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日常生活、朝は?


山本 具体的にはS子さんはA国で
   何を日々しているんですか? 

   例えば、よく聞くのが、
   朝起きてから夜寝るまで
   平均的にどのような生活をしていますか。

   まず、朝何時に起きます?

S子 6時に起きます。

山本 A国時間で6時?

S子 (A国時間で)6時に起きます。
   6時に起きて、オフィスというのが
   MPDC(Metal Product Development Center)といいまして、
   本省とはちょっと違うところにあるんですけど、
   通産省の建物の中にあるんですね。

山本 日本にもありますけど、
   (MPDCは)中小企業のまとめ役みたいな、
   企業同士が連結して作っている組織、、
   そういうところですか?

S子 いや、違います。
   通産省の一部です。

   通産省の中でのメタル部門のセンター、
   メタル部門の専属というようなところが、
   アディスアベバの中心地からちょっとはずれたところにありまして、
   奥にバックヤード、工場があって、
   メタルプロダクトですから。

   で、何かの試験をしたりですとか、
   何かを作ったりなさってるんです。

山本 ははぁ。なるほど。

S子 同じように繊維(部門のセンター)っていうのもあるらしく、、
   でも繊維はなぜか大通りのきらびやかなところにあるんですけど、、
   それはそこで繊維のメタル版みたいなセンターがあるんですよ。

   それもMOTIに所属してるんですね。

山本 ふーん。なるほど。わかりました。
   で、(話は)戻って、6時に起きて…

S子 で、6時に起きて、
   MPDCの中にあるオフィスが、
   あまりインターネットが通じないんですね。

   まあ、通じない時もあると。
   で、ホテルだと必ず通じるので
   必ずメールをチェックします。

山本 はい。

S子 んで、メールをチェックして、えーっと、着替えて準備して、
   7時からホテルの朝ご飯なので食事をしに行きます。

山本 ってことはホテルにずっと住んでるってことですか?

S子 はい。ずっと住んでました。

山本 わかりました。

S子 で、ホテルの方とも仲良くなってるので、
   ちょっとおしゃべりなんかをして。

   で、(食事から)帰ってきて、
   7時50分にホテルまで車がお迎えに来るので、
   7時50分に車に乗ります。

山本 ちなみにそのホテルは、
   「サービス・アパートメント」といって、
   要するに召使いっていうとアレですね、
   掃除とか洗濯とか全部やってくれるタイプのやつですか?

S子 はい、普通のホテルです。

山本 あー、(外に)でてる間に掃除とか勝手にやってくれる…

S子 で、総括たちは、お隣というか
   ちょっと離れたところに泊ってらっしゃるので、
   私はそこはちょっと…
   夜が暗いから嫌なんですね。

山本 はい。

S子 で、そこまで、迎えに行って、
   車何台かでホテルからオフィスに移動します。

山本 はい。


・・・

日常生活、午前中は?


S子 オフィスに着くのが8時半くらいですかね。
   でー、PC立ちあげたりバタバタしていて、
   えーっとぉ、、、   日によってやることは違うんですが、

   「業務調整」のやることは車の手配ですので、
   えー、その車の手配というのは、
   その週の、、始めというか、前の週ですね。

   皆さんの予定がわかりますので、
   事前にドライバーさんのヘッド(ボス)の方に
   (予定を)渡しておきます。

山本 はい。

S子 渡しておくんですが、心配なので、
   今日は何時にどこにどなたが行きますからね
   っていうことを伝えておきます。

山本 はい。

S子 それから、
   午前中はみなさんオフィスにいらっしゃるんですね。
   んで、午後から
   カイゼンユニットとコンサルの企業に向かうんですけど。

   で、午前中はその準備だとか、   えーっと、お昼時間になると、
   周りにお昼(ご飯)食べるとこもないですし、
   みなさんお歳が上なので、
   あんまりこう脂っぽいものは召し上がらないので、
   ちょっと私が買いに行ったりします。

山本 私、外務省関係の友達が多いんですが、
   そういう仕事を
   「便宜供与」(べんぎきょうよ)と申しまして、
   要するに車の手配をしたり、ホテルの手配をしたり、
   食事の手配をしたり、
   なんでもかんでもやってあげるという仕事も、
   してるわけですね?

