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仲佐保(なかさ・たもつ)。国立国際医療研究センター・国際医療協力部・国際派遣センター長。広島大学医学部卒、ジョンズホプキンス公衆衛生大学校公衆衛生修士。1981年カンボジア難民救援。JICA関係では1987年ボリビア・サンタクルス総合病院、1996年パキスタン母子保健プロジェクト

国立国際医療センター・国際医療協力部にいて、国際協力機構(JICA)の保健・医療関係のプロジェクトを多数実施してきた、仲佐保医師らが、NPO法人「SANTE」を設立。目的は、「地域医療分野、国際保健分野で活躍できる保健医療人材を育成」。 http://t.co/6MI4E58x

「MDGsでは特に母子保健分野での進捗の遅れが指摘されている。妊産婦死亡の三分の一は出血によるものだが、彼らを助けるために必要な輸血システムが多くの途上国では整っていない。具体的には、献血、献血の際の感染症の検査、血液の貯蔵、さらに必要なときに血液を届ける搬送システムを」 仲佐保

「国際協力の専門家に求めるものは、1にコミュニケーション能力、2にマネジメント能力、3,4がなくて、5に専門性。専門性は重要だが基礎さえあれば後は勉強して日々更新していけばいい。けれどコミュニケーションやマネジメントは、若いときでないと学べない」 仲佐保、国立国際医療研究センター

「国際協力に対し意欲のある学生はたくさんいる。5年前にホンジュラスから帰国した時、今後は人材育成が重要と考え日本国際保健医療学会に学生部会を作った。150人いる彼らを、国際協力の担い手に育てるには、大学卒業後に継続的に国際協力を経験する機会をどのように提供するかが課題」 仲佐保

「日本の国際協力において課題となる点は、国際保健分野の人材不足。意欲のある人はいるがそれが現場派遣につながらないのは、経験を積む場所が日本にないため。大学を卒業して4〜5年かけて専門性を身に付けても、国際協力の経験がなければ、経験者を求めるJICAや国際機関に雇用されない」仲佐保

「本来、医療は病院からコミュニティーまでつながっているものだが、日本では公衆衛生と臨床が分かれており医師は病院に来る患者を治療するだけ。途上国では看護師も治療をするが日本では治療は医師の仕事。国際協力ではまずこれらの壁を乗り越える必要。日本のシステムを押しつけてはダメ」 仲佐保

「現地の人が解決するのを支援するという形をとらないと国際協力はうまくいかない。根本的な問題に目を向けることが大切だがそれを見つけ分析するだけでなく「こうすればこんな結果がついてくる」と励ます。日本人と現地の人が同じ方向を目指す関係を築ければ、プロジェクトは半分以上成功」 仲佐保

「1985年からNGOのメンバーとしてエチオピアの緊急医療支援に行った。医師として病人や負傷者を治療しても貧困による食料不足で命を落とす人たちがいることを目のあたりにし根本的な問題の解決なくして何も変わらないと無力さを痛感。以来、医療支援だけでなく貧困削減のための開発を」 仲佐保