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概略

日本政府は経済成長戦略として企業のインフラ産業の海外輸出を推進している。主なものは、1)原子力産業(発電)をインド、ベトナム等から受注。2)上水道・下水道などの水関連技術を(地方自治体が作った第三セクターも絡めて)アジア等から受注。3)高速道路・新幹線。4)通信。5)環境技術など

「日本には多額の赤字国債があり経済も不況なのに、なぜ途上国を援助するのですか?」「岡田外務大臣も発言している通りODA(政府開発援助)の最大の目的は途上国への支援ではなく日本企業が経済活動する場所を途上国まで広げることです。原料調達、安い人件費での生産、商品の販売など全てが有益」

大企業の場合、大きな利益を得る可能性が高い分野がいくつかある。1)政府が振興する産業分野(新興国での海外インフラ事業受注等)に進出する。2)途上国と先進国との物価の格差、人件費の格差を利用する。3)絶対に必要な資源(エネルギー、レアメタル、農業肥料、水など)の不足を補う事業をする


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政府開発援助(ODA)と、商社

ODAは四層構造になっており、1)内閣府の「海外経済協力会議」が全体の戦略、2)外務省等が作る「国別国家戦略」、3)実施機関となるJICA、4)その下請けをする開発コンサルタント、NGO、大学、地方自治体、商社等の企業。この中で、「アクター」と呼ばれるのは通常3)と4)のようだ。

先日、岡田外務大臣が「日本自身の経済成長のためにもODAを使う」と発言しNGOたちから批判を浴びたが私は批判する気はない。ODAは元々日本の外交上または経済的な利益のために途上国を支援するという「枠組み」で、日本の利益のほうが先に来る。現在日本経済は低調なのだから、彼の発言は当然

政府系の国際協力の長所は、1)二国間の協力により多数の省庁が連携し包括的な活動が可能、2)ODAという1兆円近い予算を使える。短所は、先進国の外交上または経済的な利益ために途上国を開発しているのが本質。援助した代わりに国連常任理事国になれるよう推薦の依頼、資源の獲得、市場の拡大等


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新興国と、莫大なインフラ産業などの受注

アジアではインフラ開発が相次ぐ。2010年10月にベトナムで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でインフラ整備に総額約3800億ドル(約32兆円)を投じ、700のプロジェクトを進めることで合意。中国からメコン川周辺地域、インドまでを結ぶ「メコン・インド産業大動脈」など


2010年11月、メコン地域における官民協力・連携促進フォーラム、第9回日本側作業グループ会合が外務省で開催。メコン地域諸国(カンボジア,ラオス,ミャンマー,ベトナム,タイ)におけるインフラ案件等について。 http://bit.ly/ajfHhZ

日メコン行動計画63。2009年11月に採択。1)カンボジアのメコン河をわたる橋などのインフラ、2)カンボジア、ラオス及びベトナムの国境三角地帯で二千万米ドルの支援、3)シハヌークビル港の開発、4)メコンデルタにおける電化、など官民連携 http://bit.ly/dha7NQ

外務省、メコン地域における官民協力・連携促進フォーラム、第9回日本側作業グループ会合が外務省で開催。2010年11月。メコン地域諸国(カンボジア,ラオス,ミャンマー,ベトナム,タイ)におけるインフラ案件等について。 http://bit.ly/ajfHhZ


2010年10月末、日越首脳会談。1)日本はベトナムにとって政府開発援助(ODA)の最大の供与国。今後も港などの整備に790億円の円借款。2)ベトナム国内2基の原子力発電所建設を日本企業に決定。3)レアアースの探査も日本企業に決定。4)日越戦略的パートナーシップ対話で外交を親密に

ベトナムは2030年までに14基の原発建設を計画。第一期はロシアが受注。第二期を日本が獲得。日本にとって官民共同による初の原発輸出。今後、日本の「途上国のインフラ整備外交」(と商売)に弾みをつける。経済成長が続くアジアでは電力不足が続き今後15年間の原発建設の市場規模は100兆円


アジア開発銀行の支援でインド北西部に世界最大の太陽光発電所が2013年までに作られる。太陽光発電のインフラ市場は、ここ2年で5倍に。10年後にはさらに数倍以上になる試算。石油等の資源がなくなる80年後ごろまでに、自然エネルギーでどこまで世界の電気需要を満たせるかが私の最大の関心事