S子 そうそう。
   一応「業務調整」っていうのは、
   それがメインな肩書きになっていますから。

山本 じゃあ「便宜供与」って、
   ジョブディスクリプション(職務記述書)に
   はっきりと書いてあるんですか?

S子 いや、「業務調整」ですね。

山本 ああ、「業務調整」ですか。

S子 はい。通常、業務調整っていうのは
   JICAからもそんなにお金が出ないんですよ。
   ただ私の場合は、なにせみなさんご高齢なので、
   私がいないと困るということで、
   不足の分を全部G社がだしてくださっているんですね。

山本 あー、なるほど。

S子 そうじゃない良い方が来ない、ということで。
   で、それに加えて、レポートを…
   あんまりこれ言えないんですけど、
   ほんとは業務調整がやるべきことではないので。

   JICAに提出しなければいけないレポートですとか、
   あのぉみなさんなかなか書けないので、、

山本 パソコン等があまり得意ではないという意味ですかね?

S子 いえ…まあそれもありますが、、、
   技術者の方なので、
   あまりレポーティングがお上手じゃないんですよね。

山本 あー。なるほど。
   文系的な、物事をまとめて記述する、
   ということがあまり得意ではないと。

S子 そうです。
   それとやっぱりお金。

   やはり国民の税金で行ってますから、
   全て領収書をとって、
   清算の時点で過不足がないようにしなければいけないと。

   言葉もわからなきゃいけないし、
   会計もわからなきゃいけないし、
   決済の流れがわからなければできないじゃないですか。

山本 はい。

S子 で、ちょうど私は銀行に勤めてましたので、
   そういうことは普通にわかるので、
   そういった経理書類の作成だとか、あとは、、

   ニュースレターっていうものがあるんですけど、
   そのカイゼンプロジェクトが
   A国でこんなことやってますよ
   ってことを作らなきゃいけないんですね。  

山本 はい。

S子 で、やっぱりご高齢の方がなかなか作れないんですよ(笑) 
    
山本 はい。

S子 で、それを私が
   カイゼンユニットと一緒に組んで作ったりですとか、、

山本 「カイゼンユニット」っていうのはどこを指してるんですか?

S子 ああ、ごめんんさい。
   技術移転される相手の役人さんたちです。
   若いお役人さんたち。  

山本 あー、
   A国側の、MOTIの、技術移転を教えてもらう若い役人を
   カイゼンユニットっていうんですね。

S子 はい。
   あと、さまざまいろいろあるんですけれども、
   日本からこの件で来ているのが、さっき、
   総括と専門家3名と業務調整と申し上げましたが、
   もう一名、
   普及制度構築の方がいらっしゃいまして。

   その方が日本工営さんからいらしてるんですね。 
    
山本 はい。

S子 で、その方1人じゃとてもできないので、
   その方をお手伝いして。

山本 はい。

S子 例えば、30社選んだんですけれども、
   選んだあとで守秘義務契約を交わしてるんですよ。

   守秘義務契約を交わしているということは、
   その企業の情報を頂戴したとしても、
   その情報がその企業のものだと
   特定できてはいけないじゃないですか。

山本 はい。

S子 だから、その企業に暗号を…  

山本 AとかBとかつけるわけですか?

S子 えーっとAとかBだとわかっちゃうので(笑)     

山本 はい(笑)

S子 えっと、A国のお国の取り決めで
   JISコードみたいなものがあるんですね。

   その仕組みを調べて、
   それにのっとった形で暗号を作るだとか、
   というようなことをしてました。


・・・

日常生活、昼は?


