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このブログは、前回の続きです。

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・・・1年目の、識字教育10カ月の運営


山本:最初にあなたが開いた識字学校の話に戻ると、
   4月に学校を開いて、12月に終わらなくて、
   結局、試験があったのはいつだったの?

めい:(翌年の)4月です。

山本:で、その最初の立ち上げ期に、
   何人生徒を集めることが出来たの?

めい:(生徒の)リスト上は、30人、40人集まってるんですよね。

山本:そのリストって言うのは?

めい:村人が作るんです。

山本:それは、誰が識字ができないとか、そういうのを?

めい:できないから、(識字クラスに)来たいって言ってて。

山本:そういうのは、村長さんか誰かに聞くの?

めい:そうです。
   レジスター(登録)と呼んでいたんですけど、
   やりたい人が集まるなら、生徒のリストを作ってください、
   先生も選んでおいてください、と伝えていたんですけど。

   で、大体、みんな、そういうのは
   さっと(手早く)作ってくれるので。

山本:それが2、30人だったの?

めい:うーん、もっと、4、50人でしたね。どこのエリアでも。

山本:で、4、50人の登録があって、
   学校を作ったときに、実際に初回の授業に来たのは、
   大体何人くらいいたの?

めい:うーん、多くて20人弱。

山本:あ、でも、半分は来るんだ。

めい:最初はですよ。最初は。

山本:で、結局、4月から授業が始まって、
   最大で40人のクラスだとすると、
   平均では、何人くらい(授業に)来ていたの?

めい:すごく真面目なところは、12、3人ですね。
   すごく良くないところは、3、4人でしたね。

山本:結局、7クラス作ったのね?

めい:1年目は7クラス。2年目はつぶれていくけど。

山本:じゃあ、平均で言うと、7、8人くらい?

めい:すごくいいクラスが突出していたので、
   そこは、さっき話題に挙げた、
   コミュニティが協力してくれる地域だったのですけど、

   全体の平均ではもうちょっと少ないですね。
   7、8人というと言いすぎかな。
   でも、(参加者数の幅は、)
   3から8を行き来するような、そんな感じだったと思います。

山本:なるほどね。

めい:出席率ですよね?

   クラスの開催日だと、
   (参加者が)ゼロの日もいっぱいありますからね。
   来てる日だったら、それくらいの平均が出せると思います。

山本:クラス開催日は、一応は、週に4回となっているけど、
   実際には、週4回で10ヶ月だと、
   1ヶ月あたり4週で16回だから、
   160回やらないといけないはずなんだけど。

   実際には、160回のうち、何回くらいを開催できてたわけ?

めい:それもクラスごとに差が大きいんですけど、
   感覚的に言うと、半分いくかどうかぐらいですね。

山本:半分いくかいかないか。
   だって、女の先生だって、妊娠と出産があったり、
   育児とかあったら、大変でしょう?

めい:でも、妊娠と出産だけだったら、
   ぎりぎりまで(授業を)やるので

   真面目にやっているところだと、(がんばるん)ですけど、
   1週間で戻ってきますし。

   クラスを休むという意味では、
   現地では、出産ってあまりブランクにはならなくて済むんですよ。

   どちらかといえば、子供が病気になったときの方が、
   ブランクは大きいです。
   病院に連れて行った後、中々戻ってこれなかったり、
   その後も、離れられなかったりで。

山本:それは、普通にマラリアとかなの?

めい:みんな(現地の人は)、風邪でもマラリアって言うので(笑)


(注:アフリカでは、熱があれば、原因がなんであれ、
   「マラリアだ」と思う地域が多い。実際は様々な原因がある。)


   下痢で症状が悪化したりとか。
   病院までの距離が遠くないこともあって、
   鼻がぐずっていたりするだけでも、病院に行く感じで。
   医療費が、公的医療に関してですけど、無料なので、
   結構すぐ病院に連れて行ったりするようですね。

山本:社会主義なんだっけ?

