日本のCSR、江戸時代

日本のCSRの歴史、江戸時代。1700年前後に材木商人が役人と組んで日光東照宮などを作って儲け「元禄バブル」。やがて幕府財政が崩壊し、投機的な商売をしていた商人たちも破産。家訓は、「一時の機に投じ目前の利に走り危険の行為あるべからず」「三方よし。売り手よし、買い手よし、世間よし」

CSRに近い概念が、江戸商人の家訓の中に。伊藤松坂屋は、「伝来の家業を守り決して投機事業を企つるなかれ」。住友家は、「一時の機に投じ目前の利に走り危険の行為あるべからず」。近江商人は、「三方よし。売り手よし、買い手よし、世間よし」。「徳義は本なり、財は末なり。本末を忘るるなかれ」

企業の社会的責任(CSR)の日本の起源は江戸時代に遡る。1700年前後に材木商が役人と組んで日光東照宮などを作って儲け「元禄バブル」を起こしたが、幕府の財政がやがて崩壊。この反省で「投機的な行動をし一時的な目の前の利益を追わず地道に顧客本位の商売をすること」が江戸商人たちの家訓に

「およそ事業をするには、まず人に与えることが必要である。それは、必ず大きな利益をもたらすからである。」 岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創設者。表と裏が激しい人物。 「小僧に頭を下げると思うから情けないのだ。金に頭を下げるのだ。」

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日本のCSR、環境問題系

日本のCSR、環境問題系。高度成長に伴い1950~60年代に四大公害病が発生。1967年、公害対策基本法制定。1971年、環境庁が設置され、1975年頃には公害は沈静化。1979年、省エネ法。1993年、環境基本法制定。1998年トップランナー方式。2000年、循環関連6法制定。

日本の四大公害病。1)1910年頃、イタイイタイ病、岐阜、カドミウム (三井金属鉱業)、2)1956年、水俣病、熊本、メチル水銀(チッソ)、3)1960年、四日市ぜんそく、三重、亜硫酸ガス(石原産業、中部電力、三菱油化等)、4)1965年、第二水俣病、新潟、メチル水銀(昭和電工)

環境政策の歴史。1960年代、日本の高度経済成長に伴って公害問題が悪化。四大公害病も発生。1970年、第64回国会(通称、公害国会)において、公害対策関連14法案が成立。1971年、環境庁が設置され各種排出規制がさらに強化。これらにより1975年頃には産業公害は、一応克服された。

環境省の歴史。1967年4大公害病発生受け公害対策基本法制定。1971年、環境庁発足。1972年、自然環境保全法制定。1993年、環境基本法制定。2000年、循環関連法(6法)制定。2001年、省庁再編により環境省発足。2002年、環境配慮の方針。2004年、社会的責任研究会設置

ソニーのプレイステーションのカドミウム混入事件とは、2001年10月にオランダで起こった欧州向けのプレイステーション(PSone)のカドミウム混入による現地当局による出荷停止。コードの被覆からカドミウムが検出され全欧の市場からプレステ回収 http://bit.ly/fbBL7f

PRTR制度とは、環境汚染物質排出移動登録制度(Pollutant Release and Transfer Register)。1999年に法制化、2001年施行。有害性が疑われる化学物質がどこからどのくらい環境中へ排出されているか廃棄物等として移動しているかを把握・集計・公表

PRTR(化学物質排出移動量届出制度)の歴史。1974年オランダで排出目録制度。1984年インドの米国企業が事故。メチルイソシアネート大気放出で死者二千人以上。1986年アメリカで有害物質排出目録(TRI)。1992年、地球サミットでアジェンダ21。1996年、OECD理事会勧告

PRTRインフォメーション広場、環境省 http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html 対象化学物質354のリスト http://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/gaiyo_H20/8_shiryo_1.pdf

MSDS制度とは、製品安全データシート(Material Safety Data Sheet)。欧州ではSDSと呼称。1999年に法制化。毒物及び劇物取締法およびPRTR法で指定される特定の有害化学物質を、特定の割合以上含まれる原材料などを、安全に取り扱うために必要な情報を記載。

