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はじめに


山本 ニックネームは何にしますか?

ファ ファーティナ(以下、ファ)でお願いします。

山本 そのニックネームの由来は?

ファ 学生時代にアラビア語を学んでいて、
   シリアに年に1度1カ月、
   現地へ留学するんですけど、
   そこで知り合った
   ファーティナという女性に因んで付けました。

山本 初めに、伺いたいのが、
   公立の地元のH高校を出られて、
   K大学に行かれてるんですよね?

ファ はい、そうです。

山本 そして、今、東京・丸の内のOLをやっていると。

   しかし、その前に、大学新卒の時、
   JICA(国際協力機構)を受けて内定をもらったんですよね?
   でも、それに行かなかったんですか?

ファ そうですね、はい。

山本 今は、某総研にお勤めなんですね。

ファ はい、そうです。

・・・

生い立ち、高校時代にイギリス留学


山本 では、初めからお伺いします。お生まれはどちらですか?

ファ 静岡県です。

山本 H高校(在学中)までは静岡にいたんですか?

ファ はい、高校の時1年間イギリスに留学しているんです。
   それ以外はずっと(静岡に)いました。

山本 (イギリスに行ったのは)学校関係(の事業による留学)ですか?
   それともお父さんの仕事の関係ですか?

ファ 斡旋団体の交換留学で、
   1年間現地の高校に行っていました。

山本 Aで始まるところ?

ファ Aじゃないです、Eで始まる所です…

山本 そこは大きな組織なの?

ファ 割と大きな組織です。
   イギリスに行ける団体は少ないんですよね。
   アメリカは多いんですけど。

山本 そうなの?

ファ はい。

山本 イギリスはどこの街ですか?

ファ イギリス北部のニューカッスルの近くの街です。

山本 いつ行ったの?

ファ 高校2年生の時です。
   16歳の時に行って17歳で帰ってきましたね。

山本 イギリスは(始業式が)9月始まりで、
   日本は4月始まりだから、
   1年間授業遅れませんでしたか?

ファ 私は遅らせないで、高校2年生の夏に行って、
   秋からイギリスの学校に通って、
   翌年の夏、日本に帰って、
   高校3年生の授業を受けていました。

山本 そうですか。それは良かったですね、
   遅れることもあるんですが。

   それで1年間で英語は上達しましたか?

   その前に、留学する前に英語はしゃべれましたか?
   ある程度しゃべれる状態だったんですか?

ファ 元々英語が好きで、周りに比べれば、
   (英語)出来るほうだったと思います。
   ただ、高校の時、国際科に通っていたので
   (クラスの)半分帰国子女だったんですよ、
   その中では出来ないですよね、
   バックグラウンドが違うので…。

   平均的な日本人の高校生よりは
   出来るほうだったと思います。
   クラスの中では出来るほうではなかったと思います。

山本 1年間留学して帰国子女には追いついたんですか?

ファ 追いつかないですね…
   しゃべるスピードとか。

   ただ、(留学から)帰ってきた直後よりも
   日本で仕事で英語を使ったりとか、
   後から日本で学んだ方が英語力はついています。

   度胸とかは留学でついたとは思いますけど。
   英語力で言うと今の方が上がったと思いますね。

山本 「留学中に度胸」がついて、
   「日本で英語力」がついたという話ですね。

   普通、日本人は引っ込み思案で意見を言わない…
   慣習があるんですけども、
   1年間の留学で、
   しゃべることで性格が変わったという事はありますか?

ファ 性格は元々、引っ込み思案とかではないんですけども、
   イギリス人の家庭に
   ホームステイを1年間させてもらうんですけど、

   イギリス人の子どもと学校に通うんですけども、
   そこで話さないというのは
   チャンスを小さくするなと思う事があって…

   イギリスの高校って、
   日本の大学と同じシステムと似た所があって、
   科目も自分で選択するし、
   毎日学校に来なくていいとか…

   その中で自分の意思を主張しないっていう事は、
   そもそも何を学びに来ているのかという事で、
   behind(遅れること)になるというか…
   決められないという状態になってしまう…

山本 (自分を)主張したというとこですね。

ファ そうですね。

山本 日本に帰って来てからの方が
   英語力が伸びたという事ですけども、
   具体的にはどういった手法で取り組みましたか?

