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海外の大学院にいくためのお金(授業料と生活費)


山本 でちょっとあの、
   前回、お聞きしていた、
   大学院関係(に、あなたが入る前後の)の情報(を)、
   お聞きするとですね、

   まぁ1番あのー、
   現実的なのがお金の話なんですけども
   えっと、通常ですね、外国に留学すると
   学…学費と
   あのー、その1年もしくは2年間の生活費で、
   1年なら500万ぐらい、
   2年なら1000万円ぐらい飛ぶのが
   普通なんですけども、
   えっと、学費がいくらで生活費がいくらでしたか?

天使 学費は15,000ポンドで
   1ポンド大体130円から150円の間ぐらいで
   換算したので
   いくらですかね?


参考: 学費
15000ポンドx140円=210万円。


   …200万と300万の間ぐらいですかね。
   で、私は奨学金をもらえたので。

   えっと…、
   奨学金315万(を)二つの団体からもらったので
   学費はそれでまかなって。

   生活費は私は大体家賃…、
   えーっと10万ぐらいのとこに住んで、
   どのくらいかかってるんですかね…。

   まぁ、だから20万…。
   ひと月20万と30万の間ぐらいの生活費で
   まぁ12カ月ですかね。


参考: 生活費
25万円(ひと月)x12か月=300万円(年間)


   えっと、あと自分で旅行に
   行きたければ、行ったりもして、
   (それら以外の出費もありました。)

   まぁそんなとこですかね。
   
山本 (生活費を)300万ぐらいとして…。 

   やっぱ
   (学費と生活費の合計は500万ぐらいで)
   普通だってことですね。

天使 はっはっはっはっは(笑)。
   まぁ奨学金があったのは
   すごく有り難かったのと
   円高がどんどん進んでいったのも
   すごい有り難かったですね(笑)

山本 ラッキーですね。 

天使 なので、私の前の前の年は
   1ポンド250円ぐらいだったみたいなので
   で、そうするともう(費用が)倍違うので。

   1ポンド130円でロンドンで生活する分には
   あんまり値札も気にせず、       
   必要なものだけを買う分には
   あまり心配もなく過ごせたので。

山本  えっと、奨学金はですね、
    々圓先の大学院で出してくれる場合と、
    ⊆分が昔いた大学が出してくれる場合とか、
    あと日本学生支援機構という団体からもらうとか、
    ぅ侫襯屮薀ぅ箸箸、ロータリーとか、ありますが、
    そういった枠、全部自分で探したんですか?

天使 そうですね。
   インターネット上で探して。

   私が応募したのは
   日本に拠点を置いてる女性のNGOで、
   CWAJというところなんですけれど。


参考:
CWAJ 奨学金プログラム
College Women's Association of Japan
Scholarship Programs
http://www.cwaj.org/scholarship/scholarship-j.htm


天使 で、そこが二人、
   日本から海外に行く女性を二人応援してくれて
   私ともう一人、
   ハーバードのEpidemiology(疫学)に行った人が
   まぁ300万(円)ずつ。

   あともう一人、
   サリー大学で宇宙工学をやりに行った人が。
   で、3人もらって…。
   
山本 (これを読む人のために解説をすると)
   Epidemiology(の意味)は疫学ですね。

天使 えっと…
   で、もう15万はBCJA
   (British council Japan Association)


参考:
British Council Japan Association
http://www.bcja.net/


   British councilの日本の支店が
   15万円くれたので。
   合わせて315万円です。

山本 なるほど。
   まそんなところで、ですね。

・・・

国際精神保健を志すなら、どの大学院がいいか?

