.

目次:

概略
感染源は?
新種か?
WHOの発表

日本への侵入の予防
欧州の野菜の輸出入の禁止
毒素

抗生物質に対する耐性
多剤耐性遺伝子の世界での拡散の歴史
多剤耐性遺伝子の日本での拡散の歴史
耐性菌に対して、新しい抗生物質が開発されない理由

犬・猫から感染する人畜共通感染症(人獣共通感染症)の耐性菌
O(オー)抗原を持つ、その他の大腸菌


・・・

概略

ドイツを中心に感染が広がっている病原性大腸菌O104についてWHOが2011年6月2日声明。.疋ぅ痛棉瑤ら発生。∪こΓ隠欧国1700人が感染。18人が溶血性尿毒症症候群による腎不全で死亡。ざ砲瓩討泙譴淵織ぅ廚梁臘俺檗新種の可能性も。ダ人女性の感染が多い。抗生物質に耐性


感染源は?

ドイツを中心に19人が死亡するなど欧州で感染が広がっている新種の腸管出血性大腸菌O(オー)104について、ドイツのメディアによると北部リューベックのレストランと同ハンブルクの祭りが感染元の可能性。2011年6月4日。レストランで5月12〜14日に食事をした17人が感染、1人が死亡

ヨーロッパで感染が広がっている病原性大腸菌「O−104」は「新種」の可能性。ドイツ・ハンブルク大学の医師団は2011年6月2日「今回見つかった菌は新種で、これまでにない病原体だ」。感染源はいまだ特定されず当初指摘されたスペイン産キュウリはドイツの保健当局が「感染源ではない」と発表


新種か?

欧州で発生した大腸菌感染は2011年6月2日までに欧州10カ国に。米疾病対策センター(CDC)は米国でも3人が感染。今回のО104:H4について北京ゲノム研究所は新種の強毒性大腸菌だとの見方。CDCは新種ではないが極めて稀な大腸菌。感染者は最近ドイツ北部を訪問したか、その人と接触


WHOの発表

ドイツの大腸菌О104。WHOは2011年6月2日、既にアウトブレイク(outbreak) という表現を使っている。アウトブレイクを呼ぶからには、WHOに加盟している、少なくとも2ヶ国以上で発生し、しかもそれが広がり続けていることを言う。新型インフルエンザだと、フェイス5にあたる

ドイツの大腸菌О104に対するWHO発表。2011年6月2日。_そ10か国で発生。ドイツでは、溶血性尿毒症症候群(HUS)で9例死亡、6例が腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症で死亡。欧州全域では、499例のHUSと1,115例のEHEC。2例以外は、最近ドイツ北部地方を訪問

ドイツにおける腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症のアウトブレイク。2011年6月2日、WHO発表、国立感染症情報センター訳 http://bit.ly/lHnk2H

ドイツ大腸菌О104。WHO,Global Alert and Response (GAR) :EHEC(enterohemorrhagic E. coli ) outbreak: Increase in cases in Germany http://bit.ly/jVqNHS


日本への侵入の予防

ドイツの大腸菌О104:H4について国立感染症研究所感染症情報センター岡部信彦。「‐しの菌でも感染。国内での感染例は聞いたことがない。N更埃圓鯆未呼本に入る可能性。ドイツなど海外から帰国し出血を伴う下痢などがあったら診察を。ぅ疋ぅ弔覆匹卜更圓垢訖佑鰐邵擇鮴犬膿べないこと」

2010年8月18日、厚生労働省より「ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌の感染をインド等の海外で確認。広範囲の抗菌薬に多剤耐性を示す。伝達性プラスミドにより媒介され、別の株の菌に伝播する現象がみられる。国内で発生したら国立感染症研究所へ紹介せよ」


欧州の野菜の輸出入の禁止

死のキュウリ。欧州で広がっている食中毒被害で感染源が当初、指摘されたスペイン産キュウリではないことが判明。ドイツのハンブルグ州の保健当局が「改めて検査を行った結果スペイン産キュウリは感染源でない」。ロシアは感染源が特定されるまでドイツとスペインからのキュウリやトマトなどの輸入禁止

ドイツで発生した腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染が広がり死者が18人。当初感染源とされたキュウリ等のスペイン産野菜を買い控える風評被害も。WHOは2011年6月2日「大腸菌はこれまでに見つかったことのない感染力と毒性の強い菌」。感染はデンマーク、フランスなど十カ国1600人