アジア開発銀行の支援でインド北西部に世界最大の太陽光発電所が2013年までに作られる。太陽光発電のインフラ市場は、ここ2年で5倍に。10年後にはさらに数倍以上になる試算。石油等の資源がなくなる80年後ごろまでに、自然エネルギーでどこまで世界の電気需要を満たせるかが私の最大の関心事


日本とアラブ諸国の経済関係強化のため双方の官民が参加する日本・アラブ経済フォーラムが2010年12月チュニジアで開催。1)原子力発電の導入、2)水資源の確保、3)砂漠地帯の日照を生かした太陽光発電などの開発整備。インフラ輸出の拡大を目指す日本側は大畠経産相、前原外相、経団連幹部ら

第2回日本・アラブ経済フォーラムの概要。1)インフラ整備への日本の先進技術活用の促進。2)JICAは毎年アラブ諸国から4千人の研修員を受け入れ。日本で学ぶアラブ人留学生は過去7年間で70%増加。人材育成に貢献。3)アラブ諸国間の貿易自由化。4)イスラエルの入植活動の完全凍結を要求


アルジェリアはアフリカ北西部にある大きな国(面積で世界11位)。石油や天然ガスを輸出する国でその資金で海外から兵器を大量に輸入(世界3位)。徴兵制を実施する軍事大国。、国連の北朝鮮拉致問題非難決議にも反対し外交的には独自路線。しかし日本は資源獲得とインフラ事業受注のため官民で接近


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外務大臣は日本の商社のセールスマンとして営業

インドと日本が2010年6月から原子力協定を結ぶ方向。核保有国であるインドに核技術を提供することは、NPTを形骸化するので、広島・長崎は反対したが、約20基の原発を作る予定のインド市場に、日本の電力3社と東芝・日立・三菱重工は参入を希望。そのセールスのために岡田外相がインドを訪問

核拡散防止条約(1968年)策定の後、インドは1998年に核実験。当時は「悪だ」とされて欧米や日本は経済制裁。しかし今やインドは巨大インフラ事業の受注を巡り各国の投融資先に。原子力産業にさえ欧米も日本も協力。インドは世界経済発展のための「友好国」に。世の中に善も悪もないという好例


前原外相は、インドネシア、チュニジア、アルジェリアを2010年12月に訪問。日本の外相がアルジェリアを訪れるのは初めて。アルジェリアは石油や天然ガスなどを産出する資源国だが、輸出先は欧米が中心。前原外相はメデルチ外相らとの会談を通じて2国間関係を強化し、エネルギー調達先の多角化に


インド・ベトナムでの原子力発電産業受注の時も、メコン諸国のインフラ開発の時もそうだが、結局、日本政府のやっていることは、日本企業が外国のシェアを獲得するための「営業」をしているだけか。外務大臣が営業マンとして各国を回って歩いているのを見ると、哀れに見える。これが資本主義の現実か?


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国際協力とインフラ

エイズは、1)単に病気(医療)なのではなく、2)インフラ(道路や公共のバス)がないため病院まで来れない、3)交通費が払えないほどの貧困、4)差別に遭うのが怖くて、ばれないように病院に来ない、5)子どもへの性教育・大人への正しい知識の普及など、国際協力の全貌を知るのに最も適切な教材

カメルーンと日本の外交的な関係は良好。1960年にカメルーンが独立した時、日本政府はすぐこれを承認。1991年首都ヤウンデに日本大使館が開設。援助としては無償資金協力(お金を贈呈)の金額は200億円、有償資金協力(お金を貸す)の金額は100億円。最近は小学校の建設と水インフラ整備

2010年5月初旬にアフリカを訪問した岡田外相が、TICAD4で決められた日本のアフリカ支援計画の実施を約束。2012年までのアフリカへのODAを倍増。円借款(有償資金援助)で2000億円相当のインフラ整備など。しかしそれでも達成できそうにないのが、ミレニアム開発目標(MDGs)

国際協力機構・年次報告書2010。10の事実。4)48カ国で建設した井戸等が2800万人に安全な水。1.3万人の上水技術者育成。5)息の長い支援で途上国の「米自給」を実現。インドネシアでは1970年二千万トンから2008年六千万トンと3倍。6)40カ国以上で運輸・交通インフラ整備

