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目次

総論
ストレスに対する心の反応
子どものPTSD(外傷後ストレス障害)
子どもの心的外傷の評価
母親の心的外傷が子どものそれに影響
災害後の子どもの環境
回復のプロセス
子どもの心への支援
学会などへのリンク
山本敏晴の過去のブログで関連するもの


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総論


災害時の子どもの心的外傷。子どもは心と身体が未分化であるため、心の反応は精神的な問題として表れるよりもむしろ身体症状や行動上の問題として表れることが多い。反応そのものは、誰にでも認められる普通のものだが、その苦しみを和らげることができるように適切な時期に的確に支援する必要がある。

「保護者の兄弟宅を頼り疎開していた5歳女児が、仮転入していた保育所に行かないと泣きだしたため、両親は児童相談所へ。絵を描いてもらったところ、最初は可愛い女の子の絵を何枚も描いてた。だが突然、黒い色で四角を描き、その上を赤い色で塗りたくり始め『みんな壊れた、燃えた。』と泣きだした」


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ストレスに対する心の反応


災害後にみられやすい乳幼児の身体症状と行動変化。〔覽磴、不眠、0鼎そ蠅鯢櫃る、いい弔皸貊錣砲い燭る、ゴ鼎┐ひどくなる、Ε肇ぅ譴飽貎佑嚢圓韻覆ぁ↓О簀◆↓頻尿、頭痛、腹痛、食欲がない、食べ過ぎる、無表情、外で遊ばない、アトピー性皮膚炎・喘息の悪化、哀船奪

災害後の子どもの心の反応。ヾ蕎陲麻痺。何もする気が起きない。4蕎霤に高揚。ず匈欧亡慙△垢襪發里鯣鬚韻襦ズ匈架靴咾箘夢などで災害時の体験を想いおこし不安に。ι毀押Χ韻─ν遒舛弔ない・いらいらするなど過度に覚醒。Ю屬舛磴麒屬蠅覆病犢圈登園しぶり・後追いなどの分離不安。

災害後の子どもの心の反応。感情麻痺などの反応は通常は最初の数週間で軽快するといわれているが、1カ月以上持続したり、数カ月の潜伏期を経て表れたり、長期的な問題をひき起こすことも。また元々心が不安定であった子どもほど災害や喪失による影響を受け安い。普段から心身を安定化させておくことも

災害後の子どもの心的外傷。子どもは不安な気持ちを遊びの中で表現し、絵に描いたり、話をしたりすることで整理し、それが受け入れられることで異常な体験を過去の記憶として処理する。身体的な接触を十分に行ない、安心して表現できる場を与え、無理に表現させるのではなく、表現しやすい状況を整える


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子どものPTSD(外傷後ストレス障害)


子どものPTSD。^夢を見て夜中に叫んで目を覚ます。⇒靴咾涼罎波鏗夏睛討魴り返すトラウマティック・プレイ。 心身症として「お腹が痛い」等と言う。いねしょなどの子ども返り(退行現象)、ゾ彳粟が高まり危険な行為。Ψ磴靴づ椶蠅班讐心。大人に心配をかけまいと優等生に振る舞う

子どものPTSD。トラウマティック・プレイ(traumatic play)。組み立てたおもちゃを地震だと言って揺らして壊してしまったり、悲惨な死の場面を再現するような人形遊びを繰り返すもの。

子どものPTSD。災害後の、悪夢、おねしょ、被害内容を繰り返す遊び、衝動性の高まり、などは、PTSDの症状なので、本人のせいではない。それを周りの大人が理解していないと、子どもを叱ってしまう。すると、子どもはますます反発し、大人との信頼関係を喪失し、問題行動が増え、悪循環に陥る。

災害後、子どもの心身症状についてチェック。食欲がない。食べすぎる。よく便秘・下痢をする。よくおねしょをする。ひとりでトイレに行けない。ひとりで寝れない。夜泣きをする。暗いところを恐がる。親と一緒にいたがる。地震について繰りかえし話す。地震の話をとてもいやがる。小さな物音に驚く、等

阪神淡路大震災における子どもたちの「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」はよく知られており東日本大震災でも懸念。子どものPTSD対策としては、高田哲医師(神戸大学医学部保健学科)が編集した 「乳幼児をもつ家族をささえるために」が参考になる http://t.co/eKUXlu4r

高田哲。医師。略歴 http://t.co/s2nlAFYI 神戸大学大学院保健学研究科・高田研究室 http://t.co/SDGlQ5ah 「障害のある子どもとその家族の支援」が主要課題。ハイリスク児をもつ親への支援。インドネシアジャワ島中部大地震被災地支援など国際母子保健も