めい:(首を横に振りながら)共和国ですよ。
   でも、結構すごく病院に行く習慣があって。
   だから、そうですね。

   子供を病院に連れて行ったりしていると言うと、
   同じ村の中で、(先生がそういう状況だと)みんな知っているので、
   生徒は来なくなりますし、
   復帰後もまた、クラスを立て直すまでに時間がかかったりで。

   むしろ、妊娠のケースの方が、
   (クラスの)中断・復帰がスムーズだった気がしますけど。

山本:じゃあ、子供の病気が(クラス閉鎖の)一番の理由で、
   結構、1ヶ月くらい閉鎖ということもあったのね。

めい:はい。子供の病気と、後、葬式ですね。

   葬式は決まった日に一回だけなんですけど、
   一回来なくなると、来なくなる癖が付いちゃうじゃないですか。

山本:まあね。それは先生の方が?

めい:(先生と生徒の)両方ですね。


・・・2年目の、識字教育学校の状況は?


山本:細かいところを突っ込むと、きりがないので、
   まあ、分かりました。

   次、2年目になりました。

   (まず、1年目の復習ですが)
   あなたが七つの学校を開設して、
   授業が開催されたのが、
   (政府の規準の)百六十回の半分くらいで、
   (生徒)40人のリストがあっても、
   実際に来るのは四分の一程度で(した)。

   2年目はそれがどうなりましたか?

めい:まず、政府が求める、クラスを存続させるための必要水準が
   すごく高いんですよ。

   レジスター、登録されている人の数が最低25人以上で、
   で、平均出席人数も15人以上みたいな。

   あたしが来る前にクラスが閉鎖されたのも、
   そういう条件を満たしていないから、
   (教室を)やめる(廃止する)ように、
   ということだったんですね。

山本:結局、政府が認可しないと、カネが来ないから
   (先生への月給)3百円の給料が払えないということだよね。

めい:そういうことです。
   で、そういったクラスは閉鎖しろと言われていて。

   それだけ(政府が規定する回数だけ)授業をやっていたら、
   (試験に)受かるはずじゃないですか。

   で、その試験に受かる人がいないようだったら、
   授業をやる意味はない、みたいなこと言われているんですけど。

   現実には、そのチェックでさえもちゃんと行われていないから、
   みんながなあなあに(いい加減に)なっているんですけど。


   (めいさんが担当していない地域では、試験の結果が、
    捏造されていて、合格率を上げていた可能性が高いらしい。
    識字教育の教師が、月給300円をもらい続けるために。
    そのために、識字教室を存続させるために。)


   逆に私の担当した地域は、その辺りをきちんとやっているので
   (試験の結果とかも)全部ちゃんと出ちゃっているんですよね。


   (めいさんの担当していた地域では、
    めいさんが監視をしていたために、
    識字教育の先生たちは、生徒の試験結果を捏造できず、
    よって、ありのままの悪い点数をとってしまった。)


   1年目は、合格者が出たクラスが一つしかなくて、
   4人しか受かってないんですよ。

   そもそも普段の授業にも参加している数が少ないから、
   試験を受けた人数自体が、4、5人とか、
   多いところでも12人ぐらいだったんですよね。

   ということで、試験を受けている人数が少ないということと、
   その中で、また合格者が少なすぎるということで
   オフィスの同僚からは、
   こんなクラスをやってても意味がないと言われてました。

山本:七つあったうちの一つだけ(が合格者が出たクラス)で、
   しかも、人数は(全体でも)4人だけであったと。
   他は全滅だったんだよね。

めい:だから、やる意味がないと指摘されたら、
   私自身もそう思ったんですけど、

   逆に、(クラスが廃止されていた地域で)
   再開することを勧めてくれたのは同僚だし、

   まだ、始めたばっかりだったし、
   うちのオフィスがするべきトレーニングも(して)ない中で
   教師は授業をしていたから、
   レベルが低いのは仕方ないんじゃない?
   という風に話しながら、もう少し様子を見ようよ、
   と同僚を説得して、
   2年目もクラスは続けさせてもらったんですね。

