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40歳をすぎてから国際協力関係の仕事を始めた
女性のストーリーを紹介する。

22歳、大学新卒でJICA職員の試験を受けるか、
あるいは、
35歳までに国連JPO試験を受けるのだけが、
国際協力の道ではない。

国際協力の分野に関わっている人の経歴は、
一人一人、とても個性的だ。

今回は、そうした事例の一つを、
6回にわたり、お届けする。


・・・
・・・

自己紹介と、今回の発端


山本 お名前が「ストイ子ちゃん」
   (以下、S子)でよろしいですか?

S子 はい、そうです。

山本 現在勤務している職場の名称は何ですか?

S子 正確に言うと、私自身は個人事業主です。
   で、契約をさせていただいている相手が
   G社という会社でして、
   開発コンサルタントになっています。

   んで、その会社はもともと
   「中小企業診断士」をおとりになった方が
   集まってお作りになった会社で、

中小企業診断士
http://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/index.html

   その会社が昨年2009年から、
   A国で始まったJICA(国際協力機構)の

   ”生産性及び品質改善プロジェクト”
   というものを受注いたしまして、
   そちらの方に業務調整として契約しています。

山本 すると、JICAの仕事のいわゆる
   ”カイゼン(改善)プロジェクト”
   (品質・生産性向上計画調査)
   というやつで

   (それに関する)A国のプロジェクトが動いてて
   その仕事の下請け(をする)というとなんですけれども、
   開発コンサルタント(会社たち)が
   競争入札(で落札する形)でその案件が流れてきて、

   それに複数の開発コンサルが応募して、
   そのうちの一社であるG社が
   それを落札してそれをやることになったと。

S子 はい。

山本 んで、
   G社がやる、そのA国の改善プロジェクトを
   更にまた(S子さんが)代行してやっている
   ということですか?

S子 あ、代行というか、えー、、そもそもですね、
   G社っていう会社自体が、
   日本の会社を定年退職なさって、
   そのあとまだ元気だから
   「中小企業診断士」をとろう
   といったようなご高齢の方のお集まりなんですね。
   なので、業務調整をやるような、割と若めというか、
   英語もできて、PC(パソコン)とかの操作も
   苦にならなくって、
   会計とかもチャキチャキできるという方が
   いらっしゃらなかったんですよ。

   でー、
   まあ最初は心当たりがあったらしいんですけど、
   その方がご体調を崩されまして、
   急に人手が必要になって、
   その募集の案件がメーリングリストで回ったんですね。

山本 はい。

S子 んで、
   全く私は存知あげなかったんですけど、
   そのー、会社のこともA国の件も。

山本 はい。

S子 たまたま私の知り合いがメーリングリストを拝見しまして、
   でぇ、急に私に電話をしてきて、
   「興味があるならすぐ応募しろ!」
   ってメールが来たんですよ。

   それがぁ、、去年の10月くらいの話なんですねぇ。

山本 えっと、2009年の10月くらいのぉ、、あ! 
   えっとちょっと待ってくださいね。
   現在の時刻は
   2010年の4月27日火曜日の15時、午後3時ですね。

S子 そう。それが去年の話だったんですね。
   んで私その時にですねぇ、
   優雅にお友達と白金で、
   お友達とランチしてましてぇ、
   急にケータイにそんなメールが入ったんですよぉ。

   で、なんじゃらほい、って思ったんですね。
   で、、ふぅ〜ん、って思って、
   お友達とランチしてますし、
   A国の「改善」って言われても
   全く分からなかったので、放っておいたんですね。

山本 はい。

S子 そしたらその方からまた電話がかかってきまして、
   「興味があるならぜひ応募しろ!」
   ってまた言われたんですよ!  

   なんだろう!?って思って(笑)

   まあとりあえずその方にも悪いし、
   その時は外にいたので、
   自宅に戻って、そのメールの内容だとか、
   G社の会社の内容とかを見てみたんですね。

山本 はい。

S子 で、ん〜、そのときどうしたんでしたっけ、、
   あまりにも急なことだったんで
   私もよく覚えてないんですけど、
   とりあえずその社長さんにメールを打ったんですよ。

山本 はい。

S子 とても面白そうな案件ですし、
   A国の人助けになる…まあ人助けというか、
   企業のサポートなので
   直接人と人とのサポートではないんですが、
   (この改善プロジェクトに)
   ご興味ある方(働きたい方)たくさんいらっしゃるでしょうから、
   まさか私が採られるわけはないだろうと思いつつも、
   そのお友達がとても熱心に説明してくださったので、
   とりあえず社長さんにメールを書いたんですね。