山本 なるほど。
   それじゃあ午前中に業務調整を、
   まあ便宜供与か知りませんけれども、やっていて、
   んで昼ご飯はどこで食べるんですか?

S子 私はほとんどデスクで食べますね。  
  
山本 デスクってのはメタルの一部署のデスクで…

S子 はい。忙しいので。  

山本 食堂があるわけですか?

S子 あ、ないです。
   近くにカフェがあるので、そこに電話して
   
山本 持ってこいと?

S子 いや、作ってもらうんですよ。
   んで取りに行きます、車で。
 
山本 あーなるほど。

S子 東京みたいに便利な所じゃないので、
   持ってきて、とは言えないんですよね。
   まあ、車もないでしょうし。

   仲良くなってはいるので、事前にお願いはして、、
   時間の節約のために。
   で、ハンバーガーとか2,3個作ってもらって。
   で、シェアして30分くらいで食べるって感じです。 
    
山本 あーなるほど。

S子 割と忙しいので。
 
山本 私、先日、
   (青年海外協力隊で)A国に行った人の
   インタビューした時にですね、
   A国には、失礼な言い方ですけど、
   「人間のゲロのにおい」がした
   パンケーキのようなものがある
   というようなことを聞いたことが…

S子 インジェラ? インジェラだ。  
   
山本 だと思います。

S子 インジェラ食べますよ。時間がある時は。

山本 インジェラっていうんですか?

S子 はい。人間のゲロのにおいはするかな?(苦笑)

山本 日本人の二人に一人は合わないと。

S子 あー。私平気。

山本 そうですか。

S子 その近所に
   ローカルの方しかいらっしゃらないようなところが
   あるんですけど、
   日本工営からきている方、
   普及制度構築担当の方は
   A国(にいるのが)長いんですね。

山本 はい。

S子 奥様もA国の方で。

山本 はい。

S子 んで、その方にお連れいただいて。
   地元のレストランで
   インジェラを(ジェスチャーをしながら)
   こうやって食べて。

山本 はぁ。

S子 インジェラってクレープみたいなもので、
   それに、お肉食べていい日は
   お肉が入っているシチューだとか、
   お肉がダメな日はお野菜だけが入っている
   シチューなんですけど、
   それが添えられてくるんですね。

   すごいおいしいですよ!

山本 そうですか。

S子 うん。私は全然平気。

山本 ちなみにA国は基本的には
   キリスト教とイスラム教のどちらが多いんですか?

S子 キリスト教ですね。原始キリスト教。

山本 ああ、原始キリスト教ですか。
   コプト教ってやつですか?

S子 そうです。
   コプト教なんですが、
   あちらの方々はオーソドックスって言ってます。
   正教会って意味ですよね。
   ただキリスト教学的に言うと、
   キリスト教の異端だと言われてますが。

山本 はい。

S子 んで、アムハラ語っていう言葉がありまして、
   それがA国の言葉なのですが、
   やっぱりキリスト教と同じですが、

   言葉も昔からあるものなので、あのー、、
   イスラエルに行くとヘブライ語がわかるんですって。

山本 へー。

S子 ヘブライ語ととても近いみたいですよ。

山本 へー。
   じゃあ大昔のヘブライ語がやってきてそのまま
   (A国に)残ったと。

S子 そうそう。
   だって
   『シバの女王とソロモン王』の国ですからね。

山本 ほぉほぉ。

S子 シバの女王がソロモン王に会いに行って、
   そこでソロモン王の子を孕んで(はらんで)
   帰ってきたわけでしょ。

   まあそうやって信じられてるという意味で。

山本 はい。
   あー、懐かしいですね。
   (伝説に)そういうのがありましたね。

S子 はい。
   で、シバの女王とソロモン王の子孫だってことで、
   非常にアムハラの方々は誇りが高い。



・・・

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