ファ 帰ってきてすぐは、受験勉強ですよね。
   イギリスにいる時に
   英語学としては授業で学んでいなかったので、
   文法や単語は日本に帰って来てから学びました。
   日本の受験勉強で学びました。

山本 大学はK大学ですよね?

ファ はい。

山本 何学部ですか?

ファ 総合政策学部です。

山本 大学時代は英語を勉強したんですか?

ファ しなかったです。
   もちろんできるんですけど、
   英語は自分でやればいいかなって…。

   それよりもそこでしか学べない事のほうが
   世界が広がるかなって。

   もうひとつはインドネシア語を学んでいて
   それで大学の勉強は終わりですね。

山本 英語は自分ではいつどのように勉強したんですか?

ファ ひとつは、ペーパー上の学びでは
   TOEICを受け続けたり、
   スピーキングは意識してやってなかったんですけど、

   どちらかというと会社に入ってから
   (英語を話す)機会は増えたと思います。

山本 大学は4年間で卒業されたんですね。

ファ そうですね。


・・・

JICAを蹴って、財閥系の総研へ


山本 JICA(の試験)に通ったけど、
   蹴って、総研に入る…

ファ はい

山本 総研は、分析や、研究や、マーケティングなどを
   されていると思うんですが、
   具体的にどんな仕事をするんですか?

ファ 弊社の場合には、お客様は大きく二つに分かれます。
   一つは国や公共団体ですとかそういった所、
   もう一つは民間企業。

   私は両方の仕事をさせてもらってるんですけれども…

山本 国というと…どういった国ですか?

ファ 日本国が多いですね…。
   外国政府も入りますが、
   多くは日本の省庁と考えていただければ。

   経済産業省や外務省、
   その多くは政策立案の中で
   有識者による研究会を立ち上げて用命するとか、
   論点正しするのをお手伝いすることが仕事ですね。

   いわゆる統計、社会学的な統計、
   需要予測とかもプログラミングするんです、
   国の仕事の一環として。

   民間企業に関しては、私がしているのは、
   アメリカやイギリス、インドなどの外国への、
   海外市場への進出、展開支援、参入戦略の仮説を作るなどですね。

   そういった仕事が私の場合メインになります。
   業務改革ですとかジャンルは他にもいろいろあるんですが、
   アメリカなどへの事業展開、進出支援になります。

山本 日本の民間企業がアメリカやインドに進出したい時に…

   例えば(最近のニュースで報道されていますが)
   インドで原子力発電所が十数機作られるとか、
   レアアースの開発が途上国であるからと言って、
   それを調査して(事業機会を)教えるといった感じなんですか?

(参考: 実現可能性統計調査
 Feasibility statistics investigation )

ファ そういったのもありますし、
   アメリカの場合は提携支援に近くなりますね。
   現地のベンチャー企業と(提携し)
   売るなり買うなりそういったシナリオを使って
   上の方にどういった判断をさせるのか…

   そういった提携報酬に近いような事を行うのが
   多くなってきます。

山本 そこで、英語を使うという事ですね。

ファ はい、そうですね。

山本 インド人の英語はとんでもなくて(癖があって)…
   慣れるまで(私は)相当かかった…

   パキスタンでもそうだったんですが…

ファ はいはい…

山本 どうですか?
   そういうのは慣れましたか?

ファ …インドの人は、今も電話じゃ戸惑いますね…
   フェイストゥフェイスで顔を合わせていれば
   そう大変だと感じることは
   少なかったかなと思うんですが…

山本 それは(私も)思いますね。
   フェイストゥフェイスで顔が向きあっていれば、
   ボディランゲージや表情で
   何を言っているのか分るんですが、

   電話でしゃべっていると
   何を言っているのかさっぱりわかりませんね…

・・・

高校時代、どんな生活を送っていたか?


山本 では、話は変わって(少し戻って)…
   高校時代に私立K大学に行きましたよね、
   総合政策学部に。

   そこを選んだ理由は?

ファ 高校1年生の時、
   当時静岡県はタイと姉妹都市だったんですよ。
   どこだったか…。
   (首都の)バンコクではなかったんですが…

   静岡県の斡旋プログラムだったと思うんですが、
   県内の高校生10人位を
   向こうに連れて行ってやってたんですね。

山本 (行ったのは)バンコクと…?

