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目次

感染症の歴史
数理モデルの歴史
ホスト
R0(アールゼロ、基本再生産数)と、感染の拡大に必要な予防接種率
倍加時間
不顕性感染とシータ(θ)
感染症曲線(エピデミック・カーブ)と再流行
R(実効再生産数)と、感染の拡大に必要な予防接種率
集団免疫、ワクチン、予防接種
超過死亡
検疫・隔離
HIV/エイズ
SARS(重症急性呼吸器症候群)
ポリオ
手足口病
疾患の性質による、対策のとりやすさの違い
多剤耐性遺伝子、MBL、インドなど南アジア発
さいごに


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感染症の歴史


感染症(Infectious diseases)世界の3人に1人は感染症で死亡している。 発展途上国では2人に1人。先進国では7人に1人。 http://t.co/sVTDHl1V

感染症。1918年のスペイン風邪で4千万人が死亡し脅威。△世1980年にWHOは天然痘の根絶宣言をし医学万能論。だがマラリアは制圧できず2002年SARS等の新興感染症が勃発し、多剤耐性結核などの再興感染症も。だこΤ胴颪療垰圓国際線で結ばれ24時間あればパンデミックの懸念

感染症の世界波及。.ぅ鵐匹料歓邑の半数、バングラの8割がスラム在住。⊃綟擦覆衛生悪く下痢で子供が死亡。近年、腸内細菌の耐性化。B膺佑謀尿病多く免疫力低下し病気の温床。づ垰圓卜拈椶靴討襪燭甕嵒柁生した場合、首都に波及。ス餾歙の航空機を通してすぐに世界的パンデミックが発生。

途上国のスラムは新興・再興感染症の温床。不法移民などの戸籍や住民票のない住民が多いため、政府や自治体が、(子どもや妊婦を含め)健診などを行っておらず、また健康保険がないため(インフルエンザ等にかかっても)病院を受診しない。受診しないと政府に報告がいかないので、発生したことすら不明

国別人口予測(2002年→2025年)中国12.9億→14.7億、インド10.4億→13.5億、米国2.9億→3.5億。インドネシア2.2億→2.7億。ブラジル1.7億→2.2億。パキスタン1.5→2.5。バングラデシュ1.4→2.1。ロシア1.4→1.3。日本1.3億→1.2億

世界人口(2008年)。,よそ半分は都市に住む。2030年までには都市部では49億人が住むと目され、田舎部の28億人を大きく上回る。C羚颪任錬隠闇以内に8億7千万人が都市部に。ぅ吋縫◆▲屮薀献襦▲ぅ鵐匹任48%が、バングラディッシュ、ハイチ、エチオピアでは78%がスラムに

感染症リスクの拡大。\こ人口は都市部で急激に増加。各都市が国際線で結ばれているため、ある都市で感染症が勃発すると24時間以内に世界中へ。F逎▲献◆Ε▲侫螢のスラムは衛生状態が悪く感染症の温床。不法移民が多いため住民票も保険もなく罹患しても受診せず政府もWHOも把握できず放置

感染症リスクの拡大。製薬会社が感染症の新薬を作らない理由。々垣減淌は数日しか服用されず一生飲み続ける高血圧等の慢性疾患に比べると利益率が低い。△修粒笋乏発費が数億〜数十億円かかり費用対効果が低い。6畴、微生物が急速に耐性化しており商品化しても数年で効果なしに。い弔泙螳循環


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数理モデルの歴史


数理モデル(mathematical model)。実際の現象を、数学的に説明・予測しようとしたもの。例えば『歩く』という現象を説明するために『歩行距離=歩幅x歩数』、という公式を作ること。本当の現実とは、必ずズレが生じる。インフルエンザを始めとする伝染病の感染予測にも用いられる

感染症の数理モデル。数理疫学の起源は、18世紀のダニエル・ベルヌーイ(1700-1782年、スイスの数学者・物理学者)による「天然痘死亡率の寿命への影響に関する研究」。彼は、1738年に、「リスクの測定に関する新しい理論」というリスク・マネジメントに関する先駆的論文を発表している

