.

先日、
うちの団体でCSRランキングの調査をしてくれている
レモンさんが、青年海外協力隊に合格した。

で、例によって私は、
「じゃ、派遣前に、インタビューさせて」
とお願いをしたら、レモンさんは、こう言った。

「私と、同じ時期に受験した人で、
 カリメロさんという人がいます。
 彼女は、私より明らかに優秀な人なのに、
 彼女は落ちて、私は合格しちゃったんです。
 だから、
 どうせインタビューをするのなら、
 私たち二人を、いっしょにやりませんか?
 何かが、見えてくるかも。」

お、それは面白いね、ということで、
二人まとめてインタビューをすることに
なったのである。

(カリメロさんのほうとは、山本は初対面である。)


・・・レモンさんの略歴・・・


山本   では、初めに自己紹介からお願いします。

レモン  27歳、女性、市場調査、マーケティングリサーチ、
     環境エネルギー関係の調査をしています。
 
カリメロ 27歳、女性、IT関係、
     ITコンサルタントをしています。

山本   出身大学、所属学部、と、
     今の会社にどういった経緯で入ったか
     (入社したか)教えてください。

レモン  S大学の経済学部国際経済学科にいまして、
     どこかに就職した後に
     青年海外協力隊に行こうと思っていたので、
     協力隊に行く前に
     一番最適な専門性の高い職種に就きたかったので、

     協力隊の職種のなかで
     「経済・市場調査」というのがあって、
     「村落開発」系の仕事にも興味があって、

     今の会社がフィールドリサーチを持っている会社で
     いろんな人にインタビューをして
     色んなものを書いていくという仕事が
     村落開発に近いものがあるなと。

     (面接を)受けて今の会社に入社して
     まる4年が経ちます。

山本   卒後4年ということですか?
     じゃあ22歳で卒業して26歳だから・・・

レモン  はい、あ、でも私在学中にお金がなくて
     一度退学しているんです、
     退学してお金貯めて
     また3年から入学しているんです。

     なので年齢や大学入学時は一緒なんですが、
     カリメロさんと同じ年なんですけど
     社会人歴は彼女より1年少ないです。

山本   大学は私立でしたか公立でしたか?

レモン  私立です。

山本   なるほど、じゃあ何、
     お父さんお母さん貧乏だってこと?

レモン  あ、はい、結構貧乏ですね。
     お父さん大工で、お母さんパートとかだったんで。
     普通だったら大学進学するお金なかったんで、

     新聞奨学生を1・2年の時にしていたので、
     学費稼ぎながら生活していたのですが、
     新聞奨学生の生活だと就職活動ができなくなってしまうんですよ、
     夕刊の配達もあるので・・・

注:新聞奨学生通信
http://shinbun.hitorigurasi.net/system/index.html

     なので辞めて教育ローンを組んで3・4年生は過ごそうと思って。
     (新聞)奨学生を辞めたとき、
     父親と意見の齟齬(そご)があって父親とけんかしてるんですよ、
     お金を一切貸してくれなかったので・・・

     それで学費を払えずに退学をして、
     休学するとお金かかるじゃないですか、だから退学して、

     父親説得して再入学金までは自分で貯めて、
     また入学試験を受けて、
     学費は教育ローンを当てて、
     生活費はスナックで働いて月16万かせでいました。

     その中から毎月5万ずつ貯めて
     フィリピンのボランティアとか、
     タイのボランティアとか行っていました。
     そんな感じですね。サークルとかも行ってなかったし。

山本   そうですか、スナックか・・・ちょっとお水系ですね。

レモン  そうですね、結構お水系ですね

山本   ちなみに源氏名(げんじな、げんじめい)とかあったんですか?

レモン  ありましたよ。レモです。
     ママの方針で(店の子の)名は2文字ってことになっていたので。
     奨学生辞めてから、まる3年働いていたので
     もうちょっとで「チーママ」に上がるくらいににまでなっていました。(笑)


注:チーママとは、語源は、小さいママ、のこと。
ママの次に担当の(彼女を目当てにして来訪する)お客様を
たくさん持っていて
ママに準ずる売り上げをあげて働いている人のこと。


     ママより経験がある女の子が私1人になって、
     そこまで色々人の入れ替わりがあって
     卒業するから辞めてきますという感じで
     辞めていきました。

山本   今、(給料)17万て言った?
     俺の友達で銀座のパブとかで働いてる人、
     月30とか50(万円)とかだって・・・

レモン  だいたいそうだと思います、
     うちの働いてたスナックは
     駅からちょっと遠くて小さなとこだったし、
     時給の高いところはノルマがあったりするので。

     私の目的は短時間で結構稼げて、
     家から近いということが条件だったので、
     それに勉強する時間も充分欲しかったので。

     家から近くて時給も高くなくて怪しくないところで、
     そこでは時給1400円くらいもらっていました。

     週5日働いて夜7時から朝1時まで、
     1日5時間で月16万稼いでいました。

山本   わかりました。
     さっき、協力隊行くには専門性が必要だと
     思ったっていう話が出ましたが、
     それはいったい誰からどこから聞きましたか? 