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子どもの心的外傷の評価


災害後、乳幼児の心的外傷の評価。両親などに調査用紙に記入してもらう方法が一般的。長所:ー分で観察するより時間が短縮。▲泪好好リーニングに適す。N梢討悗離▲疋丱ぅ垢鯆未源抉膕椎宗C蚕蝓Лヾ兒ー圓亮膣僂入る。対照群のデータが必要。F幼児を対象とした調査質問票が確立されてない

災害後、子どもの心身症状についてのチェック項目。/欲ない、⊃べ過ぎ、よく便秘または下痢、いねしょ、グ貎佑妊肇ぅ豺圓韻覆ぁ↓Π貎佑膿欧譴覆ぁ↓夜泣き、┛鼎そ蠅鯢櫃る、親と一緒にいたがる、災害について繰り返し話す、地震の話を嫌がる、小さな物音に驚く、すぐ怒り興奮

災害後、子どもの心身症状についてのチェック項目。いらいらし易い、物事に集中しにくい、飴悗靴磴屬蠅篦浤みをする、洩椶鬟僖船僖舛掘△匹發襦↓殴次璽次叱世Α↓拡乕罎簗椶令擇澆鯀覆┐襦↓桓分にできることもやってもらいたがる、21)我慢しすぎている、22)その他、気になることがある


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母親の心的外傷が子どものそれに影響


災害後の子どもの心的外傷。神戸大学医学部小児科・中村肇。「阪神・淡路大震災では、震災後、1年以上経過しても、子どもたちの心身状況と住居の被災状況には明らかな関係がみられた」。子どもが、すぐ怒ったり興奮する症状は、_箸糧鏗欧覆靴両豺隋■横機鹹度、家が全壊の場合、40%程度。

災害後の子どもの心的外傷。「子どもの症状は母親の心理状態を反映していることが多い。震災後1年で、母親が「物事にびくっと驚く」場合、子どもも「すぐ怒ったり興奮し易く」なる。それらは共に家の破損状態とも相関している。」 神戸大学医学部小児科・中村肇

災害後の子どもの心。混乱期の母子関係。/道厂着タイプ。過剰なまでに親子が依存し合い、分離不安が強いもの。∧任タイプ。我が子が生きてさえいれば良いとし、躾をしない。9況癲Σ甦馨張織ぅ廖震災という危機で家族関係が揺らぎ、母が情緒不安定に。いずれも母の急性ストレス障害の緩和が重要


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災害後の子どもの環境


災害後の子どものストレスは2種。〆匈欧修里發里両弖發砲茲襯好肇譽后災害の恐ろしい記憶に悩まされることが特徴。その気持ちを優しく受けとめることが必要。∈匈恩紊寮験菠儔修砲茲襯好肇譽后2耒屐⇒靄修聞堝阿覆鼻子どもらしい遊び、身近な大人とのゆったりした時間が、ストレスの解消に役立つ

災害後の子どもの心。避難所での問題。.廛薀ぅ丱掘爾料喙此8知らぬ人たちに見られ続ける。∪験莉慣の変化。夜も電灯があるため睡眠不足など。排便も大きな問題。おねしょの増加。9堝阿制限。大声で走り回ると叱られる。な欷郤圓凌翰。親のストレスは子のストレスを増悪。こちらも減らす必要

災害後の子ども。保育の再開の条件。(欅藜圓粒諒檗平雄牾萢僂涼詫的な融通性)。二次災害防止のため建物の安全確認。ライフライン確保。て幼児保育のための生活必需品(粉ミルク、熱湯、離乳食など)。ヅ狙性疾患への対策。最新情報を入手するための手段(携帯電話、FAX、自転車など)

災害後の子どもの心。保育者の苦悩。―性職員が多く肉体的負担が大。家庭と仕事の両立に葛藤。親などを亡くした子に『喪の作業』と『死の教育(death education)』に携わる必要性。と鏈匱圓任△詈欅藜圓援助者の役割を半恒久的に担い続ける。保育者の側にも深刻な苦痛と葛藤。

災害後の子どもの心。児童相談所が実施した疎開児童調査(阪神・淡路大震災)。学齢児も含めると、ハイリスク児童は震災直後では全体の8.6%、震災6ヶ月後では11.6%。両時期ともに女児に比べ男児の方が出現率が高かった。

災害後の子どもの心。児童相談所が実施した疎開児童調査(阪神・淡路大震災)。年齢別にみると、ハイリスク児童の出現率が高かったのは未就学児童。震災直後では男児の17.3%、女児の20.0%がハイリスク児童と考えられ、震災6ヶ月後では男児の23.9%、女児の 37.0%と女児に急増


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回復のプロセス


喪のプロセス。愛着対象を失った心理的な苦痛に対処しながら、 新たな現実に適応し、新たな愛着関係を作っていく過程のこと。子どもは死の概念が曖昧なために喪失を自分のまわりの環境に生じた変化で判断。時として自分が原因と考える。通常、悲嘆は4〜6週までに軽快するが、ストレスの存在で遷延化

