.

概略

「私には夢があります。それは、全ての生物にとっての『持続可能な世界』を作ること。そのために、1)人間の数(人口)を適正な範囲に抑えること。2)経済活動による資源の減少と廃棄物の生成を、原則禁止にすること。3)全ての生物に人権のような『生命権』を認めること」 宇宙船地球号・山本敏晴


世界の人口増加と人権

世界人口増加を止められない理由は、1)旧約聖書に「産めよ増やせよ地に満ちよ」とありキリスト教等が避妊に反対。2)人権の概念はできたが他の生物の権利を認めるという土壌がない。3)出産は女性の権利として女性の自主性だけを重んじる風潮。4)世界人口基金が本来の目的を忘れジェンダー担当へ

世界の問題。1)人口増加。2)資本主義。3)市場経済のグローバル化。4)国際連合の拒否権。6)核拡散防止条約(NPT)。7)人権と全ての生物の生存権。8)倫理なき教育と科学技術の発展。9)子どもを持つことによる価値観の固定化。10)増えやすい行動をとらせる遺伝子が次世代に残り易い

世界の人口増加問題に関する、私の初期の頃の持論がこれ。だいぶ荒っぽいが大筋で言っていることは変わっていない。持続可能性のためには、人権を尊重しすぎてはいけない場合がある、という考え方 「人口増加と国際協力そして最後は国際法 8,092字」 http://bit.ly/biMtLr


人権とは何か?

人権とは、「誰もが生まれながらにもっている、自分らしく幸せに生きる権利」のこと。ところが、社会には偏見を持たれ差別を受け、自分らしい生活ができない人々がいる。1)女性、2)子ども、3)高齢者、4)障害者、5)部落民(同和問題)、6)外国人、7)病気(エイズ、ハンセン病など)、等

人権とは、1)トーマス・ホッブズの唱えた社会契約説で聖書の楽園(原始社会)において自然に存在した権利(『自然権』)である、生命権と自由権。2)国によって保障される『基本的人権』。幸福追求権などの包括的基本権、思想・表現の自由などの自由権、法の下の平等 、労働基本権などの社会権など

世界人権宣言・第一条 「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」(日本外務省、仮訳文) http://bit.ly/7iaq9v

「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることはない。」 世界人権宣言 第二条 1966年採択、76年発効

国際協力をやる場合人権への配慮は必須でいつも問題になるのが「区別と差別」の違い。区別は単に違いによって分けること。差別は分けた後その取扱いに差をつけること。だったのだが最近は例えば黒人のように「区別に使われた言葉」自体が「差別的」であるとされ「アフリカ系の人」などと表現する時代に

国際連合によれば、150万人の5歳未満の子どもが水と衛生"water and sanitation"に関する病気で死んでおり、世界では8.8億人の人が安全な飲み水にアクセスできず、26億人の人が基本的な衛生状態を欠いている。綺麗な水と衛生にアクセスできることは基本的な人権だと宣言

国際人権法(International Human Rights Law))とは、国際法によって個人の人権を保障する国際法の一分野。第二次大戦後に急速に発展。戦前は人権は国内問題(国内問題不干渉義務、国際連盟規約15条8項)だった。が、1948年の国連総会で「世界人権宣言」が採択

1948年の国連総会で「世界人権宣言」が採択。この世界人権宣言の内容を条約化したものが「国際人権規約」で1966年の国連総会で採択。この規約の中の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(通称B規約)の中の「第2選択議定書」(死刑廃止条約)に死刑の廃止が規定。日本は批准していない

死刑を刑罰としている国は、日本、アメリカの(約50州のうちの)35州、中国、インド、インドネシア、(イスラム教の)中東諸国、(中東に近い)アフリカ北東部の国々など。死刑を廃止した国は、(ベラルーシを除く)ヨーロッパの全ての国々、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ロシアなど

欧州人権条約とは、西欧の社会・文化的統合を目指し作られた条約。1950年作成、1953年発効。1)世界人権宣言が定めた主要な自由権的人権の保護を規定。2)追加議定書によって、財産権、教育権、移動の自由、追放の禁止なども補充。社会権的人権は別個の欧州社会憲章が61年作成、65年発効