感染症。SIRモデル。〔ご鏡者(感受性保持者、susceptible, Naive)、感染者(infected)、L髪嵎飮者(recovered, Immune)。,△砲覆蝓△笋てになる。人の移動もかく、出生も死亡もない、とまず仮定して、数理モデルを考えるのが基本。

「HIV感染伝播の数理モデル」 SIRモデル。人口集団全体を、未感染者(感受性保持者)、感染者、免疫保持者の3つに分け、それぞれをS(susceptible)、I(infected)、R(recovered)で表す。エイズではSISモデル http://t.co/jodJcjeh

「新型インフルエンザ対策のための数理モデル構築」ヾ鏡症流行の数理モデルによるインフルエンザワクチン製造の資源配分の最適化。⊃佑領れの高精度時空間データを駆使した新型インフルエンザの東京都市圏解析システム。 http://t.co/N6lwcXxo

「感染症の数理」稲葉寿(東京大学大学院数理科学研究科)2009年3月18日 日本アクチュアリー会平成20年度第7回例会 パワーポイント資料 http://t.co/pZIo5Ygx

アクチュアリー (actuary) 。ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価をする専門職。「保険数理士」「保険数理人」などと訳されることもあるが、保険計理人と紛らわしいため「アクチュアリー」とそのまま呼ぶことが多い。日本アクチュアリー会の初代代表は医師で日本生命の社医

感染症の感染モデル(数理モデル、Dr.浦島充佳 公式サイト)「20人のクラスの中で1人が感染者となりました。1人が2人に感染させる力があるとすると、どうなるでしょうか?」 http://t.co/x8cPMsmj

「感染症流行の予測: 感染症数理モデルにおける定量的課題」 予測を実施するためには、‥組打塾蓮↓感染待ち時間、4鏡性期間、などの詳細な情報が必要。 http://t.co/xOiWTLHk


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ホスト


感染症の数理モデル。ホスト(host)。問題となる感染症が起こると予想される集団のこと。/祁織ぅ鵐侫襯┘鵐兇覆匹凌袈輯鏡症の場合、全員に免疫がないのでモデルは単純となり、指数関数的に感染は拡大。長期化すると、出生、高齢化による自然死、移住等で人口の出入りが生じ動態が問題となる


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R0(アールゼロ、基本再生産数)と、感染の拡大に必要な予防接種率


感染症。R0(アールゼロ)。感染してしまった一人の人が、平均何人に感染させるか? ウィルスの感染力・伝搬力の強さ。basic reproductive number (R0)。Intrinsic transmissibility of infectious agent

感染症。R0(アールゼロ)。一人の感染者が一人の人に感染させる場合、感染者数は横這い(R0 = 1: maintain)。一人以上に感染させる場合、増加(R0 > 1: Epidemic)。一人未満に感染される場合、減少(R0 < 1: Extinction)

感染症の数理モデル。R0。基本再生産数(basic reproduction number)。新しい感染症が発生した場合(当初は全員が免疫を持たない人々だと考えた場合)一人の感染者が「感染させる能力がある全期間」の間に、何人の感染者を産むか、を示す値。1(一人)以上なら感染は拡大

感染力の強さ(一人の患者が何人にうつすか、R0、Fincの推定)。麻疹(はしか)12〜18、百日咳12〜17、水痘(水ぼうそう)8〜10、風疹(三日ばしか)6〜7、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)4〜7、ジフテリア6〜7、ポリオ(小児麻痺、急性灰白髄炎)5〜7、天然痘(痘瘡)5〜7

感染症。伝搬力、R0に影響する要因。”存饗里寮質。⊃預Δ陵彖如かつて流行したことがあり抗体を持っているか。なくても一般的な免疫力が強いか。人口動態。感染していない人がその国に移民などで流入。航空機で流出。子供が出生。と症前に病原体を排出するタイプの場合、歩き回って感染拡大