国際協力といっても、1)紛争時の平和構築及び難民・避難民への食糧・水支給のような人道的に絶対必要なもの、2)教育・医療などの基本的な人間の権利を提供するもの、3)その後、経済発展のための輸出用港湾建築等のインフラ事業。カンボジアなどは3)の段階にあり援助というよりは日本の市場拡大

政府系の国際協力の多面性と良し悪しは、1)日本の国益重視(資源調達、安い人件費で商品製造、販売市場獲得、高額のインフラ整備事業、国連安保理の常任理事国入り等の外交利益、2)途上国の経済発展、3)途上国内の貧富の差が拡大、4)環境問題の悪化。改善プロジェクトは悪化を止めるほどでない


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日本の政府開発援助(ODA)の歴史

日本のODA(政府開発援助)は、以前は、1)外務省が無償資金協力(お金をあげる)、2)国際協力銀行(JBIC、日本輸出入銀行と海外経済協力基金が統合)が有償資金援助(円借款、お金を貸す)、3)国際協力機構(JICA)が技術協力(お金は関係ない)、だったのだが、現在はJICAに統合

国際協力と日本経済の発展。1)戦後アメリカが日本の共産主義化を防ぐため、ガリオア(占領地域救済政府基金)、エロア(占領地域経済復興基金)。2)朝鮮戦争特需。3)1960,70年代、ODA円借款のタイドで、援助を受けた途上国は日本企業を使わないといけない戦略。こうして日本経済は発展

日本のODAの歴史は、1)1954年、ビルマ(ミャンマー)等の東南アジア諸国へ戦後賠償として無償資金援助。2)1962年OECF(海外経済協力基金)が設立され有償資金援助(円借款)が拡大。タイドのため日本企業が海外進出。3)1980年代以降、有償はアンタイド化。無償はまだタイド。

アンタイド(アンタイドローン)とは使用使途に制限のない貸付、融資のこと。アンタイドとは「ひもなし」の意。一方、タイドは「ひも付き」のことで、使用使途の制限があること。例えば、日本が途上国に円借款の貸付をした場合、「インフラ整備に日本企業を使うこと」を条件とした場合、タイドとなる。

政府開発援助の歴史。1957年岸首相が「我国の経済発展と国民の繁栄を図る為のODA」と国益重視。60年代の日本経済成長を受け70年代諸外国から日本企業の利益誘導と批判。アンタイド化、各国との相互既存。80年代人道。90年代環境・自助努力。が、91年のバブル崩壊で94年再び国益重視

日本の政府開発援助(ODA)は、1960年代まで、経済インフラ(ダムや道路など)などを作ることに多くの予算を投入。1970年代から、社会インフラなど、いわゆる、BHN分野(Basic Human Needs、食料(農業)、安全な飲み水、教育、保健など、人間としての基本的なニーズ)

日本のODAの歴史は、1960年代タイド化で日本企業が海外進出。で、日本経済が高度成長。これが欧米から批判を浴びたため80年代からアンタイド化。が、民主党政権の「新成長戦略」の一つが「海外のインフラ事業を官民を挙げて受注」。これでJICAが露骨に日本企業を支援。昔に戻ってしまった


1970年国連総会で採択された(先進国から途上国へ拠出するべき)ODA(政府開発援助)の金額は、対GNP比0.7%以上、というもの。ちなみに、日本は、0.2%ぐらいで達していない。フランス0.4%、英国 0.3%、ドイツ0.3%、カナダ0.3%、イタリア0.2%、アメリカ0.1%

日本の政府開発援助(ODA)の金額は、1989年、アメリカを抜き世界1位になった。しかし1997年をピークとして以後は徐々に減少、ここ10年で半減した。この原因の一つは、1997年7月にタイから始まった、アジア通貨危機。アメリカのヘッジファンドの空売りによる、アジア各国の通貨下落

OECDのDACによるODAのまとめによると、ODAの総額は年々増えてきていたが昨今の世界不況で停滞。また、各国のGNIに占めるODAの%は、逆に徐々に下がってきているか、横ばい、という感じ。http://webnet.oecd.org/dcdgraphs/ODAhistory/