ドイツなど欧州一帯で死者が出ている腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染問題を巡りロシアがEU全域からの生野菜輸入を2011年6月2日に禁止したことに対し欧州委員会が抗議。対してプーチン首相は「世界貿易機関(WTO)の精神とやらのために、自国民を中毒にさせることはできない」と反論


毒素

ドイツの大腸菌О104。志賀毒素産生性大腸菌を数百例確認。志賀毒素(ベロ毒素)とは、腸管出血性大腸菌(EHEC, enterohaemorrhagic E. coli)が産生し菌体外に分泌する毒素(外毒素)。蛋白質合成を阻害し、出血性下痢、溶血性尿毒症症候群(HUS)の原因となる

ドイツの大腸菌О104:H4について米疾病対策センター(CDC)Robert Tauxe博士は、「この菌は、これまでに発見された病原性大腸菌の中で最も致死性が高い。また多くの抗生物質に耐性。どのようにして強い耐性を持ち得たのかはまだ分かっていない。抗生物質が効くという証拠はない」


抗生物質に対する耐性

ドイツで18人が死亡するなど被害が広がっている新種の腸管出血性大腸菌O(オー)104は、抗生物質が効きにくい多剤耐性の遺伝子を持っていることが判明。北京ゲノム研究所(BGI)が2011年6月2日、解析。ストレプトマイシン系やペニシリン系など多くの抗生物質に耐性。別の大腸菌にも移行

ドイツの大腸菌О104。細菌の体内には「プラスミド」と呼ばれる「円形の遺伝子」が浮遊しており、大腸菌やアシネトバクターなどの異なる種の間でも、その移行が可能。このため薬剤耐性遺伝子は拡散。2008年ドイツでアシネトバクターから多剤耐性遺伝子の報告があり2011年大腸菌で感染が拡大

プラスミド (plasmid) とは、細胞の核の中にある通常の遺伝子ではなく、核の外の、細胞質の中に浮いている円形の遺伝子。環状2本鎖構造をとり自律的に複製する。細菌や酵母にあり、抗生物質に対する耐性などをもたらす。大腸菌のプラスミドは遺伝子の研究や特定の遺伝子の増殖に用いられる

接合(conjugation)とは、1)真核生物の有性生殖において、細胞が融合し、核も融合し、遺伝子の交換・合体が行われるもの。卵子と精子の場合、受精という。2)細菌においては、細胞間の接触を生じて互いの遺伝子の一部をやり取りする現象。プラスミドが伝達され、多剤耐性菌の出現に関与

ドイツの耐性菌の遺伝子。GIM-1産生耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼ。GIM-1とは、German(ドイツの) imipenemase(イミペネム分解酵素)-1の略。2002年にドイツのDusseldorfの医療センターで緑膿菌から発見 http://bit.ly/kgkEhN


多剤耐性遺伝子の世界での拡散の歴史

多剤耐性遺伝子の本体は、MBL(Metallo-β-Lactamase)。主力の抗生物質は、ペニシリン系・セフェム系・カルバペネム系だが、いずれも細菌の細胞壁を作る酵素に結合することで細胞壁の合成を阻害するβラクタム環という分子構造を持つ。これを分解する酵素を作る遺伝子がMBLだ

国際的に注目されている主な薬剤耐性菌(厚生労働省、国立感染症研究所、2010年10月作成)。2008年ドイツで多剤耐性アシネトバクターが発見。米国なでも急増。ほぼ全ての抗菌薬に耐性。乾燥した環境でも長期間生存。日本でも2008年35例。 http://bit.ly/juQwMw

異なる種の細菌間を移動できる「プラスミド」にある多剤耐性遺伝子は抗生物質を分解してしまう酵素を産む。MBL(Metallo-β-Lactamase)が、その酵素の総称で、その中に、1)帝京大学のアシネトバクターのIMP-1遺伝子や、2)獨協大学の大腸菌のNDM-1遺伝子が含まれる

ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌について。横浜市衛生研究所。英国、ベルギー、フランス、オランダ、スウェーデン、米国、香港などにおいて、主に、インド、パキスタンで医療行為を受けて帰国した者に感染が確認 http://bit.ly/kgkEhN

