.

日本の大学の博士課程在籍中に、イギリスの大学院の修士課程へ


山本 で、また博士課程に来なさいって言われたんですか?
   長崎(大学)の。

サクラ いえ、あのー
    (長崎大学の)博士課程には在籍してる状態で
    (NGOのアフリカでの医療活動に)行ったので、
    帰ってきたら自動的に(元の)学生なんですよね。
    自分の机も教室にあるので。

    ちょっと自分の、博士の、
    研究のテーマは栄養の問題にしたいと。
    だけど、栄養の問題の論文を書くには、
    もうちょっと勉強をしたいと。

山本 はい。

サクラ でー、色々調べたけれども、
    日本で、あの栄養の、
    いわゆる臨床の栄養ではなくて、もうちょっとこう、
    まー栄養失調を含めた、
    公衆衛生的な解釈の仕方なんかも
    総合的にみた栄養学っていうのを勉強したいと。

    それだったら、海外になりますが、
    海外に行かせて下さいと(笑)。
    お願いしました(笑)。

山本 海外に行かせて下さいっていうのは、

   例えばその、イギリスとかアメリカにある、
   有名な国際保健の大学だと、
   今では当然(の概念として知られていること)ですけど、

   「小児の栄養を改善することが、
    感染症での死亡の割合を減らすことにつながる」、

   っていうことを科学的に確立した有名な先生が、
   昔、アメリカ等に、いっぱい居ましたけれども。

   ま、そういう大学院に行って勉強したい
   という意味ですか? 今のは。

サクラ はい、そうです。

山本 なるほど。
   えっ?えっ?
   それ(欧米の大学院に)は(既に)行ったんですか?

サクラ あ、それは、今度(2010年)9月から行くやつです。

山本 あー、今年の。

サクラ 今年の。

山本 9月から行くやつ。

サクラ はい、はい。

山本 それは行った方が良いよなー。

   それはどこの大学?、(大学)院に行くんですか?

   あ、そっか。
   (このインタビューの前に、聞いてたけど)
   あー、それが、その、ロンドンのあれですよね。

サクラ そうなんです、はい。

    最初はそのロンドン・スクールの、
    ハイジーン・アンド・トロピカル・メデシンにある
    パブリック・ヘルス・ヌートリッションっていう
    コースにしようと思ったんですが、

    そこと、このUCLの
    インターナショナル・チャイルド・ヘルスと
    ちょっと二つ迷って。

London School of Hygiene & Tropical Medicine LSHTM
http://www.lshtm.ac.uk/

MSc Public Health Nutrition
http://www.lshtm.ac.uk/prospectus/masters/msphn.html


UCL(University College London)?London's Global University
http://www.ucl.ac.uk/

Postgraduate Programme Information International Child Health
2010-11
http://www.ucl.ac.uk/cihd/postgraduate/Programme_Information_Int ">http://www.ucl.ac.uk/cihd/postgraduate/Programme_Information_Int
CH

山本 あーそうですか。
   ちょっと、ちょっと待って下さいね。
   まず、結局最終的に決まったのは、
   UCLの
   ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの中にある
   インスティート・オブ・チャイルド・ヘルス。
   (子どもの健康に関する研究所)

サクラ の、
    マスター・オブ・インターナショナル・チャイルド・ヘルス。
    (国際小児保健の修士課程)

山本 に、なったってことですね。
   それと迷ったのが、もう一個が何でしたっけ?

サクラ ロンドン・スクールの
    ハイジーン・アンド・トロピカル・メデシン。
    (衛生と熱帯医学)
    そこの、
    マスター・オブ・パブリック・ヘルス・ヌートリッション。
    (公衆衛生と栄養に関する修士課程)

山本 を迷ってー、結局。

サクラ 色々考えて、一応、二つ応募したんですね。

山本 はい。

サクラ で幸い二つとも合格を頂いて、でー、
    最終的にすごく迷って、あの
    UCLのチャイルドヘルスにしました。

山本 決め手は何だったんですか?

サクラ 決め手は、あのー栄養も勉強出来るんですよ。
    ただ、栄養だけではなくて、
    その「小児保健の全般」を全部勉強出来るんで、
    あのー、その、

    新生児死亡だったり、母子保健だったり、
    今の小児保健の各国の問題というのも、
    総合的に勉強出来るので、
    長ーい目で見ると、
    こっちの方が自分には役に立つんじゃないかと思いました。

・・・

将来は、国連、JICA、NGOのどれか? あるいは?


山本 はい、なるほど。
   あと、長い目の話なんで、丁度いいんですけれども、
   国際協力に関わる上で、
   まー先生の場合多分、三つの方向性があって、

   そのNGOを経験した後に、相変わらずその、
   NGOに関わる方法もあれば、

   いわゆる政府系のJICA専門家系に移る場合とですね、

   国連JPOで、まーユニセフ、WHO等に行く方法とか
   あるんですけれども、

   今後そのー(どうする予定ですか?)、


   (その前に)ちなみに
   これ(イギリスの大学院修士)は1年で取れるんですか?