ファ はい、バンコクとチェンマイと…
   今はないんですよ、(県に)お金が無くって…

山本 静岡県側にお金が無い…

ファ そうなんですよ。
   関係自体はあると思うんですが、
   交流自体はないんですよ。

   当時こういうプログラムがありました、と。

   高校生を10人位集めてタイに連れて行ってくれて
   いろんなところに連れて行ってくれる、
   というプログラムに私も入っていたんですよ。

   タイに行って自分の知らない世界がそこにはあって…
   ショックを受けたんですね。

   路上生活をしている人を見たりとか、
   花を売っている少女を見たりとか…

   自分達はバスやタクシーに乗っていて、
   窓ガラス1枚で隔たれた外の世界があって、
   このギャップは何なんだろうと思う訳ですね。

   将来はこのギャップを埋められる仕事をしよう、
   と思ったんですね。
   その時から考えは変わってないんです。

   漠然と当時思っていて、勉強するなら、
   こういった事を探求するような事をしたいなと思ったんです。

   そういった勉強をさせてくれるのがK大学でした。

山本 それに応募するまでは、
   国際協力には興味なかったってことですか?

ファ 国際協力というか、
   英語が好きだったので、
   中学生の頃から
   海外に関係する仕事をしたいとずっと思ってました。

   目線が途上国になったのは、
   そのプログラムを受けた経験が大きいと思います。

山本 当時受けた、交流プログラム。
   そのプログラムは自分で希望して応募したんですか?

ファ はい。

山本 英語が好きなら、
   イギリスやアメリカに行きたいと思うはずなんですが、
   タイだと英語は使いますか?

   ホテルや、空港などでは使うでしょうけど…
   (他の場所では、英語)使いませんよね。

ファ そうですね…

山本 ただ(無料)で外国に行けるから?

ファ それもあったかな…。

   当時、中国とタイとあって、
   タイを選んだんですね。

   一つ変わってないのは、
   行った事のない所へ行っみたいとか、
   見たことのないものを見てみたいとか、
   『欲求心』がありましたね。

山本 好奇心じゃなくて、
   『欲求心』という言葉を使われるのは珍しいですね。
   印象に残りますね。わかりました。

   あと、普通、
   大学で国際協力に興味のある方は、
   国際関係学科や、国際協力学部とか、
   (そうした学部が世の中に)無い事もないんですけども。

   そうした直接的な名前のところは
   あまり考えなかったですか?

ファ 考えてはいたんですけども、
   只、せっかく行く大学なので
   交友関係とかを狭めたくないなというのがあって、

   場所とかいろんな事をしてる人がいるほうが
   おもしろいなと思ったんですよね。

   それは教授も学生も…

   自分のやりたい事を自分でできるし、
   一緒に食事したりする友達は、
   全く違うところで、全く違う事をしてる人の方が
   楽しいだろうなと思ったんですね。

   それは変わりゆくもので、
   その時はそれをやりたいと思って行くわけですけども、
   自分もいつまでできるかわからない
   と思ってたんですよ。

   10月の時点で…選択肢も多くて…

山本 高校時代、部活動は何をしていましたか?

ファ 空手部です。

山本 空手部? あ、そう!…

   じゃあ、
   (あなたには)逆らわないようにしなきゃな(笑)

ファ もう、していないので大丈夫ですよ。

山本 どこの流派ですか?

ファ 和道流です。

山本 和道流ですか、
   あとでインターネットで検索してみます。

参考: 和道流空手道
松濤館流、剛柔流、糸東流と並び、空手の四大流派の一つ。 

   その流派は、型だけのやつと、実践型のやつの、どっちですか?

ファ どっちもやってたんですよ。
   全国的にも強いほうだったんですよ…

   型だけやってる人達も多くて、
   大会は殆ど実践でしたね。

山本 あと、通ってらしたH高校ですけども
   (大学入試での偏差値の)レベルは上の方なんですか?
   下の方なんですか?

ファ 上の方です。

山本 そうですか、
   私立K大学の総合政策学部でしたっけ…
   そこって偏差値結構上の方ですよね?

ファ 結構、(偏差値で難易度を)はかるのが難しくって、
   試験も英語の1科しかないんですよ。

山本 面接ですか?