レモン  高校1年生の時だったかな、
     途中までは、
     看護婦さんとして国際協力に携わろうと思っていたけど、
     それをやめて・・
     じゃあ辞めたら何があるだろうと考えて、

     私ずっと社会科系の科目が大好きだったので、
     そういうことを勉強して、
     それを生かすにはどういった職種があるんだろうと
     いろいろ本を調べたら、

     今思うと壮大な夢だったんですが、
     「国際公務員」(国連職員等)というのがあると、
     なるには何が必要かというと、
     いろいろ本を探した結果、
     英語力・現地の経験・専門性 が必要でした、

     開発経済学や国際協力学とかいう
     パックリした(概説的な)ものではなくて、
     私はこれが得意みたいな専門性が問われるので、
     専門性をつけようと当時思いました。

山本   なるほど、なんか・・おれが本に書いた内容と似てるな・・・
     まあいいや・・


(注:拙著「国際協力師になるために」と「世界と恋するおしごと」
 に、上記の内容とほぼ同じ内容のことが書いてある。)

世界と恋するおしごと―国際協力のトビラ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093876401/

国際協力師になるために
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560031630


・・・カリメロさんの略歴・・・


山本   では、カリメロさんの大学の学部から
     今の会社に至るまでの流れですよね、教えてください

カリメロ M大学 社会福祉学科にいました。

     入るきっかけは両親が耳が不自由で何か出来ることはないか、
     と身近な人にアプローチできることがないかなぁと思って、
     社会福祉学科に入った経緯があります。

     そのなかで、友達とたまたま色々なことを話していたら、
     海外で「ウルルン滞在記」みたいなことしちゃおうよ
     ということになって、
     お金をためてどこに行こうか・・じゃあ、
     友達のお父さんが写真家でラオスに毎年行ってるから、
     そこにくっついて行っちゃおうよと、
     ホームステイとかしちゃおうよと軽いノリで言ってたんですけど、

     それが急遽だめになって、
     お金も貯めたし、ボランティア行こうよと始めたのがきっかけです。

     大学2年生の後半にフィリピンにボランティアに行きました。

山本   それはNGO(非政府組織)?

カリメロ NPO(非営利組織)ですね。
     CFFというところで2週間のワークキャンプ 
     児童養護施設をつくりましょうとボランティアしていました。


NPO法人CFF(シーエフエフ)
世界の「子どもたちの支援」と「青少年育成」
http://www.cffjapan.org/


山本   それは(それを見つけた方法は)ネットで検索すると
     niceナイスとかで出てくるよね。


国際ボランティアNGO nice
http://www.nice1.gr.jp/


カリメロ そうですね。
     日程とかをみて自分の行きやすいとことか、
     当時niceとかそういうところ知らずに、決めてました・・
     そこだけに、ここでいいや・・
     みたいに・・決めて、お金もぴったりきたので

山本   25万くらい?

カリメロ 現地集合・現地解散で、8万位。
     あと航空券とか(の代金)。あとは自由に。

山本   フィリピンだと航空券は6万円、高いと12万円位かな。

カリメロ なので、16万くらいあれば充分

山本   そうだね

カリメロ すぐ決めて、初海外だったし、

レモン  私も〜、初海外だった


注:カリメロさんは、後日、このNPOの中で、
  スタッフ側になって働くようになり、
  その頃に、遅れて、応募してきたのが、
  レモンさんだった。
  そうしてこの二人は、知りあうようになる。
  詳細は、後述。


カリメロ 大学2年の時に、軽いノリで、
     「ウルルン滞在記だぜ」と思って行って、
     いろんな思いをしました。
     滞在するといろんな小骨が見えてくる

山本   例えば?

カリメロ 一番ショックだったのは
     現地に「スタディーツアー」で行った時に、


注:スタディーツアーとは、
国際協力団体が途上国で支援してる学校・孤児院・病院等を
見学させてもらう、海外旅行のツアー。
ちょっとだけボランティアもさせてもらえることが多い。
ワークキャンプとも言う。


     おじさんと話をして、「何できたんだ?」って聞かれて、
     「飛行機で来ました」って返答して・・・
     自分なりには頑張ってきたわけですよ、
     色々アルバイトとかもして・・・

     そしたら、おじさんは
     「ここで君と同じ時間働いても、僕は日本には行けない」って
     ・・・そうなんだよね、って、
     その時はすっごいショックで・・!