NDM-1 (ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1)は大腸菌や肺炎桿菌などの腸内細菌科の菌で確認。(抗生物質を分解する酵素である)MBL(Metallo-β-Lactamase)にはIMP-1 やVIM-2 などのタイプがあり、そららは緑膿菌やアシネトバクターなどで産生される

強い薬剤耐性示す細菌の遺伝子が南アジアから世界に拡散。インドなどで美容整形術等を受けた人が強力な薬剤耐性を示す細菌に感染。肺炎桿菌(クレブシエラ菌)と大腸菌の中に異なる種の細菌を行き来できる遺伝子、NDM-1(New Delhi metallo-beta-lactamase-1)

NDM-1産生株。.ぅ鵐鼻▲僖スタン以外に(そこに旅行・接触した)欧州、米国、中国等で発生。肺炎桿菌、大腸菌が主だが、緑膿菌、アシネトバクター、そして懸念されていたサルモネラでも確認。この薬剤耐性遺伝子を担うプラスミドは宿主域が広い http://bit.ly/juQwMw

NDM-1遺伝子の保有に関し、疑わしい患者を調べた所、インド南部で44人、北部で26人が見つかった。さらにバングラデシュとパキスタンに加え、英国でも37人が感染。英国人は美容整形手術をインド・パキスタンで受けた時に感染。「航空機による移動が増えた今、遺伝子は簡単に国境を越える。」

NDM-1遺伝子を持つ新型耐性菌に感染したベルギー人が死亡。パキスタンを旅行中、自動車事故に遭い、同国の病院からブリュッセルに移送されたが既に感染。オランダ、スウェーデン、米国、オーストラリアなどでも感染を確認。欧米から(蔓延している)南アジアに美容整形を受けに行く人が多いため。

(異なる種の細菌間を行き来でき、多剤耐性を起こしてしまう)"NDM-1遺伝子"によって、(最新型の)カルバペネム系抗生物質にさえ耐性を獲得した「グラム陰性の腸内細菌群」は、「大きな世界的な健康上の脅威」"major global health problem"になる可能性がある。

異なる種の細菌を行き来でき、多剤耐性を起こす遺伝子"NDM-1"は、2010年8月11日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。英カーディフ大学(Cardiff University)とインド・マドラス大学(Madras University)による研究

英カーディフ大学(Cardiff University)のティモシー・ウォルシュ(Timothy Walsh)氏は2009年"NDM-1"を発見。NDM-1をもつ細菌は多剤耐性菌に対する治療の現場で「最後の手段」とされている「カルバペネム系抗生物質」にさえ耐性を示すため懸念される

NDM-1"Emergence of a new antibiotic resistance mechanism in India, Pakistan, and the UK" lancet 11/08/2010 DOI:10.1016/S1473-3099(10)70143-2

スーパー耐性菌(スーパー細菌)、すなわち"NDM-1 型メタロ-β-ラクタマーゼ"により付与される「カルバペネム耐性」を獲得したグラム陰性桿菌の出現は将来的に地球規模的な脅威になると考えられる。 薬剤耐性に関連する遺伝子領域は他の菌株に容易に接合伝達し多剤耐性を付与する能力を有す

スーパー耐性菌(スーパー細菌)と呼ばれる細菌を産み出す遺伝子"NDM-1"は2007年スウェーデンに長年在住していた59 歳のインド人男性が帰国した時、臀部の膿瘍から発見。「NDM-1 型メタロ-β-ラクタマーゼを産生し多剤耐性を獲得した大腸菌や肺炎桿菌等に関する報告文献の概要」

CRKpがアメリカのロサンゼルスなどで流行。2011年3月、公衆衛生上の危機。CRKpとは、多剤耐性菌の一つ。カルバペネム系耐性肺炎桿菌(carbapenem-resistant Klebsiella pneumoniae)のこと。チエナムなど、最強の抗生物質ですら効果が無い。

多剤耐性遺伝子を持つ細菌は、それを持たない細菌よりも増殖が遅い。抗生物質を分解する酵素(蛋白質の一種)を作るために余計なエネルギーがそこに使われるから。つまり抗生物質が投与されていない患者では、その遺伝子を持たない細菌の方が増えていく。つまり抗生剤の使いすぎが、多剤耐性細菌を産む


