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目次:

背景
直感から、経験に基づくもの、そして正確さへ
破壊的革新
ビジネスモデル
医者でない人も、医療をすること
新型インフルエンザ発生時、スカイプ診療、コンビニ処方
現代医学で治せる病気かどうかの、ふるい分け
医療と公衆衛生で、保健
乱立と派閥
電子診療記録・電子健康記録
クラウド・コンピューティング
日本の医療改革、いろいろな側面
ランセット日本特集号
さいごに


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背景


医療改革。アメリカにおいて。1970年、医療費はGDPの7%だった。2007年、16%に増えた。国内外に「双子の赤字」を抱える借金国家の米国では大変な問題。「いかにして、コストを下げ、しかし、医療の質は下げない、ということを可能にするか」という議論。日本でも、全く同じ状況にある。


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直感から、経験に基づくもの、そして正確さへ


医療改革。…彰凝に判断する医療(intuitive medicine)、経験に基づいた医療(empirical medicine)、正確さ・精密さを期した医療(precision medicine)。,論痢△らがEBM(evidence-based medicine)

医療改革。昔は医者は勘で診断。最近はガイドラインで診療。だが白血病で最も有効性が高い薬でも6割しか効かない。4割は効果なし。事前に白血病細胞の遺伝子診断をし突然変異を見つけると、どの薬が効くかわかる場合も。これが、正確さ・精密さを期した医療(precision medicine)

医療改革。気管支喘息の患者に、ステロイド吸入薬を与えると、8割は効くけど、2割は効かない。なぜ、効かないのか?それを事前に知る方法はあるか?もし、それがあれば、無駄な治療費を削減できる。国家予算の負担を減らせる。他の病気についても全く同様。癌でも、胃潰瘍でも、生理痛でも、頭痛でも



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破壊的革新


破壊的革新(disruptive innovation)を起こすには三つのことが必要。ゝ蚕儚弯掘コストを下げ、質を上げるか、下げない。▲咼献優好皀妊襦世の中に広げるための、「人・物・金」の流れを作る。2礎佑龍ν化。現在はインターネットを通して急速に情報やアイデアが普及する。

医療改革において破壊的革新を起こすために必要なものが、検査機器の携帯性。持ち運べること。〃豈娶〆此弊渋げ饉劼犯稜箍饉辧法http://t.co/EjaZgjU1 http://t.co/94rzsRJZ 超音波エコー(富士フィルム) http://t.co/FuWTHG67 

医療改革において破壊的革新を起こすためのものの一つ。開業医が専門医と同じレベルで診断・治療をすることを可能にするサイト(ソフトウェア) http://t.co/Xp9jl0mA

最初、ある凄い技術が市場に出ると、人はどんなに値段が高くても、それを買おうとする。するとその商品に企業が殺到しコストを下げて開発しようとするため思っていたよりも早く低価格化。すると人は、技術はそこそこでいいから、低価格で手軽なものの方が良いと思うようになる。どんな産業でもこの流れ

有害なウイルスや菌を殺す効果のあるフィルムを住友化学が2011年内に発売。明かりに反応する「光触媒」を活用したフィルムで壁や手すり、エレベーターのボタンなどに貼る。新型インフルエンザや手足口病などの感染症に神経をとがらせる病院や学校での利用を見込む。光に反応して有機物を分解する。


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ビジネスモデル


医療改革。病院を3種類に特化する。solution shop hospitals。診断や治療の難しい患者の相談。value-adding process hospitals。単一の手術に特化した専門チーム。facilitated networks。患者同士がネットで繋がる。

医療改革におけるビジネスモデルの一つ。solution shop hospitals。診断や治療の難しい患者に対し、通常の会社のコンサルティング事業のように、複数かつ多方面の分野の専門医が面談を行う。精神科医等も含まれる。定型的ではない症例について、その人のための個別解決策を導く

医療改革におけるビジネスモデルの一つ。value-adding process business(VAP)。虫垂炎(盲腸)、乳癌、白内障、臓器移植などに対して、そればっかりをやる専門のチームが手術をする病院。慣れているのでミスが少なく、術後の合併症も少ない。費用対効果が安くなる。