スイスで2010年11月、罪を犯した外国人を国外退去させる憲法改正案についての国民投票があり52.9%の賛成多数で承認。2009年イスラム教礼拝所のミナレット(尖塔)の建設禁止するための憲法改正も国民投票で認められており排他的な動きが加速している。欧州人権条約などに違反する可能性

子どもの権利条約とは、1989年に国連総会で採択(署名)、1990年に発効した「児童の権利に関する条約」。児童を「保護の対象」としてではなく「権利の主体」としている点に特色。世界人権宣言の内容を条約化した「国際人権規約」(1966年採択、1976年発効)の内容を子どもにも適応した

国際人道法(International Humanitarian Law)とは、1971年の「武力紛争に適用される国際人道法の再確認と発展のための政府派遣専門家会議」で使われた表現。広義では平時からの国際人権法と武力紛争法。狭義では(武力紛争における犠牲者を保護する)ジュネーブ法

国際連合人権高等弁務官事務所(Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights:OHCHR)。人権保護を求めるアメリカの提案に基づき1993年の「ウィーン宣言及び行動計画」により設立。1994年活動開始

ウィーン宣言及び行動計画(Vienna Declaration and Programme of Action)。東西冷戦後の1993年「世界先住民族年」に開催された「世界人権会議」で採択。人権蹂躙に対処する、国際人権法や国際人道法の確認。国際連合人権高等弁務官事務所が設置された


人間とは何か?

人間とは何か?1)キリスト教等の聖典・旧約聖書では「神の似姿」。2)近代では1858年のダーウィンの自然選択説で進化の結果の一つ。ホモ・サピエンスとして形態的に定義。3)現代では遺伝子的に定義。染色体(22対の常染色体と1対の性染色体、計46本)上に、34億前後の塩基対を持つもの

人間とは何か?1)染色体数は46本(22対の常染色体と1対の性染色体)。2)染色体上にある塩基対は34億前後(X染色体がYより大きいため女性の方が多い)。3)遺伝子数は2万1787個(2004年10月21日付の英科学誌ネイチャー)。なおウニの遺伝子数はヒトとほぼ同じ。70%は共通

人間であるか人間でないか? 1)猿(チンパンジーは染色体数48、塩基対数28億)と人間(染色体数46、塩基対数34億)の中間の遺伝子群を持つ生物をクローン技術・iPS細胞技術で作った場合どうなる? 2)生まれつきの染色体異常では染色体の一部がちぎれて数千万の塩基対が欠落。これは?

人間とは何か? 社会的には「なんでも人間になれる」。例えば、犬の子が生まれた場合も、リカちゃん人形を買ってきた場合も、1)出生証明書を提出。2)友人の医師に頼んで、なんらかの重い病名を付けてもらい、ずっと入院していることにする。これらだけで、その「子」は人間として社会に存在できる


中国と人権

ノルウェーのノーベル賞委員会は2010年のノーベル平和賞を、中国共産党による一党独裁の見直しや言論・宗教の自由などを求めた「08憲章」を起草した中国人人権活動家で作家・詩人の劉暁波(リウ・シアオ・ポー)氏(54歳)に授与すると発表。「中国での基本的人権を求める非暴力の闘い」を評価

劉暁波(りゅう ぎょうは1955年生)は中国の文芸家。1988年北京師範大学で文芸学博士取得。同年ノルウェーとアメリカの大学で中国文学・政治を教える。1989年中国民主化運動に参加、6月4日の天安門事件で投獄。2008年言論の自由を求める零八憲章の発表直前に拘束。懲役11年の判決

劉暁波のノーベル平和賞受賞に対し中国政府は猛反発。中国外務省は「劉暁波は中国の法律を犯し中国の司法機関が懲役刑を科した罪人。罪人に同賞を与えることは賞の趣旨に背き、これを汚すものだ。中国とノルウェーの関係も損なう」。中国在住の中国人がノーベル賞を受けるのは自然科学系も含めて初めて

「自国の監獄に入っている人にノーベル平和賞が与えられたのは3回。1)ドイツのナチス政権に反対して投獄されたカール・フォン・オシエツキー、2)ミャンマーのアウンサン・スー・チー、3)中国民主化の劉暁波。ノルウェーのノーベル賞委員会は「中国はナチスやミャンマーのような極悪と一緒だ」と

