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このインタビューは、
以前ブログに掲載した以下の記事の続編です。

経済学部後、青年海外協力隊でデータ品質管理、そして国際保健へ_1 4584字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65473974.html

(このブログから始まる連続10回の48,200字の記事。)

協力隊後、長崎大学の大学院で
修士を取得しようとしている方に
詳細なインタビューをした内容です。

(生い立ちから、協力隊、大学院、将来のこと、全部です。)

ブログ上で10回に亘った長大な内容でしたが、
国際協力を、有給のプロとして、保健医療分野で関わりたい方は、
是非、ご一読下さい。

公衆衛生学修士(MPH)は
保健医療分野で
国際機関(国連等)や政府機関(JICA等)に就職する場合、
必要となる資格の一つです。

今回は、
それを取得しようとする、
同大学院の3人の方に、
まとめてインタビューをしました。

(今回は、協力隊経験者だけではありません。)

今回は、前回のインタビューで抜け落ちていた
修士課程2年めに、
途上国で具体的にどんなフィールドワークなどをするのか、
という点を中心に、3人にインタビューしています。


前回(2010年に)インタビューしたのは、

ひげ 31歳、男性、経済学部卒、協力隊後、長崎大学院生
   1年生だったので、まだ基礎的勉強をしていた。


今回(2011年に)インタビューするのは、

カツオ 24歳、男性、理学療法士、長崎大学院生
    2年目に、ケニアで障害児のデータ収集

かなーる 31歳、女性、保健師、協力隊後、長崎大学院生
     2年目に、ケニアで母乳とエイズの関係を研究

るーし 27歳、女性、薬学部卒、長崎大学院生
     2年目に、チェルノブイリ原発事故の精神的影響

(上記の経歴を見ると、医療関係の学歴を持つ人が多いように
 誤解すると思いますが、 
 現在、同大学院の院生の半分は、
 医療系ではない、文系(経済学部など)の学歴を持つ人です。
 国際保健・医療は、国連・政府レベルで行う場合、
 途上国への政策提言とその管理・運営(マネジメント)が
 主な仕事となるため、
 自分で直接医療行為をすることはなく、
 政府や自治体との交渉が主な仕事になるからです。)


では、スタートです。

・・・
・・・

各自の自己紹介


山本 私は、山本敏晴です。
   45歳で、NPO法人・宇宙船地球号・事務局長です。

   NPO法人・宇宙船地球号の仕事とは、
   1)国際協力師の養成という事業と、
   2)企業の社会的責任(CSR)の推進、
   3)大切なもののお絵かきイベント、
   の3つです。

   今日は、国際協力師の養成関係として
   皆さんにインタビューをさせて頂きます。

参考:
『国際協力師』とは
2004年からNPO法人・宇宙船地球号が提唱している概念で、
「持続的に有給のプロとして国際協力を行う職業人の総称」。
具体的には、国際公務員、JICA等政府機関職員、開発コンサル職員など。
2006年から文部科学省と連携して普及する事業を開始。
NHK、毎日新聞等でも報道。
これに対し外務省とJICAは、
2008年6月から「国際協力士」の国家資格化を検討。
2010年9月に「実現可能性調査」を公示。

カツオ 大学は理学療法士の学校へ行っていて、
    卒業と同時に長崎大学大学院国際健康開発研究科に入って
    この2年間で公衆衛生の事を学んで、
    (修士課程の)2年時はケニアで障害児の事を研究していました。

かなーる 保健師です。
     6年位日本で勤務して、
     協力隊に行ったので退職し、
     日本に戻って、また勤めて、
     また海外に行きたいなと思ってここにいます。

るーし 大学で薬学を専攻していて、
     カツオサさんと同じで、
     卒後すぐに(就職などせずに)
     長崎大学大学院・国際健康開発研究科に入りました。

山本 去年(2010年)の春に、
   長崎大学大学院・国際健康開発研究科の1年生の
   『ひげ』さんにインタビューしました。

参考:
長崎大学大学院・国際健康開発研究科
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/mph/

   48,200字にわたる膨大な数のインタビューをしまして、
   これを読めば
   国際保健の世界にどの様に入っていくかが分る位の
   徹底的な情報を網羅したつもりですけども、