     自分は軽いノリで、ウルルン滞在記だとか思って、
     一生懸命アルバイトとかもしてきたのに、
     そんな現実もあるんだなと思いました。
     一番最初にうけたショックでした。

     そして、実際に児童養護施設に行って、
     かわいいじゃないですか皆小さいし、
     「ワ〜」って来て、甘えてきてくれるし。

     それに、みんなダンス凄く上手いんですよ、
     単純に、面白いし楽しいなと思ってたんですよ
     「なんでかな〜、文化かな〜」とか言ってたんですよ。

     そしたら、子供たちの母親が
     娼婦(セックス・ワーカー)なんですよ、
     パブとかで踊るんです、誘惑したり…

     それを眼の前で見て育ってるから、上手いんですよ、ダンスが。
     楽しいだけじゃ解んなかった、話聞いてみると、見えるんですよ。
     バックグラウンドを感じられたので、
     もっと知りたいって、自分の知識を広げたいって、
     国際協力の活動やNPOの活動を続けていく
     ラインのひとつになりました。


・・・レモンさんとカリメロさんの出会い・・・


山本   大学2年の時、
     フィリピンの2週間の
     「ワークキャンプ」(スタディーツアーとほぼ同じもの)に行って、
     (カリメロさんとレモンさんの)2人が出会ったの?

レモン  違います、
     (今までしゃべった所まででは)
     未だ(二人は出会わず)です・・・
     大学2年の時に「キャンパー」で何度か行って、
     何度か(ワークキャンプ)やって、
     大学3、4年の時にリーダーになって企画する側になったんです。

山本   それってギャラ出るの?

カリメロ ノーギャラです。
     大学3、4年のワークキャンプの企画者で
     (レモンさんとカリメロさんは)出会ったんです。
     参加者20人くらいだったかな、



山本   わかりました、(二人は)初めから会ってるのかと思っ(てまし)た。
     ・・・誤解が解けました。
     初めに、フィリピンでショックを受けて、
     大学2年から始めて、どのくらい企画側を何年ぐらいやってるの?
     今も続けてるの?

カリメロ キャンパーは大学2年の時からなので、
     国内外の活動を含めて、大学だけだと2年と少し、
     現在も関係はしていて、

     さすがに現地に行くのは物理的に無理なので、
     時間があれば時々顔出したり、
     寄付したりしてます毎月5千円とか、
     災害があったら数万円とか寄付したりする。

山本   あなたの(いた)NPOは、スタディーツアーやってる以外には、
     フィリピンで学校やったりしているの?

カリメロ フィリピンで児童擁護施設をしていますね・・・

山本   どんな児童に対する、誰を対象にした養護施設なの?

カリメロ ストリートチルドレンや、
     虐待を受けた児童とかを保護する施設です。
     YMCA系の団体です。

山本   わかりました。
     それで、
     社会福祉の4年生の大学を
     なんだかんだ活動をして(しながら)卒業しました。
     それでどうしたの。

カリメロ その時次に入ったのが、
     IT系のN社でシステムエンジニアをしていました。

山本   SEだね。

カリメロ はい、SEです。
     公共系の仕事をしていました。
     なぜ、福祉学科でITなのかというと、
     ボランティアでカンボジアに行った時に
     パソコンを青年層に教えて、
     専門的技術を身につけさせて仕事を得るという活動を見て、
     自分に専門的スキルを身につけて
     現地の彼らに教えることができれば、
     新たな職業発掘になるなと、
     現地へのより強いサポートができるようになるなと思いました。

山本   あなたが行ったNPOで
     そういった活動を見て
     (専門的スキルの)必要性を感じたからということだね。

カリメロ それで、カンボジアに毎年行ってたんですけど、
     あるとき、スラム街の村長さんに言われたのが
     「君達が来なくなったときに僕たちは何もできない」と言われて、
     だけど、我々ボランティアで、私来年から来ない、
     となった時・・

     ボランティアといっても継続性がない場合があると思って、
     自分がSEになって専門的スキルを身につけて
     継続的に(技術提供を通して)現地の人に還元したいな
     という思いで(会社に)入社しました。

     …で、転職して今に至ります…。

山本   で、転職した理由は?
     SEには何年くらいいたの?

カリメロ SEは、3年ちょっとです。

山本   25歳で今27歳で、
     あと2年(空白が)あるよ・・そこは?

カリメロ で、3年ちょっと働き、考えたんですよ、NPOに戻ろうかなと。

     上司にも話をしたら、上司から、
     「NPOに戻るんじゃなくて、
      ビジネスにもっとちゃんと向き合ったらどうか」
     と話をされて、
     確かに継続性の観点から言うと
     ビジネスとの関わりあいって持っておく必要があるんじゃないかと。
     確かにその通りだなとおもいました。

     そう思うとその時の会社って国内に需要を持っている会社で、

     (私は)職場でも勉強していたし、
     周りに勉強している人がいなくて、
     ドメスティックな(日本国内の)ぬるま湯体質が嫌になって、
     転職して今の会社に至ります。

     今の会社は、国際展開をしているクライアント(客、取引先)が多くて、
     そこの事業を改善していくことによって
     (途上国も含めた)現地の雇用を産めるんじゃないかと、
     現地に行ける機会も増えるんじゃないかと、思い入社しました。

(続く)

・・・

このブログの続きはこちらへ
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65441284.html