ファ 小論文です。
   英語はマークシートで足切りがあって、
   あとは小論文ですよね。

   他の大学の様に、ただ偏差値で受かるのかっていうと
   微妙な所だと思いますね。

山本 ええっ!そうなんですか?
   あのK大学って1教科なんですか?
   マークシートって結構博打なので…

ファ フフフフフ…
   小論3時間なので…何とか書ききって…

山本 そうなんですね、わかりました。
   だったら偏差値あてにならないとい事ですよね。
   駿台、代ゼミの偏差値はあてにならない…

ファ だと思いますね。
   逆にチャンスは凄くあると思うんですけども。

・・・

私立K大学時代、どんな活動をしていたか?


山本 サークルは何かしていましたか?

ファ アメフトのマネージャーを
   途中までしていたんですけども…

山本 (サークル内では)アイドル(的な立場だったん)ですか?

ファ いえ全然、そんなことはないんですけど…
   途中で選手よりマネージャーの方が多くなってしまう
   という現象がおきまして、
   いったん解散になりました。

山本 それは何故ですか?

ファ 選手が練習に来なくなってしまったんです。
   要は消滅しちゃって。

   今は復活してあるんですけど、
   私が在学中は無くなっちゃったんです。

   あと、わたしが半年アフリカ行ったので
   辞めざる負えなくなって
   結局辞めたんです。
   最初の2年位しかやってないんです。

   あとは、地域のボランティアサークルで
   (在日外国人の子どもの)小学生に
   色々教える活動をやっていたんですけど
   それに最初所属していたんですけど、

   それも組織としては余りちゃんと
   機能していなかったので、
   後は個人的に小学生に教えたり、
   一緒に遊んだりすることは卒業するまでやっていましたね。

山本 日本語を教えていた?

ファ 大学が神奈川県の地方の方にあって、
   近くに自動車工場があるんですよ。
   そこに外国の、特に南米からの出稼ぎ労働者が多く来てて、
   今でも増えてきてるんですけども、
   近くにその人たちの子どもが通う小学校があるんです。

   要は語学の関係もあって
   普通学級に行けない子どもたち、
   とくに国語の授業についていけないので、
   その時間、特別学級に行くんです。
   ひらがなの授業とか受けたり、
   学年に関係なく受け入れているので。

   公立の小学校なんですね、良くも悪くも…。
   なので、教える側にキャパシティが無い。

   その(特別学級の)授業を担当するんですけど、
   先生達の人員を割けない等の事情もあるんです。

   一方で子どもはどんどん増えていくというのもあって、
   私の通っていたK大学ともう1校の大学、
   2校が協力をして、
   そのクラス(の授業)を学生たちが担当するんです、
   ボランティアとして。

山本 なるほど、大学2校が合わさった、サークルがあるんですか?

ファ そうです、どちらの大学にも外国語教受容、
   を専門としている教授がいるんですね。
   その先生達の支援を受けながら、
   在日外国人の教育をしたりしながら、
   研究会と活動をしているんですね。

山本 何の研究会ですか?

ファ 先生の研究会です。
   在日外国人の教育ですとか、
   逆に日本人への外国人の教育とかを専門に研究している
   学生のゼミみたいなものです。

山本 ようは、異文化交流、異文化研究みたいなもの?

ファ そうですね、
   私はゼミには所属していなかったんですけど、
   子どもが好きだったので、現場の方にはいました。

山本 南米、ブラジル、ペルー等々の人達…
   自動車工場に働きに来ている人達ですよね。

   公立の小学校が、言い方悪いですけど、
   たかが学生サークル活動を受け入れるような事があるとは…。

   かなり大学教授の後ろ盾があったんで
   信用してもらえたというのもあるんでしょうね。 

ファ あとは、小学校に対して、
   文部科学省の支援をかなり受けていたので
   モデル校的な存在ではあったんですね。

   (出稼ぎ労働者)就業支援として考えると
   支持者も増えてくるので

山本 うーむ…なるほど。

   いろんな(地方自治体の)モデル事業として
   (公立の小中学校でも)
   面白い事(授業)やってる所多いですもんね。

   確かに在日外国人の問題はかなり多くて、
   かわいそうな問題も多い…。

   国際協力活動を外国でしたいんだったらね、
   国内でも人権とか、沢山問題はあるので、
   例えば、
   (外国から日本にやって来た)難民の方達の事とか…

   (国際協力やりたいなら、まず日本国内で)
   何かやってよ、と(私は)言いたいのですよ。

   いいですね、学生時代…。

   何かほかに、柔らかい(娯楽の要素が強い)
   テニスだとかゴルフだとかはしてないんですか?

