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今後、どうするつもりか? 次は国際NGO?


山本  あと今後の事ですね、ご自身の。
    (今いる、S団体は)一年契約という事でしたよね。

マック はい。そうです。

山本  ちなみ給料は20数万円ですか?

マック この間もらったので、手取りで21万円でしたね。

山本  じゃあ額面は5万円プラスくらいでしょうか。

マック ですね。

山本  で1年経って、終わるとどうしますか?

マック 今考えてるのは、国境なき医師団か。

国境なき医師団日本
http://www.msf.or.jp/

山本  私の古巣じゃないですか(笑)

マック あともう一つ同じような名前の団体がありますね。
    あの、世界の医療団とか。あとはアムダとか、ありますよね。

世界の医療団
http://www.mdm.or.jp/

アムダ
http://amda.or.jp/

山本  はい。

マック それで、
    ロジスティシャン(物資の運搬)の仕事を
    やってみたいなと思ってます。

    まあ話しは戻るんですが、僕は電気が専門なので、
    メンテナンスとか好きなので。

    そんな技術が使えるのかは、
    実際通用するかどうかは分からないですが、
    (自分ができるのは)
    唯一そんな仕事なのかなと思うんですよね。
 
    なので一度は経験してみたいなとは思ってたりします。

    でもやっぱり考えますね、
    (NGOのボランティアは)終身雇用でもないし、契約だし。

    (NGOの)内部の事は詳しくは分かりませんが。
    そんなずっとできる仕事でもないのかなとも思ってて。

    (それでも)まあいいかな、とは思いますが、
    でも首を突っ込んでみないと何とも判断できませんし。

・・・

これから青年海外協力隊を受験する人に言いたいことは?


山本  これから協力隊受験する人に、何か言いたい事あります?

マック 合格して、二本松とかの訓練所に入りだすと、
    そこに「宗教的な雰囲気があるな」と感じてたんです。

    同じ色に染められていくというか、
    近い思想を持つようになっていくというか。

    そんな中で良く言っていたのは、
    「自分の成長」を重視すれば良いんじゃないのと、
    そんな声が良く聞こえて来たんですよね。

    でも自分としては、その当時高額な税金を使って、
    自分の成長だけで良いんですか、
    っていう問いかけは良くしてましたね。

    結果自分は2年間で成果を残せたのかといわれれば、
    残せていないと思うんですが。

    やっぱり税金を貰って派遣される以上は、
    何が向こうで出来るのかを・・

    自分の成長も大事な事かもしれませんが、
    出発前からよく考えていけば、
    向こうで良い時間が過ごせるのかなと思いますね。

    なんだか協力隊から、そんな風潮を感じるんです。

山本  そんな風潮っていうのは、もう一回。

マック えーと、
    「向こうへ行っても大した事はできないよ、
     自分が成長したら良いんじゃない」、
    みたいな。

    帰国隊員が「学ぶところが多かったです」と強調するところとか。

山本  福島の二本松の研修に、OB が帰国して来て、話しをしますよね?

マック あとは、私が個人的に会った人とかも、

    「何も出来なかったけど、
     私から現地の人にあげられた物はなかったけど、
     私はたくさんの物(経験)を貰いました、成長できました」

    みたいな話しをする人が多かったので、
    「あー、そんな活動でいいんや」
    と思うのがとても嫌だったんです。

    やっぱり1000万円なりのお金を出してもらって
    途上国に行くんやから、
    それなりの準備や勉強は必要やろうし、
    計画性をもって、
    2年間で何をやるのかとういう事考えてから行った方が
    良いのかなと思います。

    批判的でしょうか?

山本  協力隊の、福島、長野での訓練も、
    朝の体操から始まって、
    (整列とか)ほとんど軍隊みたいなんですよね。

マック そうですね。

山本  体操から始まるんですよね。

マック 朝6時くらいに起きて。

山本  わりと協力隊って、「隊」ってついている段階で、
    昔の軍隊の名残じゃないかって、誰かが言ってましたけど。
    
    1、2、3とか号令とかあるんですか?
    そこまでは無いんですか?

マック いや号令は無かったですね。
    でもほんと軍隊的ですよね。
    規律は厳しいし。

    でも30代後半の人間から見ると、もう笑えてしまうんですよね。
    何をやらせるんだこの人たちはってね。

山本  今時、時代錯誤の、ですね。

マック 昔はもっと、厳しかったとは聞いてますけど。
    私の行った頃は昔に比べれば、それほどでもなかったそうです。

山本  まあ福島、長野で受ける訓練に、
    「洗脳」っぽい側面も少しはあるかと。

マック まあそんな感じはしましたけどね。

山本  国際協力の業界は全部、
    国連も、JICAも、NGOも、ある意味、
    「新興宗教のような側面」がありますので、
    まあそれは側面として考えればいいとおもいますけど。

・・・

海外派遣中、なにかトラブルはあったか?


山本  (今、このインタビューは、
     NPO法人・宇宙船地球号の事務所で行っていますが)

    実はそこに二人、隣で作業してますが、
    (これから)協力隊に行く人が(二人)いますけど。
    これから行く事が決まってる人に
    何か言いたい事あります?

