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経済大国へ

各国のGDP(2010年)。1)アメリカ14.6兆ドル、2)中国5.7兆ドル、3)日本5.4兆ドル、4)ドイツ3.3兆ドル、5)フランス2.6兆ドル、6)イギリス2.3兆ドル、7)ブラジル2.0兆ドル、8)イタリア2.0兆ドル、9)ロシア1.5兆ドル、10)インド1.4兆ドル

「経済大国という点では、2010年、中国が日本を抜き2位に。国のサイズを考えると今後ブラジル、ロシアも日本を抜く。2)政府開発援助(ODA)の額も日本は1位から5位に落ち、国民総所得比では主要援助国22のうち19位。今後は経済力ではなくソフトパワーによる世界への貢献を」 兵藤長雄

訪米した胡錦濤(フー・チンタオ)中国国家主席は2011年1月、シカゴで米航空大手ボーイングのマクナーリー最高経営責任者(CEO)らと会談。中国はボーイングの航空機200機(190億ドル)を購入する大型商談を決めたばかり。オバマ米大統領の出身地であるシカゴで、経済界などと交流をした

2010年11月、世界銀行は「中国経済四半期報告」において経済成長は幾分鈍化したものの依然堅調と発表。第3四半期のGDP成長率は上半期の10.6%から低下したものの依然驚異的な9.6%(対前年同期比)。景気刺激策の効果が薄れ、内需の伸びは落ち着いたが、輸出は伸びており、貿易黒字へ

中国は2011年のGDP成長率について10年の10.3%から9%程度へ減速を見込む。インフレや不動産バブルの抑制に向け金融政策を引き締め方向。11年の消費者物価指数(CPI)上昇率の抑制目標は10年の3%から4%に引き上げ。インフレを抑えつつ高めの経済成長を維持する難しいかじ取り

世界銀行のゼーリック総裁は2010年11月「G20は五大通貨(米ドル、ユーロ、円、英ポンド、中国の人民元)を基軸とする新たな通貨体制の確立に踏み出すべきだ」と提言。また、通貨体制の改革策として物価や通貨価値を測る指標として金の活用も提案。ただし後日、金本位制に戻す意ではないと弁明

世界銀行の資金源。その1.国際復興開発銀行(IBRD)は世界銀行債(世銀債、IBRD債)を発行して資金を獲得。その内訳は、1)アメリカ16.83%、2)日本8.07%、3)ドイツ4.60%、4)フランス4.41%、5)イギリス4.41%、6)中国2.85%、7)ロシア2.85%

世界銀行に中国が拠出。これまで世界銀行にお金を出していたのは、アメリカ、日本、EU諸国の順だった。中国はこれまで、もらうほうだった。ところが経済発展のため、中国はお金を出すほうにまわり、いきなり第3位に浮上。おそらく国家戦略の一つか。

国連分担金の分担率は、アメリカ22.0%(5.2億ドル)、日本12.5%(2.7億ドル)、ドイツ8.0%(1.7億ドル)、英国6.6%(1.4億ドル)、フランス6.1%(1.3億ドル)、イタリア5.0%(1.1億ドル)、カナダ3.2%(0.7億ドル)、中国3.2%(0.7億ドル)

胡錦濤中国主席は2011年1月の訪米を前にドルを基軸通貨とする国際通貨体制を過去の産物とし新たな体制を構築する必要性を示唆。人民元切り上げが中国インフレ対策になると米国が主張していることに、金利引き上げで対策をとっているとした上、「インフレは為替相場政策を決める要因になりえない」

自動車生産台数(2008年)は、1)日本1156万台、2)中国935万台、3)アメリカ871万台、4)ドイツ604万台、5)韓国381万台。自動車保有台数は、1)アメリカ2億5121万台、2)日本7571万台、3)ドイツ4384万台、4)中国4250万台、5)イタリア4037万台

中国自動車工業協会は2011年1月、2010年の新車販売台数は1806万台だったと発表。米国より650万台多く2年連続の世界一。2011年は2千万台の予測。日産自動車は前年比35.5%増の102万台を売り米国での販売を初めて越えた。政府の販売奨励の対象は1.6リットル以下の小型車