   でも、1年間頑張っても合格者が出ないとなると、
   教える方もモチベーションが下がりますし、
   授業に来ている方も、
   あんなに試験が難しいと受かるわけないよ、
   みたいな意見が出てくるような地域もあって、
   それでもう、だらだら(中途半端)になって、
   2年目が始まらなかったクラスが二つくらいあるんですね。

   わたしも、そういう状況になったら、
   引き止めても仕方ないと思うので
   もうやめていいよ、と(識字クラスの中止に前向きに)なって。

   農作業とかをした方がいいし、
   読めるようになったら、生活が変わるかも?、
   みたいな夢のために、
   こういうプログラムで無理強いする方がかわいそうだよな、
   と思ったので。

   じゃあ、どうぞという感じで、「リリース」しました。

山本:それは学校を閉鎖したの?
   それとも40人というリスト上の人数を減らしたの?

めい:「リリース」(放棄)なので、閉鎖です。

山本:七つの(学校の)うちの二つ?

めい:二つが、ほぼ2年目が始まらない状況での閉鎖です。

   インストラクター(先生)はお金がほしいので、
   そういう状態になっても
   まだ(識字)プログラムをやっていると主張してくるんですけど、
   実際に学校に行っても、誰も来てないんですよね。

   その時は、もう政府からのお金は来ないからときちんと説明して
   閉じさせました。

山本:最初に二つ閉じて、他に何個閉じたの?

めい:最終的に、もう一つ閉じました。
   残り四個は、一応、私が帰ってくるまで残っていました。

山本:じゃあ、(その四つについては)
   それなりに、先生も来て、
   生徒もある程度来てという状況だったの?

めい:2年目だと、モチベーションが落ちていたということもありますし、
   生徒は来ないところもありました。

   ただ、先生がしっかりと残っていたので、
   (生徒が集まらないという)最悪の場合にも、
   ニーズがある所に、(クラス開催の)場所を変えれば
   また続けることができますし、
   レポートをちゃんと書く人たちでもあったので、
   (閉鎖しなかったという)状況を逆手にとって、
   少ない人数でも正直にレポートで報告してもらっていました。

   結局、同僚にとってもクラスが残っていれば、
   実績として数えられるので、
   最後の方は、参加者が少ないような状況でも
   四つのクラスに関しては、
   やる気があるインストラクターに任せて、
   何とか閉じさせずにした感じでした。

   私はこうして帰ってきているので、
   今どうなってるかは分かりませんが。


・・・識字教育の卒業試験の、ごかまし


山本:今の話で、面白いと思うのは、
   あなたが担当していなかった地域では、
   年間160日開催して、
   参加者が40人登録のうち、40人来ていて、
   という(嘘の)報告をすることで、お金がもらえていて、
   みんな部分的にはハッピーであるという状況だったんだけど。

   (知りたいのは)
   最後の、10ヶ月後のテストの時に、
   (ウソの報告書によって、書類上は)
   毎回ちゃんと出ている(ことになっている、他の学校の)生徒が
   みんな試験に落っこちたら、
   それは(きっと今までのウソがばれて)問題になると思うんだけど、
   (つまり、ポイントは、その識字教育の卒業試験の)
   生徒の採点は誰がしているんですか?

めい:フィールドワーカーですけど。

山本:「フィールドワーカー」といった場合に、
   いろんな定義があると思うんだけど、
   あなたが言っているのは、誰を指しているの?

めい:うちのオフィスは県の一部署で、
   政府に雇われた県の職員として、
   各地にいるのがフィールドワーカーです。

山本:それは永久職員、それとも一時的な職員?

めい:永久職員です。
   県に命じられたら、転勤もしないといけない人たちです。

山本:じゃあ、その人たちがしている採点は信用できるの?