省エネ法とは、エネルギーの使用の合理化に関する法律のこと。1973年の第一次石油危機、79年の第二次石油危機を受け、同年に制定・施行。97年の気候変動枠組条約・第三回締約国会議(COP3)の後、98年3度目の改正が行われトップランナー基準設置。2006年、小売事業者表示制度を導入

トップランナー方式とは、エネルギー多消費機器のうち省エネ法で指定するもの(特定機器)の省エネルギー基準を、各々の機器において、基準設定時に商品化されている製品のうち最も省エネ性能が優れている機器の性能以上に設定することにより、製品の省エネ性能の向上を図る制度。1998年から施行。

統一省エネルギーラベルとは2000年に導入された表示制度でエネルギー消費機器の省エネ性能を示す。省エネ法等に基づきメーカーが製品やカタログに表示している情報を元に家電製品やガス石油機器などが国の定める目標値(トップランナー基準)をどの程度達成しているか、その達成度合い(%)を表示

国際エネルギースタープログラムとはOA機器の省エネルギーのための国際的な環境ラベリング制度。日本の経済産業省とアメリカの環境保護庁(EPA)との相互承認の元で運営。1993年からアメリカが実施、95年から日本も参加。 http://www.eccj.or.jp/ene-star/

炭素税(環境税、石油などの化石燃料等を使用する際にかかる税金)の問題点は、1)地方自治体がそれを課税すると、企業がその地域から逃げる。2)国がそれを課税すると、(商品価格が高騰し)国際競争力が落ちるか、または企業が海外に拠点を移してしまう。よってEUのように国際的ルールを作る必要

環境省と日本経団連の懇談会。松本龍環境相は「温暖化は待ったなし」。経団連の米倉弘昌会長は、「世界的に厳しい経済情勢の中、日本は唯一の規制強化の国。経済や産業の活力をそがぬように」。地球温暖化対策基本法案は2020年のCO2等を1990年比で25%削減。環境税や排出量取引制度の導入

政府・民主党は2010年11月、環境対策の財源とする地球温暖化対策税(環境税)を2011年度から導入する方針。石油や石炭などの化石燃料にかかっている「石油石炭税」を増税して「環境税」に衣替えさせる。増税は最終的に5割(2500億円規模)を想定しているが、経済界は大幅な負担増に難色

地球温暖化がもしも本当に進行し、地球の平均気温が現在よりも、2~6度、上昇した場合、主に熱帯地域に生息していた、「蚊」などの疾患を媒介する生物(ベクター)が(現在の)温帯地域にも生息可能になる。すると、マラリアやNTD(顧みられない熱帯病)が、日本などに上陸してくる可能性がある。

蚊は、1)メスが人体の血液を吸い取って痒み。2)伝染病の媒介者(ベクター)。マラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、デング熱、ウエストナイル熱などのウイルス病原体。日本を含む東南アジアではコガタアカイエカが日本脳炎。地球温暖化の影響で生息範囲が広くなっている問題

マラリアはアフリカなど熱帯の病気を思っている人が多いが、日本にもあった。北海道、琵琶湖周辺、沖縄などで1960年代頃まで感染例があった。またマラリアを媒介するハマダラカ(羽斑蚊)も上記の地域に生息している。よって地球温暖化が進行した場合、日本でマラリアが復活するのはほぼ確実だろう

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日本のCSR、人権系

日本のCSR、人権。1)同和(部落)問題。江戸時代士農工商の下に穢多。1869年に一律平民、1871年に解放令。1955年に部落解放同盟。2)女性。1975年、国際婦人年。1980年、女性差別撤廃条約署名。1985年、男女雇用機会均等法。3)障害者。企業の障害者雇用率1.8%以上

企業の社会的責任(CSR)における「人権」は、海外では(1950年代のアメリカ黒人公民権運動に端を発した)人種差別問題や、児童労働・強制労働(の禁止)が注目されるが、日本では(関西等での)同和問題(部落差別問題)、男女共同参画(女性の権利向上)、障害者雇用率などに注目が集まる傾向