「中国では初めて自動車を購入する人がまだ多い。北京のような大都市の半数。このような成長市場では、過去の歴史をみても国内総生産(GDP)プラスアルファで車の販売台数は伸びてきた。中国は来年も2ケタ伸びて、2千万台近くまではいくだろう」 中国・広州モーターショーで日産自動車・志賀俊之

世界の石油消費量(2009年)。1)アメリカ8億4290万トン、2)中国4億460万トン、3)日本1億9760万トン、4)インド4850万トン、5)ロシア1億2490万トン、6)ドイツ1億1390万トン、7)ブラジル1億430万トン、8)カナダ9700万トン、9)フランス8750

チャイナプラスワン(China plus one)とは、中国への投資を行いつつも平行して他の国にも投資を行うこと。中国だけに投資を集中させている現状では「チャイナリスク」(共産党独裁からくる政治・経済等の不安定性など)が高いため、インド、バングラデシュ、東南アジア諸国などへも投資

日本企業がパソコンなどを作る場合、国内で生産すると(人件費が高いため)コストが高くなってしまうので、各部品を中国や台湾で作り、それらを輸入して国内の工場で合体させて生産していた。最近は中国の人件費も上がったため東南アジアのインドネシア、南アジアのバングラデシュなどに生産拠点を移動

インドは中国の次に大きな市場として、2006年以降、日本企業の進出が目立ち、「チャイナ・プラス・ワン」の候補地として注目を集めている。しかし、カースト制度やイスラム教徒とヒンドゥー教徒の関係など、身分制度的・宗教的問題に対する理解や受け入れ態勢がないと、トラブルに見舞われ易い。

バングラデシュの賃金は世界最低水準にあるため、欧米の量販店や日本のユニクロなどが委託生産を拡大、中国に続く繊維加工の拠点。東部チッタゴンの輸出加工区で2010年12月、賃上げを求める繊維労働者のデモに対し、治安部隊が発砲し、4人が死亡、200人以上が負傷。また火災事故で25人死亡

人件費の安い中国への生産委託で低価格の液晶テレビ販売を伸ばしてきた船井電機が、中国一辺倒のもの作りから東南アジアでの自社生産を強化。中国は労働者の賃金水準の上昇でメリットが薄れストやデモも多発、一国に生産が偏るリスクが高い。『ポストチャイナ』として、タイ、フィリピン、インドネシア

首脳会議はG8からG20へ移行する時代。G8は、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス、ロシア。G20で追加されたのは、アルゼンチン、インド、インドネシア、欧州連合、オーストラリア、韓国、サウジアラビア、中国、トルコ、南アフリカ共和国、ブラジル 、メキシコ。

G20では中国・韓国等の新興国が「景気刺激」を要求する中、欧州などが各国の「経済再建」の優先を要求し対立。英仏独は銀行税導入へ。G20議長国カナダのハーパー首相は「2013年までに各国の財政赤字の半減」を要求したが世界最大の長期債務(国債等の借金)を抱える日本は不可能だとして拒否

中国工商銀行の姜建清・董事長はこのほど、欧州にパリ、ブリュッセル、アムステルダム、ミラノ、マドリッドの5支店をそれぞれ開業すると発表。同行は既に欧州ではロンドン、モスクワ、ルクセンブルク、フランクフルトに支店を開設済み。中国進出の欧州企業、欧州進出の中国企業の需要を満たすサービス

米通商代表部(USTR)は2010年12月、中国政府が風力発電で自国産業を保護するために補助金を出しており、世界貿易機関(WTO)の協定に違反しているとして中国をWTO提訴。中国は中国内の風力発電機器メーカーに対し中国製の部品を使った場合、補助金を出す仕組み。米製品の輸出の障壁に


経済大国となり先進国の国債を買って外交上有利に。人権侵害を黙らせる戦略

ウィキリークスが公表した米外交公電。「米国にとって『銀行』ともいえる中国には強く出づらい・・」クリントン米国務長官が2009年3月にその悩みを外国首脳に吐露。2008年8月から2010年7月まで中国は米国債の最大の保有国だった。中国が売った分を日本が買い入れたため日本は1位に復活

日本の国債は、国内の法人や個人が買っているから大丈夫、という話しは本当か? 基本的には本当で、90%以上が国内で買われている。買っているのは国内の金融機関が66%。一方、アメリカの国債は、海外(中国など)に買われているのが半分ぐらいあり「キャピタル・フライト」(投資の逃避)の恐れ