サクラ はい、1年で取れます。

山本 2010年の9月から、まー実際
   10ヶ月から11ヶ月で取れちゃうんですよね?

サクラ はい、そうですね。

山本 後にー、例えば国連JPOを受けるとか、
   政府のJICA(職員)の中途採用にアクセスするとか、
   あとは国立国際医療センター、
   今名前がこないだ変わって、
   なんとかになったんですけれども、あのー…。

サクラ 研究センター?

国立国際医療研究センター(旧称:国立国際医療センター)
医療系のJICA専門家のたまり場である国際医療協力部がある。
http://www.ncgm.go.jp/imcjhome.htm

山本 そう、なんか最近、名前が変わっちゃったんですよ。
   にー、行くとか色々ありますけど、どっち志向ですか?
   要するに、国連、政府、NGOはどれを志向されてるんですか?

サクラ それはー、もう常々考えてるんですけれども、
   自分は今のところは、臨床の、
   実際に患者さんを診る方に
   近い(場所が好きな)んじゃないかと思うんですね。

山本 すると、NGOでしかないですよね?

(注:国連と政府系のJICAの仕事は、省庁と会議をして
 保健医療政策を作ることがメインのため、田舎の現場には行かない。
 よって、現場の医療活動が好きなら、原則、NGOしかない。)

サクラ そうなんですよね。

山本 はい。

サクラ ただ、ちょっと話が前後しますが、あのー、
    この前マラウィに行ってきたお話をしたんですが…。

山本 あっ、それが抜けてましたねぇ。

サクラ アハハハハハ(笑)。

山本 えーっと、マラウィには何年何月から何年何月まで?

サクラ マラウィには2ヶ月間だけですね。
    2010年の1月の終わりから、2010年の3月の終わりまで。

山本 はい。

サクラ 2ヶ月間なんですが、
    マラウィ大学の医学部があるんですけど、
    そこの医学部の小児科の教室に入って、
    大学付属病院で臨床をしてました。

山本 あーそうですか。

サクラ はい。

山本 小児科の医者?

サクラ 小児科です、はい。

    そこで、どうしていきたかったかというと、
    「栄養失調の子供の、病院でのマネジメントの仕方」
    を勉強したくて、

    私がアフリカ某国に居た時は、コミュニティというか、
    村で外来治療、栄養治療食をあげて、
    あの、良くなってく子供達を外来で診ていくことを
    したんですが、

    もっと重症な入院を要するような子供達を、
    あのー、ケア(する)、
    マネジメントの勉強がしたくて、
    そこで2ヶ月間勉強してきたんですけれども。

山本 入院が必要ってのは、栄養失調が酷くて、
   入院が必要な子ですか?
   それとも、

サクラ とりあえず合併症です。

山本 とりあえず合併症。

サクラ マラリアだったり、HIVが多かったですけれども。
    HIVプラス結核だったり。
    そういうのをちょっと勉強してきて、で、
    あのー、もしかするとこういう所で働くのが、
    自分の一番やりたい事なのかなーと、思いました。

山本 なるほど。

サクラ 一つはその、(マラウイの大学の)医学部なので、
    基本的には政府の下で働く、でー、

山本 国立大学ですよね?

サクラ 国立大学。
    最近出来たんですけれども。

山本 はい。

サクラ で、医学部の学生も、
    ベット・サイド・ティーチング
    (患者さんのベッドのすぐ横で勉強すること)
    で回ってくるんですね。

山本 はい。

サクラ でー、そういうのを、
    私、色々教えさせてもらったり、
    医学部の講義をちょっとさせてもらったりしたんですが、
    非常に面白くて、

    でー、よくよく考えると、
    そういう医学部を卒業した子供たちが、
    また将来医者になって、その国に貢献出来る…。

山本 「持続可能性」(サステナビリティー)ですか?

サクラ 持続性ということを考えると、
    あ、私が理想としている国際協力は、
    こういう形なのかなーとちょっと思いましたね。

山本 なるほど。

サクラ NGOとかではなくて、
    (途上国の)政府の中に入ってー。

山本 その途上国の、政府の大学病院みたいなのに入って、
   その医学生にも教えるし、自分でも治療をする。

サクラ 治療もするしー。

山本 あ、いいですね、それは。

   ただそれでちょっと思い出したんですけれども、
   ちょっと確認があってですね、

   多分先生もそうだと思いますが、私もそうで、
   私も先生も「日本の医師免許証」しか持っていなくて、

   それが、あの
   (NGOなどの国際協力団体に入り)
   アフリカ等の他国に行って医療行為をやっていいというのは、

   まずあの、
   基本的にこちら側が「先進国の免許証」を持っていて、
   「途上国で医療体制が崩壊しているという事実」がまずあって、

   人道援助として、
   「絶対に報酬をその国で貰わず」に、
   患者さんからは直接、少なくとも、お金を貰わないで
   ボランティアでやるんだから、
   (無償で)医者をやるのだから、

   医師免許はその国、
   途上国の医師免許を持っていないにも関わらず
   (医療行為が)出来る、というのが原則だと
   私は認識してるんですけれども。

   先生、今マラウィーで、
   大学病院に入って医療行為をやった、
   とおっしゃってましたけれども、
   それちょっと立場としては、当然、
   給与は貰って…。

   どっちですか?