部落問題(同和問題)は差別問題の一つ。部落とは江戸時代の士農工商の下にあった身分、穢多(えた)。1869年に一律平民、1871年に解放令。しかし差別は逆に強まったため、1922年に全国水平社、1955年に部落解放同盟。1970年頃、共産党系の全国部落解放運動連合会(全解連)が離脱

自治体の人権関係の部署から私に講演依頼がきた。その担当者から聞いたのだが、(差別を受けている)「部落」に所属するとされる人々の中にも、その中でグループ分けがあり階層的差別や派閥争いなどがあると言う。つまり人間はどこまで行っても「差別が好きで、それで自分を肯定しようとする生き物」か

平和や人権に関する活動を行っている組織の歴史を見ると、いずれの活動も、旧・社会党系(現在の民主党または社民党系)と、共産党系の派閥がその組織の中にあり、いずれ分裂したり対立したりしている。世の中の問題を解決しようとする人々は思いこみが激しく、そこに左翼系がつけいる、ということか?

男女共同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」です。(男女共同参画社会・基本法・第2条)

明治から太平洋戦争までの女性の歴史。1868~1910年までは、女性の大多数は農業に従事。一部は富岡製糸場等で紡績など。1929年まで、官公庁の事務員需要増加で「職業婦人」誕生。、反対語の「主婦」も誕生。1945年まで、徴兵された男性の代わりに重化学工業に勤務。早婚・多産が推奨。

戦後の日本の女性の歴史。1945~1955年まで、婦人参政権の実現、男女平等の新憲法、家制度の廃止。1974年まで、結婚まで働き、結婚で退職が一般的に。1975年(国際婦人年)から、女性の地位は向上。1980年、「女性差別撤廃条約」に署名。1985年に「男女雇用機会均等法」が成立

日本女性の近代史は、1975年に国際婦人年と日本の公務員に対して育児休暇を認める法律、1981年ILO総会で男女労働者の機会均等に関する条約、1985年、男女雇用機会均等方、1991年、育児休業法、1992年までに日本の公務員への受験制限が全て解除、1993年、パートタイム労働法

厚労省によれば従業員五千人以上の大企業の「障害者雇用率ランキング」(2008年6月まで)は、ユニクロが3年連続の1位で法定雇用率の1.8%を大きく上回る8.06%。2位以下は、(三井物産系の給食事業の)エームサービス(5.67%)。すかいらーく(2.86%)、オムロン(2.81)

企業の障害者雇用率は1.8%以上にすることが法律で定めされている。肉体的障害者の場合、仕事内容によっては一般と同等の仕事が可能だが精神的・知的障害者の場合その人のために1日中他の会社員を横に置き介助(監視)させる必要がある場合があると言う。このため肉体的障害者のほうが雇用され易い

三井物産が50%出資をして作ったフードサービスのための会社がエームサービス。企業の社員食堂だけでなく、学校、病院、介護施設などの給食まで担当する。この分野では日清食品系が市場シェア1位だが、CSR的にはこのエームサービスの方が上。障害者の雇用率が5%以上と社会貢献度が非常に高い。

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日本のCSR、企業の不祥事系

日本のCSR、不祥事系。2000年に雪印集団食中毒が起き1万5千人が被害。同時期に三菱パジェロのリコール隠し、しかも2004年の再発覚で信用失墜。この頃アメリカでエンロン事件、ワールドコム事件もあり、企業倫理が世界的な問題に。2002年頃からリコー、ソニーなどが欧米型CSRを導入

企業の社会的責任(CSR)が日本で始まった経緯は、1980年代に企業が芸術文化活動を支援する「メセナ」が普及。2000年に雪印集団食中毒が起き1万5千人が被害。同時期に三菱パジェロのリコール隠し等もあり、企業の倫理が問題に。その背景の元、欧米で流行していたCSRが2002年に導入

三菱リコール隠しとは、2000年に発覚した三菱自動車工業の乗用車部門とトラック・バス部門(三菱ふそう)による大規模なリコール隠し。2004年に再発覚し大きな社会問題に。死亡事故も発生し、業務上過失致死の有罪判決。筆頭株主だったダイムラー・クライスラーは財政的な支援を打ち切った。