医療改革のビジネスモデル。米国で成功したケース。全米大手の薬局CVSが、その中に1畳ほどの広さの診療室を作り、そこに医師または看護師が常駐し、すぐ診断・治療してしまう商売。軽い病気は全部対応。米国は法律で医師が院長である必要がないため可能 http://t.co/fr1WKF1N

医療改革におけるビジネスモデルの一つ。facilitated networks。生活習慣病や月経困難症のような慢性疾患の人々がウェブサイトにおいて情報を交換するシステム。自分の症状、年齢、性別などを入力すると、似た人々が過去に試みた治療とその結果が多数表示される。民間療法等も含む

医療改革のビジネスモデル。facilitated networks(促進されたネットワーク)。 PatientsLikeMe(自分と似た症状の人が過去にどうやって解決したか http://t.co/3hu3LW9B Healthways http://t.co/DkamJ6QM 

医療改革のビジネスモデル。facilitated networks(促進されたネットワーク)。 糖尿病患者に特化した情報交換・情報蓄積のサイト。自分と似た状況の人が、過去にどうやってその問題を解決したのか。その情報集積と検索のサイト。 http://t.co/FsQ22toL

医療改革のビジネスモデル。facilitated networks。健康問題がある時、フェイスブックのようなサイトで、自分の年齢・性別・症状・検査結果などを入力すれば、過去の似たような症例を多数閲覧できるシステムを作るのは、難しくない。有料で会員制にするか、無料で匿名性にするか?

医療改革。病院を分ける。solution shop hospitals。value-adding process hospitals。facilitated networks。´△牢擬圓病気になった方が病院がもうかる。は予防してしまう。目的が違うので施設を分けた方が良い


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医者でない人も、医療をすること


医療改革。しょっちゅう喘息を起こす子の母に(安い)聴診器を買ってもらい発作時の音を教えておく。すると重症化する前に病院へ。同様に中耳炎に対する耳鏡の購入。日本では医療行為は医師とその指示を受けた看護師しかできないので厳密には法律違反だが現場レベルでは実際の所、行われているケースも

医療改革。日本では医師と看護師しか医療行為ができない。だが医師の給与は高いので医療費は高くなる。アフリカの医療のように典型的な病気の場合は数週間訓練を受けたヘルスワーカー(保健所の非常勤職員等)が医療をやることも考慮。典型的でない症例は携帯電話のSMS(短いメール)で専門医に相談


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新型インフルエンザ発生時、スカイプ診療、コンビニ処方


近未来。インフルエンザかも、と思ったらスカイプで家庭医に繋ぐ。問診で疑わしければコンビニに行きインフルエンザテストキットを購入。鼻に棒をつっこんで10分待つと結果。医師はスカイプ画面でそれを確認し処方箋を書いて番号を通知。その番号を近くのコンビニで発券機に入力すると処方箋をゲット

医療改革。新型インフルエンザ(鳥由来H5N1)が流行したら、近未来の「医師によるスカイプ診断、コンビニ処方」システムの方が良いかも。理由は病院に行くと、そこで他の患者に感染させたり、自分が他の病気に感染したり、病院スタッフにうつして病院の機能をマヒさせたりする可能性があるため。


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現代医学で治せる病気かどうかの、ふるい分け


医療改革。一般の人がまず知るべきなのは、現代医学には、,曚棕隠娃亜鷦せる病気と、■験笋た治せる病気と、2割しか治せない(原因を治せないので、症状を多少減らすだけのもの)と、ち瓦どうしようもないもの、の4種類がある、ということ。事前にそれを知っておけば医療費を削減できるかも

医療改革。キューバのように家庭医制にする。一般市民はどの病気が現代医学で治せてどの病気が治せないのかを知らない。まずそれを説明しふるい分けをする身近な医師が必要。ついで専門医にかかるか、あるいは(原因を治せず)対症療法しかないなら、民間療法・精神療法を含めた広い選択肢を提供する。


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医療と公衆衛生で、保健


医療改革。日本では病院での「医療」と、地域での「公衆衛生」を分けてしまっている。世界では「保健」として両社を一括して考え、「予防」を中心として(病気の発症を抑え)医療費のコストを下げることが常識。予防するための地域ネットワークを、地方自治体で、あるいはネット上に組むことが最優先か