多剤耐性遺伝子の日本での拡散の歴史

多剤耐性遺伝子(MBL)を持つアシネトバクターの院内感染は、2008年秋〜09年1月に福岡大病院で26人感染4人死亡。09年8月から帝京大病院で53人感染13人死亡。10年2月から世田谷区の有隣病院で8人感染4人死亡。同年同月から藤田保健衛生大病院(愛知県)で24人感染6人死亡。

多剤耐性アシネトバクターにより帝京大学病院で46人が院内感染し9人死亡。2009年8月から感染拡大。点滴の管や人工呼吸器を介して感染する。アシネトバクターは土壌中などに普通に存在する細菌。健常者では発症しない。しかし高齢者などの免疫低下者で発症。他の細菌の耐性遺伝子を取り込む性質

新型の多剤耐性遺伝子"NDM-1"を持つ大腸菌が獨協医科大学病院(栃木県壬生町)で発見されていた。国内で見つかったのは初めて。患者は回復し、他の人への感染はない。この耐性菌はインドやパキスタンで広がり欧米でも増加。2009年5月、インドから帰国後、発熱した50代男性から検出された

2008年12月、福岡大学病院の救命救急センターにおいて「多剤耐性アシネトバクター・バウマニ」を確認。翌月までの調査で23名の感染を確認。4名が死亡、9名が他院へ転院。2008年10月に韓国で肺炎を発症し帰国直後に入院した患者が初発と推定。極めて高い薬剤耐性を持ち、昨今、注意喚起

異なる種の細菌間を移動できる「プラスミド」にある多剤耐性遺伝子は抗生物質を分解してしまう酵素を産む。MBL(Metallo-β-Lactamase)が、その酵素の総称で、その中に、1)帝京大学のアシネトバクターのIMP-1遺伝子や、2)獨協大学の大腸菌のNDM-1遺伝子が含まれる

「「耐性緑膿菌」の定義を神戸市立医療センター中央市民病院は以下の三つとしている。1)多剤耐性緑膿菌(MDRP)、2)VIM-1 型メタロβラクタマーゼ産生緑膿菌(VIM-1)、3)IMP-1 型メタロβラクタマーゼ産生緑膿菌(IMP-1)。血管内及び尿道留置カテーテル使用時に注意

NHKの19時のニュースが適切でなかったので訂正しておく。帝京大学の件は、IMP-1遺伝子を持つアシネトバクターという細菌。獨協大学の件は、NDM-1遺伝子を持つ大腸菌。NHKはオンエアーで、帝京はアシネトバクターで、獨協はNDM-1だ、と言っていたが、これでは誤解が生じやすい。

プラスミド上にあるNDM-1などの多剤耐性遺伝子が怖いのは、異なる種の細菌同士の接合で簡単に遺伝子のやり取りができてしまうこと。免疫低下者にしか感染しないアシネトバクターから、誰にでも感染する病原性大腸菌にその遺伝子が移動した場合、どんな抗生物質も効かない無敵の食中毒が起こるかも

「アシネトバクターなどの(健常者では発症しない)細菌のプラスミドで、多剤耐性遺伝子が作られるが、そのプラスミドが(健常者でも発症する)大腸菌などに移動したら大変だ」と、私は昨日ツイッターで書いたが、その舌の根も乾かない内に今日それが起こったという報道が流れた。次は集団発生の多発か


耐性菌に対して、新しい抗生物質が開発されない理由

プラスミド上の多剤耐性遺伝子が異なる細菌間を伝搬している問題に拍車をかけるのが、新規の抗生物質が開発されないこと。理由は、1)慢性疾患に比べ処方期間が短く利益率が低い。2)耐性菌が出現するともう使用されない、3)生物多様性条約の影響で原料を途上国から入手した場合、多額の利益を分配

生物多様性条約(Convention on Biological Diversity :CBD)の第10回締約国会議(COP10)で最大の議題は、「遺伝資源へのアクセスと公平な利益配分」(Access and Benefit-Sharing : ABS)。先進国と資源国の利害対立

生物多様性条約が日本の医療に影響する理由をブログで解説した。 生物多様性条約と「遺伝資源へのアクセスと公平な利益配分」(ABS) 5246字  http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65492305.html

ニチニチソウとはマダガスカル原産の熱帯植物。含まれる成分から抗癌剤を製造できるため生物多様性条約におけるABS(遺伝資源へのアクセスと公平な利益配分)に関する議論の対象となり先進国と途上国で対立。ビンブラスチン、ビンクリスチンなど、悪性リンパ腫や卵巣のう腫などに使われる薬品の原料