2000年に1万5千人が食中毒にかかった雪印の不祥事。リスクマネージメントの真髄を! 「雪印集団食中毒事件、その対処をした男の物語」 6742字 http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65450486.html

松下住設機器(現在は松下電器産業に吸収合併)の「FF式石油温風機(1985-1992年)の欠陥による死亡事故」とは、バーナーに外気を送るゴムホースの亀裂により不完全燃焼を起こし、CO中毒による死亡者が出た事件。2005年1月に発覚。翌2月に松下電器は石油機器からの完全撤退を決めた

企業の社会的責任(CSR)が日本で広まったのは、2000年前後に起きた、雪印の食中毒、三菱パジェロのリコール等の、「企業の不祥事を予防するため」に、2002年から、リコー、ソニーなどが導入した。この経緯のため、日本のCSRは不祥事を防ぐための「ガバナンス」(統治)が重視される傾向

企業の社会的責任(CSR)が日本に普及しだしたのは2002年。先駆けはリコーなど。リコーは「環境保全と利益創出を同時に実現する」。ソニーは「製品の設計・製造やビジネスモデル等に最初から環境への配慮を織り込んでゆく」。富士ゼロックスは「環境そのものが商品の大切な品質(価値)の一つ」

日本版の401k(よんまるいちケー)は、2001年10月から施行された「確定拠出年金法」に基づいて実施。1)企業型は従業員が加入者になるが、掛け金は企業が支払う。2)個人型は自営業者のほか、従業員でも401kを導入しない企業に勤めている場合など。3)公務員、専業主婦などは加入不可

経済同友会は2010年11月、桜井正光・代表幹事(68歳、リコー会長)の後任に長谷川閑史(64歳、武田薬品工業社長)を昇格。4代続けてIT(情報技術)系企業の経営者が務めていたが今回の人事は、1)高齢化時代でバイオや医療に社会の注目、2)海外での企業合併・買収(M&A)の経験豊富

寄付文化の違い。GDP比で、アメリカは、2%を、NPO・NGO等に寄付。日本は、0.02%しか寄付しない。理由は、1)キリスト教が社会背景にある欧米の方が、募金をすることが普通。2)NPO・NGOには、怪しい所があり、実際、暴力団や新興宗教団体の隠れ蓑になっている側面があること。

政府税制調査会は2011年度税制改正で国が認定するNPOへの個人による寄付を促すため、所得税額から寄付額の半分を差し引く税額控除を新設。税額控除の適用対象となるには「認定NPO」として指定される必要。認定基準が厳しかったため条件を緩和。年3000円以上の寄付者が百人以上いれば認定

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CSRの内容、理論

企業とは、1)物資の生産・販売またはサービスの提供などの事業を継続的に行うことで利益を上げ、2)株主に配当を分配し、3)従業員に給与を支払い、4)国家や自治体に税金を納入し、5)技術の蓄積と人材の育成をし、6)事業の拡大と発展を行い、7)さらなる利益の追求を続けていく、機能のこと

企業の社会的責任(CSR)で「持続可能な発展を可能にする7原則」。1)環境・生態系を保護。2)自然資源の保護管理。3)必要十分な利益の維持。4)顧客に満足と価値を提供。5)道徳を遵守、顧客の安全と健康に配慮。6)地域社会に貢献。7)企業の利害共有者とのコミュニケーションを活発化。

コーポレート・ガバナンス(企業統治)とは、不祥事を起こさないようにする企業努力のこと。1990年代にアメリカから日本に紹介。1)企業の目的は何か?2)経営者の守るべき行動基準は?3)経営者行動を適切にするための会社機構・組織とは?4)経営者が適切な行動をとれなかった場合の措置は?