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乱立と派閥


医療改革。 東京は多数の大学病院が乱立しているため、本当は機能を分担をするべき。だが、国立と私立の問題などがあり、実現が困難。また、東大系、慶応系、などの大学による医療施設の派閥があり、転送先・紹介先の病院が限定される傾向もある。このため、夜の救急疾患で、たらいまわしの状態も発生


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電子診療記録・電子健康記録


医療改革。(欷云擇砲修凌佑凌芭転霾鵑盖録。カルテの内容・検査結果・CT等の画像データ、母子手帳、ワクチン接種歴などの全てをSDカード等の形で自分で保管。△気蕕乏匿佑凌芭典録や健診記録を、自治体のデータベースにアップし、そこから厚労省へ。8労省は運転免許証の番号と連動して管理

医療改革。各自の診療情報を自治体、厚労省で管理している状態を作る利点。〆匈欧派賊,離ルテを紛失しても復活可能。交通事故で意識不明となり病院にかつぎこまれても免許証の番号と診療情報を連動させておけば問題なし。0貎佑隆擬圓同じ月に複数の病院から睡眠薬等を大量にもらう不正を防げる

医療改革。 電子診療記録(Electronic Medical Record、EMR、電子カルテ)。日本の各病院はそれぞれがいろいろなソフトウェア会社の作った外来・入院用のカルテを使用しておりフォーマットがバラバラなため地方自治体や厚労省に送っても集計できない。これを解決する必要

東日本大震災で医療機関に保存されていた診療情報が失われ患者が受診する際に支障が出たことから厚生労働省は診療情報をデータベース化。2012年度から地域の医療機関から中核病院に診療情報(カルテ、検査データ、薬の処方)を集めてデータベース化し様々な医療機関がデータを利用できるようにする

医療改革。クラウド・コンピューティング。iTune Storeで買った音楽は米国でも利用可能。同じように日本の病院にかかった時の診療情報も全てネット上にアップし、まず厚労省が管理した後、主な先進国・新興国の省庁と共有しておけば海外で病気・事故にあっても平気。だが個人情報流出の恐れ


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クラウド・コンピューティング


クラウドコンピューティング(cloud computing)とは、インターネットを使用したコンピュータの利用形態。ユーザーはネット経由で必要な情報処理をサービスとしてやってもらう。グーグル、アマゾン等が林立するインターネット世界を『雲(クラウド)』のような集団と捉え、それらを利用

富士通は2011年6月から糖尿病患者のために携帯電話を使って血糖値・食事・投薬・歩数計などの健康情報を管理できるサービス開始。インターネット経由で情報を管理する「クラウドコンピューティング」を使用。患者が血糖値を測った後、測定器を専用ケーブルで携帯につなぐと専用サーバーに送られる

クラウドコンピューティング、3種。SaaS。インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。PaaS。インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供。データベース等も。HaaS。ネット経由のハードウェアやインフラの提供。自分でOSからシステム構築可能。

クラウドコンピューティング。使用の例。.僖愁灰鵑破損した場合のバックアップ。外出先でも情報をスマートフォン等で閲覧可能。2搬押⇒Э諭⊆莪先と情報を共有可能。ぬ昌鼻▲譽掘璽函蔑亮書)等を携帯で撮影して管理。イ佞班發んだアイデアをメモとして記録。Γ妊瓠璽訶の無料メールなど

クラウドコンピューティング。情報の保存管理のためのウェブ・サービスとしても利用。無料で、最大容量なものは、Windows Live SkyDive が、25GB。オフィスがインストールされていないパソコン等でもワードやエクセルが使用可能。 http://bit.ly/rqCto

米アップルがクラウドコンピューティングなどのコンテンツ配信事業に参入。『iクラウド(アイクラウド)』などについて2011年6月のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)の基調講演で発表。iTunesで購入した楽曲を米国内に設置したサーバーに保存。ネット経由でどこでも利用可能に


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日本の医療改革、いろいろな側面


日本の医療改革の論点。ヾ擬埃己負担額の増加。∧欷盈舛料額。消費税等による医療費の捻出。た芭妬鷭慧誠瑤慮些曄ず同診療の容認。ド賊,反芭貼蠅量魍篳担。Π綮嫂瑤少、病床数・入院・検査が多。都市と地方の格差。┥児科・産婦人科・救急医療の再建。電子診療情報を厚労省で集約

