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東京の一角にできた、エアロビクス・チェーン
「アフリカン・ダンスエアロ」、
通称
「リンリン・ビート」を知っているだろうか?

エアロビクスの中に、
アフリカン・ダンスの要素を取り入れているものは、
既に多数、知られているが、

この「リンリン・ビート」の特徴は、
この事業で得られた収益により、

なんと、
「フェアトレード」

「マイクロファイナンス」

両方が行われている点にある。


・・・

国際協力に詳しくない方のために
簡単に用語の説明をしておく。


「フェアトレード」とは、
途上国などから、先進国が商品やその材料を輸入する時に、
不当な搾取をしないように気を使っておこなう貿易および商業形態である。

(実際には、途上国側にいる労働者の賃金の妥当性だけでなく、
 人権の保護および環境保護(持続可能性)などにも配慮する手法。)


「マイクロファイナンス」とは、
途上国を貧困から脱出させるために、人々に事業を開始させるための
お金を貸すシステムを言う。低利率、無担保が原則のもの。

(もともとは、バングラデシュの、モハマド・ユヌスという人が始めたもので、
 2006年に、ノーベル平和賞を受賞している手法。)


・・・

この、金融と貿易のシステムを巻き込んだ
社会企業的なシステムを構築したのは、
国連職員の、「ハピさん」である。

(ハピさんは日本人の女性だが、
 本名を伏せるためのニックネームである。念のため。)


ハピさんは、外務省のJPO試験に受かり、
派遣されたUNDP(国連開発計画)において、
西アフリカに赴任した。

その地域において、最大の民族であった
「リン族」の伝統的な踊り、すなわち「ダンス」を見た彼女は、
なんとか、このダンスを「村おこし」に使えないか、と考えた。


なぜかというと、実は、
このハピさんの趣味は、学生時代以来、ずっと
「ダンス」だったから、である。


・・・

考えたプロジェクトは、こうだった。

まず、輸出するのは、
「彼らが作るもの」だけでは面白くない。

(現地で採れる)バナナの皮などで作った
財布やバックを(首都や先進国に)持って行って売ることなどは
既に行われおり、ありふれている。


どうせやるならば、
「彼らの踊り」を輸出したい。

それよりも、
「彼らの文化」を輸出したい。

いやいっそ、
「彼らの家そのもの、あるいは地域をまるごと」輸出してしまってはどうか?



そこに、商品価値を見いだすことは、できるのだろうか?


こうした葛藤(かっとう)の中で、プロジェクトは動き出した。



・・・
・・・


東京にあるエアロビクス・チェーン、
「リンリン・ビート」に行くと
まず、見た目から驚かされる。

建物の外観も内部も、アフリカの家、そのままなのである。

壁の木の板も、そこに貼り付けられている刺繍のついた布も、
すべて、現地人の手によって作られた部品でできている。

(マイクロファイナンスで始められた事業で作られ、
 かつ、
 フェアトレードの国際組織に認証された手法で
 すべての商品(というか建築素材と家具)が作成されている。)


そんな中で、何よりも特徴的なのは、
「床」(ゆか)である。

西アフリカにある「バグナウ」の木で作られた板は、
その上で、飛び跳ねると、軽快な音がでる。

木琴のような、キンポロポン、という音がする。

この上で、ダンスをし、エアロビクスを行うと、
自分が踊るたびに、床で「木琴」(?)の音が鳴り、

「キンキン、ポロポロ、ポンポンポン」

という音が、エアロビクスの室内に鳴り響き、
その「音の共鳴」によって、
人々は徐々に、恍惚とした「音の悦楽の世界」に導かれる。


なぜかというと、バックミュージックに流れている音楽は、
アフリカ最大の音楽家である
「K.スマイヤー」の作曲および演奏によるものなのだが、
その楽器として、
「バグナウ」の木で作られた木琴(?)状の楽器が
使われているからである。
(床と同じ材質で作られているのである。)


すなわち、
この、リン族の踊りの店、
「リンリン・ビート」に来店した人々は、
このK.スマイヤーの楽曲の中に溶け込み、踊りながら、

なんと、
自分自身でも、「床という巨大な木琴」の上で演奏をする、
(ダンスをする)
という仕組みになっている。


で、もちろん、
「巨大な木琴」となっている、この「床」の木の板たちも、
西アフリカの、現地の人々の手によって作られており、
それらから生じる利益は、現地に還元されるシステムになっている。


・・・

この、ダンス教室「リンリン・ビート」に建材などを提供している
西アフリカの村は、
先日、東京の、ある市町村と「姉妹都市」となることが決定した。

これにより、年に2回、
西アフリカの村から、東京に「本物のダンスチーム」がやってくることになった。

そして、
エアロビクスの店、「リンリン・ビート」の前で
日本人とアフリカ人が、いっしょに踊るのである。

コンクリートの舗装道路の上に敷き詰められた、
バグナウの木でできた「巨大な木琴」の上を。


このイベントの最中、
路上にはたくさんの出店が並ぶが、
そこで売られている、衣類、鞄、財布などの商品たちは、もちろん、
西アフリカの人々が製作した、
フェアトレードの品物たちである。



こうして、国連職員「ハピさん」の
「踊りを中心とした地域の文化」を、まるごと輸出する形の国際協力は、
実を結びつつある・・













・・・
・・・


で、申し訳ないが、
以上は、私の「妄想」である。

事実ではない。空想の作り話である。

(よって、上述した「固有名詞」は、すべて架空のものである。)