中国の外交攻勢。2010年10月に温家宝首相、11月に胡錦濤国家主席、2011年1月は李克強副首相が相次いで欧州を訪問。財政危機のギリシャやスペインで国債購入を約束し、英仏独などで大型商談をまとめるなど、経済力で恩を売りまくる。天安門の呪縛から解放され、同時に武器禁輸の解除を迫る

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は2011年1月、潘基文(パンギムン)国連事務総長について、中国などの人権侵害を「批判する気がない」と名指しで批判。国際人権団体が事務総長を公然と批判するのは異例。「国際社会は近年、経済関係への配慮などから人権弾圧を見過ごしている」と。


新興国

BRICs(ブリックス)とは、経済発展が著しいブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) の頭文字を合わせて作られた言葉。新興国。投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストが2001年11月30日の投資家向けレポートに記載

新興国。BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国。時に南アフリカ。NEXT11は、イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ。アメリカのゴールドマン・サックス証券が有望な投資の対象としてレポートに記載


法人税

政府税制調査会は2010年11月、法人税の税率を5%下げる方向。国と地方を合わせた実効税率は40.7%だがそのうち国税の基本税率(30%)を下げる。1999年に基本税率34.5%を30%にして以来。中国や韓国は実効税率を20%台まで下げた。ドイツも29.41%。各国は引き下げ競争

オバマ米大統領が一般教書演説で法人税減税。主要貿易国に近い水準にまで引き下げると。「法人税の抜け穴をなくし、それによって得られる税収で法人税の減税を実施」。米国の連邦法人税率は35%で、州税を加えた実効税率は40%。なお英国は28%、中国が25%、韓国が24%、フランスが33%。


経済格差、沿岸の裕福層と内陸の貧困層、自殺、政府への不満、新世代

中国は共産主義体制のまま市場経済を導入したが、経済成長を重視してきたため、国が「金余り」状態を作り、高度なインフレが継続。沿岸部と内陸部での貧富の差が拡大するのと同時に、不動産価格等の高騰で、貧困層の不満が蓄積。この状態が続けば、民主化運動に拍車がかかり、体制の崩壊へ向かう可能性

中国広西チワン族自治区梧州市で2011年1月、賃金の未払いに抗議する労働者デモに対し地元警察が発砲しけが人。軍の発砲で市民が死傷した1989年の天安門事件以降、中国はデモ隊への発砲を規制。2009年7月に新疆ウイグル自治区の騒乱で発泡したことは異例。今回のケースから方針変更か?

中国新疆ウイグル自治区トクスン県の建材化学工場で、知的障害者12人が数年間にわたって不法に働かされていたことが、地元報道で明らかになり、警察当局は2010年12月、工場経営者らを拘束した。障害者たちはホームレスを収容する団体から派遣されていたが、賃金は受け取れず劣悪な条件下で労働

中国で若者の自殺率が急増。例えば最近、台湾の電子機器メーカーの若い従業員が10人以上あいついで自殺。仕事や対人関係の悩み、将来の不安が原因。一般に社会主義国家が資本主義に変わると、自殺率が上昇する。旧ソ連諸国で起きた現象が、今、(共産主義のまま市場経済になった)中国で起きている。

中国国務院(政府)は2010年末、腐敗の摘発についてまとめた初の白書「中国の反腐敗と清潔な政治の建設」を発表。2005~09年までに土地売却や鉱山開発等の商取引に絡む汚職事件を6万9200件以上摘発。賄賂の総額は約166億元(約2075億円)。地方を中心に腐敗が深刻化し国民の不満

中国の農村では現金収入がほとんど得られないため親は都会に出稼ぎにいく。子どもは「留守児童」になるが、その数4千万人。事故や犯罪にまきこまれることが多いという。中国の大学生がその現状に関する自主製作映画を製作。中国の共産主義政権下でこうした社会問題を訴える映画を作れることが逆に驚き

明日(2010年5月1日)中国で上海万博が開幕。240以上の国と国際機関が出席し世界最大の祭典になる模様。しかし来場が予想される7千万人はほとんど全て中国の地元の人。特に田舎の人。田舎の中国人たちがみんな、上海のような文明的な暮らしをしたいと思った場合、地球の資源が急速に枯渇。