ノルウェーで2010年12月に開かれるノーベル平和賞授賞式に、日本や欧米など44カ国が出席する一方、中国など19カ国が欠席。異例の多さ。中国の反体制作家、劉暁波の授賞に強い不満を表明していた中国は「授賞式に参加する国は相応の結果がもたらされることになる」と各国に出席しないよう警告

劉暁波ノーベル平和賞授賞式に日本や欧米等44カ国が出席。欠席は中国など19カ国。アフガニスタン、イラク、イラン、ウクライナ、エジプト、カザフスタン、キューバ、コロンビア、サウジアラビア、スーダン、セルビア、チュニジア、パキスタン、フィリピン、ベトナム、ベネズエラ、モロッコ、ロシア

劉暁波のノーベル平和賞授賞式典に欠席を伝えた国。中国、アフガニスタン、アルジェリア、アルゼンチン、イラク、イラン、エジプト、カザフスタン、キューバ、コロンビア、サウジアラビア、スーダン、セルビア、チュニジア、パキスタン、ベトナム、ベネズエラ、モロッコ、ロシア。返答なしはスリランカ

2010年12月10日、ノーベル平和賞授賞式がノルウェーのオスロであるので、11日は朝からツイッターで、ノーベル平和賞関係の私のツイートを再掲しました。中国の民主化運動家である劉暁波の受賞に中国政府は反発。各国に圧力をかけ19カ国が欠席。どの国が欠席したかで世界の外交がわかる


獄中の劉暁波のノーベル平和賞授賞式の前に中国が独自の「孔子平和賞」を創設し最初の受賞者に台湾の連戦・元副総統。中台関係の改善を進めたのが理由とされるが連戦は授賞について「いっさい知らない」。1935年ナチス・ドイツで獄中のオシエツキーが受賞した時も対抗して自らの平和賞が創設された


中国の胡錦濤が米国に到着した2011年1月、米国に亡命した中国の人権活動家やウイグル、チベットの人らが、中国の人権改善を求める集会。オバマに対し米中首脳会談でノーベル平和賞を受賞した服役中の劉暁波らの釈放を胡主席に求めるよう要求。結局オバマは両国関係に配慮し、会談で軽く触れただけ

オバマ米大統領は、中国・胡錦濤主席の訪米を前に、中国の民主活動家で中国人作家の査建英とホワイトハウスで極秘に会合。人権状況について協議。査建英は2010年のノーベル平和賞を獄中で受賞した民主活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)が一党独裁見直しなどを求めた「08憲章」に署名した一人

中国の人権活動家・胡佳さんの妻、曽金燕さんが2010年11月、エイズで親を失った遺児らを支援するため夫妻で立ち上げたNGOの活動を停止。税務当局の調査と強い圧力による。「自分で生んだ子を自分の手で殺すような気持ちです」。学生時代から、「売血」行為で広がるエイズ問題に取り組んでいた

胡錦濤(フー・チンタオ)・中国国家主席の訪米を前に、オバマ米大統領は2011年1月、中国の民主活動家ら5人とホワイトハウスで会談し、人権状況などについて討議。中国出身の作家で民主活動家のベット・ロード氏、中国人作家の査建英氏、コロンビア大のアンドリュー・ネイサン教授(中国政治)ら

胡錦濤中国主席とオバマ米大統領の首脳会談2011年1月。1)中国に核物質の管理態勢向上を目的とする施設を設立することで合意。2)オバマは「市民の権利が守られたとき、国家はより成功する」と人権問題の改善を暗に示唆したが、胡錦濤は「お互いが選んだ発展の道筋を尊重すべき」と煙に巻いた。

米中首脳会談(2011年1月)に合わせたデモで、中国の人権改善をオバマから胡錦濤に要求させようとした人。1)ラビア・カーディル。亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」の主席。2)柴玲。1989年の天安門事件の学生リーダー。3)耿和。2007年から行方不明の人権派弁護士・高智晟の妻

米中首脳会談(2011年1月)の結果。1)米国防総省の64億ドルに上る台湾への武器売却で冷え込んでいた両国関係を改善。2)米国の要求する中国の人民元切り上げには対応せず。3)中国の人権問題改善には軽く触れただけ。4)中国は米国の機嫌をとるため航空機200機を受注。3兆7000億円