「経済大国という点では、2010年、中国が日本を抜き2位に。国のサイズを考えると今後ブラジル、ロシアも日本を抜く。2)政府開発援助(ODA)の額も日本は1位から5位に落ち、国民総所得比では主要援助国22のうち19位。今後は経済力ではなくソフトパワーによる世界への貢献を」 兵藤長雄

2010年9月AP通信が「中国は世界第二位の経済大国になったのに日本は未だに毎年12億ドル(約1080億円)の援助を送っている」という報道が流れた。実際は外務省「ODA白書」で2008年の対中援助は12億ドルだったが、そのうち、9億1千万ドル分の有償援助は2009年度には打ち切り


国際協力機構(JICA)も政府開発援助(ODA)も名前が悪い。国民の誤解を招く。いずれも以下へ改称。「途上国の経済開発を通じ、日本企業の海外展開を容易にし、お互いがウィンウィン(相互利益)の関係になるような、投融資または技術協力を行う」事業を行う団体がJICAで、その予算がODA


講演後「ODAに一長一短があると言ったがODAの利点の部分は何か?」という質問が来たのでODAが役に立っている部分もある実例を紹介。しかし納得せず同じ質問を繰り返す。どうやら(NGOである)彼女の真意は「ODAは悪いことだけしてる」という彼女の思い込みに同意して欲しかったのだろう

政府開発援助(ODA)に対する非政府組織(NGO)の批判は、1)日本の国益を優先してはならない(ODAは元々日本企業の海外進出が目的)、2)後発途上国にこそ支援を(内戦中で政府が無い国には日本は支援しない、できない)、3)最も貧しい人にこそ支援を(途上国政府を通すため届きにくい)

2010年6月18日、民間NGOが政府ODAに意見を言える唯一の機会が外務省で開催。NGO代表のJANIC理事長が「持続的な経済成長を環境への取り組み」に変えてほしいと求めたが岡田大臣は「ODAを経済支援に投入」とした上で「日本自身の経済成長のためにもODAを有効に使う」と言った

日本政府内でも、政府開発援助(ODA)に対する批判があった。1)予算が外務省・財務省だけでなく19省庁にまたがっていた。2)実施機関もJICAとJBICに分かれていた。3)円借款の交換公文(E/N)締結前に四省庁で協議をする体制が非効率的。このため、2008年、JICAに統合した

政府開発援助(ODA)の最大の問題点は透明性がないこと。例えば、日本と途上国との間に交わされる、無償援助の交換公文(E/N)、有償援助の借款契約(L/A)、技術協力の討議議事録(R/D)などが一般国民に公開されない。事後評価もJICAなどが組織内で行っており第三者による監査がない

日本の政府開発援助(ODA)は金額の「量」は多かったが「質」はダメ。1)贈与比率(有償でなく無償か技術協力の割合が多いか)、2)グラント・エレメント(返済条件を甘くしてあげているか)、3)アンタイド比率(日本企業を使えという条件なしか) 、4)持続的経済発展(に寄与をしているか)


日本が政府開発援助(ODA)で、面積も小さく資源もあまりない太平洋島嶼国を支援する理由は、国連ではどんな小さい国でも大きい国と同じように「一票」を持っていること。日本に都合の良い決議をしたい時それに賛同してもらうのが政府が援助を行う理由の一つ。相手国から見ればギブ・アンド・テイク

太平洋島嶼国に対する日本の政府開発援助。その一つの側面について、以前ブログに書きました。 第五回「太平洋・島サミット」の、表と裏 7336字  http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65261518.html


国際協力の世界で最近よく使われる単語が「革新的資金調達メカニズム」。2007年以後の世界経済の不況により、各先進国から途上国への支援が減少。日本も事業仕分でODAを減額。という中、官民共同または民間のメカニズムで(国際協力のための)予算獲得が必要に。ワクチン債等の仕組みを作るか?