厚生労働省、「平成18年度医療制度改革関連資料」2006年。これより新しいものはなさそう。このページに平成20年度(2008年)までの経緯が記載されている。 http://t.co/Z8yn5TgT

厚生労働省、審議会・研究会等。社会保障審議会 厚生科学審議会 労働政策審議会 医道審議会 薬事・食品衛生審議会 中央最低賃金審議会 労働保険審査会 中央社会保険医療協議会 社会保険審査会 独立行政法人評価委員会 疾病・障害認定審査会 など http://t.co/dGQO4PVe

厚生労働省、医療、介護、生活支援関連分野における現在の供給体制の論点。仝的負担の増大、医療機関に集中するニーズ、8率化の余地が大きい供給現場、だ在有資格者の存在、グ緡邸Σ雜邉ヾ悗般唄屮機璽咼垢寮伴紊箆携、生活支援サービスの創出 http://t.co/KBwwpryP

厚生労働省、社会保障審議会。2010年。「我が国の医療・介護の供給体制を支える社会保障給付費は増加の一途をたどり、団塊世代全てが65歳以上となる2015年には年金・医療・福祉等を合わせて117兆円、75歳以上となる2025年には141兆円に達すると推定されている。」

厚生労働省、社会保障給付費。1980年、25兆円(年金10.5、医療10.7、福祉等3.6)。2011年、104兆円(年金54、医療32,福祉等18)。なんと30年で3倍以上に。さらに、団塊の世代が75歳以上になる2025年には、141兆円(年金65、医療48、福祉等28)。

厚労省は2011年10月、年金の支給開始年齢を68歳に引き上げる案を社会保障審議会年金部会に提示。民主党政権が6月に「税と社会保障の一体改革」で示した「68〜70歳への引き上げ」に沿ったもので財政の改善が狙い。ただ、高齢者の働く場の確保とセットで議論をすることが欠かせないため困難

厚生労働省「患者一人あたりの受診回数については、日本は諸外国に比べて突出して回数が多い。急性期病床での入院期間についても諸外国に比べて突出して在院日数が長い。すなわち、日本人は、比較的頻繁に病院に行き、長く入院しているのである。諸外国に比べて、こうした実態が医療機関に大きな負荷」

ヾ擬坩貎妖たりの受診回数(回数/年、2003年)の各国比較。日本13.8、OECD平均6.9、フランス6.7、英国5.2、米国3.9。 急性期病床での入院期間(在日日数、2006年)の各国比較。日本19.2、OECD平均7.1、英国7.5、米国5.6、フランス5.4

厚生労働省。「日本の場合、人口千人当たりの医師数や看護職員数は諸外国に比べて極端に少ないとは言えない。だが病床百床当たりに換算し直して見てみると諸外国に比べて歴然と少ない。人口十万人当たりで病院数が諸外国に比べて非常に多い一方、1病院当たりや1病床当たりの職員数は圧倒的に少ない」

厚生労働省、医療提供体制の各国比較。人口千人当たり(人、2006、007年) ^綮嫂堯日本2.1、米国2.4、英国2.5、フランス3.4、ドイツ3.5 看護師数、日本9.3、米国10.5、英国11.9、フランス7.6、ドイツ9.8

厚生労働省、医療提供体制の各国比較。病床百床当たり(人、2006、007年) ^綮嫂堯日本14.9、米国76.3、英国69.0、フランス46.7、ドイツ41.6 看護師数、日本66.8、米国331.2、英国336.9、フランス105.8、ドイツ117.8

厚生労働省、医療提供体制の各国比較(2006、2007年)。 /邑十万人当たり病院数、日本7.0、米国2.0、ドイツ2.6. ■栄賊‥たり職員数(人)、日本183.0、米国799.6、ドイツ412.1. 1病床当たりの職員数(人)、日本1.0、米国4.9、ドイツ1.3

厚生労働省、医療機関のオーダリング・電子カルテの導入率・普及率(%、2006年)。オランダ98、ニュージーランド92、英国90、オーストラリア79、ドイツ42、米国28、カナダ23、日本2.5 (2007年、日本の新規開業の診療所で導入率が70%以上に達したが、全体としては低い)

厚生労働省、小児科、産婦人科を標榜する施設数の年次推移。 ‐児科、病院では1990年4119、2005年3154。診療所では1990年27747、2005年25318。 ∋塞愎猷福病院では1990年2189、2005年1423。診療所では1990年5388、2005年3622

