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概要

水道水や食物に放射線が検出されていることを心配する人が多いだろうが心配するべきなのはたった一つ。幼少期の子供が将来大人になった時に、甲状腺癌になる確率が高くなること。それ以外の白血病などの癌のリスクは上昇しないことが、チェルノブイリ事故後の研究で示されている。無論、大人は全く安全

現在妊娠していない女性が、放射線の被曝をしてしまった場合、将来結婚をし子どもができた時、奇形児等が生まれるのではないかという噂があったが、広島・長崎・チェルノブイリにおける数十年の調査の結果、子どもに奇形児等が生まれる割合は、通常の場合と比べて、全く増えていないことが判明している

現在妊娠している女性が被曝をしてしまった場合。妊娠8〜15週の間に100mSv以上の被曝をすると、重度の精神発達遅滞(知恵遅れ)の子が生まれることが、広島・長崎の調査結果から判明。それより前の時期に50mSv以上の被曝した場合、胎児は死亡。それ以後の時期の場合ほぼ胎児に影響はない

乳児および10歳未満の子どもが被曝をした場合(被曝していない集団での発生率と比べて)将来、甲状腺癌になる可能性が高くなることがわかっている。一方、白血病その他の癌は全く増えない。また大人に関しては全く影響なし。これは広島・長崎・チェルノブイリのいずれのデータでも共通した結果である

放射線の被曝は2種。1)確定的影響とは、原爆の被爆者などが一度に強い放射線を浴びた場合、浴びた量に応じて、不妊・白血球減少・皮膚障害等を必ず全員起こすもの。2)確率的影響とは、徐々にでも放射線を浴びた場合100mSvを超えた頃から甲状腺癌等になる人の割合が集団の中で増えてゆくこと


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現在、妊娠していない女性が被曝した場合、将来、性交した後、奇形児等が生まれる可能性は?


被曝した女性が、その後の性交で妊娠した場合、生まれた子供に奇形などが増えるのではないかという懸念があったが、広島・長崎の原爆後の調査で、そうした事実は全くないことがわかっている。ただし妊娠8〜15週に100ミリシーベルト以上を被曝すると重度の精神発達遅滞が生じることがわかっている

先日長崎で被爆者の二世である女子大生と話をした。自分が被爆者であることがまわりに知られると、彼氏ができないのではないか、仮に(彼氏)本人は良いといっても、いざ結婚する段になって家族が反対するのではないか、と。しかし原爆の放射能の影響は(統計調査により)二世にはないことがわかり朗報


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現在、妊娠している女性が被曝した場合、胎児への影響は?


「妊婦が乳児の基準を超える放射線量を含む水を飲んだ場合は、おなかの子には影響 はでないのでしょうか。」 「3月23日に東京都水道局が発表した、放射性物質の濃度の水を、お母さんが飲んでも、お腹のお子さんへの健康影響はありません。安心して今まで通りにしてください」 日本医学放射線学会

日本産科婦人科学会は2011年3月「水道水を連日飲んでも胎児に健康被害は起こらず授乳を続けても乳児に健康被害は起こらない」とする見解。1L当たり200ベクレルの水道水を妊娠期間の280日、毎日1L飲むと5.6万ベクレルで被曝量は1.23mSv。胎児に悪影響が出る被曝量は50mSv

『水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内』。日本産婦人科学会。2011年3月24日。PDFファイル。 http://bit.ly/f38Qsa

放射線の胎児への影響。1)妊娠初期(2週まで)、胚の死、50ミリシーベルト(動物実験)。2)妊娠3〜7週、奇形、150ミリシーベルト(動物実験)。3)妊娠8〜15週、精神発達遅滞(知恵遅れ)、100ミリシーベルト(広島・長崎の人のデータ) http://bit.ly/e49WHf

妊娠中に被曝した場合の胎児への影響だが、医学生時代の知識では、1)妊娠初期(2週まで)は、感受性が高いが、胚(受精卵)が死んでしまうため、逆に障害(奇形)は生じない。妊娠3週あるいは8週から15週までが精神発達遅滞や奇形が発生(要確認)。以後は大人とほぼ同じ体になるので影響も同じ


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現在、母乳を与えている母親が被曝した場合、乳児への影響は?


「母乳を与えているお母さんが、乳児の基準を超える放射線量を含む水を飲んでも母乳は大丈夫ですか」「お母さんが飲む水に今回のような僅かな量の放射性物質が含まれていたとしても母乳には、それよりもさらに少しの量が含まれるだけです。乳児の基準値を超えることはありません」 日本医学放射線学会

「基準を超える水を料理に使用して料理を乳児に与えることは問題ないですか」「基準値は(離乳前の)赤ちゃん向けのミルクを調製すために用いる水を対象としたもの。非常に厳しい数値で水道水の値がこれを超えたからといって、お子さんの調理だけ別のお水にする必要はありません」 日本医学放射線学会

「東京では乳児のミルクに水道水を使わないことを推奨しています。しかし他の水を買えないからといって、不安に陥ることも、お母さんが自分を責める必要もありません。今は日本全体が大変なときです。落ち着いて、また明日からは福島で頑張っている方々を応援し支えていきましょう」 放射線防護専門医

東京都などの水道水から国の乳児の基準(1キロあたり100ベクレル)を上回る放射性ヨウ素が検出され母親に不安が広がっているため日本小児科学会は2011年3月24日付で水道水を飲んでも健康に影響を及ぼす可能性は極めて低いとする見解。脱水症状の方が危険が大きいとして、「水分補給を優先」