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国際協力銀行(JBIC)

国際協力銀行(JBIC)の歴史。1950年、日本輸出銀行が発足。1952年、日本輸出入銀行と改称。 1961年、海外経済協力基金が発足。1999年、両者を統合、国際協力銀行が発足。 2008年、国際金融部門が日本政策金融公庫に、海外経済協力部門は国際協力機構(JICA)に統合。

民主党は日本政策金融公庫に統合されている国際協力銀行(JBIC)を2010年、分離・独立させる方針。海外事業に特化する政府系金融機関として、民間企業が負えないリスクを肩代わりし、守勢に回っている高速鉄道や原子力発電プロジェクトなど、大規模なインフラ輸出を官民一体で成功させる狙い。

菅政権は2010年12月、日本政策金融公庫から分離・独立する国際協力銀行(JBIC)に対し、インフラ輸出拡大をめざす日本企業の支援目的で2千億円出資。高速鉄道や原発など大規模プロジェクトへの投融資のため自己資本を増強させる。政府の出資額は2010年度の355億円から6倍近くに拡大

インドのインフラ整備はPPP(官民パートナーシップ)が中心だが国際協力銀行(JBIC)の出資機能を使い日本企業を支援することも。これまでデリー・ムンバイ産業大動脈など北部中心だった円借款を南部インフラ整備にも。国際協力機構(JICA)も「港湾への外環道路の円借款による整備も検討」

政府はインド南部のタミルナド州政府と2011年1月に投資協定を結び港湾や道路などのインフラ整備に官民連携。州都チェンナイへは日系企業の進出が著しい。政府がインド地方政府と協定を結ぶのは初。商社の双日や日揮などが計画する工業団地や道路整備を急ぐには許認可権を握る州政府との連携が必要


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国際協力機構(JICA)

政府は国際協力機構(JICA)による民間企業への投融資を再開。最初の事業として企業がベトナムで計画している五百億円規模の水道事業。2001年からJICAが企業に投融資をすることが廃止されていたが民主党政権の方針である「インフラ事業の海外展開」を勧めるため資金面でのリスク低減が必要

ベトナムでの水道事業(水インフラ事業)に対し、日本の民間企業(本社は東京都)が、2010年12月、国際協力機構(JICA)から500億円規模の投融資(出資・融資)を受ける。日本政府は、欧米などに対し出遅れている「世界のインフラ事業受注」の分野で巻き返しを図りたい考え。

日本は元々、輸入大豆の8割以上がアメリカ産のものだった。しかし、1973年にアメリカで大豆が不作となり、アメリカが輸出規制。このため、日本国内で豆腐などの値段が高騰し社会問題に。大豆輸入を一国に頼るのは危険ということで、日本は商社を通してブラジルで大豆生産を模索。JICA等が実施

プロとして国際協力を行う人を育てようとしている私としては複雑な心境。1)JICA職員の平均給与は827万円で日本人の平均年収より高い。国連職員の平均年収はこれよりさらに高い。だから国際協力をやりましょう。2)しかしODAや公的資金の使い道に無駄が多いのも事実。民間からの監査を要す


財団法人・日本国際協力センター(JICE)とは、外務省所管の公益法人。日本の国際協力の推進に貢献することを目的に、1977年に設立。当時ODA予算が増えており事業も増えていたが特殊法人であるJICAの人員を増やせなかったためアウトソーシングのために設立。2010年、事業仕分の対象


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ODAの案件を受注する開発コンサルタント会社の不正・汚職

日本政府の途上国援助(ODA)をめぐる大手コンサルタント会社、「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」の汚職事件で、PCIから賄賂を受け取ったとして、ベトナムで収賄罪に問われたホーチミン市のフイン・ゴック・シー元局長(57)に対し、同市の裁判所は求刑通り、終身刑

パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)とは日本最大手の開発コンサルタント会社だった企業。2008年、中国での遺棄化学兵器処理事業費の流用に関し特別背任・詐欺等の容疑で社長経験者を含む9人が逮捕。2008年ベトナム・ホーチミン市の高官に対する贈賄容疑で前社長らが逮捕

「株式会社オリエンタルコンサルタンツ」とは、日本最大手の開発コンサルタント会社だった「株式会社パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」から、2008年にその事業を譲渡された会社。PCIは同事業から撤退した。 http://www.oriconsul.co.jp/


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インフラプロジェクト専門官

外務省、「インフラプロジェクト専門官」の指名、2010年12月。外務省は各在外公館にインフラプロジェクト専門官を指名。「新成長戦略」の下で21の国家戦略プロジェクトの1つ、「パッケージ型インフラ海外展開」を推進するため,在外公館の体制強化 http://bit.ly/frXgyq