    
山本 で、あともう1個(質問が)あるんですが…
 
   えっとその…。
   国際保健を…。
   てか、あのー、

   精神・心理的な分野で
   国際協力をやりたいっていう女性…
   ま、特に女性が
   私のとこにいっぱい来るんですよ、
   メールやツイッターで。

   毎年平均10人以上は来るんですね
   ところが、
   きっかけがなかなかつかめない
   (最初、何から始めたらいいかわからない)
   というのが現状で。

   まJICAのプロジェクトとかでも、
   あんまりやってない、
   ほとんどやってないんですよね(苦笑)。

   あのー、で、
   WHOは確かに Mental Health が
   少なくても
   WHOのホームページの
   ヘルス・トピック(健康課題)の中に
   あげられているので、
   それなりにやっているとは思うので。

   ま、他の疾患のように、
   ガイドライン等を作っているようなのは
   間違いないので。

   えーっとまぁその…、
   (精神保健分野で国際協力を目指すなら、
    他の組織を目指すよりは、
    WHOを目指した方が)
   わかりやすいのかな。   

   えーっと、何、聞いてるかって(言うと)ですね

   えっと…。
   医者で国際協力やりたい場合どっかで
   まっま、
   MPH(公衆衛生学修士を)
   取ろうとは思うはずなんですけども、
   その精神保健をやりたいってなった場合に
   どの大学院に行こうかって悩むわけなんですよ。

   (グローバル・メンタル・ヘルスをやるなら)
   どこが1番いいのかっていうことで。

   あなたの場合、
   悩んだ末にロンドン大学に行きましたよね?
   
   で決めた理由はいくつか考えられて。
   まぁ要するに1番普通なのは
   精神保健の分野でなんか有名な先生がいたから
   行ったってのが1番普通の理由で。

   他(の理由としては)、
   なんか知り合い、知人てのが
   日本の精神保健学会かなんかで有名な先生に、
   「海外で有名な先生(は)誰ですか?」
   ってあなたが聞いて
   その先生の名前を教えてもらって

   その先生がたまたま
   ロンドン大学にいた、
   とか言うケースがですね。
   えー、色々考えられるわけですよ。

   で、(あなたの場合はどうだったんですか)???

天使 えーっと、うーんと、まっ

   その前者もある程度当てはまるんですけど、

   Mental Healthだけ取り出すのよりも
   ま、公衆衛生っていう意味でも
   もっと大きい視点の中での
   Mental Healthって視点も
   大事かなって思ったので。

   (精神保健だけにこだわらない)
   Public Health(公衆衛生)、
   Global Health(国際保健)っていうのを
   まずやりに行きたくて。

   まぁもちろんComponent(要因)の一つに
   Mental Healthが(勉強する科目に)あるようなところ
   っていう視点で見ていって。

   あと、まぁいわゆるトップスクールって
   言われる所に行った方が
   その後の自分の仕事とかに
   インパクトは強いよってのも聞いてましたし。

   あと、やっぱ
   大学院は学問を学ぶとこであるのと同時に
   人と出会うところなので。

   その後…、
   まぁ、私の場合は確かに
   幸運だったんですけれど
   そこで出会った先生が紹介してくれたものとか、
   そこで出会った同級生が
   関わっているプロジェクトとかっていうのが、
   すごく大事なので、
   って言うのを聞いていたので。

   えーっと…、
   まぁ公衆衛生で有名なところをっていうので
   まぁある程度(大学院を)ピックアップして

   トップスクールって言われるところで、
   ある程度絞り込んで
   そのままMental Healthの活動が
   活発なところって言うので
   さらに絞り込んでったって感じなんですけど

山本 最終的に(候補として)残った
   5つぐらい(大学院を)あげるとしたら
   どの辺が残りました?

天使 えっとですね、
   ハーバード(Harvard)、
   ジョンズホプキンス(Johns Hopkins)、
   ロンドンスクール(London School)は
   圧倒的な存在感で。


参考:
Harvard School of Public Health - HSPH
http://www.hsph.harvard.edu/

School of Public Health at Johns Hopkins
http://www.jhsph.edu/


   えーっと…、
   まぁどこも一応
   MentalHealthは少しずつやっていて

   London Schoolは講座を持ってやっているので
   どこよりも力が入っていたのと

   Global HealthでMental Healthをやってる人って
   世界で10人ぐらいが
   世界をぐるぐる回って

   おんなじ人たちが
   ハーバードに出向いて
   (講座を)やってったりもするので

   まぁダントツで
   私にとって輝いて見えた先生は
   London Schoolの教授だったっていうことなんですけど。

山本 なるほど。 

天使 えーとー…。
   あとまぁ、ちらちらと聞くのは
   マヒドン(Mahidol大学)とかも聞きますけど。
   
山本 タイの? 