大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課保健統計室、2011年10月。『医療施設(動態)調査・病院報告の概況(2010)』 http://t.co/VstKloiQ

厚生労働省、2011年8月「医療提供体制は、国民皆保険制度とフリーアクセスが基盤。だが現在、産科・小児科等の診療科やへき地等における深刻な医師不足問題や、救急患者の受入れの問題等に直面しており、これらの問題に対する緊急の対策を講じる必要」 http://t.co/6GOqF9lQ

厚生労働省 「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」報告書の公表について、2005年6月。,修硫畊鵑箆働状況の現状把握、△修硫善のための人材の確保・育成、0緡纏餮擦慮率的な配備、ぞ児医療・周産期医療のあるべき姿 http://t.co/b6J6ro8f

小児医療提供体制の問題点は小児科医の数の不足ではなく、医師の配置の偏在と役割分担の不明確さ。15歳未満小児人口十万当たりの小児科医数は79.9人であり米国における56.5人と比較して少なくない。一方1施設当たりの小児科医数は2.5人と少なく、センター的病院への医師の集約化が必要。

小児科医は最近十年間減少はしておらず、むしろ僅かな増加がみられるが実際の活動性(ワークフォース)は明らかに低下。その原因の一つは、全体の5割に近づこうとしている女性医師の結婚、出産、育児のための離職。そのため、女性医師が生涯、小児科臨床に従事できるような環境を整備することが急務。

小児医療に関しては診療ニーズと休日夜間の診療体制のミスマッチ。病院の勤務医では勤務時間は法定勤務時間を遙かに超えており、その負担の要因は夜間の時間外診療や救急。小児科の病院収支が算出された施設のうち40%で赤字であり、地域医療圏ごとの小児医療の見直しと赤字対策に抜本的な対策が必要

産科医は10年来入局者が明らかに減少し、医師の4割以上が既に60歳以上と高齢化が進んでおり、今後、実働可能な産婦人科医師の数が急速に減少することが予想される。さらに、女性医師が急増し、若手医師ではすでに5割を超えていることから、出産等での離職が多く、女性医師の継続就労支援が課題。

産科志望者が減っている原因としては「分娩に医師は不要」というイメージが医師の中にあること、労働量や責任に対して報酬が低いこと、周産期訴訟の多いこと(医療訴訟の3割以上)。また、多くの産婦人科医にとり、産科診療における当直、不規則な診療時間、医療訴訟が多いこと等が多大なストレスに。

毎年300人前後が産婦人科専門医になるが、医療の専門分化が進んでおり、産科医以外に、不妊専門医、一般婦人科診療医、婦人科腫瘍専門医などに分化しており、分娩を取り扱う産科の専門医の絶対数が減少しているため、産科医療の地域センター的病院への医師の集約化が必要。

裁判所 、医事関係訴訟事件の処理状況及び平均審理期間。2004年1110件(新受)とピークを迎えたが、以後は減少傾向。ただし2009年は732件、2010年は794件と微妙な増減。 http://t.co/dDVKjjV2

診療科別医師千人当たり医療訴訟新受件数(最高裁判所、2004年)。産婦人科12、外科11、整形・形成外科7、泌尿器科4、内科4、精神科・神経科3、耳鼻咽喉科3、皮膚科2、麻酔科2、眼科2、小児科2、歯科1 http://t.co/CNdX0qmM

医師の劣悪な就労環境の問題。法定の労働時間は8時間x5日で週40時間程度だが、医師は、特に若い間、1日12時間以上勤務で、土日もなしが多く、週の労働時間は2倍の80時間を超えることは普通で、3倍の120時間を超えることもある。これに加えて産婦人科は訴訟が多く、小児科は給与が安い。

医師の労働環境。医師は、特に若い間、週に2回程度、夜間の当直をすることが多いが(看護師と違って8時間ごとのシフト制でないため)当直が終わった翌日もずっと仕事をする。急患が多いと一睡もできないこともあり、これで仕事を続けるとミスが起きたり、患者への説明で「誤解」が生じ易く、訴訟に。

厚生労働省「介護分野においては高い離職率や人材不足が指摘されており、今後、年平均約4〜6万人程度の介護職員の増加が必要。注目されるのが、資格を持ちながらその業務に従事していない潜在的資格保有者。訪問介護員の資格保有者を例にとれば、約80%・約64万人が介護分野には就労していない」