外務省、「インフラプロジェクト専門官」の追加指名、2010年1月。「新成長戦略」の下で,21の国家戦略プロジェクトの1つとして位置づけられた「パッケージ型インフラ海外展開」を推進するため,在外公館の体制強化を図ることを目的とする。 http://bit.ly/ekzDd0


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水インフラ

外務省によると、「水と衛生(water and sanitation)分野における日本の貢献」は、1990年代から継続的にDAC(開発援助委員会)諸国の中でトップ。特に2003年から2007年までの5年間で、二国間援助を行うドナー全体の、38%に当たる71億ドルのODAを実施した

国土交通省は水インフラプロジェクトで官民連携による海外展開を推進する「海外水インフラPPP協議会」(座長:三菱商事)を設置し第1回協議会を開催。自治体で参加したのは、東京都、埼玉県、滋賀県、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、北九州市。ベトナムなどに水インフラ事業を売り込む

大和証券のウォーターボンド。農業用水や、下痢にならない「安全な水」を、途上国の人に提供するためのインフラなどを作るための投資。2050年ごろ、70億人が水不足に陥る可能性があることを国連が啓発。 http://www.daiwa.jp/water/


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BOP

BOP(Base of the Pyramid)ビジネスと言っても2種類ある。1)本当の「底辺」にいる人は所得も学歴もゼロのため顧客にも雇用対象にもならない。2)実際BOPの対象になるのは新興国(NEXT11など)に含まれる経済発展の著しい国。道路や港湾設備のインフラがあるから

政府開発援助はODAという援助資金の流入により途上国の社会・産業基盤整備が行われ民間投資の呼び水効果が生まれその結果経済活動が活発化し市民生活が豊かになるというもの。BOPは、低所得者層のニーズに合った商品サービスを提供し、地元に雇用創出効果を発揮し、低所得者層の所得向上に資する


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商社の格付け

日本の大手7商社は、三菱商事、住友商事、三井物産、伊藤忠庄司、丸紅、豊田通商、双日。2008年の金融危機以来、各社は財務体質の健全化を進めた。財務指標として使われるのが、ネットD/Eレシオ(株主資本に対する負債の割合)で数字が低いほど良い。各社は十年前4ぐらいだったが1まで下げた

格付け会社が重視する、「ネットD/Eレシオ」"net debt-equity ratio" とは、「正味の負債資本比率」のことで「株主資本に対する負債の割合」。低いほど良い。日本の大手商社の中では低い順に、三井物産(0.9)、三菱商事(1.0)、伊藤忠商事、住友商事、双日、丸紅。

格付け会社が、商社の財務指標とする「ネットD/Eレシオ」(株主資本に対する負債の割合で低いほど良い)を重視するため、三井物産は日本の商社の中で最低の0.9まで下げた。しかし保守的すぎると批判も。資源への投資は好不況で大きく変動するが、インフラへの投資は政府が相手のため安定した収益


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商社と資源

ゴールドマン・サックス証券では2010年12月のレポートで「銅は長期的に中国インフラ向け需要の拡大から供給不足に陥る」として(三井物産、三菱商事などの)総合商社のほか住友金属鉱山など非鉄株も株価上昇の見込みとしている。LME(ロンドン金属取引所)の銅先物3カ月物が史上最高値を更新


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肥料、リン鉱石

肥料に関し、日本はリン酸もカリウムも原料をすべて輸入に頼る。三井物産は2010年4月、ペルーのリン鉱山の権益を、ブラジル資源大手バーレから取得すると発表。日本企業としては初めて、肥料資源の権益確保に乗り出した。住友商事など他の商社もカリウムの権益確保を探っている。

リン酸、カリウム等の肥料の国際的な獲得競争において、日本の肥料メーカーは構造改革が遅れており、ダメ。日本には肥料メーカーが約30社あるとされるが、統廃合が進まず、国際競争力のあるメーカーが育ってこなかった。このため、日本の肥料用資源獲得は、商社が担うことになる。