感染症。伝搬力、R0(アールゼロ、basic reproductive number )。三つのかけあわせ。D:病気の長さ。C:接触の回数。p:接触した時に、どのくらい感染しやすいか。R0=DxCxp。病気を速く治せばDが短縮、家で寝てればCが減る。R0が1を切れば、自然に収束へ

英国の大学とWHO等の研究グループは2009年5月、新型インフルエンザ(豚由来H1N1)のメキシコでの致死率は0.4%で、感染力を示すRO(基本再生産数)は1.4〜1.6と推定。季節性インフルエンザよりは高いが過去のパンデミックよりは低い http://t.co/9CEearyN

新型インフルエンザ(豚由来H1N1)のメキシコでの感染力(R0、基本再生産数、一人の患者が何人にうつしたか)を1.4〜1.6だと推計した方法を掲載する論文。 Science 19 June 2009 http://t.co/4yYVmOiJ

感染症。政策を考える上でR0(一人の感染者が何人にうつすか)が重要。流行を防ぐためのワクチンの集団接種率を算出できる。例えば強力な感染症である麻疹のR0が10(人)だとすると、1−(1/R0)=0.9 つまり90%の国民にワクチンを接種し免疫を持たせないと効果はない。上記が計算式

感染症の数理モデル。ある感染症を防ぐには、その集団の何%の人に免疫を持たせればよいか? 例えば、麻疹のR0(基本再生産数、一人の人が何人にうつすか)が、15だとした場合、(1−1/15)x100(%)で計算可能。上記を計算すると93%となり、麻疹を防ぐにはそれだけの予防接種が必要

感染症のうつりやすさと必要な集団免疫(基本再生産数/集団免疫率)。麻疹(12〜18/83〜94)、百日咳(12〜17/92〜94)、水痘(10/90)、ポリオ(5〜7/80〜86)、おたふく風邪(4〜7/75〜86)、インフルエンザ(3〜4/75)、SARS(2〜3/50〜67)

「小児感染症の特徴 -途上国のこどものための基礎知識-」 国立病院機構三重病院小児科 庵原俊昭 基本再生産数(R0)と集団免疫率(H) http://t.co/hW2ftwNM


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倍加時間


感染者倍加時間(Doubling Time )。ヾ鏡してから感染を起こすまでに時間(Disease Generation Time (Tg))。一人の感染者が何人に感染させるか(R0)。Tg / (R0 –1)が感染者倍加時間。3日で感染可能で2人に感染させるなら倍加は3日


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不顕性感染とシータ(θ)


感染症。不顕性感染(inapparent infection、occult infection、subclinical infection)。感染が成立していながら症状を示さない感染様式。自分に症状は無くても他人にはうつす能力があるため、知らずのうちに社会の感染源となっている状態

感染症。シータ(θ)。感染症は発熱などの症状がでる前からウィルスの排出を開始する場合がある。仮に『発熱期間が3日間で、その前日(1日前)からウィルスを放出し、発熱終了までウィルスを排出する』とした場合、シータ(θ)は、4分の1、となる。この割合が大きい感染症ほど、予防が困難となる

感染症。シータ(θ)。発熱などの症状を患者が示す前に、既にその患者が他の人々に微生物を感染させてしまっている可能性の大きさ。Proportion of transmission occurring prior to symptoms (or asymptomatically)

感染症。流行が収束に向かうかの判断。。劭亜憤貎佑何人に感染させるか)。▽函壁垳伽感染及び感染性を持つ潜伏期間の割合)。θと1/R0を比べ、θが大なら流行は拡大。θが小なら流行は収束。仮にインフルエンザは、θが0.7で、R0が2とすると、1/R0=0.5。θの方が大で感染拡大

感染症。新興感染症に対する数理モデルには限界がある。計算するために必要なθ(シータ、不顕性感染などの割合)を知るには、感染が収束した後、地域住民の抗体価を調べ、抗体を持つ人の何割に症状が無かったか、を調査・計算するしかない。つまり、時すでに遅しで、その時は、既に感染は収束している