厚生労働省。「高齢者のニーズに応じて、今後、看取りを含めて終末期に至るまでの生活のQOL(quality of life)を維持できる環境を整備していくとすれば、(資格を持つ潜在的)訪問介護員はもちろん、医療の面でも一説に55万人とも言われるいわゆる潜在看護師の活用も期待される」

日本の看護師数。2008年末に就業している看護師数は約87万7千人で、2006年比で、約6万5千人(8.1%)増加し、准看護師数は約37万5千人で2006年比で、7107人1.9%減少している。また男性の占める割合は看護師で5.1%、准看護師で6.2%と漸増傾向。

「潜在看護師をいかに現場復帰させるか」(日本政策学生会(ISFJ)、2008年12 月)。ISFJ政策フォーラム2008発表論文 http://t.co/ax7qJ5Z3

日本の看護師数の、需要と供給の問題。現在、看護師数は年平均で約1万人ずつ増加しているが、高齢者等の増加のため需要は年2.7万人ずつ増加している。このため、看護師不足は、今後さらに深刻さを増すであろうことが推察される。有効求人倍率は、常勤でも、パートタイムでも、2〜3倍程度である。

看護師不足の原因は離職率の高さ。2007年度は全国平均で12.4%。約8人に一人が辞めてしまう。これが毎年繰り返されるので、いわゆる潜在看護師が55万人いるとされる。離職の理由は「子育て」や「結婚」など自分自身の理由と共に「勤務時間が長い・超過勤務が多い」、「夜勤の負担が大きい」

看護師不足の原因。新卒の看護師が1 年以内で離職をした割合の全国平均は9.2 パーセント。つまり、約10 人に1人が1 年以内に看護師の仕事から離れてしまう現状。

看護師が辞める理由(日本看護協会)。’タ院出産30.0%、結婚28.4%、子育て21.7%、ざ侈鎧間が長い・超過勤務が多い21.9%、ヌ覿个良蘆瓦大きい17.8%、Υ埜郢媼身の健康問題10.4%、

潜在看護師。日本に55万人いると言われる。その1割の5.5万人が現場復帰すれば、日本の看護師不足は解消されると言われている。「潜在ならびに定年退職看護職員の就業に関する意向調査」によれば、潜在看護師 の77.6%が医療の現場への復帰を望んでおり、72%が復帰前の研修を希望している

潜在看護師が現在就業していない理由(日本看護協会)。〇勸蕕藤苅魁鵝↓家事と両立しない23%、自分への適正・能力への不安21%、だ嫻い僚鼎機Π緡纏故への不安18%、ヌ覿个悗良蘆瓦大きい16%。

保健師助産師看護師法。1948年に制定された、保健婦助産婦看護婦法が、2001年に名称と内容が改訂されたもの。「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくは褥婦(じょくふ、出産後の女性)に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者。

医師法。第十七条 「医師でなければ、医業をなしてはならない。」 1948年制定・施行。この法律があるため、基本的に日本では、医師でなければ、医療行為をすることはできない。

「身近なお医者さん」。一次医療(プライマリーケアをする医師。 日本家庭医療学会 http://t.co/cjr5JrPq 地域医療振興協会・へき地(僻地)医療 http://t.co/0G87gmqS 日本プライマリ・ケア学会メインページ http://t.co/YrBxoSFG

医療改革。キューバのように家庭医制にする。一般市民はどの病気が現代医学で治せてどの病気が治せないのかを知らない。まずそれを説明しふるい分けをする身近な医師が必要。ついで専門医にかかるか、あるいは(原因を治せず)対症療法しかないなら、民間療法・精神療法を含めた広い選択肢を提供する。

日本では家庭医を増やすのは困難。\賁腓貌嘆修靴唇綮佞諒が大学での地位が高く、また収入も高くなる(厚労省の診療報酬制度の為)。家庭医が診ることになる産科・小児科は医療訴訟が多く訴訟で負けると1億円。産科・小児科系は夜勤が多く休みもほぼ無いので、若いうちは可能だがやがて困難に。