   ひげさんが1年生だったということもあって
   2年目にこの大学院でどんな事をやるのか
   という事が抜けていたので
   それを補う意味でこのインタビューを行っています。

   簡単に言うとですね、
   国際医療、国際保健を行うには
   民間のNGO(非政府組織)等で
   ボランティアとしてやるのならともかく、
   政府系のJICAや、国連等で行う場合は、最終的に

   MPH(Master of Public Health)公衆衛生学修士
   を取る必要が最終的にあります。
   就職条件に入ってくるからです。

   なお、MPHは、基本的に、
   海外で所得した方が良いです。
   何故かというと、
   (欧米の大学院を卒業すれば、その事実だけで)
   英語が喋れることの証明になるからです。

   (その他、
    日本で公衆衛生学修士をとっても、
    国際保健に有給のプロとしてかかわっていくためには、
    JICA職員や、国立国際医療研究センター、
    あとは、一部の国立大学の開発系研究室などに
    就職する必要があるが、
    いずれも、(就職できる)席が限られており、
    年にもよるが、倍率は20倍以上。
    このため、将来の就職をみすえて、
    大学院時代の講師が、
    国連のアドバイザーや、
    自身でNGOを運営していることの多い、
    欧米のMPHコースに行った方がよい。
    要するに、
    大学院時代に、どれだけ人脈(コネ)を
    (自分の入りたい組織内に)作れるかが
    将来の、国際協力の世界への就職を可能にする、ということ。
    このためもあり、
    欧米の大学院に行った方が、基本的には良いのである。)

   またそもそも、日本には
   「国際協力をやるための公衆衛生学修士」をとれる大学院は
   実はひとつもなかったんです。

   最近、2、3年前に、
   長崎大学の大学院で、
   国際健康開発研究科(KKKK)というのができて、
   日本でほぼ初めて
   「国際協力をやるための公衆衛生学修士」がとれるように
   なったので、その取材を私がしている、ということです。

   (注:実際は、東大、名古屋大学などにも、以前から、
    国際保健系の公衆衛生学修士をとれる制度はありました。
    が、講師の質、などが、欧米に比べて大きく劣るとの指摘があり、
    最近作られた長崎大学のものが、
    その質の改善に成功しているかどうかが、注目される。)

   日本で、「国際協力のための公衆衛生学修士」が取れる、
   大学院がようやく出来た(?)ので、
   国際協力師を養成する事業をやっている私としては
   この大学を紹介しないといけないと思った、
   ということです。

   今回お話を伺っている3人の方は、現在、
   長崎大学大学院・国際健康開発研究科(KKKK)の2年生です。

   (このKKKKの公衆衛生学の修士過程で勉強する内容の)
   1年目のことは、既に(以前の)ブログに書いてありますので…

経済学部後、青年海外協力隊でデータ品質管理、そして国際保健へ_1 4584字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65473974.html

   基本的に、1年目の(講義は)座講です。
   2年目に、自分でNGO等にアポイント(約束)を取って、
   そこで、NGOの仕事をしたり、
   自分のやりたい研究のデータ収集をして、
   論文を書き、
   『修士論文』か、『研究報告』かを選択して提出する、
   という事がここのシステムです。

   3名いらっしゃって、
   ケニアやベラルーシ等に行かれたという事だったので、
   2年目にどんな事をされたのかという事を
   お聞きしたいなというふうに思っています。

   また、1年目の事については
   約5万字のブログに掲載されていますので、
   読む根性があれば読んでください。

・・・

カツオさん、24歳、理学療法士、ケニアで障害児のデータ収集


山本 カツオさんは、今KKKKの2年生ですか?
   年齢は?

カツオ KKKKの2年生です。
    年齢は24歳で、今年25歳になります。
    ストレートで(これまで)来ていて、
    大学卒業後すぐにKKKKに入りました。

山本 理学療法士?