ファ してないですね、あとは、アルバイトとかしてました。

山本 何をしていたんですか?

ファ 塾の講師をしていました、小中学生を対象とした。

山本 英語?

ファ 英語です。

・・・

大学時代後半の就職活動の前に、国際協力の本質を知りたい


山本 普通、大学の3年生から就職活動を始めますよね、
   その段階ではどういったイメージをお持ちだったんですか?
   どの辺に入りたいとか…

ファ 国際協力関係(への就職活動)を始めたのは、
   アフリカから帰ってきた時で…

山本 あ、そうだそうだ、アフリカのケニアのNGOに行っていましたよね、
   いつからいつまででしたっけ?

ファ 大学3年の4月から10月です。

山本 (普通なら)就職活動が大変な時に、行ったんですね。

ファ フフフ…

山本 何故そこに行こうと思ったんですか?

ファ 2つに分けてお話しすると、
   まず行こう思った理由は、
   高校1年生の時にタイに行った時から、
   漠然と途上国と触れ合れる仕事がしたいと
   思っていたわけですよ。

   大学に入って勉強もしたいと、
   サークルに入って(在日外国人の労働者の子どもに対する)
   ボランティア活動をしたりしていたんですね。

   休みの時には海外旅行をしていたんですね。

山本 具体的にどのあたりに行きましたか?

ファ 最初に行ったのがインドネシアで
   インドネシア語やっていたので試してみたいなというのもあって、
   インドネシア語を大学で教えてくださっていた
   先生のお友達の家に行って、
   日本でそういった子たちの授業をしている話をしたりして。

   インドネシアの小中学生の教育で
   第二外国語として日本語の勉強をしている人達すごく多いんですよ。

   (インドネシアに)スズキ、ヤマハ(の支社)が多いので、
   就職に有利だという事で。

山本 日系企業が多いという事ですね。

ファ そこで、1ヶ月間、日本語を教える授業をしていたんですね。

山本 日系企業が人件費安く上げるために、
   インドネシアに工場を持つ所が多い、
   そこを使ってるんですね。

補足:
以前、日本企業は、商品を製造する際の人件費を節減するため
中国に工場を作っていたが、
最近は中国の人件費も上がってきたため、
インドネシア、バングラデシュなどに工場を作る企業が多い。

ファ 日本語できると(就職できる)アドバンテージが高くなるので,
   教えに来てくれるんだったら
   子どもたちも喜ぶという事だったので、行ったんですね。

   ジャカルタじゃなくて田舎のマラという所に行ったんです。
   日本語教えられる人がなかなかいないという事で
   マラの学校色々回って、
   日本語だったり、小学生に折り紙を教えてあげたりしたのが
   一番最初ですね。

山本 それは、夏休みとか冬休みですか?

ファ そうですね。
   その後夏休みにカンボジアに泊まり込みで行って、
   ボランティアというよりも
   カンボジアに行ってみたかったというのがあって、
   カンボジアの人たちとふれあえる機会があればと思って、
   友達のつてを使って行きました。

山本 友達の『つて』というのは、
   カンボジアにNGOか何かをしている友達がいた
   という事ですか?

ファ カンボジアでNGOを立ち上げている日本人がいて、
   その方を友達が知っていたので紹介してもらいました。

山本 非常に個人的なつてですね、スタディーツアーとかではなく?

ファ スタディーツアーではなく、
   その後、ミャンマーにも行きましたね。

   それは内閣府の「国際お友達プログラム」ですね。

山本 日本政府が主催している「青年の船」とかですか?

ファ いいえ。
   船ではなくて、航空機バージョンですね。

   青年の船は(各地を)回るじゃないですか…転々と。
   それを回らずに、一か国だけで滞在していました。

   それで、ミャンマーに行きましたね。

山本 船ではなくて航空機で行ったんですね?