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感染症曲線(エピデミック・カーブ)と再流行


バークレー・マドンナ(Berkeley Madonna)数理モデル。新興感染症などが起こった場合、R0(一人の感染者が何人にうつすか)などのデータが分かっていれば、何日後に感染流行曲線(エピデミック・カーブ)のピークが来るかを算定できる。 http://t.co/ytZMdMZu

感染症。流行曲線(epidemic curve )。,泙此感染の発生。感染者が増加し大きな山。(抗体をもっていない感染可能者が減少してゆくため)感染が減少。ご脅性のある新しい人々との接触(流入または拡大)による小さな山(再発)。ゾさい山が数回、発生。収束または定常化。

感染症の数理モデル。集団への感染を考えた場合、もし住民の移動や出生・死亡等の人の出入りがなければやがて感染は収束するが実際はそれらがあるため感染可能者の割合がある程度増えた所で感染は再流行。さらに冬に流行する等の季節性を加味すると、4年に一度流行するマイコプラズマ肺炎等が説明可能

移民の多い国、トップ10(2005年、UNDESA)。米国3840万人、ロシア1210万人、インド1010万人、ウクライナ680万人、フランス650万人、サウジアラビア640万人、カナダ610万人、インド570万人、英国540万人、スペイン480万人


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R(実効再生産数)と、感染の拡大に必要な予防接種率


感染症の数理モデル。実効再生産数(effective reproductive number、R)。集団の全てがその感染症に免疫がないとは限らない場合、あるいは集団が移動・移住などをし定常状態ではない場合において、その全感染可能期間において、一人の患者が何人に感染させたか、を言う

感染症の数理モデル。感染を収束させたい場合、一人が何人に感染させるかの数(R)を1以下にすればよい。対策は、。ヾ鏡し病原体を放出している可能性のある人を隔離。∪楴鑞歴調査。感染経路の解明とR(人数)を推定。(1−1/R)x100(%)の割合になるように集団に対しワクチン接種


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集団免疫、ワクチン、予防接種


感染症の数理モデル。herd immunity。集団免疫。感染のSIRモデルにおいて、感染可能者(S)が感染者(I)となり、やがて回復し免疫獲得者(R)となった割合が増えると、まだSがいてももう感染が広がらなくなること。人間の盾とも言う。herdとは群集・民衆。原義は牛などの群れ

感染症。ある集団における「盾」の存在。かつて、あるインフルエンザが流行した場合、(仮に)それに対して免疫(抗体)を持つ人が60%いるとする。すると、ほぼ同じ抗原を持つインフルエンザが流行しようとしても、それらの人が「盾」となり、感染が流行しにくい状態を言う。

感染症。ワクチンには二つの役目。個人免疫と集団免疫。集団免疫を70%程度行うと、インフルエンザなどが流行しようとしても、それらの人が「盾」になって社会で流行できない場合がある。「人間の盾」というと言葉が悪いが、そういう人間の盾もある。


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超過死亡


超過死亡(excess death、 excess mortality)。WHOが推奨する概念。例えばインフルエンザが流行したことによって総死亡がどの程度増加したかの推定値。死因は不問。もしワクチンの有効率が100%で、かつ予防接種をしていれば回避することができたであろう死亡者数


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検疫・隔離


感染症。Quarantine(検疫・隔離)。伝染性疾患の疑いのある人を拘留すること。二つに分かれる。Isolation(隔離)。症状のある人を拘留。検疫所で行われる。Large Scale Quarantine(大規模検疫)。症状はなくとも、感染した可能性のある人を全て拘留。


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HIV/エイズ


感染症の数理モデル。HIV/エイズの流行の特性。\伏期が非常に長く、その間に感染性(血中ウィルス量)が大きく変動。このため数理モデルに感染齢(感染からの経過時間)の導入が必要。長期の流行では、超過死亡によるホスト(集団)の人口学的構造を考慮。4鏡経路によって異なる相互作用。