山本 はい。

S子 そしたら、またその方(熱心に説明してくれた友達)から
   電話がかっかってきたんですよ、その夜。

山本 はい。

S子 で、「どうした?」っていうから、
   「とりあえず勧めもあったので、
    社長さんにメールをしました」と。
   そう言ったら、
   「いや、社長さんはお年寄りだからもしかしたら
    もう寝ちゃってるかもしれない」と。

   で、
   「メールとかも朝にならないとご覧にならないかもしれない」と。
   「だから朝になったらすぐ電話しろ」って言われたんですね。
    
山本 はい。

S子 で、その方(電話してきた友達)は今までそのようなことを
   おっしゃる方じゃなかったんですね。

山本 それは、強硬なことを(おっしゃらない)ということですか?

S子 強硬なこと及び、
   開発・国際協力に携わるようなことを
   勧められたことがあんまりなかったんですよ。

山本 はい。
   
S子 で、私はこの人にもしかしたら
   『神が降りた』のかと思いまして(笑) 

山本 はぁはぁはぁ。

S子 ほんとに夢中になって勧めてくださるんですねぇ。

山本 憑(つ)き物がついたように勧めた、という意味ですね。

S子 狐(きつね)でも憑いたのかと思って。

山本 はい。

S子 で、もうあまりにも熱心なので、もうわかった!
   と思って、翌日の朝…

山本 すいません、その勧めた方というのは
   男性ですか? 女性ですか?

S子 あ、男性です。

山本 んで、あなたの年齢ですけど何歳ですか?

S子 えーっと私は今年、43(歳)になります。

山本 んで、その勧めた相手というのは
   何歳くらいの方ですか? だいたい。

S子 今年46か7くらい。

山本 なるほど。
   そのご関係はなんかあれですか、
   企業の友達だったんですか、
   それとも大学のお友達だったんですか?

S子 ほんと(普通の)お友達。

山本 利害関係のないお友達ですか?

S子 そう。全く利害関係ないです。
   その方自身も大学の先生ではあるんですが、、

山本 講師?

S子 いや、先生です。
   あ、私の大学の先生ということではなくて、
   ご職業が研究者さんなんですね。

山本 あー。研究している人ですね。大学にいて。

S子 そうですそうです。
   教授…あれ?助教授、、
   まあ生徒さんは持っていらっしゃいますけど。

山本 はい。

S子 で、私趣味がマラソンなんですけど、
   その「ランニング・サークル」で知り合った方なんですよ。

山本 なるほど。よくわかりました(笑)
   
S子 すいません、話が急で。
   で、その方自身も、突然去年くらいから
   JICAのプロジェクトでちょっとかかわるようになって、
   JICAの研修とかにもご参加なさっているようなんですね。

山本 はい。 

S子 で、その方自身も
   もともとボランティアをやっていらしたので、
   JVCのメーリングリストかな? 
   が届いたらしいんですよ。

日本国際ボランティアセンター(JVC)
http://www.ngo-jvc.net/

   で、それを見て、なんか私に突然
   「行け!」と言いだしたんですよ。

   で、、なんの話でしたっけ…?

山本 白金でお茶飲んでたらいきなり強硬に勧められて、
   (G社に)メール書いたけれども、
   社長さんはすぐ寝てしまうので
   朝電話しろと(お友達に)言われた、と。

   それで、朝電話したんですか?

S子 電話しました。とりあえず。

   その前に私メールを差し上げていたので、
   一応「昨日メールを差し上げた者です」と。

   「昨日こういう募集があったことを知人から聞きました。
    他にもたくさんご応募なさっている方もいるかもしれませんが、
    一応ちょっと興味があったので、メールをさせていただいて、
    今そのご説明で電話をさせていただいています。
    もしよろしかったらご検討ください」
   と言ったんですね。

山本 はい。

S子 そしたら社長さんが、
   私が電話を差し上げた時点では
   やっぱり私のメールをご覧になっていなくて、
   「とりあえず会社に行ってからメール見ます」
   って言われたんですね。

   んで、メールをご覧になったのかな? 
   そのお昼前くらいにまたその社長さんからお電話を頂戴して、
   「履歴書を持ってきて今すぐ事務所に来てください」
   と言われたんですよ。