なんで、こんなことを考えたかというと、
昨日、うちの事務所にきたボランティアの「ハピさん」と
次のような話をしたからである。


まず、ハピさんは、現在、30歳の女性で、
(まだ)ただの会社員である。

彼女は、こう言っていた。


ハピ 「私、これから、留学して、修士をとりたいんです。
    で、修士をとって、国連とか、狙いたいんです。
 
    そして、
    貧困の削減とか、そういう仕事がしたい・・

    マイクロファイナンスとか、そういう、
    金融関係の要素をからめた仕事をしたいんです。」

山本 「あ、そう。
    いいんじゃない。

    ところで、なにか、専門性はある?
    他人にはできない、特技とかは、ある?」

ハピ 「専門性は、あまりないんですけど・・。

    一応、趣味で、ダンスをやっています。
    社交ダンスなんですけど。」

山本 「ほう。
    そりゃあ、なんか、かっこいいね。」

    すると、まず、(外国に)留学するのは、いいと思うよ。
    あなた、身長いくら?」

ハピ 「172cmです。」

山本 「女で、その身長じゃ、
    日本人じゃ、相手(男性のパートナー)、なかなかいないでしょ?」

ハピ 「はい。(苦笑)」

    社交ダンスの相手を見つけるのは、
    結婚の相手を見つけるより難しいって、言われました。(爆)」

山本 「そうだよね。
    いや、そうだと思うよ。

    だから、アメリカかイギリスに留学すれば、
    白人のリーダー(男性のパートナー)も、ついでに見つかるかもよ。

ハピ 「あたし、まじで、そう思ってて・・」

山本 「じゃ、決まりだね。(笑)

    あと、将来、ほんとに国連職員になった時、
    同僚の、白人の国連職員で、
    社交ダンスできる人がいたら、最高じゃん。」

ハピ 「うふふ。そうですね。
    夫婦で続けられるのが、一番幸せなので。」

山本 「あ、そうそう。
    それだったらさ、いっそ・・

    現地で、あなたがやりたいと言っている、
    マイクロファイナンスのほうにも、
    ダンスの要素を入れてみたいね。

    うーーん。なんかないかなあ・・。

    バングラデシュでは、うまくいった
    マイクロファイナンスだけど、

    他の地域で真似しようとしても、
    うまくいかないんだよねー。

    理由の一つは、
    バングラデシュでは可能だった
    「五人組」という制度が、とれないため、など、なんだけど。


    (注:五人組、とは、
       お金を貧しい人に貸す時に、
       夜逃げして、返さないことを防ぐために、
       村の5人に連帯責任をとらせる手法。
       一人が夜逃げしたら、残りの人が責任をとらされる。
       この手法は、
       バングラデシュではうまくいったが、
       アフリカなどでは、それでもかまわず夜逃げする人も多いなど、
       うまくいかなかった。)


    うーん。
    例えばさ、アフリカの現地で、あなたが「社交ダンス」を教えて、
    その「五人組」を仲良しの「社交ダンスサークル」にしちゃって、
    夜逃げの防止や、信頼関係の構築、に生かしたら?」

ハピ 「・・・、んーー、それは難しいと思います。
    社交ダンスは、かなり、「きっちりしたリズム」を守るもので、
    スポーツというか、競技に近いものなんですが・・

    アフリカのダンスは、もっと「自由」なものだと思います。」

山本 「ははあ。
    アフリカの人は、もっとリズム感が適当で、
    自由に勝手にやるのが好きだから、
    社交ダンスは、合わない、と思ってるのね?」

ハピ 「・・・はい。」

山本 「ふうん。
    アフリカの人と、日本人やアメリカ人が、
    社交ダンスをいっしょに踊ったら、
    けっこういい感じだと思うけどなあ。

    アフリカ系の人(旧称:黒人)は、
    スタイルがすらっとしていて、踊った時、綺麗だと思うんだけどな。

    アメリカのファッション誌のトップモデルも、
    半分は、アフリカ系の女性だし。」

ハピ 「あ、それは、そう思います。
    日本人より、スタイルも綺麗だし・・。

    それに、アフリカのダンスの要素をとりいれて、
    なにか日本でできたらいいと思うんです。

    ダンスを輸出することで、
    なにか(国際協力っぽいことが)できないかなって・・」

山本 「ダンスは、「物(もの)」ではないから、
    輸出しても、地域に(利益を)還元しにくいかもよ。」

ハピ 「んー。
    例えば、アフリカン・ダンスの、
    (エアロビクス用の)インストラクション(説明)の
    DVDを売るとか。
    その一部を、現地に送るとか。」

山本 「なるほど。
    あ、それはありかも。

    ん、なんか、できるような気がしてきたぞ。


    お、

    おお、


    (ムラムラムラムラ・・・)


    ・・・ちょっといろいろ思いついたから、
    今夜、深夜に、ブログにアップしておくよ。

    読んでおいてね。

ハピ 「はい。楽しみにしています。」




・・・
・・・


と、言うわけで、一行目からのストーリー(妄想)が
誕生したわけである。

真面目に読んだ方、大変失礼いたしました。
(平伏)














補足:

ハピさんは、実は、
アマチュアの社交ダンサーの中では
トップクラスの腕前で、
一番上の「A級」を持っています。

実名(本名)でグーグルを検索したら、
大会記録の中に、いっぱい名前がありました。

(ちびりまちた)