小児科学会。2011年3月24日。1)母乳の場合、母親は特に食事を制限せず母乳を続行。2)粉ミルク等でミネラルウオーターを使う場合は煮沸した後、適温にして使う。外国産などミネラルを多く含む硬水は乳児の負担になる可能性があり水道水の方が安全。3)代わりの水が確保できないなら水道水を

粉ミルクを溶かすのに水道水の代わりにミネラルウォーターを使う件。硬水(カルシウム・マグネシウム等が多い水)であるミネラルウオーターは本来ミルクには適さない。やむを得ず使うなら、なるべく成分の少ないものを。また政府によれば、母乳で乳児を育てている母親や妊婦は水道水を飲んでも問題ない

東京都は2011年3月23日、金町浄水場(葛飾区)の水道水から1リットルあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出。乳児の飲み水についての国の指標の2倍を超えるため23区と多摩地域を対象に乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけ。金町浄水場と同じ利根川水系から取水している千葉県も

浄水場で放射性ヨウ素が検出された東京23区等で乳児に水道水を与えるのを控える指示。1キロあたり210ベクレルだったが基準値は乳児が100、大人は300。ヨウ素は成長する甲状腺に集中するため将来、甲状腺癌の可能性。ヨウ素は半減期が8日。セシウムの半減期は30年だが対外排出まで80日


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現在、10歳未満の子どもが被曝した場合、将来への影響は?


「チェルノブイリの原発事故から25年経っている。その結果は、当時10歳未満だった小児が5〜15年経った時に甲状腺癌の発症率が増えた。しかしそれ以外の白血病などは増えず、大人の癌は全く増えなかった。ソ連では子供が大量に飲む牛乳等の検査をしなかったのが原因。日本はしている」 浦島充佳

浦島充佳(うらしま みつよし)公式サイト。東京慈恵会医科大学、臨床研究開発室、室長、准教授。 http://dr-urashima.jp/

チェルノブイリ原発事故後の健康問題。「1990年から激増している小児甲状腺がんのみが、唯一事故による放射線被ばくの影響」。幼少時期に体外からレントゲンなどの外部被曝をうけると成人となってからの甲状腺癌の発生頻度が増加することが知られている http://bit.ly/ibpJBQ

長瀧長崎大名誉教授(被曝医療)は「チェルノブイリ原発事故後でも小児甲状腺癌以外の健康障害は認められず、すぐに健康を害するとは考えにくい」。甲状腺癌が増えた理由は事故当時小児だった住民が放射性ヨウ素で汚染された牛乳などを飲んで内部被曝したため。成人では白血病等の発症率は増えていない

放射線を浴びることに伴う甲状腺がんや喉頭(こうとう)がんを予防するため、0歳から40歳未満の住民全員に、『ヨウ化カリウム』を精製水に溶かした水溶液を、スポイトで薬剤師らが飲ませた。800人以上が詰めかけた、原発近くの住民が避難している福島県川俣町の小学校などで実施。

原子力施設の事故後、甲状腺癌を防ぐためのヨウ素の予防投与量。1日1回服用し成人でヨウ化カリウム130mg(ヨウ素として100mg)、1歳以下の乳幼児でヨウ化カリウム65mg(ヨウ素として50mg)。服用期間としては、事故の影響度にもよるが、3〜7日程度。

ヨウ化カリウムの副作用。1)ヨウ素中毒(喘息などのアレルギー症状)、2)ヨウ素悪液質 (全身衰弱など)。3)過敏症(発疹など)、4)消化器症状(嘔吐など)。また投与してはいけない禁忌は、ヨード過敏症と結核。妊婦と授乳中の女性は医師に相談 http://bit.ly/gRQLf1

一食あたりのヨード含量(micro gram); 昆布(3×3cm) 1307.2 いわし(1切80g) 214.7 さば(1切80g) 198.2 のり(寿司用1枚) 182.9 かつお(1切80g) 158.4 ぶり(1切80g) 152.4 牛肝臓(80g) 126.3


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以上のケース、全てに共通する事項


「水の煮沸、ろか、長期間の保存で放射線量は減るのですか」「放射性物質から出る放射線の量は時間とともに少なくなります。水道水に含まれていたヨウ素は8日立てば放射線量は半分になります。気になる方は一晩汲み置いて使うだけで放射線量は減ります。浄水器の性能は不明です」 日本医学放射線学会


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その他

被災地で妊娠している方が、かかりつけの病院・医師を無くした場合、出産を受け入れてくれる病院のリスト。これを、大阪胎児心臓病研究会のホームページで公開。 http://www.ofca.jp/

震災後の避難所では乳児用の粉ミルクが不足している地域もある。しかし粉ミルクを使っていて問題になる可能性があるのが、避難所に安全な水が少なく、哺乳瓶を煮沸消毒する機器がない場合、哺乳瓶内の細菌数が、徐々に増えていく可能性。となると、洗い易いスプーン等で子どもの口に運んだ方が良いかも

阪神淡路大震災における子どもたちの「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」はよく知られており東日本大震災でも懸念。子どものPTSD対策としては、高田哲医師(神戸大学医学部保健学科)が編集した「乳幼児をもつ家族をささえるために」が参考になる。 http://bit.ly/6fDCjR


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東日本大震災と原発事故に関する、これまでのツイート

東日本大震災と原発事故に関するツイート_20110314正午まで 15615字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65613403.html

東日本大震災と原発事故に関するツイート_20110316正午まで 12732字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65614225.html

東日本大震災と原発事故に関するツイート_20110318正午まで 12451字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65614829.html

東日本大震災、医療援助をする際の注意点と普段からの準備・訓練 10554字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65616136.html


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ありません。