中国でストライキが多発。携帯電話などで情報を素早く交換し賃金引き上げなどの待遇改善を要求する若い世代、いわゆる「新世代農民工」。地方の農村出身の出稼ぎ労働者だが農業の経験はほぼなく、携帯電話とインターネットで育ち自分の権利意識が強く都市部で豊かな生活を望む。北京、上海、広東に集中

中国の新世代の若者のことを「80后」(パーリンホウ)と言う。1980年代以降に生まれた若者のこと。1970年代まで続いた文化大革命後の「経済開放路線」の恩恵をフルに受けた中で成長してきた人たちが20歳代後半に。アニメなどの影響で対日感情はよく、今後日本経済をささえる存在になるかも

中国の経済成長が続いているが要因となってるのが不動産価格の高騰。しかしこれが上昇しすぎると最終的に市民生活を圧迫しバブルがはじける。中国政府は不動産価格上昇に歯止めをかけようとしてるがダメ。住宅価格は年収の4,5倍が適正と言われているが最近10倍を超えた。市民の不満は体制の崩壊へ


中国の資源(レアアース)と、日本企業の動き

「中国の急速な工業化・産業化のあおりで世界資源は着実に枯渇の方向。レアアースやレアメタルは供給不足に。具体的には、リチウム、マンガン、ガリウム、インジウム、チタン、バリウム、タンタル、そしてプラチナなど。全て、産業基礎素材」 小針秀夫(トーキョー・トレーダーズ・タイムズ代表取締役

「中東に石油有り、中国にレアアース(希土)有り。」障ナ小平(1904-1997年)。「中国の管理が乱れていたころ、ある国は安い値段で大量に買っていった。その国(日本)には大量の備蓄がある。」温家宝(1942年生)。内モンゴル自治区の包頭市は江西・広東両省と並ぶレアアースの郷(さと)

レアアース(希土類元素)とは、17元素からなるグループ。希土類元素の酸化物のこと。工業的には蓄電池や発光ダイオード、磁石などのエレクトロニクス製品の性能向上に必要不可欠な材料。地球上の限られた地域に偏在する資源で中国の生産シェアが非常に高く日本も需要の9割を中国からの輸入に依存。

世界のレアアース生産の97%を握る中国の行いは、世界貿易機関(WTO)の協定違反か?関税貿易一般協定(GATT)第11条が定める「数量制限の一般的廃止」の解釈が問題に。中国は条文が「危機的不足の防止」を理由にした輸出入制限ならば例外として認める、だから「枯渇から守るための例外だ」

中国政府は2011年から一部のレアアースの輸出税を引き上げ。輸出の抑制を狙ってここ数年続いている動き。ハイブリッド車の高性能モーターに使うネオジム、塩化ランタンをそれぞれ15%から25%に、レアアース元素を1割以上含む鉄合金を20%から25%に引き上げるなど数品目の課税を強化する

レアアース(希土類元素)。スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム。17元素中、後半15元素はランタノイド

レアメタル(希少金属)の一覧(あいうえお順)前半。30/47。アンチモン、インジウム、ガリウム、希土類17種、ゲルマニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、セシウム、セレン、クロム、コバルト、タリウム、タングステン、タンタル

レアメタル(希少金属)の一覧(あいうえお順)後半。17/47。チタン、テルル、ニオブ、ニッケル、白金、バナジウム、ハフニウム、パラジウム、バリウム、ビスマス、ベリリウム、ホウ素、マンガン、モリブデン、ルビジウム、レニウム

レアメタルを扱う、非鉄メジャー。1)BHPビリトン(英国、豪州)、2)アングロ・アメリカン(英国、南ア)、3)リオ・ティント(英国、豪州)、4)コデルコ(チリ)、5)CVRD(ブラジル)、6)ファルコンブリッジ(カナダ)、7)フェルプスドッジ(米国)、8)エクストラータ(スイス)

日本で私達が携帯電話を買って使っているが、内臓されている部品にコンデンサが入っている。これにはレアメタルの『タンタル』が使われているが、コンゴ民主共和国の反政府組織が出荷し中国経由で日本へ。コンゴの鉱山では、強制労働・低賃金・産業廃棄物の垂れ流し・森林伐採・ゴリラ絶滅などの問題が