マック うーん、健康には気をつけて、かな。

山本  あっトラブルを聞いてませんでしたね。

マック 体を壊さず、帰国してくださいね。

山本  2年間の派遣で体は壊しましたか?

マック 自画自賛なんですが、
    体は丈夫みたいで、特に問題なく、風邪もひかず。

山本  交通事故等のトラブルは?

マック 私は無かったですね、他の隊員は聞きましたが。
    何人かは。

山本  どんなものでした?

マック 亡くなられたりは無かったんですが、車との事故とか。

山本  それは、バイクですか?自転車ですか?

マック 歩いててですね。
    あとは、自転車やバイクで転倒したりはよくありました。
    オートバイは借りる隊員もいますので、
    運転技術の未熟さから、
    オフロード、ダートで転倒する人は多かったですね。

山本  盗難・強盗関係はどうですか?

マック 盗難は、都市部ではありましたね。
    2年の間に、2、3人が被害にあった程度かな。

山本  M国は派遣数は何人でしたっけ?

マック 80人前後ですね。

山本  80人で2年いて、2、3件しかなかったってことですか?
    それは少ない方ですね、ケニアはもっと多かったですよ。

マック 犯罪の規模によるのかな。
    バスターミナルでのスリなんかは、数えてないですけど、
    半年に2回程度でしょうか。

    未遂で報告されていないのもあるとは思いますが。

    自宅に押し入られたとかいうのは、
    2年間で2回くらい聞いただけでしょうか。

    窓ガラスやドアには、
    バーグラー・バー(盗難防止柵)の取り付けは強制でしたから、
    そのおかげもあるかもしれませんね。

参考:
burglar bar : バーグラー・バー(盗難防止柵)

山本  あとは(青年海外協力隊に参加した)女性の強姦事件の関係で、
    パプアニューギニア以外で起こったのを知ってますか?

マック 以外では、正直聞いた事ありません。あるんでしょうけれど。

山本  多分隠すと思うんですよね、普通だったら。

マック 協力隊の(福島か長野の)訓練期間中に、
    そんな関係の話を実は女性だけにしている事を後で知って、
    びっくりしましたね。
    
    一部の女性隊員は、とても大きなショックを受けていましたから。

    その講座の後、何の話しやったの?って聞くと、
    詳しくは教えてくれなかったんですが、
    見るからにショックを受けていて、
    端から見ている分にはとても不思議な感じでしたね。

    で、帰国間際か、帰国後に、
    実はあの講座は婦女暴行の関係の話を聞いてたんだと。

山本  あー女性隊員だけの集まり。

マック そうです。

山本  あーそんなのがあるんですね。

マック 昔の小学校の保健体育みたいな感じで。

山本  ええ、ええ。

マック その時に、少し誇張して話しているのかもしれませんが、
    そういう過去の事件を紹介してるのかなと想像しましたが。
    ある女性隊員はそう言ってましたね。

山本  なるほど。

・・・

これからは、農業か?


山本  で、最後は一点だけ気になってたのは、農業の話で。

    農業に興味があるって割には、
    一回だけ田んぼ(の話し)が出て来ただけなんですけど、
    何かプランが。

マック まあ最後は、人生の最後は農業なのかなと。

山本  それは日本でって意味ですか?

マック 日本が良いですね、農業やるなら。
    日本かな、まだ具体的には決まって無いんですが、
    まあ畑仕事とかは時折手伝ったりするんですが。

    そうすると、これまで自分は、
    仕事をして、
    お金を稼いで、
    食べ物や必要な物を買う、と。

    仕事と食べ物の間に、一回お金がはさまる訳ですよね、
    それが普通なんですよね。

    ところが畑仕事を手伝っていると、
    畑での労働がそのまま食べ物につながる訳ですよ、
    お金を介することなく。

    そんな仕事というか労働というか、
    今までに無い感覚だった訳です。

    食べていくためには実はこれだけでいいのかなと、極端な話。

    そんな凄い新鮮な感覚と、現代の食にまつわる問題が、
    例えば食べ物がどうやって出来ているのかみたいな事とか、
    リンクさせることで、
    現代人の食生活が変化するかもしれないと思う訳です。

    あとは、出来るなら、シンプルな生活を送りたいと思うので、
    その意味からも自給自足の生き方って言うのは、
    もともと憧れはあったわけですが、
    日本では成立させるのは非常に困難で。

    いいとこどりになるんですが、仕事もしながら、
    食生活は自給自足の生活が、
    日本にはマッチしているのかなと、
    そして実現させるための仕事とか場所を考えているところですかね。

    農家になりたいというよりも、
    農的な暮らしをしたいという感じでしょうか。
    トラクターに乗って、巨大な農場を耕して、
    お金を儲けたいという感じではないですね。

山本  自分で鍬(くわ)を持って。

マック そうですね、
    自分で自分の食べる分だけ作って、
    生きていけたらそれで良いんじゃないのって。

    なんだか、世界の人たちが、みんなそんな生活をすれば、
    世の中のややこしい話も減少するのかなと思いますね。

    みんながアフリカ人みたいな生活すればいいのにって。

山本  実はですね、
    私の最大の主張の一つが、
    「世界最大の問題は、人口増加問題だ」
    というのがあるんですが、
    昨日、(テレビ朝日の「朝まで生テレビ」などによく登場する)
    某T大学のM教授と(それについて)話してたんですが。