サクラ えっとですねぇ、基本的には
    (職員としての)契約をして、
    あのー、もらえます。

山本 国立大学だから、
   国の税金から先生にお金(給料)がいく訳ですね。

サクラ そうです。
    ただ、私は、非常に期間が短かったので、
    ボランティアです(笑)。
    あの、お給料は出てないです。

山本 あーそうですか。

サクラ はい。
    ただ、立場は、スタッフとして、働いていた。

山本 あーそうですか。
   マラウィ人の医者と同じように、
   患者さんを普通に診療して、
   薬出したり(処方したり)もしていたって事ですね。

サクラ はい。
    ただー、あのー、必要なのが、
    日本の医師免許証を英訳したものと
    小児科科の専門医の資格を英訳したものを、提出して、
    あのー、許可を貰う。

山本 病院から?政府から?

サクラ 政府から。

山本 政府から。

サクラ はい。
    ただ、それを私はやろうとしたんですが、
    提出したんですが、非常に時間がかかるので、
    私が居る2ヶ月の間に貰えなかったんです(笑)。

山本 あー、そうですか。

サクラ だから、本当に正直な話を言うと、違法です。

山本 ですよねぇ。

サクラ はい。

山本 私、話を聞いてて、そう思いました。最初に。すぐ。

サクラ ですけど、他のドクターは、ちゃんと契約を、
    契約2年なので、
    契約してるドクターは、労働許可を取って、
    えーっとその為に、まず自分でお金も払って、
    かつ、給料は貰って。

    ただ、マラウィの政府からではなかったと思いますが。
    あのー、どこからだろ?
    多分ヨーロッパの、
    そこオランダが建てたんですけれども、
    オランダとイギリスの植民地だったので、
    多分二つイギリスとオランダに
    大きなリクルートみたいなとこがあって、
    そこから出てると思います。

山本 あ、そうですか。
   あーじゃぁあれかもしれません。
   よくあのー、オランダとがイギリスとかアメリカの財団が
   よく途上国の国立病院を(経済的に)支援してるので。

サクラ それだと思います。

山本 欧米の財団が、お金を何百万かくれてるうちの一部が、
   外国人医師にお金を払うシステムに
   なっているのかもしれませんね。

サクラ はい、はい。

山本 だったらまぁ、あんまり問題ないかもしれません。

サクラ はい。

山本 これ、いいかも。

(注:山本としては、国際医療協力の方法として、
 国連、JICA、NGOという三つの大きな方法論に加えて、
 第四の手法が見つかったと思ったので、喜んでいる。
 ただし上記以外にも、国際協力系の大学の講師になる道など多様。)

   これいいですねー、なるほど。
   これ是非、紹介するべきですねぇ。
   いいですよ、先生。
   これ是非やってもらいたい。

サクラ 本当に日本人がいなくて。
    アジア人もいなくて。
    けど、イギリス人もいますし、
    ヨーロッパ人もいますし、
    アメリカ人も一杯来ているので。
    是非日本の方にも、
    (アフリカの国立大学の病院に)行ってもらえると…(笑)。

山本 はい。
   マラウィ人気ですからね。

サクラ そうですねぇ。

山本 あのー、協力隊の人が、いっぱい行ってますから、人気で。
   あの、エイズを予防をする歌を歌って有名になった人。

サクラ あぁー。

山本 山田耕平くん、という。

http://www.jica.go.jp/story/interview/interview_38.html

サクラ はい、はい。

山本 まーとにかく、あのー有名になってますので。

サクラ はい。

・・・

これから国際協力をやりたい人へのメッセージは?


山本 あと1分しかないなー。どうしようかなー。
   えーっとですね、
   何かこれから国際協力やりたい人に、
   言いたい事ありますか?

サクラ 言いたい事ですかー。

    やっぱり日本で、ある程度、こぅ、
    専門を持っておくと強い。

    その、何かやりたいという漠然としたものではなくて、
    これをやりたいっていうような、専門性があれば、
    やっぱり、それが自分の興味にもつながるし、
    あのモチベーション、やる気にもつながるし、
    長い年月の活動にもつながるので、

    何かこれっていうのを、見つけて、
    磨いていくといいなと思います。

山本 先生の場合、小児科で入って、
   その中で栄養っていうことですかね?

サクラ そうですね、今は栄養ですね。
    アハハ(笑)。

山本 将来変わるんですか?

サクラ 分かりません、それは(笑)。
    小児科っていう枠組みはありますけれども、
    もしかしたら、栄養から感染症に行くかもしれないし、
    栄養プラス感染症になるもしれないし、はい。

山本 ところで、忘れてましたが、御結婚はされてるんですか?

サクラ まだしてません(笑)。

山本 彼氏は?

サクラ ちょっとそれは、ノーコメントで(笑)。

山本 あー、ノーコメントってことは、いるってことだよね。

サクラ いやいやいや(笑)。



(以上で、終了)