カツオ はい。
   理学療法士の資格を取って
   在学中に少しだけアルバイトとして勤めたので、
   理学療法士としての臨床経験は
   殆ど無いのと一緒ですね。

山本 就職はほとんどしていないという事ですね。

カツオ はい。

山本 それはいいですね。

   それだとKKKK卒後、MPH取得して、
   JICA正職員の『新規採用』の応募資格がありますよ。

   『新卒』じゃないとJICA職員の新規採用に応募できませんから。

参考:
国際協力機構(JICA)人材募集
http://www.jica.go.jp/recruit/

   (即戦力となる、専門性の高い人を雇う)
   『中途採用』なら応募できますけど。

カツオ ただ、僕らがインターンシップに行っている、
    8カ月の期間に(JICAの)応募時期締め切りなので…
    出来ないんです。

山本 出来ないんですね…わかりました。
   まぁいいや…

   1年目の12月位までに
   (2年目の途上国でのフィールドワークで研究する)
   テーマを決めるじゃないですか?
   それ、何にしたんですか?

カツオ 僕、理学療法士なんですけど
    疫学(Epidemiology)に興味があって、
   障害に凄く興味があったので
   障害の事、凄く調べたいと思っていて、
   ちょうど教授の先生が障害児の事調べておられたので…

山本 身体的障害と知的障害と精神的障害とありますが、
   どれですか?

カツオ 全部です。
    途上国は殆どすべてのデータがそろってなくて、
    長崎大学は
    HDSSっていって
    たぶん『ひげ』さんからも聞いていると思うんですけど、
    人口動態をずっと見てて
    その中でどういう障害を持った子どもたちが
    どの位いるか、
    まず調べたいと思って研究しました。

山本 HDSSというのは、初耳です。

   DHS(Democratic and Health Surveys)なら知っていますが。
   各国の途上国の田舎から中央省庁へ上がってくる
   (村から郡、郡から州、州から中央政府、そしてWHO等へ)
   統計データを管理するシステムのことですが。

   HDSSとは、それのことですか?

カツオ HDSS(Health Demographic surveilance system)といって
    『ある地域に特別に作られているもの』を言っています。

    HDSSシステムは、毎月各家々に尋ねていって訪問して、
    そこで、死亡、出生、移動、健康に関する情報を
    毎月集めているっていうのをしています。

    それを長崎大学がやっていてその地域で障害児の事を調べています。

補足:
HDSS(Health Demographic surveilance system)
主に人口動態の情報を収集し、
それに加えて健康指標も収集しているシステムのこと。
カツオさんの担当地域では、
障害児に関するデータも一度だけ収集した。

山本 特定の地域で?

カツオ はい、特定の地域でしています。
    それを今、長崎大学でやっていて
    その地域で
    障害児の事を調べるという事をしています。

    母集団が分っているので
    どれだけ子どもがいて…
    というのが分っていて、
    プリバレンス(prevalence、有病率)を調べたりする時…

山本 要するに、
   『ケニアの障害児の特定の地域のデータ収集』
   をやったんですね?

カツオ やりました。
    (2年目の)後半の4ヶ月間使って…

    はじめにWHOが発行している
    スクリーニングテストをして、
    ポジティブとネガティブとに分けて、
    その後インタビューだけなんですよ。
    スクリーニングテストって…

    なのでほんとに障害持ってるかわからないわけですよ。

    だから、身体検査も行って、
    それでほんとに障害持っている子とそうでない子とに分けて…

    持っていた子に対しては追加の質問をかけて、
    という事を4カ月やっていましたね。

山本 ええと、(これを読んでいる人がわからないので)
   この大学院の流れを整理すると、

   大学院1年生の4月から、座学的な事を学んで、

参考:1年目、前期の授業カリキュラム
基礎人間生物学
人間の安全保障
熱帯医学
環境保健学
健康リスク学
統計学
疫学
母子保健学
保健医療倫理学
人口動態・集団保健学
健康増進・教育学

   8月の夏休みに、バングラディッシュで、
   マイクロファイナンスなど中心に多彩な活動をしている、
   (世界最大のNGOとも言われれる)
   『BRAC』で、フィールドワークをして、