    じゃあどうすれば地球が持続可能になるかっていうと、
    今おっしゃった事しか無くて、

    自分が、一人一人が農業をやって、
    自給自足もしくは地産地消でやっていくと。

    太陽から降り注いだエネルギーで農業をして、
    食べ物を作っていくのが持続可能で、
    これ以外はあり得ないと。
    
    (二人で)3時間くらい激論してたんですが、
    (最終的に、意気投合しました。)

    まあ(マックさんが)おっしゃるのが一番正しいと思いますね、
    まあ私が言ってもなんの励みにもならないですけれども。

    方向は正しいと思います。

マック そう、簡単に実現は出来ないと思うんですよね。

山本  問題はあなたが一人だけやっても駄目で、
    全員がやらなきゃ駄目なんですよ。
    (日本や地球が持続可能な状態にならないんですよ。)

マック そこで私が考えるのは、そんな自給自足の生活をすると、
    文化的な生活が送れなくなる恐れがあるからかな、と。

    人間はなぜ自給自足の生活を送りたがらないのか、と、
    考えたときにそう思う訳です。

    だから自分が、こんな風にも出来るんですよ、
    という「ロール・モデル」(最初の成功例)になれば、
    働きながら、農業をして、郊外に住んで、
    人並みの生活を送るということが
    簡単にできる事が見せられれば、
    もしかしたら
    よりたくさんの人を巻き込んでいけるのかな、とは思いますね。

    まずは自分がやってみないと駄目なのかなと。

    (でも)確かに、一人で、仙人のように山奥で暮らしても、
    世間にたいしての影響は無いですから。

山本  意味ないですからね。

マック 国際協力も同じ事は言えるのかなとも思いますし、
    一人でやるよりも、どうやって他の人を、
    もしくは興味のない人を巻き込んでいくかを考えないと。

山本  国際協力も、さっきも話の中ででましたけれど、
    いわゆるモデルケース、良い例を示して、
    それでやっていけるんだと周りに広めるってのが、
    まあ国際協力の手法(常套手段)の一つなんですが。

    自給自足をやるってのも、
    本当にこれで幸せな生活が出来るってことを、
    みんなが納得できるような形で紹介しないといけないっていう。

マック そうですね。

山本  そこまでいかないと。

マック そうですね、そこまで出来たらある意味目標達成かなと。

山本  私もじゃあ、最後は農業でがんばりますか。(笑)

・・・

最後の雑談、今日の夜は、飲み会


マック それとは別に、私のこの、
    「国際協力をするには、変な経歴」でも
    「こんなことは出来るんですよ」っていうのは、
    私なりのやり方で見せる事ができて、
    「じゃあ俺もちょっとやってみるか」って人が増えたらいいなと。

    特に専門の勉強をしてこなくても、
    開発の勉強とかしてこなかったけれども、
    それでも国際協力の世界に少し深く入り込めるということが、
    自分のこれからの活動で示せればいいんですけどね。

山本  40歳から国際協力始めて、
    今開発コンサルやジャイカの専門家を時々やってる人、
    知ってますけど、
    私の「世界と恋するお仕事」って言う本読みました?

マック はい読みましたよ、大分前の事ですが。

山本  日本工営、コーエイ総研っていう、
    日本最大級の開発コンサルのSさんっていう方がですね、
    似たような経歴でしたよ。

日本工営
http://www.n-koei.co.jp/

コーエイ総研
http://www.kri-inter.co.jp/

    (その方は、まず)
    オーストラリアで「土地ころがし」(不動産)やった後に、
    飽きて辞めて、3年間、世界中旅行するんですよ。

    で、その後に開発コンサルがやりたいと思って、
    でコンサルになってますね。似てますよ。

マック はははは。また改めて読んでみます。

山本  40歳超えている組ですから、
    彼はジャイカ専門家とフリーの開発コンサルを、
    かわりばんこにやってるような人ですから。

    あれもありだと思いますけどね。

    彼は自分の専門性を、うまく作ったみたいですね。


    ・・思い出した、
    大阪から今朝夜行バスで来ていただいた。
    (交通費)おいくらでした?

マック 夜行バスは、来るときは5500円でしたね。

山本  もし新幹線で来てたらいくらでした?

マック 普通に切符を買うと14000円ですね。
    金券ショップで買うと13000円くらいです。

山本  要するに(バスだと)3分の1くらいだということですね。

山本  今日は今から何の用事があるんですか?

マック これから、(協力隊の)19年度4次隊っていう、
    分かりますかね、後からの隊員が帰国してて、
    M国で同じ村に住んでた人が帰国してるので、
    ちょっと飲みにいこうかなと。

山本  メイさんは来るんですか?

マック もしかしたら来ると思います。

山本  じゃあもし会ったら、よろしくお伝えください。

マック はい、分かりました。

山本  ありがとうございました。

マック ありがとうございました。