きく分けて、人生には上記の二つの生き方があり、
どちらが良いも悪いもない。

ただ、後者を選択して生きる人が多い、
という現状があるだけである。


(あるいは、上記のようなことを、
 まったく考えもせず、「ただ生きている」人も多いのだろう。

 そうした人が、上記のようなことを考えている人よりも、
 幸せなのか、不幸せなのかは、なんとも言えない。)


・・・

人類も、同じである。

人類は、
440万年前に、ラミダス猿人として地球に誕生し、
20万年まえ、新人(ホモ・サピエンス・サピエンス)が
生まれた。

これからの未来、人類の歴史がどこまで続くのかはわからないが、
どう考えても、
20万年も続くことはないであろう。

(例えば、150年後に、
 石油・天然ガス、石炭、ウランという
 電気を作るための四大資源が枯渇する。
 その後、人類がどうなるかは、全く想像できない。)


最終的に、人類も、必ず、滅亡する。
その結論は、かわらない、と思う。


で、
国際協力とか、社会貢献とは何か、というと、

(その行為が、それを行っている本人(個人)の
 人生の意義を見出すために必要な行為である、
 かもしれない、ということをいったん置いておいて)

人類(全体)のために、どのように必要かというと、

一つは、
やがて滅亡するにしても、
なるべく長く人類が存在していられるように、
その期間を延ばそう(長くしよう)、
ということだと思う。

もう一つは、
その存在している間、
なるべく多くの人が、
「幸せ」だと思って暮らしていられるように
なんらかの手段を講じること、だと思う。


この二つに尽きる。


・・・

現在の世の中は、資本主義社会であり、
市場経済のグローバル化によって、
資源の輸入や、投資の対象が、
途上国にまで及ぶようになってしまった。

(途上国を、巻き込み、巻き添えにしてしまった・・)

このため、
先進国と途上国の経済格差は広がり、
かつ、
途上国内の中でも、経済格差が広がってしまった。

(このことは、私のブログに、
 これまでたびたび書いてきた。)

よって、国際協力の一つは、
先進国(の中の一部の人)などに偏ってしまった
膨大な富を、
世界の貧困層にあたる人たちに、再分配する、
すなわち「富の再分配」を行うこと、
が、その役割の一つ、である。


しかし、
最初に書いたように、
世の中において、資本主義が暴走し、
市場経済のグローバル化がある限り、
どのように「富の再分配」をしたところで、
その弊害を帳消しにするところまでは、
決していかない。

基本的に、焼け石に水、程度の効果しかないのが
現状である。


さらに、
国際協力(の方法)自体にも、問題があり、
途上国に入って、
国際協力団体たちが、なんらかの「資金」をつかって
プロジェクト(事業)を始めると、
それによって、また別の「経済」が動き出し、
国際協力を行ったことによって、
かえって貧富の差が拡大してしまうことすらある。

(このことも、何度もブログに書いた。)


・・・

以上のように、

一人の個人にとっても、
やがて死ぬことがわかっていながら、
どう生きるかを考えるのが人生であり、

一つの種である人類にとっても、
やがて滅亡することがわかっていながら、
集団として、どのような行動を選択してゆくのかが、
文明、あるいは、歴史、と呼ばれるものになる、
ということだと思う。



最後に待つのは、いずれにしても「死」または「滅亡」。


自分一人の「命をかけた」ところで、
「解決しない問題」が世界には山積み。


「問題の原因」となる「悪」があるのだとすれば、
それは自分自身の中。
あるいは、人類という種の遺伝子の中にある。
だから、本質的には永久に解決できない。


それらを全て、知った上で、「行動を選択」する。
今日も、明日も、である。




絶望の縁(ふち)を歩きながらも、
それでも私は、前を向いて歩いていこうと思う。


マンガやアニメ、映画のヒーローのようには、もちろんなれないが、

私の本やブログを読み、自分の考え方や生き方の参考にしてくれている、
幾人かの人の、かたわらで消えゆく轍(わだち)になるために。


















・・・

参考ブログ:

生命の誕生 4608字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65308270.html

人類の歴史(猿人、原人、新人)、そして 2433字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65337783.html

貧困の発生、貧富の差の拡大、その歴史 6278字 (国際協力、開発学)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65343713.html

貧困の定義と、その開発指標 その1 8,720字 (国際協力、開発学)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51793984.html

貧困の定義と、その開発指標 その2 7,509字 (国際協力、開発学)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51817170.html

胡蝶の夢 2340字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65233429.html

死 1,363字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51602804.html





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関連する歌:

Mr.Children "HERO" (English Sub)
http://www.youtube.com/watch?v=DRjJFGeMt6o

中島みゆき この空を飛べたら
http://www.youtube.com/watch?v=i71TTz76ibY&NR=1

ファイト! 中島みゆきさん
http://www.youtube.com/watch?v=zAVAwvKpokw&feature=related

加藤登紀子 百万本のバラ
http://www.youtube.com/watch?v=4D6qhcYHabk&NR=1

仲代圭吾/行代美都 「百万本のバラ」
http://www.youtube.com/watch?v=hi2BRJzj7EU

Alla Pugacheva-1983 Million Roses
http://www.youtube.com/watch?v=oIFmhye6fqw&feature=related

Michael Jackson - Heal The World
http://www.youtube.com/watch?v=DwrSVDRP-2Y

Imagine, John Lennon
http://www.youtube.com/watch?v=okd3hLlvvLw

チャンス さだまさし
http://www.youtube.com/watch?v=tHduf7RTHFo

「風に立つライオン」 さだまさし
http://www.youtube.com/watch?v=TTYZn1EVWl0

さだまさし 「遙かなるクリスマス」
http://www.youtube.com/watch?v=LoQoSTT-VGg