携帯電話等のコンデンサに欠かせないタンタル。コンゴ民主共和国には世界の埋蔵量の7割があり闇市場で動いている。2009年同国のタンタルは世界の生産量の9割も占めたと推測。その多くは(武装勢力から非鉄メジャー経由で)中国が輸入。日本の電子産業に使われているタンタルの多くは中国から輸入

世界にはコルンブ・タンタル鉱石(コルタン)のタンタル粉末への再加工を行う数社の企業。H.C.Starck(ドイツ)、Cabott Inc.(米国)、Ningxia(中国)及びウスチ・カメノゴルスクのウリビン冶金コンビナート(カザフスタン) http://bit.ly/fJwUEe


中国の資源(リン鉱石・リン酸肥料)と、日本企業の動き

世界の人口増や新興国の経済発展で肥料の需要が増え、原料のリンやカリウムをめぐる国際的な争奪戦が起きている。鉱物資源なので採れる国が偏っているうえ、供給側が寡占化し価格決定に力を持つ。特にリン鉱石の産出量は中国がトップで、2010年12月、レアアース(希土類)と似て輸出制限を強める

日本はリン鉱石を100%輸入に依存しており、産出国はモロッコ、中国、ヨルダンなど。モロッコのリン鉱石は、あと30年ぐらいで枯渇するとも言われている。既に、アメリカ(フロリダなど)のリン鉱石は枯渇してしまい、アメリカからの輸入は途絶えている。リンは人類の持続可能性にとって重要な肥料

リン鉱石を日本はアメリカ・フロリダ州の鉱山から購入していたが1990年代後半アメリカが資源枯渇を理由に禁輸措置を実施。代替先として、中国・四川省の鉱山から購入するようになった。しかし2005年頃から先物市場に投機、国際価格上昇。2007年に四川大地震で生産量激減。さらに中国が関税

中国は2010年12月、リン酸アンモニウムなど化学肥料の輸出関税を年末まで110%に引き上げると発表。実質的に輸出が止まることになる。リン鉱石を原料とするリン酸アンモニウムの直近の税率は数%だった。リン鉱石の産出量は中国が世界の3割を占める。中国は長期的には国内分を確保するつもり

リン鉱石の採掘で知られる「ラサ工業」の株価が急上昇中。中国が、自国内での化学肥料の需要増のため、リン鉱石の対外輸出を制限する方向。このため、日本国内での数少ない「資源株」である、ラサ工業の株が「思惑買い」され上昇。ラサ工業の発祥は沖縄の北東にある無人島(ラサ島)でのリン鉱石の採掘


中国の資源(水)と、日本企業の動き

アジアでは、(人口10億を超える、中国・インドという二つの国があるため)世界人口の6割が暮らしているが、アジアには、地球上で利用できる水資源の36%しかない。この水の供給先になっている「アジアの国際河川の上流域」の多くを国土に持つのが中国。水資源の独占を狙い、ダム建設が各地で進行

中国には国際河川の源流がある。この上流域にダムを作って水の流れを止めてしまえば世界の水資源を独占可能。メコン川に対し既に「糯扎渡(ヌオツァートゥー)ダム」を作りタイ等から批判を受けている。現在インド等へ向かうブラマプトラ川の上流にダムを作る工事を進めており批判が。今後、紛争の危機

WHOによると「今も8人に1人が『安全な水』を飲めない」状態だと言う。世界銀行の副総裁は「20世紀は『石油』の争いで戦争が起こったが、21世紀は『水』で争うようになるだろう」と言った。アジア(新興国の中国・インド)での急速な経済発展、アフリカでの爆発的人口増加で、水の不足は加速中

日本の仮想水(バーチャルウォーター)輸入国(2006)。1)アメリカ389億トン、2)オーストラリア89億トン、3)カナダ49億トン、4)ブラジル及びアルゼンチン25億トン、5)中国22億トン、6)デンマーク14億トン、7)タイ13億トン、8)南アフリカ3億トン。その他36億トン