天使 タイの(マヒドン大学の大学院)。


参考:
Mahidol University, THAILAND -- Wisdom of the Land
http://www.mahidol.ac.th/


   マヒドンとかも聞きますし。

   それでも(一方で)
   学費(が高いこと)を考えたりとか、
   家族がいることを考えたりとかして
   遠隔…?
   『通信教育』を選ぶ人もいますし。


参考:
ここまでに登場した、海外の大学院の多くが、
外国人のために、通信教育でも、
公衆衛生学修士をとれるようなプログラムを
実施している。


   あと日本で最近、東京大学とか
   うーん、
   長崎(大学)とかは、
   MPH(をとれる大学院のコースを)作っていると思うので
   働きながら出来る(とれる)。

   日本の中のMPH(がとれるコース)を考えたりするには
   (そうした選択肢も)いいんじゃないかなぁって
   私は思うんですけれど。
   
   まぁそこは調べてないんで
   わかんないんですけれど

   あと、帝京大学もこれから作るって伺ったので
   まぁ、日本語でできるんですかねぇ、勉強が?


参考:
長崎大学大学院・国際健康開発研究科
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/mph/

帝京大学大学院・公衆衛生大学院・国際保健専門家養成コース
(2年/1年)
http://www.teikyo-u.ac.jp/graduate_school/mph/index.html


   そうすると…色んな得意不得意とか、
   子供がいるとかいろんな要件を
   総合的に判断して
   どれがいいかってそれは
   人それぞれだと思うんですけれど。
   
山本 なるほど。

   最近の日本での「動き」を話すと、
   公衆衛生修士を日本で取る場合、

   2年前から
   長崎大学が公衆衛生学の大学院を作って
   日本でMPHが取れるようになったのと、
   
   今年(2011年)からかな?
   今年から帝京大学もやりだしたのが
   話題になってますね。

   で、今ちょっと(話に出ましたが)

   通信教育ですね、どこを考えました?
   もし、やるんだとしたら。
   
天使 私はもうキャンパスでやろうと
   思ったんですけれど
   
   まぁ
   London Schoolは最近すごく通信教育を言っていて

   えーっと…。
   (途上国にいる現地人の医師がMPHをとろうとする場合)
   1年その国を離れちゃうっていうのは
   その国にとっての(医療)サービスの低下でもありますし、
   人材の流失っていうか、
   喪失でもあるので。
 
   まぁ働きながら、
   distance learning(遠隔教育)で
   (MPHを取得するのがいいのかなと)。

   例えばジンバブエの医者が
   MPHをとれるとかって可能性を
   どんどん広げたいなって考えてるようなのと。
   
   あとまぁ
   キャンパスに来れる、
   収容できる人数も違いますし、
   あの、制限があるので、
   (London Schoolは)
   今、distance learningを
   すごいおしすすめていて、

   私が在籍していた時には
   120カ国から学生が
   在籍していたんですよ。
   
   通信教育は2500人、
   196カ国なんかでやってるって言ってたので
   網羅するカバー力が全然違うと思う。

   あと、
   Disitanse Learningの方が
   ちょっと安いような気がするんですよ。
   1万ポンドじゃなかったんじゃないかなぁ、
   多分。


参考:
1万ポンドは、140万円。


山本  なるほど…。

    ただ、あれですよね。
    (通信教育・遠隔教育の欠点を言うと)

    大学院の、
    あのー、
    目的はその、単に修士を取るだけではなく
    言い方は悪いかもしれませんけれど
    人と出会って、人脈…

    はっきり言えば、将来の就職につながる
    コネを作るというのが
    大学院の最大の目的だと
    私は考えているので。

    そういう側面で考えるとdistance learningは
    (自分の将来を決定するような)
    「人との出会いがない」、という意味で、
    (将来の国際機関等への就職まで考えた場合)
    やっぱり不利かなぁって気はしますね…。    

天使 まぁ(欧米に)行けるんなら
   行くのがいいと思うんですけれど…、

山本  はい。

天使 まぁ
   選択肢は広い方が
   選べるという意味では
   いいかぁって思うんですけれど。

山本  ジョンホプキンス大学は
    去年(2010年)から台湾を対象に
    えー、通信教育を始めたんですけれど。
    日本でもやってんですかねぇ、あれ。
    知ってます?
    聞いてないですか?