バイオ・パイラシー(biopiracy)とは生物的海賊行為。南アフリカのカラハリ砂漠にフーディアというサボテンがあり「やせ薬」として使える可能性。1995年、南アのCSIR社は特許取得。1997年、英国バイオ産業に譲渡。1998年ファイザーが商品開発。カラハリ砂漠住民が企業を提訴

バイオパイレーツとは、先進国の企業が途上国から勝手に遺伝資源・生物資源を持ってきて商品を開発し利益をあげることを批判した言葉。生物多様性条約は1993年に発行したが94年マレーシアで行われた国際シンポジウムで途上国の生物資源から抗がん剤の開発をし自慢した欧米の研究者を途上国が非難

途上国はCOP10名古屋議定書の適用時期について生物多様性条約発効前までさかのぼるよう主張。アフリカの一部からは「大航海時代(16世紀)までさかのぼってほしい」との声も。植民地支配を受けた途上国が資源を収奪されたという思いが根強く、今も変わっていない。歴史的な背景を理解する必要も

ボン・ガイドラインとは、「遺伝資源へのアクセスとその利用から生じる利益配分の公正かつ衡平な配分に関するボン・ガイドライン」(Bonn Guidelines)のことで、2002年オランダ・ハーグで開催された、生物多様性条約(CBD)・第6回締約国会議(COP6)において採択された。

COP10名古屋議定書原案。遺伝資源の利用で生じた利益を提供国に公平に配分。提供国の法制度に従い事前同意を取り利用料等の契約。各国は法整備、担当窓口設置。提供国の遺伝資源の取得手続きに関する情報が共有される仕組み「クリアリングハウス」。遺伝資源の利用で生じた利益は生物多様性保全に

COP10における資源国と利用国の対立のまとめ。1)名古屋議定書を適用する時期を1993年の生物多様性条約の発行年にするか大航海時代にするか、2)適用するのは遺伝資源そのもののみか派生物も含むか、3)新型インフルエンザなどの重大な感染症に関わる検体の提供は利益配分の対象外とするか

クリアリングハウス(Clearing house )とは、様々な(異なる)形式のデータを、おたがいのシステムで利用できるようにするために、複数の情報処理システムを中継して、利用しやすくする仕組みのことである。IT関係の用語だったが、生物多様性などに関する情報の共有にも用いられる。


犬・猫から感染する人畜共通感染症(人獣共通感染症)の耐性菌

カプノサイトファーガ・カニモルサスとは、犬や猫の口腔内にいる細菌。犬などに噛まれ、この細菌が人に感染した場合、発熱、腹痛、嘔吐、頭痛などを起こす。重症例では敗血症(全身の血液中の感染)や髄膜炎(脳を包む栄養膜への感染)を起こし死亡する。ペニシリン系抗生剤が効くが、最近耐性菌が発生

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症の国内の発生状況だが、これまで重症化したケースは14例、うち6例が死亡(2002〜2009年)。犬の咬傷、猫の咬傷・掻傷(かききず)から感染。40歳以上が多く、糖尿病・肝障害などの基礎疾患がある人に多い。敗血症を起こした場合、30%が死亡。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は、犬や猫などから人に感染し、死亡することがある病気。厚生労働省は勧告。1)動物との過度のふれあいは避け、動物と触れあった後は手洗い。2)脾臓摘出、アルコール中毒、糖尿病などの慢性疾患、免疫異常、悪性腫瘍にかかっている方、高齢者などは重症化


O(オー)抗原を持つ、その他の大腸菌

大腸菌。哺乳類等の大腸に生息。通常は無害。牛の腸などにいる一部が強い内毒素を産生し病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)と呼称。菌の表面にある抗原(O(オー)抗原などで分類。O抗原は現在約180種。O157とは157番目に発見された意味。下痢、血便から重症では溶血性尿毒症症候群で死亡。

大腸菌。O157。1996年5月に岡山県の学校給食による食中毒で有名に。死者8人。100個程度の少数の菌で発症。便から容易に二次感染。O111。2011年4月、富山・福井等の焼肉チェーン店でユッケによる感染。3名死亡。O104。2011年6月、ドイツ等で発生。死者18人以上