中国の胡錦濤主席が2011年1月の米中首脳会談後「人権の普遍的な原則を尊重する」と発言したことについて中国外務省が中国主要メディアに対し報道の自粛を要請。中国では人権や民主主義がどの国にも共通する「普遍的な価値」であるかどうか指導部内で激しい論争。胡氏が公開の場で明言するのは異例

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は2011年1月、潘基文(パンギムン)国連事務総長について、中国などの人権侵害を「批判する気がない」と名指しで批判。国際人権団体が事務総長を公然と批判するのは異例。「国際社会は近年、経済関係への配慮などから人権弾圧を見過ごしている」と。

中国の外交攻勢。2010年10月に温家宝首相、11月に胡錦濤国家主席、2011年1月は李克強副首相が相次いで欧州を訪問。財政危機のギリシャやスペインで国債購入を約束し、英仏独などで大型商談をまとめるなど、経済力で恩を売りまくる。天安門の呪縛から解放され、同時に武器禁輸の解除を迫る


各国のGDP(2010年)。1)アメリカ14.6兆ドル、2)中国5.7兆ドル、3)日本5.4兆ドル、4)ドイツ3.3兆ドル、5)フランス2.6兆ドル、6)イギリス2.3兆ドル、7)ブラジル2.0兆ドル、8)イタリア2.0兆ドル、9)ロシア1.5兆ドル、10)インド1.4兆ドル



インドと人権

カースト制度とは、ヒンドゥー教における身分制度。紀元前13世紀頃バラモン教の一部としてヴァルナ(四層に分割する身分制度)の枠組みが作られた。バラモン(司祭)・クシャトリア(王族・貴族・武士)・ヴァイシャ(平民・商人・職人)・シュードラ(奴隷)。さらにアウト・カースト(不可触賎民)

インドのカースト制度は、1)紀元前13世紀に制定。2)1950年の憲法で全廃。3)2001年、南アの国連反人種主義差別撤廃世界会議の議題。4)2002年、国連人種差別撤廃委員会で『世系に基づく差別』が策定され「インドのカースト差別を含む差別が国際人権法の人種差別である」ことが明記

インドのカースト制度の問題点は、1)農村の地主は上位カースト、小作人は下位。2)児童労働従事者やストリートチルドレンの大半は下位カースト。3)子どもを売春や重労働に従事させ警察に逮捕されても、雇用者が上位カーストの場合、起訴すらされない。4)刑務所内の受刑者の大半が下位カースト。

一般に、「インドなどでカースト制度の下位に位置する人が、それから逃げるために、イスラム教徒(ムスリム)になる」と言われているが、実際の統計をみると、必ずしもそうではないようだ。しかしながらともかく、インドでのイスラム教徒人口は急増している http://bit.ly/eimkzy

インドは中国の次に大きな市場として、2006年以降、日本企業の進出が目立ち、「チャイナ・プラス・ワン」の候補地として注目を集めている。しかし、カースト制度やイスラム教徒とヒンドゥー教徒の関係など、身分制度的・宗教的問題に対する理解や受け入れ態勢がないと、トラブルに見舞われ易い。

チャイナプラスワン(China plus one)とは、中国への投資を行いつつも平行して他の国にも投資を行うこと。中国だけに投資を集中させている現状では「チャイナリスク」(共産党独裁からくる政治・経済等の不安定性など)が高いため、インド、バングラデシュ、東南アジア諸国などへも投資

「下層カーストの人々は人生を諦めていて無気力であると言う人がいるが、それは違う。2001年に西インドで大地震が起きた時、インドのNGOの人々と救援活動をお手伝いしていて感じたのは、インドの地域の住民、特に下位カーストの人同士が助け合っているということです。」 小川忠、国際交流基金

インドのカーストは実際は「ジャーティ(出自から来る職業集団」という細分化されたサブカーストがある。時代を経て下位カースト(ジャーティ)が上位カースト化することも。ある地域では最下層なのに他の地域では中の下に位置づけられることも。カーストは低いが経済力はある富裕層も存在し、ねじれ。

ジャーティ(出自、生まれ)とはインド亜大陸において実際のカースト制度の基礎となる共同体。日常生活において排他的な、職業・血縁的社会集団。その範囲内において婚姻などを許容する。男系をたどる職業の継承体でもある。「壺つくりのジャーティ」、「清掃のジャーティ」、「羊飼いのジャーティ」等