天使 うーん…。

山本 聞いてないです? 
   台湾では去年やりだしたんですよ。   
   大きなニュースになってたんですけれど。


参考:
ジョンズ・ホプキンス大学が
「アジア・環太平洋地域」の学生たちのために、
公衆衛生学修士をとるための
(毎日通学してなくてもよい)特別校を設置。
主に、台湾の学生向け
http://www.edcedu.com/en/news.asp


天使 えーっと、Disitanse Learningだったら
   2年で。
   どんなに短くても2年コースになってると
   思うんですけれど。

   でも、WHOでえーっと…、
   どこのマスターかって話になった時に
   London School、
   まぁLondon、
   Londonの人が圧倒的に多かったんですけれど。

   ロンドン、
   ハーバード、
   ジョンズホプキンス(大学院)の人たちは
   よく聞く名前で、
   
   まぁDisitanse Learningで
   London(School)で学位を取ってる人もいたので。

   あのー、何というか、実力…
   学術的な実力とか
   その先につながるものは
   確保できるんじゃないかなぁとは
   思うんですけど。

山本 わかりました。 

・・・

大学院で勉強し5年前から考えが変わったか?


山本 えーっと、
   というよりですね、
   ちょっとお聞きしたいのが

   えっと…、
   (あなたから来た)Emailに書いてあったのが、

   えーっとその
   (ロンドンスクールの)大学院で勉強して
   色々その医療経済学であるとか、
   まぁその全然、精神保健と関係がないような分野の
   勉強をしてよかった、
   視野が広がって良かったみたいなことが
   書いてあったんですけれど。

   あのー…
   まぁ我々もそうなんですけれど
   国際協力をやってる人は
   誰でもそうだと思うんですけれど

   最初に自分がイメージを持ってた
   国際協力のイメージをですね
   あの、
   途中で勉強をしていき、
   (私は)実際にやってみて、

   あなたも、これから実際にやってみると
   (国際協力というもののイメージが)
   全然変わると思うんですけれど。
   はっきり言って。
   
   まぁとりあえず(MPHを)勉強した段階で
   当初のイメージと大きく変わったはずなんですね、
   イメージが。
   国際協力というものの。

   まぁどう変わったかを
   ちょっとお聞きしたいなと思いまして。

   まずは最初の2006年11月の5年前の段階で
   確か、漠然とですね、
   (国際協力のイメージについて)
   何て書いてあったけかなぁ。
   
   要するにあなたが確か言ってたことは、
   要するに国際協力で
   精神分野でやっている人が少なさそうだから
   私がそれをやってみたいって
   言ってたような印象があったんですね。

天使 あぁ。

山本 (印象が)あったんですね。 

   うーんと
   (5年前の履歴書などを読みながら)
   あーそうそう。

   えー、
   「感染症とかで死亡した場合は
    数字として結果が出るから
    WHOや日本のODA(政府開発援助)も
    対策を取るけれども
    精神疾患は数字にならないので
    見逃されやすい」
   と。
   
   「だから、私はそれをやりたい」
   というようなことを言って。
   
   あなたの5年前の履歴書に書いてある。

   えーと、
   そのころどう思ってたとか、
   あなた覚えてますか?
   
   なんで、当時やりたいと思ってたんですか?

天使 えーっと…。

   私その時2つ関心ごとがあって、

   自分が精神科の医者として働いているときに、
   例えば夜寝れない患者さん、  
   担当患者さんがいて、

   朝行くと看護師さんから最初に言われるのが
   睡眠薬の量を増やしてくださいってことで。

   なんでこの人は寝れなかったんですかっていうと
   看護師さんは(忙しくて)
   そんなことまで評価はできないって。

   よーく考えると50人の病院(で)…
   病棟患者さんに対して
   二人の夜勤看護師さんで
   (一人の看護師さんで25人みているわけで)。

   一人一人が、「なんで(寝れない)」とか
   そんなことまで手が回るわけなくて。

   看護師さんは目いっぱい仕事をしている中で
   (8時間交代制の)人員配置とか、
   そういうシステム上の…
   何というんですか…、
   限界を…、
   限界だったので。

   だから医者も一生懸命やってるし
   看護師も一生懸命やってるけども
   えーっと、
   最適な治療法が展開出来てるとは思えないし
   最適な治療環境だとも思えなかったので
   もう少し仕組みをやりたいなって、
   取り組みたいなぁって思ったのが、
   一つのきっかけで。

   あと(精神疾患の患者に対しては)
   隔離・拘束が多いのとか…。

山本 なんのきっかけですか?