感染症の数理モデル。HIV/エイズの感染規模の推定問題。ヾ鏡者は観測できない。観測されるのは発症者数。■硲稗屬里茲Δ棒伏期が長いと、感染者数と発症者数は全く異なる。4擬埒瑤ら感染者数を推定する必要。ご鏡齢が高い人に発症。感染者集団の齢構造が異なると、発生率も全く異なる。

感染症の数理モデル。HIV/エイズの制圧の難しさ。々械硲稗嵬瑤枠症を遅延するだけで完治しない。慢性病化しているため、R0が大きくなった。▲錺チンがない。薬剤耐性も急速に獲得。L犠標性感染がほとんど。だ的接触構造が『スケールフリーネットワーク』に近く、R0が大きくなり易い。

感染症の数理モデル。スケールフリーネットワーク(Scale Free Network)。全ての人が同じように、2〜3人と接触する(感染させる)のではなく、ある「活動的な人」が、一人で十人以上と接触する(感染させる)ような状態を言う。HIV/エイズなどの性感染症で起こり易い。

感染症の数理モデル。実効再生産数:R<1は根絶の十分条件か? 『いいえ』。。辧磽韻任盍鏡人口が定着(endemic steady state)することがある。∋間経過によって、自然にデピデミック・カーブ(感染曲線)が減少に向かわない疾患(HIV/エイズなど)で起こり易い。


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SARS(重症急性呼吸器症候群)


SARS(サーズ、severe acute respiratory syndrome、重症急性呼吸器症候群)。2002年7月に中国広東省で発生、2003年に制圧。8,098人感染、774人死亡。中国がWHOに知らせたのは2003年2月であったため国際的対応が遅れ北米などに拡大した

SARS。中国5327、香港1755、台湾307、カナダ250、シンガポール206、米国71、ベトナム63、フィリピン14、ドイツ10、モンゴル9、タイ9、フランス7、マレーシア6、イタリア4、イギリス4、インド3、韓国3、スウェーデン3、インドネシア2、コロンビア1、南ア1、等

WHO, SARS (Severe acute respiratory syndrome) http://t.co/dA9Tu3Xt

感染症の数理モデル。スーパー・スプレッダー(Super Spreader、superspreder、ばらまき屋) 。SARS(重症急性呼吸器症候群)がアウトブレイクした時にできた概念。10人以上に感染させた患者を言う。新興感染症では周囲に免疫を持っている人がいないため、起こり易い


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天然痘


天然痘(痘瘡、疱瘡、smallpox、variola)。非常に強い感染力。全身に膿疱を生じ治癒しても瘢痕(あばた)。ヒトのみに感染。飛沫感染・接触感染。7〜16日の潜伏期間。発熱・頭痛など。発熱後3〜4日目に発疹。重症例では呼吸不全で死。ワクチンあり。1980年、WHOは根絶宣言

天然痘のバイオテロ。感染者の約1/3が死亡。1991年、ソ連崩壊時の混乱でロシア国立ウイルス学バイオテクノロジー研究センターに保管されていたウィルスが流出。2002年、米国で天然痘バイオテロ騒ぎ。2011年5月、米国は今後5年間バイオテロに備え研究開発のためウィルスを保持する発表

「バイオテロへの対応」 国立感染症研究所 倉田毅。2001年10月、米国で炭疽菌によるバイオテロ事件。次は天然痘(?)との認識から、ワクチンと薬剤開発と病原体の遺伝子解析に900億円。天然痘ワクチンについてはWHOも2002年5月から検討 http://t.co/EgZ9VAXy


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ポリオ

ポリオ(急性灰白髄炎、小児麻痺、左右非対称性の下肢などの弛緩性麻痺)は根絶できない。1988年のWHOの総会において2000年までの根絶が決議されたが無理だった。理由は不顕性感染の多さ。ほとんどの人が感染しても症状がなく、あっても風邪だと思う程度。ごく一部の人に重大な障害が生ずる