参考:
BRAC
http://www.worldlingo.com/ma/enwiki/ja/BRAC_(NGO)

   1年目の秋からまた座学を聞いて、12月に終わりますと。

参考:1年目、後期の授業カリキュラム
国際援助概論
国際保健医療政策論
国際保健医療事業マネージメント
文化・人類医療学
国際開発の経済学汽潺ロ経済
国際開発の経済学競泪ロ経済
緊急医療援助論
社会調査法
サーベーランス・システム論

   そこまでに(二年目に研究する)テーマを決めて、
   基本的には(以後の)1年間をかけて
   修士論文を書きます、ということ。

   昨年(2010年)に、ひげさんが言っていたんですけど、
   (大学院の2年目は)1年を4カ月ずつに分けて、
   最初の4カ月はNGOの仕事(NGOから言われた仕事)をして、
   次の4カ月はデータ収集をして、
   最後の4カ月に論文を書くって、彼は言っていました。

   あなたの場合はどうですか?

カツオ 僕の場合は、規定では、
    5カ月インターンシップをしないといけないんですけど、
    僕はJICAのNGO(JICAから資金援助を受けているNGO)
    に入っているんですけど、

    かなーるさんと一緒で、
    4月から8月中旬までの4ヶ月間は
    そこで活動させてもらってました。

山本 では、(2年目も)3月まで座講があったんですか?

カツオ はい、ありました。

山本 4,5,6,7,8月の5か月間JICAの…ケニアの障害児のところ?

カツオ JICAの『保健システム強化』

山本 HSS(health system strengthening)ですね?
   WHOが総力を挙げてやろうとしているやつですね。

参考:HSS(保健システム強化)
Service delivery,
Health workforce,
Information,
Medical products/technologies,
Health financing,
Leadership/governance
http://www.who.int/healthsystems/en/

カツオ JICAがやっているのをしていました。
    次にその近くに移動して研究していました。

補足:(本人より)
8か月のうち、
五か月間のインターンシップが規則であったので、
4か月をJICAのプロジェクト、
1カ月を草の根プロジェクトでインターンさせて頂きました。

山本 なるほど…、今(2011年)1月だから大体書き終わった?

カツオ いや、まだ、書き終わっていないです。
    大体まとまってきていますが…

山本 なんか、論文書く時に2種類の書き方があって、
   研究内容によって
   「修士論文」と「課題研究報告書」とに分けられる、
   という事ですが、どちらにしたんですか?

カツオ たぶん、僕らが選ぶんでないと思うんですよね…
    審査する側が、
    これは修士論文、これは課題研究報告書、
    というふうに分けるんです。

    皆、修士論文として出したんですが、
    書いて提出すると向こうで勝手に分けられるんです。

山本 課題研究報告書の方が格が低いという訳ですね?

カツオ ただ、そうではないらしいです。
    僕らはそういう認識になってしまうじゃないですか?
    そうやって分けられると…

    だけど、先生たちいわく
    そうではないらしいです。

山本 どちらの論文にせよ、MPHは取れるという事ですね?

カツオ はい。
    それが(いずれの形にしても教授会の審査で)
    ちゃんと認められれば。
    何故分けるのかは分からないです。

山本 普通、イギリスとかだと、
   MPHのコースでも、
   終了証明書(diploma、ディプローマ)だけもらえて、
   修士をもらえない場合もあるんですけど、
   そのあたりがどうなっているのか、
   今度、講師側の人にインタビューしてみますね。

カツオ 是非、お願いします。

山本 3分で論文の概要しゃべれないですか?

カツオ 3分ですか?
    はい。どの辺をしゃべれば…
    結果ですか?