ファ そうですね。
   そうした中で滞在時間が短いなと思うところがあって、
   もっとちゃんとその国の生活をちゃんとみたいなというのがあって。

   人が何を考えて生きているのかというのを知るには、
   半年とは言わないまでも
   1か月以上滞在してみないとわからない事があるというのは、
   行くたびに思っていましたね。
   それがひとつ。

   あと、就職活動は当時は、
   JICAだったり、
   大きい事務所に行きたいと思っていたんですね。

   果たしてそれでいいのかっていうのが常に一方で思っていて、
   それを就職活動をする前に見たいなという
   その2つの理由で、
   (アフリカのケニアのNGOに大学3年生の4月から10月まで)
   行こうと思いました。

山本 JICAや大きなNGOに就職したいけれど…
   そこでやりたそうなこともあると思っていたのに、
   ケニアに行く前にどういう事を思って行ったのか?

ファ 日本にいて、そういう事やってる方いますよね、
   そういう方と話す機会があって…

山本 『国際協力っぽい事』やってる方ですよね。

ファ そういう方とお話しするたびに、
   どこかで私は自己満足なんじゃないかって感じてしまう事が
   誰と話していても凄くあって…

   いったい誰を救うんだろうとか、
   本当に救われているのは当人たちじゃないのか…とか、

   こんな仕事無くなればいいのにと思う所があるんですね。
   そこに凄く誇りを持ってやっているのが矛盾を感じてしまって…

   そういう仕事がしたいけれど
   そういう人になりたいかって聞かれると、
   いえ、なりたくないですって…。

   やりたいんだけど、どうしたらいいのかって…。

   凄く葛藤としてあって、決められない…。

   判断材料凄くあって、
   自分が一回行ってやってみればいいんじゃないかなって
   思ったんですよ。

   まだ、学生の身分なので
   やって帰って来てもまたリセットされる、
   リスクが凄く小さいんですよね。

   それで、良いかなと思って。
   その為に一生を奉げるというのではないので…

山本 いいですね、
   今のところ、今日の話の中で、一番おいしいところですね。

ファ そうですか…

山本 そういう事言って欲しいなと思っていたら、
   本当に言ってくれたんで嬉しいですね。

   私も全く賛成でですね、
   私はよく
   『本当に意味ある国際協力は自己満足ではいけない』
   と言っているんです。

   まったく共感いたしましたね。

・・・

大学3年、ケニアのNGOでやっていたことは?


山本 では、ケニアのNGO団体、C団体にしましょうか。
   そこに(大学3年生の)春の4月位から半年行かれて
   何をしていたんですか?

ファ 業務的にはその団体がしている取り組みが2つあって、
   外務省(からの)協力(要請)を受けてやっていた、
   『HIVから地域住民の子どもとお母さんを守るワークショップ』と、
   テーマ変わらずにJICAから統括を受けていたというのもあったんです。

   担当(の地区)が2つあって、
   ナイロビから東に250km程離れた農村部の住民へのワークショップですね。
   私たちが直接現地の人達に教えるのではなく、
   現地の人達に教えるのはあくまでも現地の専門家、
   あと、私たちがするのは調整、
   ワークショップの内容を担当してやっていました。

山本 なるほど、それじゃあ政府系っぽい仕事ですよね。
   コーディネート業務として、裏方としての調整とか、
   資金調達とかですよね。

ファ はい。

山本 それは、国際協力のかたちとしては(普通に)ありますよね。
   実際(調整の)どの部分をやっていたんですか?

ファ 全部やっていました。
   あと、第三者としての価値観の提供ですよね。
   彼らもやっぱり当時者に物凄く近いので、
   ワークショップに対して常に投げかけて、
   練り上げて次に生かすというのを常にやっていましたね。

   週末は事務所のあるナイロビに行って、
   日本人と情報伝達、ウィークディは基本的に現場に出て、
   という生活を繰り返していました。

山本 ファンド(資金源は)2種類と言っていましたけど、
   現地の大使館等からもらう「草の根無償資金協力」というやつと
   もう一つは何ですか?

ファ JICAの草の根ですね。

山本 NGOの雇用形態は色々あると思うんですけど、
   1)旅費も生活費も自腹の場合と、
   2)旅費や最低限の生活費は出るけれども一部自腹の場合と、
   3)旅費も生活費も現地でのおこずかい、数万円ですが、
     も出してくれる場合とありますが、
   どれでしょうか?