災害後の心的外傷。悲哀の5段階(時間の推移による変化)。.轡腑奪。否認。H瓩靴澆氾椶蝓づ応。ズ撞。


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子どもの心への支援


「被災されたお子さんをお持ちの家族の方へ」(日本児童青年精神医学会)。子どもに現れやすいストレス反応。々堝阿糧娠:赤ちゃんがえり、我儘など。⊃瓦糧娠:イライラ、突然興奮など。身体の反応:食欲低下、悪夢、夜尿など。以上は正常な反応であり,ほとんどの変化は時間とともに回復する。

被災されたお子さんをお持ちの家族の方へ(日本児童青年精神医学会)次のことを心がける。〇劼魄貎佑砲擦魂搬欧一緒にいる時間を増やす。⊃事や睡眠のリズムを作る。子が話すことを否定せず聞く。す堝阿吠儔修あっても叱らない。ゥ好ンシップを増やす。Υ萃イ蟆阿了劼我慢しすぎないように

被災されたお子さんをお持ちの家族の方へ(日本児童青年精神医学会)次のような言葉がけをする。 察擦できなくても恥ずかしくないんだよ。⊃看曚覆海箸あったら何でもいってね。あなたはちっとも悪くないよ。い父さんやお母さんが守ってあげるからね。などを少なくとも2,3カ月繰り返し続行

災害後の子どもの心の支援。/討悗僚言指導。退行・甘え・夜尿などは災害後の正常な反応だと親に理解させる。⇒靴咯譴覆紐擇靴澆両譴猟鷆 M鎮娜燹κ欅藹蠅虜導も重要。専門的治療機関の紹介。夜泣き・夜驚・悪夢などを繰り返し、睡眠が十分にとれない場合、児童相談所、小児科に相談してもらう

災害後の子どもの心。ハイリスク乳幼児の早期発見。〜瓩っ奮で専門家(小児科医、児童精神科医など)あるいは専門機関(児童相談所、保健所など)と連絡をとり、乳幼児特有のPTSD等について理解する。∪賁膕箸蓮∈乱している保護者に代わり兆候を正しく読み取り、援助が必要かどうかを判断する

災害後の子どもの心。乳幼児の「心のケア」システム。)漂劵灰潺絅縫謄づくりへの積極的参加(自治会が区役所、福祉事務所などとの連携)。∋勸蕕道抉腓里燭瓩両霾麋信機能の充実。ヒューマン・ネットワークの構築(児童相談所、病院などとの連携)。な欷郤圓鯊震姪に支援するコーディネート等

災害後の子どもの心の支援。親からの電話相談。〇劼匹發両霆鐡な問題として相談があっても、実は母親の不安・混乱の反映という場合が多い。∋劼匹發量簑蠅砲論犠錣僻達に伴なうもの(例えば反抗期など)もある。心の症状の多くは行動上の問題や心身症状として表出。専門家の助言を得ることが必要


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学会などへのリンク


「東北地方太平洋沖地震 被災者、および被災者の周りの方々へ」日本神経科学会 http://t.co/DhgVesr4 「東北地方太平洋沖地震メンタルヘルス情報サイト」国立精神・神経医療研究センター http://t.co/X6kOYGtQ 

「心的トラウマの理解とケア 第二版」 外傷ストレス関連障害に関する研究会 金吉晴 2006年 http://t.co/ke5O5ioP

社団法人 日本小児科医会、『子どもの心のケアのために(子どものPTSDに関するリーフレット)』 http://t.co/aoHpk6PA 文科省、子どもの心のケアのための(PTSDの理解とその予防)保護者向けリーフレットについて http://t.co/ngDzmq2U

社団法人日本医師会学校保健委員会 東日本大震災の被災幼児・児童・生徒に対するメンタルケアについて http://t.co/AxWqB9qj 文科省、「子どもの心のケアのために〜災害や事件・事故発生時を中心に〜』(全125ページ) http://t.co/hthS0VYP

国立精神・神経医療研究センター、災害 子どものトラウマ支援5原則 http://t.co/UDojbOUp 子どもの保護者向けリーフレット http://t.co/mmsgRAZ5 子どもの精神保健に関する対応 http://t.co/dqfjK9DZ

国立精神・神経医療研究センター、東北地方太平洋沖地震メンタルヘルス情報サイト、医療関係者向けのリンク集 http://t.co/X6kOYGtQ 


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山本敏晴の過去のブログで関連するもの


災害後の心的外傷のツイート 20111123まで 13581字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65678500.html

学校保健、ヘルスプロモーション、震災後の子どもの心のケア等に関するツイート 20111114まで 3022字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65676435.html

原発事故と妊娠・胎児・乳児・幼児・授乳等への影響に関するツイート 3468字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65618106.html

東日本大震災、医療援助をする際の注意点と普段からの準備・訓練 10554字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65616136.html