山本 ほう。

S子 で、その日のうちに茅場町にある事務所に
   履歴書を持って伺ったんですね。

   で、社長さんと取締役の方がいらして
   私の履歴書をご覧にいれたら、
   私も外資の金融で、
   まあ、それなりに聞けば知っているような会社にいまして、
   その時点では翻訳の仕事をしていたんですね。

山本 はい。

S子 んで英語もフランス語もできて、
   TOEICもある程度の点数を持っていたんですね。

   でも、決め手となったのがすごく面白くて。
   私青学(青山学院大学)の卒業なんですよ。

山本 はい。

S子 で、社長さんの奥様も青学の方だったんですって。

山本 ほう。

S子 で、(社長さんが)青学の人はいい!ってことで、
   なんか知らないけどその場で決まっちゃったんです(笑)

山本 なるほど(笑)まあ人生そんなもんだと。

S子 人生そんなもんです、ほんとに! 
   その時の募集は、、
   その時点ではもう調査団がA国にいたんですね。

   ただ「業務調整」がいなかったんですよ。

   で、こういう言い方をするのはなんなんですけど、
   平均年齢67歳くらいの高齢者集団なので、
   若い人がいなくてほんとに困ってしまっていたらしいんですね。

山本 はい。

S子 車の手配だとかお金の計算する人も全くいませんから。

山本 はい。

S子 とりあえずひと月でもいいから行ってください、
   って言われたんですよ。
   私もこれも何かの縁かなぁと思ってその2週間後に…
   いや2週間後じゃないなぁ、、
   10日後くらいにA国に向かったんです。

山本 (驚きながら)なかなか劇的な展開ですねぇ。
   やや唖然(あぜん)ですね。
   これはおもしろいですね。

・・・

このインタビュー・シリーズの主旨


S子 そうなんですよ。

   でもねぇ、(山本)先生の目的というのは、
   今現在国際協力に携わっている方々のキャリアを
   インタビューして、それが、
   将来国際協力に携わりたいなと思っているような
   若い方々のご参考になるように
   まとめてお伝えするということだと思うんですけど、

   私の場合はあんまり参考にならないというか、、
   私自身も昔から国際協力やりたいなとは思ってましたけど、
   ずっと外資の金融で働いていたので、
   まさか43歳にもなってこういうことをするとは
   思わなかったんですよ。

山本 はい。

S子 なので、ある意味、心の中で
   (夢を)思っていれば叶う
   というストーリーもできるとは思うんですが、

   もう一方では、
   『ほんとに人生わけわかんないよ』っていう、、
   計画していなくても手に入っちゃうってこともあるので、
   あまりいいサンプルではないのかなとも思うのですが。

山本 えっとですね、私もこの世界、、
   13歳にアフリカに行ってから、
   もう30年以上こういうことに
   多少なりかかわっているんですけども、

   別に、国際協力を一生ずっと続けている
   素晴らしい人(だけ)を取材しているわけではなくてですね、

   国際協力を一回やってみたけれども
   自分のやりたいことと違っていたからすぐ辞めてしまった
   という方もいっぱいいらっしゃいますし、

   逆にやりたくてもJICAや国連の試験に落ちて
   結局普通の会社で働いているっていう方も
   いっぱいいらっしゃるし、ということで、、

   一人の人が自分の人生を考える上で、
   国際協力をやろうと思ったことや
   実際一回やってすぐ辞めちゃったこと、
   もしくはずっとやっていることが、

   『その人が自分の人生(の幸せ)を考える上で、
    何かちょっとでも影響したのかな』
   ということを総合的に、包括的に紹介する
   ということをやっているんですよ。

S子 ああ、よかったそれなら。

山本 例えば、国連とかJICAには、
   こういう長所があるが、欠点もあって、
   就職してもなかなか思う仕事ができなかった
   っていう人のことも紹介していますし、

   そのうえでその人が
   仮に国際協力から離れてしまっても、

   日本の一人の消費者として、
   あるいは普通の会社員として、

   どういう生き方を選択するようになったのか、
   ということを淡々と事例を紹介すると。

   学生さんが読むときに
   「ああ、こういうことなんだな、人生は」
   と思ってもらえるように紹介しようと
   (山本は)思っている、ということです。

(ここで、山本に電話がかかってきたので一度中断)

・・・

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