バーチャル・ウォーターの年間輸入量(1997~2001年の平均、国連水開発報告書2006、単位は億立方メートル)、多い順に、日本917、イタリア507、イギリス466、ドイツ351、韓国321、メキシコ288、香港(中国)269、イラン146、スペイン144、サウジアラビア133

水の利用可能量に対する利用量の比が「水ストレス比」。40%を越えた場合「水ストレスが高い」。人口増加、気候変動、経済発展に伴う水需要の増大を考慮し2050年の水ストレス比を算定すると、アメリカ中西部、中近東、インドパキスタン国境~インダス川流域、中国北部の河北平原等でこの比が高い


中国の資源(鉄、石炭)と、日本企業の動き

数年前から鉄鉱石の需給関係は、売り手市場化していた。そこへ2009年のリーマンショックの後、日本の鉄鋼生産が急激に落ちたのだが、その時、中国は鉄鋼生産を落とさなかった。このため、鉄鋼業界で中国は傑出した存在となり、以後、鉄鋼の価格への影響力も日本から中国などの新興国に移っていった

鉄はブラジルのバーレという資源会社とオーストラリアの3会社が世界市場の7割。以前はこれらの会社と新日鉄の年一回の会合で鉄の価格を決定。しかし数年前から中国が最大の顧客に。中国はインドからも別価格でその都度買い付け。これが影響してブラジル・オーストラリアも3カ月ごとに価格変更を要求

鉄(粗鋼)の生産量は、1980年頃から1995年頃まで日本がアメリカを抜いて1位だったが、以後は中国が急成長し、現在は中国がぶっちぎりの1位(日本の5倍以上)。この結果、以前は日本の鉄鋼会社が鉄の世界標準価格を決めていた仕組みを今年から変えることに。中国の影響力がどんどん増す方向

コロンビアは南米最大の石炭の産地。これまでは欧米に輸出していたが、今後はアジアの新興国(中国・インド)への輸出を強化。理由は、2007年のGDP成長率は7.5%だったが欧米の経済危機の影響で2009年は0.4%へ減速。今後はアジア諸国との経済関係を持ち、安定した発展を政府は目指す

主な国の、エネルギー自給率(IEA、2006年)、少ない順に、韓国2.3%、日本4.2%、フランス7.2%、イタリア14.9%、スイス17.3%、ドイツ26.7%、アメリカ62.1%、中国92.3%、イギリス113%

外務省の「資源問題担当官会議」において、『(エネルギー以外の)主要資源産出国19カ国』とされた国々。インド,インドネシア,中国,フィリピン,ベトナム,モンゴル,豪州,米国,カナダ,アルゼンチン,チリ,ブラジル,ペルー,ボリビア,カザフスタン,ロシア,ボツワナ,ナミビア,南アフリカ


中国市場をみた、日本企業の動き

日本政府は経済成長戦略として企業のインフラ産業の海外輸出を推進している。主なものは、1)原子力産業(発電)をインド、ベトナム等から受注。2)上水道・下水道などの水関連技術を(地方自治体が作った第三セクターも絡めて)アジア等から受注。3)高速道路・新幹線。4)通信。5)環境技術など

アジアではインフラ開発が相次ぐ。2010年10月にベトナムで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でインフラ整備に総額約3800億ドル(約32兆円)を投じ、700のプロジェクトを進めることで合意。中国からメコン川周辺地域、インドまでを結ぶ「メコン・インド産業大動脈」など

東南アジア諸国連合(ASEAN)を統一地域と考えるとアジアでは中国、日本に次ぐ経済規模。金融危機後、加盟国全てが経済成長を回復した事実。今後は、市場を統合するとともに、競争力のある生産基地に。2011年1月の世界経済フォーラムでは(今年ASEAN議長国の)インドネシア大統領が演説

三井物産は2010年11月、シンガポールの水事業大手のハイフラックス社と合弁で設立したギャラクシーニュースプリング社が、中国で水事業資産を保有するビジネストラストのハイフラックス・ウォーター・トラストの公開買取をしたと発表。これにより三井物産は中国で22ヶ所の水事業施設の運営開始

大畠経済産業大臣は2011年1月イラクを訪れ、エネルギーを担当するシャハリスターニ副首相らと会談しイラクの南部にある大規模油田「ナシリーヤ油田」の開発を巡る交渉。既に欧米の石油メジャーや中国企業などが参入しており、遅れを取っている形。日本の大手石油元売り会社など3社が受注を希望