山本 はい、目的1分半、結果1分半くらいでしゃべってください。

カツオ 目的は、途上国の障害者分野における、
    障害率のプリバレンス(有病率)を明らかにする事、
    まずそのデータが殆ど無いので
    他国と比較してどのような結果になっているのか、
    それをまずきちっと出して、
    それから障害者の家族と障害児がどのような状態に置かれているのかとか、
    他の子どもと比べて…
    一般的に障害者の子どもは他の子と比べて厳しい状況にあるとか、
    家族は貧困であるとか色々言われていますが、
    推測の域をまだ出ていなくて、
    それが本当にそうなのか、
    もし障害を発見した時どうなのかというのを明らかにしていく事
    を目的としています。    今回、まぁ、いろいろ出そうな感じです。

山本 それはまだ、発表はしていない?

カツオ まだ、分析が終わっていないので、はっきりは言えないですね。

山本 統計処理をして『有意差』があるないで(結果を)出すんだね。

カツオ 統計と疫学を専門にしていきたいと思っているので。

山本 元々、理学療法士さんだけれども、
   疫学(Epidemiology)の方に興味が湧いて、という訳ですね。
   わかりました。

・・・

かなーる、31歳、保健師、協力隊後、ケニアでエイズの研究


山本 次は…かなーるさん。年齢は?

かなーる 31です。

山本 保健師さんのようですが、
   看護師の免許は持っていますか?

かなーる はい。

山本 どこかで働いていましたか?

かなーる I病院に勤めていました。

山本 看護師になったのは23,4歳位の時ですか?

かなーる 22歳ですね。

山本 I病院等で何年間程働きましたか?

かなーる 約5年ですね。

     最初勤めた病院は看護師として入って、
     保健師の試験に受かって証明書をもらったので、
     そこから保健師としてお給料を上げてもらって働いていました。

     主に健康診断や人間ドックとかをしていて、
     後は生活習慣病の予防教育とか、
     企業の健康診断とか、
     新入社員向けの安全管理とかをしてました。

山本 生活習慣病の予防教育というのは、
   誰に対して行っていたんですか?

かなーる 会社の従業員に対してとか・・。
     会社の病院だったんですよ、
     一般の方の人間ドッグを利用される方とかもやってましたが。

山本 わかりました。
   私こないだ、大企業のT社でそういう仕事しました。

かなーる そうなんですか。

山本 2つの病院で勤務されたんですね、27歳位までですか? 

かなーる いいえ、1つの病院で26歳ぐらいまでかな。

     その後いったん企業の病院に勤めて、
     協力隊(青年海外協力隊)に受かって、
     (それに)行くために辞めて…

     (南太平洋にある島国、フィジーでの)
     公衆衛生隊員だったんですよ。

     地元のヘルスセンターで、
     地元の看護師さんとか保健師さんとかと仕事をして、

     そこでも生活習慣病の事をやりたかったので、
     そこでは、
     家庭訪問とか、企業の健康診断とかは
     機材を持っていかないといけないんですよ…。

     向こうの人はコンピューターとか知らないので、
     データの見方とか教えたりとか、
     そういう活動をしたりとか、

     また、日本に帰ってからすぐに就職したんですけど、
     保健所に勤めて…

山本 地方自治体(の保健所)に?

かなーる はい。
     だけどそこは(進学目的で)辞めて、
     もう一回海外に行きたいなと思って、
     それだったらボランティアじゃなくて
     ちゃんとプロとしていきたいなと思って、

     今までの経験を生かせるような勉強をしてから
     将来そういう方向で本格的に関わりたいなと思って
     ここに来たんです。

山本 KKKKに入るために。

かなーる そうです。

山本 KKKKに入って1年目(の終わり)に
   テーマは何にしようと思ったの?

かなーる テーマは、(大学院に)入った時は
     生活習慣病でやろうと思ってたんです。
     もうずっとそればかりしてきましたから。

     (青年海外協力隊で派遣された)フィジーで
     妊婦健診や、子どもに関わることが結構多くて、
     子どもに関わることもやりたかったんですよ。

     先生と相談して、最終的には母乳育児と、
     HIVの関係を調べることになったんですけど、
     完全母乳栄養をやってる期間が途上国は短いので…

     あと、HIVの感染率が高いので、
     どういった要因が彼らの授乳行動に影響しているかを
     研究しています。

山本 なるほど、わかりました。
   テーマはケニアのJICAで・・

かなーる はい、そうです、JICAです。

山本 何関係のプロジェクトですか?
   AIDSですか?