天使 えーっと…
   その公衆衛生とか…行政とかの方向に
   自分の仕事にするきっかけになったのと。

山本 あー、はいはい。  

天使 あと隔離・拘束を受ける患者さんの
   人数も多いですし。
   えーっと、
   日本に関しては。

   あと、長期入院の患者も多いですし。
   病床数も世界(の中では)、
   人口比に対して
   世界で一番多い国なので。


参考: 余談ですが、
山本敏晴のブログより
日本の医療の国営化・公営化の是非 7027字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65307905.html


   こんなにお金もあって健康な国の中で、
   仕組み上、虐げられてるんじゃないかなぁと
   思ったのが
   私の精神科医療への印象で。

   あと自殺率もすごい高いですし、


参考:
自殺率の国際比較で日本は6位
(人口十万人当たり自殺者数2009年)。
1位ベラルーシ35.1、
2位リトアニア30.4、
3位ロシア30.
4位カザフスタン26.9、
5位ハンガリー26.0 
6位日本24.4 
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2770.html


   だからその…。

山本  そうですね。

天使 (うなづく)
   だから日本のえーっと、
   Mental Healthのリフォーム(政治的改革)みたいなのを
   やりたいなぁって思ったのと。
   
   あと、同じころに記事を読んでいて。
   ラオスには精神科医が
   一人しかいないって記事を読んでいて

   日本、精神科医1万2千人いるんですけど
   で、この…。

山本  1万2千人?

天使 1万2千人いるんですけれど
   (それでも)
   この手のまわらなさで。
   
   一人しかいないラオスは
   どうなってるのかなって考えた時に
   もう全然、精神医療が展開できていない状況で
   さらに読むと40カ国、
   精神科医がいない国が
   世界にはあって
   そうすると差別とか偏見とか
   人権侵害が多そうですし。

   医療を全く施されてなくて
   たかだか、うつ病になったぐらい、
   たかだか、統合失調症になったぐらいで。
   
   ま、場合によっては家に
   (監禁されて、鎖に)
   つながれてたりとかするわけで

山本  家に監禁されてるってことですね?

天使 そうですね。

山本 統合失調症やうつ病の患者の人たちが、ですね。
   
天使 で、なので、(先進国には)治療法もあるし。

   後はそれをうまく活用できればいいだけなのに。

   なんでそれが届かないんだろうってのが。          
   だから、まぁ
   Mental Health Careのスケールアップ(拡大)が
   私のもう一つの関心ごとで。

   なので、
   日本国内の精神保健のリフォームと
   世界の精神保健途上国のサービス拡大が
   ま、私の2大関心ごとだったんですけど。

山本  日本でもやりたいってことですか?      
    政策(提言からの医療行政改革)を。

天使 そうですね。
   日本(は)自殺も多いですし、
   病床数も(多すぎるし)…。

   まぁ病気になったら入院するっていう
   それ以外の選択肢がすごく少ないっていうのが。

   もっとコミュニティー(地域共同体)でも治療ができたりとか、
   他の国のモデルを見てると
   もっと…

   自分の生活をしながら
   病気を治すことができるはずなのに。

   もう病気になったら
   病気を中心に生活しなきゃいけないような
   構図になってるなぁってのがあったので。

山本 なるほど。
   っていう風に
   5年前思ってたってことですか?
   