ゴールドマン・サックス証券では2010年12月のレポートで「銅は長期的に中国インフラ向け需要の拡大から供給不足に陥る」として(三井物産、三菱商事などの)総合商社のほか住友金属鉱山など非鉄株も株価上昇の見込みとしている。LME(ロンドン金属取引所)の銅先物3カ月物が史上最高値を更新

三菱自動車は2010年、中国での生産態勢を強化。現地企業などとの二つの合弁会社のうち、1社への出資比率を引き上げて経営への関与を強め、「低価格の小型車」の生産も検討。中国での今年度の販売台数は17万台の見込みだが、2015年度までに30万台に。スポーツ用多目的車「パジェロ」なども

「新興国でマーケットリサーチをきっちりし機能を割り切った商品を出せば大きな成長ができる」とパナソニックの大坪文雄社長。中国でタテ型洗濯機や壁掛けエアコン、インドネシアでの冷蔵庫などが実績をあげた。インドでエアコン販売も。「2009年度49%の海外販売比率を2012年度に60%に」

モスフードサービスは、ハンバーガーチェーン店「モスバーガー」を数年後に欧州に出す構想。その後米国に進出。すでに中国や東南アジアに店があるが、世界各地に広げて、マクドナルドのような『世界チェーン』にしたい意向。「テリヤキバーガー」「モスライスバーガー」といった和風メニューに期待。

JTBが2010年に設立した「ジャパンメディカル&ヘルスツーリズムセンター」は、提携医療機関を拡大するとともに美容関連も開始。12月には医療滞在ビザの新設が発表され今後「メディカルツーリズム」は拡大。需要が見込まれる中国は現地代理店との新規契約など、訪日外国人向けの運営体制を強化

中国からの観光客はこれまで(年収25万元以上の)富裕層の160万世帯のみだった。しかしビザの取得条件が緩和され(年収6万元以上の)1600万世帯へ。これからは中間層の人々も来る。日本としてはこれにより観光産業の拡大と同時に、買い物による消費の拡大を狙う。日本製の炊飯器などが人気。

メチオニン(methionine)は人間の必須アミノ酸の一つだが、ニワトリにも必須の栄養素。途上国が発展し新興国となり、穀物食から肉食に変わる時、最初に求める動物性タンパク質は、通常、鶏肉。1980年代から中国でのメチオニン需要が激増。三井物産はこのためアメリカの企業を買収し生産

中国の水産物輸入量が2008年に過去最多の387万トンに達したことを国連食糧農業機関(FAO)が公表。4年連続の世界一で、世界全体の11.5%。2位の日本の1.4倍に。水産資源の枯渇が心配される中、新たな大消費国の存在感が増す。なお2005年までは26年連続で日本が世界一だった。

主要国の水産資源の消費量(一人当たり年間消費量、kg、FAO)。1)アイスランド90.1、2)ポルトガル76.1、3)日本63.8、4)韓国51,0、5)スペイン44.7、6)フランス31.1、7)中国24.8、8)イギリス21.6、9)アメリカ21.2、10)ロシア18.5

日本の水産物輸入先。エビは、タイ18.3%、ベトナム17.2%、インドネシア14.6%、中国12.7%、インド8.9%、国内産8.6%。カニは、ロシア49.3%、中国10.0%、カナダ4.8%、アメリカ2.6%、韓国2.6%、国内産28.3%。ウナギは、中国52.3%、台湾19%

日本の水産物輸入先。タコは、モーリタニア14.2%、モロッコ10.5%、中国7.3%、ベトナム4.9%、国内産52.5%。イカは、中国16.0、タイ4.6%、ベトナム2.7%、アルゼンチン2.2%、国内産66.3%。ししゃもは、アイスランド44.6%、カナダ41.2%、国内産6%

日本の水産物輸入先。メロ(銀むつ)は、オーストラリア44.1%、フランス19.4%、チリ13.0%。鮭(さけ)・鱒(ます)は、チリ33.4%、ノルウェー6.6%、ロシア6.6%、アメリカ4.8%、国内産46%。鮪(マグロ)・鰹(カツオ)は、台湾9.5%、韓国4.9%、中国3.6%