かなーる はい、そうです。
     AIDSに興味があったのは、
     保健システムをやってらっしゃる先生が
     AIDSの研修もやってらっしゃる先生だったので、
     その経由で知ったんですよ。

     長崎(大学のKKKK)に(講師として)
     来てくれたこともあったので、

     アフリカに行くとなった時に、
     じゃあ、どこに行くかという事で、

     その先生だったらコネもあるし、
     研究とかの役にも立つんじゃないかという事で。

     保健システムは私の研究とは直接関わりはないんですが、
     全体を学べるにはいいかなと思って…

     そこでインターンシップをさせてもらって…

・・・

大学院2年目のフィールドわーkの渡航費、滞在費などは?


山本 で、お二方、カツオさんと、かなーるさんですけども、
   (NGOやJICAなどのプロジェクトに参加するために)
   現地に行く場合に、
   渡航費、現地での生活費等々は
   自己負担になる事が多いんですけども、
   そういった事はどうでしたか?

カツオ 僕は、幸運なことに研究助成金がとれまして、
    一般の財団で、
    障害者を支援している財団なんですけども。
    G財団がお金をくれまして、渡航費等の補助を下さいました。

山本 自分で申請した?

カツオ 自分で申請です。

山本 学校からの紹介で無く?

カツオ はい。
    ただもちろん、
    先生には紹介文とか推薦文とか書いていただきました。

山本 渡航費と現地生活費でましたか?

カツオ 渡航費は出ました。
    現地生活費は、住居費は学校が出してくれました。
    今年度までかわかりませんが。

山本 住居費とは生活費は5万円ぐらいは出るんですか?
   それとも、家賃だけですか?
   渡航費は財団から出て、家賃は学校が出してくれて、食費等は…

カツオ 自分で払うのは、食費と、国内の移動のお金だけですね。

山本 5か月間の間(その分だけ)自腹切ったってことですね。

カツオ ほとんど国内移動しなかったので、
    殆ど食費のみです。安いですし。

山本 かなーるさんは?

かなーる 私は奨学金とかは申請していないですけど、
     渡航費も食費も移動も自腹です。
     家賃は学校が出してくれました。

     インターンシップなので、
     移動する時も、車を使わせてもらえる時は
     (交通費が)かからないですけど、
     それ以外で自分で行く時もありました。
     自腹で払ってました。

・・・

るーし、27歳、薬学部卒、チェルノブイリ原発事故の精神的影響


山本 最後は、元々初めに(今回のインタビューを)お願いした、
   るーしさんですね。年齢は?

るーし 27歳です。

山本 持っている資格は何ですか?

るーし 資格はないです…。
     でも、薬学部は出たんですけども
     国家試験は落ちたので、まだ持ってない状況です。
     今年受けて通ります。

山本 試験はいつですか?

るーし 3月です。

山本 薬学部の国家試験合格率ってどのくらい?

るーし 7.5倍位…

山本 じゃあ頑張ってください。
   薬学部(の年数は)昔は4年間でしたけど、今、6年制になったよね。

るーし 私たちまでは4年ですね。

山本 るーしさんは27歳ですか?

るーし はい、2浪して1年留年しています。

山本 25歳で卒業してその後すぐに(KKKKに)行ったんですか?

るーし はい、すぐに行きました。
     私は長崎大学の薬学部に通っていて、
     在学中(3年前)に大学院ができて、
     丁度いいタイミングで出来てくれたので
     そのまま上がってきました。

山本 じゃあ、講師とか、教授の先生なんかにも
   知り合いがいる感じですか?

るーし  直接はいらっしゃらないんですが、
      顔と名前が一致する方は2人いらっしゃったんですけど、
      具体的に何をされているかとか、
      個人的に面識があるとか言うのは無かったです。

山本 まぁいいや。
   (KKKに)入って、
   1年目の終りにテーマを決めますが、何にしましたか?