「小児科医と産婦人科医が減る理由は? 2,295字」 山本敏晴のブログより。ゝ詢舛安い、¬覿个多く寝れない、A幣戮多い、ぐ幣紊陵由で、みんな辞めるので、一人当たりの仕事が増え、さらにきつい状況に。ト茲譴謄潺垢襪函△垢袷幣戞 http://bit.ly/rqdNoZ

「日本の医療の国営化・公営化の是非 7027字」 山本敏晴のブログより。日本の医療改革について。検査のしすぎ、入院が長すぎ、医師の公務員化、病院の公営化、などについて。 http://bit.ly/pCc8rM

「農村で演劇をする医師、そこから生まれた新しい医療 7423字」 山本敏晴のブログより。 地域に住む人、全員に対する健康診断。今では当たり前のこの制度を、日本で初めて実施した男の話。 http://bit.ly/9q1O6z

医療系ブログの一覧 http://t.co/Seobss77


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ランセット日本特集号


英医学誌『ランセット』日本特集号:国民皆保険達成から50年。日本が短期間で長寿社会を実現した要因、皆保険制度の長所と限界、高品質低コスト医療の実態、急速な高齢化に対応する介護保険制度導入による成果と課題、保健外交における日本の優位性と役割 http://t.co/Tf7ZdtV

世界的に権威ある英医学誌ランセットが9月1日、日本の保健医療に関する論文特集号を発行。長寿世界一を達成した医療の貢献を評価した一方で、男性の喫煙率の高さや自殺の増加などから長寿国の地位を危ぶむ指摘も掲載。渋谷健司東京大教授、武見敬三日本国際交流センターシニアフェローらが制作に協力

ランセット日本特集号。長寿世界一になった理由について1950年以降、病気別の死亡率の国際比較などで分析。50〜60年代前半には感染症対策、60年代後半からは減塩や降圧薬の普及による脳卒中減少が貢献。一方、高齢化、たばこ規制の不十分さを指摘し、今後平均寿命の順位が落ちる可能性を指摘

ランセット日本特集。今の死亡の危険因子は喫煙と高血圧。全成人が禁煙すれば平均寿命は男性が1.8年、女性は0.6年延びる。血圧を下げれば男女とも0.9年延びる。だが、現状は対策が不十分。日本の自殺率は10万人あたり24.4人(2009年)で米国の11.0人(05年)などに比べて高い

ランセット日本特集号。皆保険制度導入後(1961年)は減塩や降圧剤によるケアが脳卒中死亡率を低下させたと分析。だが米ワシントン大のクリストファー・マレー保健指標評価研究所長は「経済停滞、政治の混乱、高齢化、十分でないたばこ規制という状況の中で効果的に対応しているようには見えない」

ランセット日本特集号。池上直己・慶大教授らは、国際的に見れば低い医療費で公平な保険制度を構築できた要因として、並行して進めた公衆衛生政策のほか、経済成長、高い識字率、教育水準、伝統的な食習慣と運動などをあげた。だが「過去の成功は必ずしも将来のトップレベルの成果を保証しない」と警告

ランセット日本特集号。日本の「国民皆保険制度」から50年を記念。低水準の医療費で世界一の長寿を達成。2008年時点で国内総生産(GDP)比の医療費は、経済協力開発機構(OECD)加盟国中20位と低水準でありながら、良好な健康状態を達成したと指摘。世界に教訓を提供できるとしている。

The Lancet の日本特集号の発行に合わせて、東京大学の国際保健教室が、シンポジウムを開催。2011年8月31日13:00 - 17:00。東京大学本郷キャンパス福武ラーニングシアター。リチャード・ホートン(ランセット編集長)等  http://t.co/3GlNjqg

英国の『ランセット』日本特集号出版記念シンポジウム「医療構造改革の課題と展 望:3月11日の大災害を超えて」のご案内。国内外の保健・医療分野のご専門家の参加を得て、 「我が国の21世紀における保健医 療の検討:新たな皆保険制度に向けて」 http://t.co/Qnpkf77


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さいごに


医療改革といっても、\府側が医療費削減、増税、医療資源の適正配分、電子カルテの集約を言う場合と、現場の医療従事者の待遇改善を言う場合と、4擬圓陵便性を言う場合と、す睥霄垰埔貪へのビジネスモデル提案を言う場合などがあり多様。それぞれの利害が衝突する場合もあるため調整は難しい