企業コンプライアンス (corporation compliance) とは、企業が法律や規則などに従うこと。法令順守だけでなく社会的規範や企業倫理(モラル)を守ることも含まれる場合がある。コーポレートガバナンス(企業統治)の基本原理の一つであり、企業の社会的責任(CSR)の一つ

インサイダー取引にしても、カルテル(販売価格等の協定)にしても、法律に触れるかどうかは、かなり微妙だ。証拠を残さなければバレることもないだろう。(悪いことはなんでもそうだが)一回ならバレないが、調子に乗って何度もやっているうちに目を付けられて、悪事が発覚しやすくなる、ということか

「悪いことをしなければ金持ちにはなれない」 某テレビ局の専務クラスと懇意にしているが彼はこう断言する。「地道に働いているだけでは絶対に金持ちになれない。悪いことをしたやつの中で、それがバレなかった奴が金持ちになる。バレたやつとの差は、紙一重にすぎない。それが今の世の中の仕組み。」

ストックオプション(stock option)とは、会社の役員や従業員が、一定期間内にあらかじめ決められた価格で所属する会社から自社株式を購入できる権利。株価が上がれば上がるほど従業員や役員が得られる利益も大きくなるため、業績に貢献した役員らのボーナスとして利用される。弊害もある

EUホワイトペーパーは、2001年に欧州委員会がCSRを適応するための制度や枠組みを包括的にまとめた「EUグリーンペーパー」をたたき台に、2002年に策定。欧州労連(ETUC)もメンバーとなる「EUマルチステークフォルダーフォーラム」が設置されEUの政策にもCSRが反映されている

CSRで取り上げられる社会問題は多様。1)雇用、労使関係、機会均等、労働・安全・衛生。2)児童労働、強制労働などの人権関係。3)顧客の健康・安全、製品のサービス・ラベリング、プライバシーの尊重など、製品責任の問題。4)法律遵守としては、贈収賄、政治献金、不正競争、不正価格設定など

インドの人口は12億。1日1ドル以下で生活する人は3割、2ドル以下の人は8割。子どもたちは小学校を途中でやめ、綿花の人工受粉をする。小さい手の方がやりやすく、人件費も安いため。このインドの子どもたちが作った綿花は、中国で加工され服になり、日本で売られ、今、あなたが着ているものに。

バニラアイスクリームに使用されるバニラは、メキシコ原産で中南米等で栽培される植物。授粉に「ハリナシミツバチ」が必要なのだが、最近森林伐採等で減少し授粉に支障。代わりに手の小さな女児が、手作業で授粉を行う。「あなたがバニラアイスを食べるために、中南米で女の子が児童労働させられる?」

企業の社会的責任(CSR)における、「企業の評価基準」は、『市場の進化』(消費者の目が厳しくなったこと)により、財務項目だけでなく、環境項目や社会性項目(労働・安全・衛生、人権、製品・製造責任、ハンディキャッパー保護、動物愛護、ギャンブル、たばこ・防衛産業との関連性)が追加された

企業の社会的責任(CSR)に含まれるのが環境配慮。環境に配慮した製品を作るためのコスト(設備投資等)と、A)(エコ商品が売れることによる)収益の増加、B)環境汚染事故を防いだことによるコスト削減、C)使用する資源とエネルギーの減少によるコスト低減。これらを考えることが「環境会計」

サプライ・チェーン・マネジメント(供給連鎖管理、Supply Chain Management、SCM)とは、(親会社・子会社に限らない)複数の企業間で統合的な物流システムを構築すること。1983年コンサルティング会社が提唱。1996年NPO法人サプライ・チェーン・カウンシル設立

マテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting : MFCA)とは、環境会計の手法の一つ。商品の製造工程において資源(原料)のロスやエネルギーのロスにも注目して原価計算システムにこれらマテリアルの重量情報や温室効果ガスの排出情報も組み入れる

LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)とは、ある商品の製造にかかわる、1)資源の採取、2)製造、3)輸送、4)使用、5)廃棄、などの全ての段階を通して、投入資源あるいは排出環境負荷、及びそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的、客観的に評価する手法。1980年代末から普及。

ゼロ・エミッションとは、国連大学が1994年に提唱した研究構想。産業活動における生産等の工程を再編成し、廃棄物の発生を抑制して、できる限りゼロに近づける新たな循環型産業システムを構築すること。廃棄物も(将来、技術開発がなされれば、全て)原材料として利用できうるものである、とした。