「一昔前まで日本のODA(政府開発援助)の主力は「化学肥料」の輸出だった。原油から石油や軽油を精製する時「硫黄」を除去する。この「余り物」を使って大量の化学肥料を作った。商社はそれを途上国に輸出し儲けていた。化学肥料を作っていたのは、チッソ株式会社などの化学(ばけがく)系の企業」


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海底油田のリスク

海外へ投資を行う場合、今後しばらくキーワードとなるのが、1)資源、2)インフラ、3)新興国。しかし資源には二つのリスク。A)英国BP社のメキシコ湾の深海油田事故など、開発リスク、B)オーストラリア等が2012年から資源税増税の動き。鉄鉱石などに40%。いまさら資源ナショナリズムか


メキシコ湾の深海油田流出事故ではイギリスBP社が操業者だが、三井物産系の子会社が油田の7%の権益を持つ。このため賠償金の分担等に関し米上院の公聴会で社長が答弁。1)米政府が承認し、2)BPがしっかり操業する前提で、3)出資した。賠償費の負担については「原因究明が先」と明言を避けた

4月に起きたメキシコ湾の深海油田の石油流出事故だがイギリスBP社がオペレーター(主創業者)として賠償と修復作業を行っている。米政府は200億ドル以上の拠出を要求しBPは存亡の危機。三井物産が7割を出資する子会社「三井石油開発」は、この油田の10%の権益を持つ。このため賠償金を分担

(イギリスの大手石油会社)BP社の(アメリカの)メキシコ湾での石油流出事故だが、4月からまだ続いている。清掃だけで月に10億ドルかかるため、油田の権益を共有する日本の企業にも費用の負担を。具体的には三井物産の系列の「三井石油開発」が7%の権益を保有。このように資源開発にはリスクが

米南部沖メキシコ湾の原油流出事故(2010年4月)をめぐり、米司法省は12月、国際石油資本の英BPや三井物産系の石油開発会社など関係9社を相手取って、損害賠償を求める民事訴訟。1)作業員11人が犠牲。2)海底から490万バレルの原油が流出。その除去費用や環境破壊で数百億ドル規模に


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三井物産

「鉄鉱石の物産」と呼ばれるほど鉄鋼に依存する三井物産だが、日本の産業セクターごとCO2排出量を調べると最も多いのが発電と鉄鋼。今後、鉄鋼事業は縮小か?これに関係してか(三井物産の輸入先の)オーストラリアも2012年に資源税(炭素税?)を40%に増税。同社は戦略の見直しをせまられる

2008年の経済危機後、三井物産は「資源と非資源」への投資のバランスを考えるようになった。資源価格が暴落したからだが。しかし実際には資源への投資をゆるめず、2月アメリカの「シェールガス」(岩盤層にある新型天然ガス)の権益を取得した。好不況に関係なく毎年投資の規模を平準化する、と。

メチオニン(methionine)は人間の必須アミノ酸の一つだが、ニワトリにも必須の栄養素。途上国が発展し新興国となり、穀物食から肉食に変わる時、最初に求める動物性タンパク質は、通常、鶏肉。1980年代から中国でのメチオニン需要が激増。三井物産はこのためアメリカの企業を買収し生産


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三井物産は2010年11月、シンガポールの水事業大手のハイフラックス社と合弁で設立したギャラクシーニュースプリング社が、中国で水事業資産を保有するビジネストラストのハイフラックス・ウォーター・トラストの公開買取をしたと発表。これにより三井物産は中国で22ヶ所の水事業施設の運営開始

三井物産が50%出資をして作ったフードサービスのための会社がエームサービス。企業の社員食堂だけでなく、学校、病院、介護施設などの給食まで担当する。この分野では日清食品系が市場シェア1位だが、CSR的にはこのエームサービスの方が上。障害者の雇用率が5%以上と社会貢献度が非常に高い。

厚労省によれば従業員五千人以上の大企業の「障害者雇用率ランキング」(2008年6月まで)は、ユニクロが3年連続の1位で法定雇用率の1.8%を大きく上回る8.06%。2位以下は、(三井物産系の給食事業の)エームサービス(5.67%)。すかいらーく(2.86%)、オムロン(2.81)