インドのカースト政治の構造。1)インド人民党は、バラモン(ブラーフマン)と、クシャトリア・ヴァイシャ(再生カースト)。2)社会党は、シュードラ(農民カースト)。3)大衆社会党は、ダリット(アウトカースト)・先住民(アディヴァーシー)・イスラム教徒(ムスリム)

インド西部ラジャスタン州で、差別的身分制度カーストで下位に属する集団が公務員の優先採用枠の拡大を求めデモ。幹線鉄道を占拠し首都ニューデリーと西部の商都ムンバイを結ぶ交通網が寸断。「グジャール」と呼ばれるカースト集団で最低位の「指定カースト(旧不可触民)」の上の「その他後進諸階級」

「エイズは誰からも同情されない病気です。癌の人は同情されるのに、エイズは『自業自得だ』と言われるのです。私の場合、家柄が良いためになおさらです。一時は自殺も考えました。でも、娘のために生きようと思いました。」ビジャヤ・マダス、インド人、36歳、男性(カースト制度における名門の出)


北朝鮮と人権、拉致

外務省、北朝鮮人権状況決議の第65回国連総会本会議2010年12月。日本及びEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議が6年連続で採択。北朝鮮に対し全ての人権と基本的自由の尊重や拉致被害者の即時帰国の実現を含めた拉致問題の早急な解決等を強く要求 http://bit.ly/fNcZGx

前原誠司外相は2011年1月、国連で北朝鮮の人権問題を担当するマルズキ・ダルスマン特別報告者と外務省内で会談した。外相は日朝間で「拉致など大きな問題を抱えている」と述べ、拉致問題の解決に向けて国連の協力を要請した。ダルスマン氏も「北朝鮮の人権状況改善のため日本政府と協力したい」。

国連総会第3委員会が北朝鮮の拉致等の人権侵害を非難する決議をした。賛成103票,反対18票,棄権60票。共同提案国は,日本,EU諸国,米,加,豪,NZ,韓国,ミクロネシア,パラオ,サモアなどの52カ国。 http://bit.ly/cpnyjP

2010年11月、国連総会第3 委員会・北朝鮮人権状況(拉致等の非難)決議の共同提案国・52カ国。これを見ると、日本と諸外国との外交関係の一部がわかる。ミクロネシア、パラオ、韓国,サモア、ツバル,バヌアツ,豪州,ニュージーランド、欧州諸国、イスラエル、トルコ

国連総会第3 委員会・北朝鮮人権状況(拉致等の非難)決議に反対した18カ国は、中国,北朝鮮,マレーシア,ミャンマー,ベトナム,キューバ,ベネズエラ,ベラルーシ,ロシア,ウズベキスタン,アルジェリア,エジプト,イラン,オマーン, スーダン, シリア, リビア, ジンバブエ

2010年11月、国連総会第3 委員会・北朝鮮人権状況(拉致等の非難)決議に反対した18カ国をみると、現在の世界の構図が見える。中国は北朝鮮をあいかわらず擁護。社会主義国家(ベトナム、キューバ、ベネズエラ、リビア等)や、悪の枢軸と呼ばれる国(ミャンマー、ベラルーシ、ジンバブエ等)

北朝鮮の医療状況が劣悪であると人権系の国際NGO・アムネスティ・インターナショナルが発表。脱北者40人などからのインタビュー調査による。1)医療器具の不足から注射針などを消毒しないまま使いまわし、2)麻酔薬を使わず、手足の切断手術なども行っている、3)栄養状態の悪い人に結核が蔓延


ミャンマーと人権

ミャンマーのアウンサンスーチーが2010年までの自宅軟禁中に65歳に。彼女はオクスフォード大を卒業後(国際協力で有名な)ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)で助手をし国連本部に勤務。1988年頃から帰国し民主化運動。1990年、総選挙で勝利したが軍事政権は権力の委譲を拒否

ミャンマーは2010年に選挙が行われたが、その前にスーチーの国民民主連盟(NLD)が解党させられた。選挙に出ないことで選挙の非民主的やり方を批判しようという元NLD幹部と、選挙に出られなければ意味がないとする幹部が分裂。後者が「国民民主勢力(NDF)」を設立。軍事政権の思うつぼに