るーし 私はベラルーシに行ったんですけども、
     ベラルーシはチェルノブイリの原発事故の影響が
     一番大きいんです。

     (放射能)汚染地域が多いので、
     汚染地域に住む人たちの
     メンタルヘルス、精神衛生の部分を知りたいと思って、
     それをテーマにしました。

山本 (ここは)具体的にもうちょっと突っ込んだほうが面白そうですね。
   どんな影響があるんですか?
   原爆と精神衛生は…

るーし ベラルーシは原爆ではないんです。

山本 チェルノブイリの原発事故のあったところですよね…

るーし まだ、ちゃんと実証されているという訳ではないんですが、
     身体的な影響は、沢山あります。
     甲状腺癌が増えたとか…。

     精神的なものというのは、
     なかなか解析が難しいもの、明らかにするのが難しいんですけど…。

     チェルノブイリ事故後にソ連の方の崩壊もあるので、
     そういう(社会的な側面による)
     バイアス(影響・誤差・歪み)もかかって来ているので、
     ありはするんですけど、
     事故を経験したとか放射能汚染地域に住んでいるという事で
     不安レベルが上がってくるという、
     そういった研究は少しずつされてきてはいるんですね。

     で、私の場合は
     現地に住む直接事故は経験していない、
     いわゆる『被曝2世』にあたる子たちを対象に
     精神衛生の意識調査をしたんですね。

補足:(本人より)
被爆ではなく、被曝。
被爆だと、原爆などの被爆になってします。
チェルノブイリ原発事故の場合は、被曝。

山本 それは、難しいわ…。
   それはやる(それで修士論文になるようなデータを出す)
   のは大変だろうな、と個人的には思いますけど…。

   わかりました。
   そして、ベラルーシで
   (あなたが)入った施設はどんな所でしたか?

るーし 長崎大学自体が
     ベラルーシに事務所を持っているんですね。
     その事務所でインターンシップをする形で
     事務所に直接入りました。
     NGOとかではなくて。

山本 (長崎大学の)T先生?

るーし 私はY先生とT先生。

山本 (二人から)順番に指導されながらですか?

るーし そうですね。

山本 要するに、
   長崎大学が持っている現地の研究事務所みたいなところで
   インターンをしたんですね?

るーし はい、そうですね。私たちの代にはいないんですけど、
     去年(2010年)の先輩たちで
     ケニアの長崎大学の事務所に、
     インターンで行かれている方いました。

山本 ちょっと誤解していました。

   KKKKでは、
   2年目の途上国現地でのフィールドワークは、
   NGOとかでインターンされる方が多いのかと思っていました。

   10人〜11人いらっしゃる(院生の)中で
   政府系や大学の関係で(インターン)される方の割合は
   どのくらいなんでしょうか?

かなーる バラバラかな…

カツオ 僕らの学年は…
    国際機関のWHOが1人、
    他の国のGTZ(ドイツ技術協力公社)
    みたいなのあるじゃないですか、そこに1人、
    僕がJICAで4人…

山本 政府系多いね…

かなーる JICAが委託してやっているNGO,コンサルタント…

カツオ それをどっちに入れるかですね。
    HANDSとかだったら委託してやってるじゃないですか…

かなーる JICA/NGO/コンサルタント

山本 純粋なNGOは一人だけ?

るーし 学年によってバラバラです。

カツオ 次の学年は国際機関多かったんじゃ無かったかな?
    WHO 2人じゃなかったかな…
    先に行った人の後任みたいな感じで行く場合もあるし、

るーし 自由に選べるという意味では凄くいいと思う。

山本 なるほど。

カツオ GTZの人は自分で取ってきたんですけど、
    お金をもらってインターンシップをやっていたので、
    どのくらいもらっていたのかは知りませんが…

かなーる 自分で探せばそういうのも可能。

カツオ 採用されれば、能力の高い人なら…

るーし 去年(2010年)インタビューしたひげさんは、
     授業始まる前ですよね…
     まだ、全然わからない時期…

・・・


その2に続く
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65574194.html