天使 そうですね。

山本 で、あのー、
 
天使  であの、日本も含めて
    色んな国での対策が進みにくいのは
    なんでだろうって考えた時に
    わかりやすく死亡者数とか、

    えっと
    新規感染者数とかっていうのが
    数字になるような感染症と、
    あと例えば、
    うつ病って診断されても
    どれくらいの深刻さとか。

    うつ病って
    (肝臓が悪いとGPTという血液指標が100を超えるなどの)
    『バイオマーカー』ないので、
    例えば。
    
    だからあのー、
    すごく測定しにくいなぁってのが、
    まず一つ大きい原因なのかなって思ってたのが、
    さっきおっしゃってた(履歴書の)文面に、
    多分、反映されてると思うんですけど。

    まぁ感染症(は、白血球数の上昇などの)
    数値になると思うけれど、
    精神科、精神疾患は数値になりにくいから、
    あのー、
    見逃されやすいし、
    優先順位の後ろに回りやすいし、
    取り組みにくいとされてるのかなって。

    てのが文章で(履歴書に書いたんだと思います)。

    まぁ、今でもそれは変わってなくて。

    確かにインディケーター(指標)、
    すごい立てにくいですし、
    モニター(監視)もエバリューション(評価)も
    しにくいですし。

    あのー、難しいだろうなっていうのと。

    でも年間、
    例えば、
    『自殺者数が世界で100万人』いて…。

    それってすごい(多い)人数で。

    例えば母子保健とか、
    HIVの感染者数の人数とか考えた時も
    年間100万人(の)死亡者数(である)
    自殺はかなり高い mortality (死亡率)だとは
    思うんですけれど。

    と、
    morbidity(疾病率、人口当たりの病気の存在する割合)
    とか、
    DALYs
    (Disability-adjusted life year、病気による人生の損失)
    で比較すると、

    えーっと
    うつ病は2番目か、
    Cardio Vascular Disease(循環器疾患)につぐ
    Mobilityの高い病気として
    うつ病がランクインするんですけれど。


参考:
DALYs
Disability-adjusted life year 病気による人生の損失
〇爐未海箸砲茲訛纂此
病気で生じた障害(後遺症等)による障害。
,鉢△鯊したものを言う。詳細は以下。
人生の損失の指標 4,093字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/52160017.html

 
    それでも対策がなかなか進まないのは
    そこには、
    Science(科学)だけじゃなくて
    Value(価値観)が入るのかなぁって…

    stigma(社会的恥辱)?

    同じ死亡でも、
    赤ちゃんの死亡と精神障害者の死亡は
    重みが違うって言うのが
    最初に入るのかなぁというのは
    ちょっと思いましたけど。

山本 あぁー。
   偏見(prejudice)も入ってる?

天使 偏見とかも入って来るとは
   思うんですけれど。

山本 なるほど。

天使 あとはまぁ、その…

   その頃(5年前)と今と(で)
   考え方が変わったこと。
   他にも多分、色々あると思うんですけれど(笑)

   さっきも言った
   ScienceはScienceだけで押し通せずに
   そこにはValueもつくし
   Political Judgement(政治的判断)も入るし、
   Technical(技術的側面)だけじゃぁ…。

   日本語難しいですねぇ。

   えーっと技術…、なんていうの?

   例えば数字…。
   TechnicalとScienceだけだと 
   Policy(政策)レベルで
   Descision Making(政策の決定を)する人は
   動かない(の)で、
   
   その(人の)Value(価値観)と一致した時に
   初めてもの(政策の方針)が決まるので
   っていうHealth Policy(保健政策)の観点とか。
    
   だから、言えましたかね、
   えーっと…
   
   基本的な(修士課程の授業の)項目としては    
    ̄岾Epimedeology、
   統計のStatistics、
   Health Economics 医療経済、
   Social Resaerch 社会…。

山本  (社会)研究。

天使 (社会)研究ですかね。
   Social Resaerchなんかは、
   qualitative Studyが、主に行われる…

山本 質的研究ってやつですね? 