ミャンマーで2010年11月7日20年ぶりの総選挙。軍事政権側は選挙戦を優位に進めており多数を確保するのは確実。民主化勢力側はアウン・サン・スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)はボイコットする方針。それから分裂してできた国民民主勢力(NDF)は選挙に参加するが過半数とれない

軍事政権下のミャンマー(ビルマ)で民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(65)の自宅軟禁期限とされていたのが、2010年11月13日。11月7日に20年ぶりに実施された総選挙で、圧勝を宣言した軍政だが、国内最大の民主化勢力「国民民主連盟(NLD)」を率いるスー・チーは今も脅威

ミャンマー(ビルマ)軍事政権は2010年11月、ノーベル平和賞受賞者で民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー(65歳)の自宅軟禁を解除。3度目の拘束が始まった2003年5月以来、約7年半ぶりに解放。民主化運動の象徴として今も強い影響力を持つスー・チーの今後の行動が注目される。

ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーは2010年末、自身が率いる民主化最大勢力「国民民主連盟(NLD)」から分裂して11月の総選挙に参加した政党「国民民主勢力(NDF)」指導者らと自宅軟禁解放後初めて会談。しかし「政治の話はしていない」と今後の協力関係は名言せず。

国連総会第3委員会(人権)は2010年11月、ミャンマーでの組織的な人権侵害や総選挙の過程(不正)を非難する決議案を賛成96、反対28、棄権60で採択。北朝鮮による拉致問題の早期解決などを求める決議案も賛成103、反対18、棄権60で採択した。いずれも年内に総会本会議で正式に採択

2010月11月に行われるミャンマー総選挙について国連人権理事会のキンタナ特別報告者は、「選挙プロセスには欠陥があり、包括的でないことは明らか」などと非難。一方、中国は、「民主化プロセスでの前向きな発展を無視し、批判や非難ばかりすることに中国は失望した」とミャンマーを擁護する発言

中国にとってミャンマーは、1)資源を安く入手できる近隣国、2)インド洋方面に向けた中国のための港、3)欧米諸国から「民主化運動(を弾圧していること)」の「やり玉」にさらされないため、その防波堤として、北朝鮮とともに残しておきた国、である。このため、中国はミャンマーの軍事政権を支持


アフリカと人権

ベンアリ前大統領の強権体制が崩壊した北アフリカ・チュニジアについて、ピレイ国連人権高等弁務官は2011年1月、「最近5週間のデモで市民ら100人以上が死亡した」と発表。「ベンアリ前大統領から路上の治安部隊員まで、権力を乱用した者は説明責任を果たさなければならない」と強調した。

外務大臣会見(チュニジア)。「若者の焼身自殺をきっかけに長年続いたベンアリ大統領の統治への不満が爆発し大統領が国外亡命。1)邦人の保護に対する対策室を立ち上げた。2)人権、民主主義といった価値観を共用する国が生まれることは一般論として歓迎 http://bit.ly/dPJLOh

コートジボワール大統領選(2010年11月)を巡る抗議デモと鎮圧で173人が死亡。国連人権理事会が発表。落選を認めないバグボ現大統領への批判が国内外で。(国連が支援する選挙管理委員会が当選とした)ワタラ元首相支持者の抗議デモに対しバグボ寄りの軍や警察は471人を逮捕、90人が拷問

国連安全保障理事会文書(S/2001/357)「コンゴ民主共和国の天然資源およびその他財産の違法搾取に関する専門家委員会最終報告書」。コンゴ民主共和国においてダイヤモンド、コバルト、タンタル等の鉱物の違法採掘により人権侵害や環境問題が発生 http://bit.ly/gYS04L



フランスと人権

フランスでイスラム教の女性が顔を隠す「ブルカ」の使用禁止が可決されたが違反した場合、罰金1万7千円を科せられるか、フランスの習慣を学ぶ市民教育の受講を義務づけられる。また女性に着用を強制した夫などへの罰則はさらに厳しく最高1年の禁固刑か罰金170万円。ベルギーに続いて欧州で二つめ

フランスの議会でイスラム教徒の女性が(顔を隠すための布)「ブルカ等の使用禁止」が可決された。今後、上院と憲法評議会でも審査されるが、フランス国民の65%以上がこの法案に賛成する世論調査の結果がある。同様の法案は、ベルギーでも議会を可決。スペインやイタリアでもこうした法案が検討中。