牛肉の一人当たり年間消費量は、1)アルゼンチン、2)ルクセンブルク、3)チリ、4)ウルグアイ、5)ナミビア、86)日本。豚肉の一人当たり年間消費量は、1)ドイツ、2)ポーランド、3)ルクセンブルク、4)オーストリア、5)中国、45)日本。要するに牛肉は南米、豚肉はヨーロッパが消費

インドの人口は12億。1日1ドル以下で生活する人は3割、2ドル以下の人は8割。子どもたちは小学校を途中でやめ、綿花の人工受粉をする。小さい手の方がやりやすく、人件費も安いため。このインドの子どもたちが作った綿花は、中国で加工され服になり、日本で売られ、今、あなたが着ているものに。

インドへの企業進出は「民主主義国家ゆえの困難さ」がある。中国は共産党独裁体制ならではの困難があるが、逆に共産党とのコネ・パイプがあれば優遇され、煩雑な手続きを避けることもできる。インドの場合、トップの決定より民主的手続きが重視され、プロジェクトも用地の所有者が抵抗すれば、頓挫する

日本の子ども産業が中国進出を加速している。ベネッセコーポレーションは通信講座「こどもちゃれんじ」の中国版を発売。1~6歳児が対象で、計算や漢字に加え、あいさつ、歯磨きなど生活習慣も盛り込んだ内容が好評。会員数が22万人超へ。子ども服のミキハウスは、「値段の高い物から売れる」と言う


中国が新エネルギーの獲得

テルル化カドミウム太陽電池は発電コストが最も低い。しかしカドミウムの有害性から日本では採用されない。2010年1月、中国は四川省成都市で製造設備を稼働。世界最大のコングロマリット、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)も2011年に製造開始。太陽電池が環境に良い時代は終わりか

アジア開発銀行(ADB)はアジア域内の太陽光・太陽熱発電事業を支援する国際組織を創設、「アジア・太陽エネルギーフォーラム」(仮称)。22億ドル以上を融資。ドイツQセルズ、中国サンテックパワー、日本シャープなど120社が参加。まずインド北西部ラジャスタン州に巨大な太陽光発電所を作る

テクノ・システム・リサーチによると「次世代照明」の市場は現在0.3兆円程度だが、2020年には2兆円に達する見込み。次世代照明としては「発光ダイオード」(LED)と「有機エレクトロ・ルミネッセンス」(有機EL)がありどちらも長寿命で消費電力も低い。日本に代わって韓国・中国が市場を

2010年、中国国有石油大手の中国海洋石油(CNOOC)は米国テキサス州南部にある天然ガス開発事業の権益の33%を取得。この事業はシェールガスと呼ばれる岩盤層に閉じこめられている天然ガスの開発で、「イーグル・フォード・シェール・プロジェクト」と呼称。2012年末までにガス井の掘削


共産主義・社会主義のまま、経済だけ市場経済

世界の政治体制は、1)君主制。サウジアラビア(国王)。2)立憲君主制。日本、イギリス、スペイン、ノルウェー、スウェーデン等。3)共和制。大多数の国。4)社会主義体制。中国、北朝鮮、ベトナム、キューバ。5)軍事政権、ミャンマー、スーダン。独裁政権、リビア。暫定政権、ソマリア。

社会主義国体制で政治運営されている国は、1)ソ連型社会主義。中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、キューバ。2)現政権が社会主義的な諸政策を実施。ベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、エクアドル、リビア、ネパール。3)共産党が政権を握るが社会主義ではない国。モルドバ、キプロス、サンマリノ等

社会主義国といっても、1)中国は障ナ小平が1978年頃から「改革開放」。経済特区を作り市場経済化。1992年から「社会主義市場経済」に。2)ベトナムは1986年の「ドイモイ政策」で市場経済化と価格自由化。3)北朝鮮は共産主義とは名ばかりの世襲制の王朝(共産主義では君主の世襲は禁止)

これまでの世界経済の主流は「自由市場・資本主義」。ところが近年は(統制された)「国家資本主義」の時代へ。1991年のソ連崩壊後、プーチンは国家主導の市場経済に参入、強いロシアを復活させた。中国は経済特区から始まって徐々に市場を広げ共産主義のまま資本主義を導入。GDP成長率は驚異的