中国における野生株ポリオウイルス(関西空港検疫所、海外感染症情報)2011年9月。中国保健省は野生株1型ポリオウイルスが4名の小児(生後4ヶ月〜2歳)から分離されたとWHOに報告。いずれも中国の新疆ウイグル自治区ホータン地区に住んでいる http://t.co/ZxnK2hpv


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手足口病


手足口病。夏風邪の一種。手のひらや足の裏、尻、口の中に直径2〜3ミリの水泡の発疹。乳児から4、5歳までがかかりやすい。症例の約4割は発熱を伴わないが、38度前後の熱が出ることも。軽症の疾患だが、重症化すると髄膜炎を引き起こすこともある。経口、飛沫、接触で感染し、潜伏期は3〜4日。


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疾患の性質による、対策のとりやすさの違い


感染症。SARSや天然痘の場合『発症前の(潜伏期中の)感染させることが可能な期間の割合(シータ(θ))』が、ほぼ無かったため、対策をとり易かった。インフルエンザの場合、発症の1〜2日前から感染させる能力を持つため、政府も個人も予防対策をとりにくい。また人獣共通感染で、不顕性感染も

感染症。不顕性感染。ポリオ、手足口病(2011年に流行)、ヘルパンギーナなどは、不顕性感染がほとんどのため、患者が発生した場合、それを隔離しても、ほとんど意味がない。社会の中に、(症状はなくとも)感染して微生物をばらまいている人が、患者数よりも、もっとずっと多いためである。

「手足口病」が2011年夏、大流行。東京都内では8月初旬、1医療機関あたりの患者数が過去10年で最多。1週間毎にデータを集計しているが、1医療機関あたりの平均患者数が警報を発令する基準(5.0人)を超え8月1〜7日には11.07人と過去10年で最多。「感染拡大は防げない」と嘆く声

感染症に注意。理由は、死亡率60%を超える鳥インフルエンザ(H5N1)が新型インフルエンザとなって世界中でパンデミックとなる可能性があるため。予防対策が困難な理由は、“症前の潜伏期から患者はウィルスを排出(θが大)、不顕性感染がある、人獣共通感染症、づ組体呂大(R0>1)

天然痘が撲滅できた理由。\伏期間中は感染源にならず発疹等の症状が出てから病原体を放出するためコントロールし易い。不顕性感染もない。人にしか感染せず動物が宿主(人獣共通感染症)にも中間宿主にもならない。と症すると全身倦怠感が強く患者は出歩かず家にこもり他人にうつす機会が減る

感染症。学級閉鎖・学校閉鎖に意味あるか?不顕性感染(無症状で病原体排出)のない病気(麻疹、天然痘、SARS等)には(症状が出てからの)隔離が有効なので、やる意味あり。だが不顕性感染のあるインフルエンザ、手足口病等にはあまり意味なし。社会に症状なしで病原体を排出してる人が多数いる為


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多剤耐性遺伝子、MBL、インドなど南アジア発


ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌について。横浜市衛生研究所。英国、ベルギー、フランス、オランダ、スウェーデン、米国、香港などにおいて、主に、インド、パキスタンで医療行為を受けて帰国した者に感染が確認 http://t.co/v0rJkU0p

NDM-1産生株。.ぅ鵐鼻▲僖スタン以外に(そこに旅行・接触した)欧州、米国、中国等で発生。肺炎桿菌、大腸菌が主だが、緑膿菌、アシネトバクター、そして懸念されていたサルモネラでも確認。この薬剤耐性遺伝子を担うプラスミドは宿主域が広い http://t.co/Dk32zrMf

新型の多剤耐性遺伝子"NDM-1"を持つ大腸菌が獨協医科大学病院(栃木県壬生町)で発見されていた。国内で見つかったのは初めて。患者は回復し、他の人への感染はない。この耐性菌はインドやパキスタンで広がり欧米でも増加。2009年5月、インドから帰国後、発熱した50代男性から検出された