インダストリアル・エコロジー。1980年代末より米国を中心広がっている概念。環境負荷の評価と極小化を図る取り組み。資源が、自然界から人間活動に投入され、どのくらい有効に活用され、どのように循環してゆくか。毒性物質への転化、環境負荷はどうか。あたかも生態システムのように包括的に査定

エコ・エフィシェンシー。持続可能な開発のためのビジネス評議会が作成。1)製品に使う素材量を減少。2)製品に使うエネルギー量を減少。3)毒物の分散を減少。4)素材のリサイクル性を上昇。5)再生可能な資源の持続的使用を最大化。6)製品の耐久性を向上。7)製品におけるサービスの質を向上

ドイツのブッパータール研究所のワイツゼッカー所長は、「地球環境政策」を提言しており、1)徐々に重く、エネルギーに税金(炭素税等)を課してゆき、2)効率の良いエネルギー(再利用可能エネルギー等)を産む原動力とし、3)同じエネルギーでできる経済効率を最大化させる、ことが重要としている

ファクターとはブッパータール研究所のワイツゼッカー所長が提唱した概念。例えば「ファクター2」とは分母に「地球環境への負荷」、分子に「経済活動の量」を持ってきた時に算出される値を現在に比べて2倍にすること。数年後の目標として、環境負荷を現状のままにし経済活動だけ2倍にすれば達成可能

「ノー・ネット・ロス」(開発してもその地域の自然や生態系の量が減らないこと)は、トリプル・ベネフィットを産む。1)気候変動対策へ貢献。CO2排出削減等。2)生物多様性保全に貢献。生物多様性重要地域の回復。3)地元コミュニティーの持続可能な発展。持続可能な森林経営、自然災害防止等。

緑の革命(Green Revolution)とは、1940年代から1960年代にかけて高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したこと。1968年に米国国際開発庁のWilliam Gaudが作った造語。ロックフェラー財団が資金援助。

緑の革命の問題点は、1)大量の化学肥料と農薬を使うため、それを使い続けなければ収穫量を維持できない。その購入コストで『豊作貧乏』。2)化学肥料の生産に必要なリン鉱石等の資源が各地で枯渇。3)化学物質による土壌汚染・公害。4)遺伝子組み換え作物の環境への問題。5)在来種の駆逐・絶滅

リスクマネージメントに必要なものの一つが、「リスク感覚」だと言う。要するにリスク(災害など)を過大評価し、その対策費(予防)にコストをかけすぎないように必要な感覚のこと。関連当局は、許容できる個人リスクの基準を年当たり、10万分の1~100万分の1、としているようだ。が、適切か?

年間100万分の1ずつの死亡リスク増加をもたらす行動の例。1)病院で胸部X線撮影を1回受けた場合の、放射線による発癌。2)1.4本の紙巻き煙草の喫煙で、発癌または心臓病。3)煙草喫煙者と2か月間暮らした場合の受動喫煙で、発癌または心臓病。4)車で500km走行した場合の、事故。

クライシス・マネジメント(緊急事態に対処するための危機管理、crisis Management)とは、企業の存続可能性を脅かすようなリスクの管理。発生可能性は低いが発生時の影響が甚大であり、対応の緊急性が求められるリスクを対象とした、企業のリスク・マネジメント(危機管理)の一部。

prevention と precaution。preventionとは、あるリスク(災害等)が起こる確率が、ある程度わかっており、その被害の程度も予想できる場合の、予防法。precautionとは、発生確率もわからず被害の程度もわからない場合の、予防措置。日本は後者は遅れている

スマートグリッド(smart grid、知的な電力網)とは、人工知能や通信機能を搭載した計測機器等を設置して、電力需給を自動的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減、及び信頼性と透明性(公平性)を向上させるため、電力供給を人の手を介さず最適化できるようにした電力網

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プロボノ

「プロボノ」(Pro bono)とは、弁護士などが無報酬で行うボランティア活動をいう。弁護士による無料法律相談、無料弁護活動などがある。アメリカの弁護士は年間50時間以上のプロボノ活動が(事実上)義務付けられている。ラテン語で「公共善のために」(pro bono publico)