天使 (社会研究では)質的研究が主に行われるんで。

   この4つが、コア(中心となる授業)で、
   私は…。
   …他にも…。

   …decision analysis(決定の解析)とか、
   Mental Health(精神保健)も取りましたし、

   たばこ・アルコールとか
   Topic Spesific(一つの健康課題に特化したもの)
   なものも取ったり。
   
   あと医療経済を
   もう少し掘り下げるような科目も
   取ったりしたんですけど。
   
   まぁ何しろ4つの科目の、
   疫学、統計、医療経済、Social Researchの観点を
   まぁバランス良く持ちましょうってのが
   まぁ大学院での…、科目でしたね。    

山本  で、それを勉強して
    なんか考え変わりました?  
    5年前と(比較して)    

天使 えーっと…、
   かん、考え…。
 
   入門編が終わったところなので
   そのGlobal Health communityの人が
   何をしゃべっているのか
   わかるようになった感じで。

   例えばHealth Economicsの専門の人が
   何か解説しているときに
   私がHealth Economicsの
   Analysis(分析・解析)まではできないけども

   その人が出したReportを読んで
   意味がわかるようにはなったので。
   
   あと、Epidemiology(疫学)も
   自分でEpidemiologic Study(疫学研究)も   
   ガンガンやるほどまではできないけれども、

   例えば論文を読んで(統計学の用語である)
   confidence interval(信頼区間)とか
   あのー、
   P-value(有意確率)とかを見ながら…。

   あと…。
   PICO…。
   Patient Intervention Comparison Outcome
   (どのような対象に、どのような治療を行ったら,
    治療を行わない場合に比べて、どれだけ結果が違うか)
   を、見なきゃいけないなぁって
   バイアス(統計処理をする対象を選ぶ時などの多様な歪み)
   があるなぁって

   論文を…、
   (論文)からどういう情報を得るかって言うのが
   読めるようになったりとか。   

   こう、情報を受けた時に
   自分の中で情報を判断できるようになった
   っていう感じですかね。

山本  はい。
    今のは
    (完全に統計学の話なので、このブログを読む人には)
    説明しにくいなぁ。

天使 はっは(笑)。

山本  まぁ簡単に言うと論文を読むときに

    えーっと、
    どのぐらいの信頼…、
    信頼できるデータの取り方をしているかだとか
    あのー、
    データの取り方に歪み(ゆがみ、バイアス)…、

    えっとー(笑)

    故意もしくは非故意な意味でのデータのゆがみ、
    適切でない(対象の)抽出の仕方等が
    起こっていることを、彼女は言ってるんですね。

天使 例えば自分はこういうことを知りたいと思って
   えーっと、論文を探してきた時に、

   このことを…、
   この論文のどの部分から
   どこまで言えるかっていうのは
   出来る(わかる)ようになったんですけど、

   (しかし)
   このことを知りたい場合、
   こういう対照群で、
   こういう調査すれば、
   いいよってことが、わかるところまでは、
   いってない、っていうか(笑)
   
山本  なるほど。


参考:
一般的に行って、
修士(マスター)をとった場合、
その分野に対して勉強をしたことの証明にはなるが、
その分野で、
新しいなんらかの発見・発表をした、
という所まではいかないことが多い。
そこまでいくためには、
博士課程(Ph.D)に進み、
博士論文を書き、その審査を受けねばならない。
つまり、きつい言い方をすれば、
修士はその分野の勉強をしただけであり、
博士はその分野に業績を残した人を言う。
彼女は、まだ修士なので、
上記で話した発言は、
まさにそんな感じの内容だ、ということになる。


天使 だから、なんかえーっと、
   みんなのしゃべっている内容が
   わかるようになった
   っていうところに、
   1年経つと入れる感じです(笑)、
   多分。

山本 なるほどー。 

天使 でまぁ、はっは(笑)。

・・・

これから国際精神保健をやる人にアドバイスは?


山本  で、あとは
    (これを録画しているテープの残りが)
    4分、3分ぐらいか。

    なんか、えーっと
    これから精神保健をやりたいと思っている
    えー、医者もしくは看護師がいた場合に
    なんか後輩にいいたいことはありますか?
    アドバイス的なものを…。 