2010年8月18日、厚生労働省より「ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌の感染をインド等の海外で確認。広範囲の抗菌薬に多剤耐性を示す。伝達性プラスミドにより媒介され、別の株の菌に伝播する現象がみられる。国内で発生したら国立感染症研究所へ紹介せよ」

異なる種の細菌を行き来でき、多剤耐性を起こす遺伝子"NDM-1"は、2010年8月11日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。英カーディフ大学(Cardiff University)とインド・マドラス大学(Madras University)による研究

強い薬剤耐性示す細菌の遺伝子が南アジアから世界に拡散。インドなどで美容整形術等を受けた人が強力な薬剤耐性を示す細菌に感染。肺炎桿菌(クレブシエラ菌)と大腸菌の中に異なる種の細菌を行き来できる遺伝子、NDM-1(New Delhi metallo-beta-lactamase-1)

スーパー耐性菌(スーパー細菌)と呼ばれる細菌を産み出す遺伝子"NDM-1"は2007年スウェーデンに長年在住していた59 歳のインド人男性が帰国した時、臀部の膿瘍から発見。「NDM-1 型メタロ-β-ラクタマーゼを産生し多剤耐性を獲得した大腸菌や肺炎桿菌等に関する報告文献の概要」

異なる種の細菌間を移動できる「プラスミド」にある多剤耐性遺伝子は抗生物質を分解してしまう酵素を産む。MBL(Metallo-β-Lactamase)が、その酵素の総称で、その中に、1)帝京大学のアシネトバクターのIMP-1遺伝子や、2)獨協大学の大腸菌のNDM-1遺伝子が含まれる

NDM-1遺伝子を持つ新型耐性菌に感染したベルギー人が死亡。パキスタンを旅行中、自動車事故に遭い、同国の病院からブリュッセルに移送されたが既に感染。オランダ、スウェーデン、米国、オーストラリアなどでも感染を確認。欧米から(蔓延している)南アジアに美容整形を受けに行く人が多いため。

プラスミド上にあるNDM-1などの多剤耐性遺伝子が怖いのは、異なる種の細菌同士の接合で簡単に遺伝子のやり取りができてしまうこと。免疫低下者にしか感染しないアシネトバクターから、誰にでも感染する病原性大腸菌にその遺伝子が移動した場合、どんな抗生物質も効かない無敵の食中毒が起こるかも

NDM-1 (ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1)は大腸菌や肺炎桿菌などの腸内細菌科の菌で確認。(抗生物質を分解する酵素である)MBL(Metallo-β-Lactamase)にはIMP-1 やVIM-2 などのタイプがあり、そららは緑膿菌やアシネトバクターなどで産生される

(異なる種の細菌間を行き来でき、多剤耐性を起こしてしまう)"NDM-1遺伝子"によって、(最新型の)カルバペネム系抗生物質にさえ耐性を獲得した「グラム陰性の腸内細菌群」は、「大きな世界的な健康上の脅威」"major global health problem"になる可能性がある。

NDM-1"Emergence of a new antibiotic resistance mechanism in India, Pakistan, and the UK" lancet 11/08/2010 DOI:10.1016/S1473-3099(10)70143-2

英カーディフ大学(Cardiff University)のティモシー・ウォルシュ(Timothy Walsh)氏は2009年"NDM-1"を発見。NDM-1をもつ細菌は多剤耐性菌に対する治療の現場で「最後の手段」とされている「カルバペネム系抗生物質」にさえ耐性を示すため懸念される


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さいごに


感染症の数理モデル。感染症に関しては、未だに、ワクチンや有効な治療法がないものが多く、数理モデルによって、様々な(政治的・経済的・公衆衛生学的・医療現場的な)介入行為の評価を行って、社会全体で防御することが重要。実戦的な防疫体制とともに、数学・医学・生物学的な研究体制の整備も必要