めい:それは、人によると思うんですね。

   でも、それ以前の問題があって、
   テストの結果は大した問題じゃないんですよ。
   「誰が受けているか」が問題なんですね。

山本:ほうほう。

めい:さっきお話したとおり、
   最初にレジスター(生徒の登録)をしてるんですけど、
   レジスターの時に、フィールドワーカーからうちのオフィスに
   手書きで書類が送られてくる際に、
   誰がそのレジスターをしたかというのが、
   記録に残っていないケースがほとんどなんですね。

   それで、うちのオフィスに来るのは、
   名前のリストよりも「数字」なんですね。
   男性が何人、女性が何人みたいな。
   でも、そのレジスター時の数字よりも、
   テストを受けた人数の方が多かったりというような
   (矛盾した)状況が起こっているんですよ。

   特に、レジスター時には、
   どこの地域でも女性の比率が高いんですけど、
   実際に、テストを受けている人たちを見ると、
   断然、男性の比率の方が高いんですね。

山本:ふーん。

めい:だから、そもそも、テストを受けている人たちが
   (識字クラスに通っていた)生徒だったのか、
   レジスターされていた人たちだったのか、
   というのをチェックする機能がどこにもないんですね。

山本:じゃあ、例えば、
   嫁さんが受ける代わりにだんなさんが受けたり、
   お母さんの代わりに(学校に行っている)息子が受けたり、
   識字学校の先生が、代わりに回答を書いたり、
   フィールドワーカーが(自分で)回答を書いたり、
   というのも可能なの?

めい:だと思いますよ。
   フィールドワーカーについては、わざわざ回答を用意しなくても、
   最後の結果は、答案ではなく、合格者の名前と何人受かったのか、
   ということだけ報告するので、その必要はないんですね。
   現地の人たちも比較的素直な人たちなので、
   そこまで嘘をついてる人がたくさんいるとは思わないんですけど。

   どっちかといえば、そもそもテストを受けている人たちが、
   元々読み書きが出来る人たちであるというケースが
   多いんだと思います。

山本:じゃあ、だんなさんか息子か分からないけど、
   代りに受けてもらっているとか?

めい:そういう場合もありますし、
   自分の名前で、普通に堂々と(試験を)受けているケースも
   いっぱいあると思います。

   というのも、合格すると、証書が発行されて、
   それが欲しいからなんですけど。

山本:就職等に役に立つから?

めい:役には立たないんですけど、
   みんなそういう「サーティフィケート」(修了証明書)
   が大好きなんですよね。

山本:その心理はちょっと分かるかもしれない。

めい:で、政府の役人であるフィールドワーカーも、
   記載されている名前がなんであってもいいんですよ。

   上に報告するときに、数字が多ければ多いほどいいので、
   多くの人数が受けて、多く受かっている方がいいんですよ。

   その地域の識字率の向上と(いう本来の目的と)は別に、
   そういう風に制度は機能しています。

山本:じゃあ、最初のリストの作成でも、
   別に参加する気がない人たちだとしても
   その人たちの名前を加えている場合があるし、
   だんなさんが代理で試験を受けているとしても
   それに対して目をつぶっていた方が、
   (フィールドワーカー自身の)
   給料を減らされたりすることもないってことだよね?

めい:合格率が低いから、給料を下げます、というような
   (フィールドワーカーの)評価制度があるわけでもないので、
   (プログラムの良し悪しで)影響があるとも思えないんですけど。

   でも、一応、そういう業績はいいように見せようと
   みんなが必死に取り組んでいましたね。

山本:へえ。なんでだろうね。

めい:分からないです。

   ただ、うちのオフィスは、首都からたまに視察に来た際に、
   そういう(合格率などの)データの数字も確認されるので、
   数字がそろっていなかったり、あまり良くない結果だったりすると、
   チクッと言われたりもします。

   そこから波及して、うちのオフィスから、
   現場のフィールドワーカーに対して、
   ちゃんとするようにお願いしたりはしていたんですけど。

山本:上司が怖いという国民性もあるのかな。

めい:そうです、そうです。(手をこすり合わせながら)

山本:ごますりが激しい?

めい:嫌われたら僻地に飛ばされるという話もあるんですけど。

   うちのオフィスの人たちもそんなに上級のオフィサーではないので、
   飛ばされてもどうせ県内ですし、
   気に入られたら昇進できるとかいうこともないんですけど。

   なんかあるんですかね。他に気に入られたい理由が。


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