「プロボノ」(Pro bono)は元々弁護士が行う無料ボランティア(無料法律相談等)だったが現在は、会計士、コンサルタント、SE、マーケティング、広報などあらゆる業種の人が社会人(会社員等)でありながら無償の活動を始めた。理由は「今の仕事の中に、自分の生きがいを見つけられない」と

最近、大企業が、スキルを無償でNPO法人などに提供する「プロボノ」(Pro bono)活動を始めた。IBM、インテル、ファイザー、GAPなどが既に実施。理由は、最近の若手社員は社内の仕事でやりがいを見つけられず「成功体験を獲得できない」ため社外での無償活動でそれらを獲得させるため


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軍需産業

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)とは1964年スウェーデン王立委員会の提言に基づき1966年スウェーデン議会により設立された国際平和に関する研究機関。毎年発行されている年鑑(SIPRI YEARBOOK)は高い客観性を持つとされる。予算の大半はスウェーデン議会からの援助

世界の軍事費(2007年)。1)アメリカ5526億ドル、2)イギリス633億ドル、3)フランス607億ドル、4)中国462億ドル、5)ドイツ421億ドル、6)日本410億ドル、7)イタリア378億ドル、8)サウジアラビア354億ドル、9)ロシア322億ドル、10)韓国266億ドル

兵器の輸入2008。1)韓国19.0億ドル、2)インド18.5億ドル、3)アルジェリア15.9億ドル、4)中国12.4億ドル、5)パキスタン10.9億ドル、6)シンガポール10.1億ドル、7)アメリカ9.0億ドル、8)ベネズエラ7.3億ドル、9)トルコ7.2億ドル、10)UAE

兵器の輸出2008。1)アメリカ61.6億ドル、2)ロシア59.5億ドル、3)ドイツ28.4億ドル、4)フランス15.9億ドル、5)イギリス10.8億ドル、6)スペイン6.2億ドル、7)オランダ5.5億ドル、8)イタリア4.8億ドル、9)中国4.3億ドル、10)イスラエル4.1億

2010年11月ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の「2005~2009年国際戦闘機取引レポート」によると、輸出機数の多い順に、米国(341機)、ロシア(219機)、フランス(76機)、ウクライナ(68機)、中国(41機)など、11カ国が戦闘機を輸出している。

2010年11月ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の「2005~2009年国際戦闘機取引レポート」によると、輸入機数の多い順に、インド(115機)、アラブ首長国連邦(108機)、イスラエル(82機)、ギリシャ(51機)、ポーランド(48機)、中国(45機)、韓国(40機)

ストックホルム国際平和研究所2007年鑑によると兵器生産企業は売り上げ順に、Boeing(米国)、Northrop Grumman(米国)、Lockheed Martin(米国)、BAE Systems(英国)、Raytheon(米国)、General Dynamics(米国)、

武器輸出三原則とは、1)1967年に佐藤栄作首相が提唱した共産主義圏・紛争当事国などに武器輸出しない原則。2)1976年に三木武夫首相が原則として全ての国に対象を広げた。3)1983年、後藤田官房長官が日米安保により米軍向けの武器技術供与を緩和。4)2010年、民主党がさらに緩和

日本の軍需産業(防衛産業)。経団連内にある「日米安全保障産業フォーラム」(IFSEC)に参加した企業は、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業、小松製作所、ダイキン工業、日本電気、日立製作所、富士通、三菱電機。また、伊藤忠商事、丸紅、山田洋行、日本ミライズなどの商社がその取引

2010年7月、三菱重工業や川崎重工業などを中心に経団連は「新たな防衛計画の大綱に向けた提言」。装備の国際共同開発に参加できるよう武器輸出3原則を改め、最終輸出先や用途の観点から総合的に審査する新しい「武器輸出管理原則」を確立し2010年中にまとめられる防衛大綱に盛り込むよう提案

2010年、日本は武器輸出三原則を大幅に緩和。1)中国などの軍事力の増加と尖閣諸島などの国境問題のため政府が国内軍需産業が必要と考えた側面。2)防衛費の増額は見込めないため日本の軍需産業が海外シェアを求めた側面。三菱重工の岩崎啓一郎が提唱者だが、三菱の創設者・岩崎弥太郎の子孫か?

岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創業者。土佐(現高知県安芸市)出身。1867年、後藤象二郎に土佐商会主任に抜擢され貿易に従事。坂本龍馬が脱藩の罪を許され亀山社中が海援隊として土佐藩の外郭機関となると海援隊の経理を担当。1873年頃から海運業を始め政商として巨利を得た

日本の軍需産業と、戦後からの日本経済の発展の関係について、以前ブログに書きました。 軍需産業と日本企業 4336字 (国際情勢、政治) http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65235130.html

オランダのNGO「バンク・トラック」が、世界の大手45金融機関の「倫理度」を数値化した。軍需産業分野への融資、気候変動・環境保護などへの取り組み、国際法・国際基準の遵守など。三菱UFJ、みずほ、三井住友の日本の3フィナンシャルグループは、欧米の銀行に比べてかなり倫理度が低かった。

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富の偏在、貧富の差、経済格差

国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)によると、世界の中の最も豊かな1%の人々が世界の富(全世界の家計資産)の40%を所有。豊かな2%の人々が50%以上を所有、10%の人々が85%。一方、世界人口の半分以上を占める貧困層は、世界の富のわずか1%を保有しているにすぎない。

世界で最も豊かな10%のメンバーの中に入るためには、700万円の資産が要求され、さらに裕福な1%の富裕層に属するためには、5750万円以上が必要。国連大学世界経済開発研究所の研究の、世界のすべての国における家計資産の主要な構成要素(金融資産、負債、土地、建物など)を対象とした研究

「世界がもし100人の村だったら」(池田香代子・再話)より抜粋。「すべての富のうち、6人が59%をもっていて、みんなアメリカ合衆国の人です。74人が39%を、20人がたったの2%を分け合っています。すべてのエネルギーのうち、20人が80%を使い、80人が20%を分け合っています」

「世界がもし1000人の村だったら」。池田香代子・再話)より抜粋。「この村では、1000人のうち200人が、村の所得の4分の3を得ています。別の200人の収入は、村の所得のうちのわずか2%です。70人しか自動車を持っていません。およそ3分の1の人が、綺麗で安全な水を飲めません。」

ジニ係数(UNDP,2007/2008)、悪い順に、ナミビア0.743、レソト0.632、シエラレオネ0.629、中央アフリカ0.613、ボツワナ0.605、ボリビア0.601、ハイチ0.592、コロンビア0.586、パラグアイ0.584、南アフリカ0.578、ブラジル0.570

ジニ係数(UNDP,2007/2008年)、良い順に、デンマーク0.247、日本0.249、スウェーデン0.250、チェコ0.254、ノルウェー0.258、スロバキア0.258、ボスニア・ヘルツェゴビナ0.262、フィンランド0.269、ハンガリー0.269、ウクライナ0.281

所得のジニ係数(所得格差・不平等、UNDP,2010年)は、悪い順に、ナミビア74.3、コモロ64.3、ボツワナ61.0、ベリーズ59.6、ハイチ59.5、アンゴラ58.6、コロンビア58.5、南アフリカ57.8、ボリビア57.2、ホンジュラス55.3、ブラジル55.0

デジタル・デバイド(情報格差、Digital Divide)とは、インターネットなどの情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差。1)情報手段。パソコン等を容易に入手し、使用技術を習得可能か。2)通信手段。容易にネットにアクセスできるインフラがあるか。3)情報資源

「みんな、猿に戻るしかない。それが戦争を無くす唯一の方法」。以前ある人から聞いた言葉だがよく考えてみると確かにそう。社会がある限り、貧富の差が生じ恨みが生じる。知識の蓄積がある限り、強力な武器は生まれてくる。猿は増えすぎて食べ物が足りなくなると減ったが、人間は増殖を続けようとする

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CSRのサイト

EICネット。環境用語集トップページ。環境問題。地球温暖化。生物多様性。企業の社会的責任(CSR)など。 http://www.eic.or.jp/ecoterm/

CSR用語集のサイトの一つ。CSR,社会貢献,環境関連の用語を掲載せています。 http://all-about-csr.blogspot.com/