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軍需産業と商社

日本の軍需産業(防衛産業)。経団連内にある「日米安全保障産業フォーラム」(IFSEC)に参加した企業は、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業、小松製作所、ダイキン工業、日本電気、日立製作所、富士通、三菱電機。また、伊藤忠商事、丸紅、山田洋行、日本ミライズなどの商社がその取引


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三菱商事

岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創業者。土佐(現高知県安芸市)出身。1867年、後藤象二郎に土佐商会主任に抜擢され貿易に従事。坂本龍馬が脱藩の罪を許され亀山社中が海援隊として土佐藩の外郭機関となると海援隊の経理を担当。1873年頃から海運業を始め政商として巨利を得た

「およそ事業をするには、まず人に与えることが必要である。それは、必ず大きな利益をもたらすからである。」 岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創設者。表と裏が激しい人物。 「小僧に頭を下げると思うから情けないのだ。金に頭を下げるのだ。」

元・三菱商事の人から聞いた話。「ザイールの川に、1983年頃まで15年間かけて、日本は230億円のODA(政府開発援助)で、巨大な橋を作った。列車が通るための線路が敷いてある橋だ。しかし、出来上がってみたところ、その橋の前後に、つなぐ線路がない。つまり無駄な橋を作ってしまった。」

日本郵船(NYK)とは、三大海運会社の一つ。三菱商事と共に三菱財閥の源流企業。運航船舶数などで、日本では1位、世界でも2位。1875年、国有会社である日本国郵便蒸気船会社が岩崎弥太郎(三菱の創設者)に任される。1893年、日本郵船が設立。 http://www.nyk.com/


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就職先人気企業

就職情報会社ダイヤモンド・ビッグアンドリードは2011年の大学生就職先人気企業を発表。男子文系では総合商社と金融機関。商社人気は男子理系でも。資源売買で新興国での好業績が望める点。女子文系では、出産や育児で手厚い支援制度を設ける企業。女子理系では、不況に強いとされる食品メーカー。

就職情報会社ダイヤモンド・ビッグアンドリードは2011年の大学生就職先人気企業を発表。輸出型産業では、電機メーカー人気は根強い。男子理系では東芝の1位を始め、大手4社がトップ10に入った。自動車はホンダの12位が最高で、トヨタ自動車は17位、日産自動車は100位に入っていない。

2011年就職先人気企業、男子文系。1)三菱商事、2)三菱東京UFJ銀行、3)住友商事、4)東京海上日動火災保険、5)みずほフィナンシャルグループ、6)三井物産、7)三井住友銀行、8)丸紅、9)第一生命保険、10)三菱UFJ信託銀行

2011年就職先人気企業、女子文系。1)三菱東京UFJ銀行、2)東京海上日動火災保険、3)みずほフィナンシャルグループ、4)丸紅、5)全日本空輸、6)第一生命保険、7)住友商事、8)明治グループ、9)三菱UFJ信託銀行、10)大和証券グループ

2011年就職先人気企業、男子理系。1)東芝、2)ソニー、3)三菱商事、4)日立製作所、5)住友商事、6)シャープ、7)三井物産、8)NTTデータ、9)野村総合研究所、10)東京電力

2011年就職先人気企業、女子理系。1)明治グループ、2)ロッテ、3)味の素、4)資生堂、5)サントリー、6)東芝、7)パナソニック、8)カゴメ、9)花王、10)旭化成グループ


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CSRイメージランキング

CSRイメージランキング「環境への取り組み」1)カゴメ、2)トヨタ自動車、3)パナソニック、4)東京電力、5)イオン、6)関西電力、7)サントリー、8)日立製作所、9)シャープ、10)中部電力、11)味の素、12)伊藤忠掃除、13)帝人 http://bit.ly/anRual

CSRイメージランキング「従業員への配慮」1)資生堂、2)カゴメ、3)パナソニック、4)ベネッセ・コーポレーション、5)関西電力、6)花王、7)三井物産、8)サントリー、9)トヨタ自動車、10)NTTドコモ、11)オリエンタルランド http://bit.ly/anRual

CSRイメージランキング「消費者への情報公開」1)カゴメ、2)サッポロホールディングズ、3)パナソニック、4)イオン、5)味の素、6)セブン&アイ・ホールディングズ、7)サ日清食品、8)関西電力、9)東京電力、10)花王、11)ワタミ http://bit.ly/anRual