フランスでイスラム教徒の女性がブルカを使用することが禁止された。女性の社会的迫害を許さないためと言うが、これはむしろ個人の「信教の自由」を認めない「人権侵害」にあたる。フランスは国際協力の世界でも自国の文化や価値観を途上国に押しつける傾向があり、現地(途上国)寄りのNGOから批判

フランスで(イスラム教徒の女性が顔を隠すために使う)「ブルカ」や「ニカブ」を公共の場での着用を禁じる法案が可決。理由は、1)女性の人権侵害を助長、2)(犯罪に使用される可能性など)治安上の問題など。しかしイスラム教を信じる女性には到底受け入れられない。イスラム国家からの反発もある

フランスの下院で女性が全身を覆う衣装のブルカとニカブの着用を禁止する決議が可決。ブルカは全身を覆う布で目も網目状の布で隠す、ニカブも全身を覆うが目は出す。以上の二つが禁止の対象になった。対象外なのは、チャードル(全身を覆うが顔は出す)、ヘジャブ(髪の毛だけをスカーフ状の布で覆う)

フランスでは既に2004年にブルカ等を公立学校で禁止。公立学校では、顔も隠すブルカ等だけでなく、髪だけを隠すヘジャブ等のスカーフ類も禁止。理由は宗教色を排除するため。ドイツ、イタリア、デンマークなどでも公立学校では同様に禁止。世界では逆にスカーフを使用する女性は増えているのに逆向

フランスがブルカを禁止にした理由は、1)顔が隠れていると本人確認ができず役所の窓口や空港で混乱、2)車の運転が危険、3)テロへの警戒(服の下の爆弾で自爆テロ等)。フランスのイスラム教徒は、550万人だが、ブルカ等を着用している女性は二千人程度。これだけの数のために禁止政策を国会で

イスラム教の女性がブルカ等で全身を隠す理由は、コーランに「女性は美しいところを夫や親族以外に見せてはならない」と明記されているため。一方、フランスのサルコジ大統領は「ブルカは、女性を隷属し、いやしめることの象徴だ」と発言。フランスではブルカ着用すると罰金1万7千円などが国会で可決


ノーベル平和賞と人権

ノーベル平和賞とはノーベル賞5部門のうちの一つ。他部門の授与主体がスウェーデンであるのに対し平和賞はノルウェーが担当。選考はノルウェー国会が任命する委員会(5人)。各国に推薦依頼状を送り推薦された候補者から選考。人権・民主化活動家など母国で政治犯とされている人物が受賞する事も多い

ノーベル平和賞と民主化。1989年ダライ・ラマ14世(中国)1990年ミハイル・ゴルバチョフ(ソ連)1991年アウンサンスーチー(ミャンマー)1993年ネルソン・マンデラ、フレデリック・デクラーク(南ア)2003年シーリーン・エバーディー(イラン、女性)2010年劉暁波(中国)

シーリーン・エバーディーとは、1947年生の、イランの弁護士。人権活動と民主化運動を行う。イスラム法の元で女性や子供の地位が制限されていることを訴え、現代の人権思想に適合した法改正を要請。2003年ノーベル平和賞を受賞。ノーベル賞を受賞した最初のイラン人で、最初の女性イスラム教徒

歴代のノーベル平和賞受賞者が集い平和や人権などの世界的課題や暴力のない世界に向けた具体的提言などについて議論する「2010年ノーベル平和賞受賞者世界サミット」が、11月、広島で開催。テーマは、「ヒロシマの遺産:核兵器のない世界」。ダライ・ラマ等が出席。ゴルバチョフは体調不良で欠席

2010年12月10日は、中国で民主化を主導した、劉暁波のノーベル平和賞受賞式だが、本人は投獄中、妻なども軟禁状態のため、ノルウェーでの授賞式には誰も出席できない状況。 「ノーベル平和賞に関するツイート20101210まで 6794字」 http://bit.ly/dLS3MN

広島で2010年11月に開催されたノーベル平和賞受賞者サミットで、イタリアの元サッカー選手、ロベルト・バッジョが平和サミット賞受賞。2002年から国連食糧農業機関(FAO)の親善大使。2004年の現役引退後、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー解放運動支援、ハイチなどの被災地支援