天使 えーっと…。
   何しろ臨床を、

   どの専門職でも、
   えーっと心理士さんも含めて
   どの専門職でも。

   まず臨床をやることと…、

   えっと…MPHとかMBAとかの人も
   (大学の同期に)いましたし…、


参考:
MBA
Master of Business Administration
経営学修士


   まぁでも一番多いパターンはMPHだと思うんで。
   
   その、
   修士を取ることで、
   やっと(国際保健の)入口に立てるので。

   そこでそっから先はまた
   自分の興味がどこにあるかってことで、
   掘り進めていけば
   いいんじゃないかなぁと思うので。

   なにしろ臨床と
   MPHを含む何かの修士を取って。

   取ることが大事、
   まずは一番第一歩なのかなぁって
   思うんですけれど。

   あとはまぁキャリアパス(過去の経歴と今後の計画)は
   結構みんな、ものすごい、それぞれなので

   私も昔…

   10年前、私は
   「こんなことしてるなんて思わなかったよ」
   なんてみんなに言われるので。

   (先のことがわからず)
   ものすごいじれったかったんですけれど

   まぁ、自分のせいで…
   (まわり道を、いろいろしてきちゃったけど…)

   結局、
   点と点がつながってて
   後で振り返ると線になってる感じなので…

   5年前は、
   今の姿(修士をとってJPOでWHOに入った姿)を
   思い浮かべては、いなったんですけど、
   今ここにいるって感じなんで。
    
   みんなも試行錯誤しながら、
   進んでいくことを恐れずに、
   やっていくのがいいんじゃないですかね。
    
   へっへ(笑)    

山本 なるほど。

・・・

国際精神保健をやっている組織は、どこ?

    
天使 あと、Mental Healthは…
   やってる機関がすごく少ないので…。

   うーーん…

山本 WHO以外にどっかあります?

天使 うーん、ただ国境なき医師団とかも
   (それなりに、やっています…)

   ああいう大型NGOはおいておくと…
   それは…

   例えば、えーっと…、
   パキスタンに
   PTSD(心的外傷後ストレス障害)をやっている人が
   いますよって言った方が
   Donaition(寄付)が集まりやすいとかって
   なんていうか…、
   ポーズでやってる場合もあるので。
    
   難しいですけど
   思ったより結構
   大型NGOを筆頭にやってるのと 
   あと
   CBMとかの、
   Mental Health専門のNGOもあるので、


参考:
CBM and community mental health CBM International
http://www.cbm.org/CBM_and_community_mental_health-250827.php


   まぁ日本に限らず世界に目を広げると
   結構色んなとこが
   やってるんじゃないかなぁと思います。
     
山本 アムネスティ・インターナショナルとか、
   ヒューマン・ライツ・ウォッチとかの人権部門で、
   いわゆる障害者、
   統合失調症に対する差別かなんかで
   精神保健の医者を雇ってるケースってないんですか?


参考:
AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN
http://www.amnesty.or.jp/

Human Rights Watch
http://www.hrw.org/ja


天使 日本…。
   私、アムネスティの日本にしか、
   まだ、問い合わせたことは、ないんですけれど
   障害者ってことではないんですけど、

   そこはあのー、えーっと…、

   (国に)強制送還になった(難民などの)人たちで
   Detention(拘留)されている、
   成田空港でDetentionされている人たちの
   心理状態に対して活動しているって(言ってました)。
 
   それ以外に関しては
   「特に(してない)」っていう風に。

   でも、随分昔なので…
   変わってるかもしれないです。
     
山本 ふーん、なるほど。
   えーっとJPO2年あなたが終わった後は
   将来はまたWHOに戻るって(予定ですか)?
 
天使 それはJPOとしては
   国連機関のどこかで働き続けるっていうのが
   まぁひとつ大きな目的なので。

   あと、まあ、(国際)機関を変えたとしても
   ユニセフとかWHOとか、
   ユネスコとかも、
   少しMental Health(をやっている部署が)ありますし…


参考:
日本ユニセフ協会
国連児童基金にお金を送るための日本の財団法人
http://www.unicef.or.jp/

日本ユネスコ協会連盟
http://www.unesco.jp/


   あとUNHCRとかIOMも
   例えばその移民とか
   難民のMental Healthみたいな感じで、
   やっているみたいです。


参考:
国連UNHCR協会
国連難民高等弁務官の広報をする日本のNPO法人
http://www.japanforunhcr.org/

IOM 国際移住機関
http://www.iom.int/jahia/jsp/index.jsp




・・・(テープ終了)