ファ 航空券は自腹で、家賃は向こう持ち、生活費も。
   あと、食べる分には困らない程度のお給料も貰ってました。

山本 それはさっき言った、調達した2つのファンドの資金の中から?

ファ そうです。
   インターンの報酬経費として(外務省等へ)計上されています。

山本 あなたが在学中だから、
   高卒の給料形態として計上されていて…。
   そうですか、わかりました。
   そこに日本人は何人いたんですか?

ファ 正規といいますか、専属のスタッフで3人、
   インターンが一番多い時で4人、
   で、最後私が帰る時は私一人でしたね。

山本 インターンは皆、大学生?

ファ 大学生もいましたし、
   社会人で辞めてきた人もいましたね。

山本 分りました。
   話は戻りますけど、
   C団体はうちのボランティアスタッフの中にも
   行きたいと言っている人がいて、
   『どうしたものか』と聞かれたんですけども…。

   インターネットの検索で引っかかりやすいと思うんですけども。

ファ そうですね…

山本 何で検索すると出てくるんですか?

ファ 私は検索ではないんですよ。
   私が応募したのが大学2年生の時ですよね。

   大学2年生の時点で長期で(途上国に)派遣してくれて
   (途上国で)現地の業務もさせてくれるインターンなんて
   ほぼ無いんですよ…

山本 日本側でなく、現地側でやらせてくれる所という事?

ファ そうです。
   日本での事務所で、
   ボランティアで事務作業させてくれるところは
   山ほどあるんですけども、
   ちゃんと現地のインターンもさせてくれる所って
   相当少ないんですよ。

   一方で、アフリカに行ってみたいというのもあるんですよ。
   それは、ケニアにも思い入れがあるというんではなくて、
   単に行った事が無いからというだけです。

   そういう条件で探すと、そこしかなかったんですよ。
   他に選択肢がなったというのもあるんですけど。

山本 それを知るために何らかの情報があるんですよね。

ファ NGOの求人に一欄があるんですよ。

山本 えっとですね、
   NGOの総元締めと言われていた
   JANIC、国際協力NGOセンターの求人一覧
   というところが一番有名なんですが、

http://www.janic.org

   もうひとつがJICA(独立行政法人 国際協力機構のやっている
   PARTNER(国際協力キャリア総合情報サイト)というところなんですよ。

   それは、NGOだけじゃなくて政府系、国連系もあるんですけど。

http://www.jica.go.jp

http://partner.jica.go.jp

ファ はいはい。

山本 その二つが有名なんですが、そのどちらを見たんですか?

ファ JANICかICNETかな?

http://www2.icnet.co.jp

   JICAの国際協力フェアとかありますよね?

http://www.international-careerfair2010.com

http://www.ritsumei.jp/career/iccf2010.html

   それに行ったりとか、
   グローヴァルフェスタに行ったりとか…。

http://www.gfjapan.com

   その程度ですね。
   普通に入ってくる情報でみつけました。

山本 そこでみつけて、
   珍しく(大学生でも)海外在住ができると、
   海外側で仕事ができるという目的に合う所が
   そこだけだった…

ファ (NGO側がインターンを雇う条件として)
   実務経験などないと
   現場では行かせてもらえないなどもある中で、
   C団体の方針として、
   フィールドで活動したい人の為にインターンを続けている所があって…。

   それは、行ってから分った事なんですけど。

山本 C団体として、実名は伏せているので、あえて聞きますが、
   半年間活動してみて、
   行く前に思っていた、
   「(国際協力は)単に(本人の)自己満足じゃないの?」
   という、あなたの考えですけども、
   (活動している人を見て)どう思いましたか?

ファ 難しいですね…。
   ただ、C団体の中にいた間は、それほど感じなかったですね。
   代表の姿勢が、
   現場に対する代表の姿勢が物凄く真摯だなというか、
   今何が必要なのかということを常に立ちかえるという
   彼のスタンスですね。

   それに従って動ける人しか残らないんですね、NGOなので。
   確かにスタンスのなかで言うと、
   自己満足だとか、一体誰のためにだとかという事は
   あまり感じなかったですね。

・・・


その2に続く。(全2回です。)

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65569593.html