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目次:

概要
ニューヨーク州など米国の6州が同性婚を合法化
同性のカップルの増加、世論の変化
オバマ米大統領とクリントン米国務長官が同性愛を支持
米大統領選の共和党候補は、みな保守で同性婚に反対
芸能人やメディアの反応
日本在住の米国総領事が同性婚を表明
ウガンダで同性愛が死刑になる法案、欧米は援助停止へ
同性婚が合法化されている国
同性愛が懲罰になる国
同性婚が認められると、健康度も高まる研究結果
日本


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概要


アメリカはキリスト教原理主義(プロテスタント福音派の一部など)が強いため、同性婚には反対、避妊(家族計画)にも反対、女性の中絶にも反対、という風潮が強い。ブッシュ前大統領がその最たるものだったが、オバマになりやや緩和。今後、どこまで少数派の意見を、米社会が汲み取るかが注目される。


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ニューヨーク州など米国の6州が同性婚を合法化


アメリカで同性婚を可能とするかの議論。全米に同性カップルは約65万世帯。2011年6月、ニューヨークが全米で6番目の同性婚を認める州になった。2004年のマサチューセッツ州が最初。50州のうちまだ6つ。

米ニューヨーク州で2011年6月、同性カップルの結婚を認める法律が成立。州議会の上院で可決され、クオモ知事(民主党)が署名。一か月後に施行。同性婚を認める州は、バーモントやアイオワなどに次いで6番目。賛成する立場から「セックス・アンド・ザ・シティ」の女優ら、多くのセレブが議事堂へ

アメリカで同性婚を可能とするかの議論。賛否の均衡を象徴的に現すのがカリフォルニア州の例。2008年に州最高裁判所が認めた同性婚が同年の住民投票によって覆された。その後は連邦レベルの法廷に持ち込まれ、賛否両派の熾烈な争いが続いている。

アメリカでは同性婚の可否が社会問題に。前ブッシュ政権はキリスト教重視だったため、同性婚に強く反対。しかし各州は独自に同性婚を認める動き。2004年マサチューセッツ州、その後コネティカット州、アイオワ州、ヴァーモント州などが容認。一方でこの動きに反発し、同性愛者を殺害する事件も増加


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同性のカップルの増加、世論の変化


アメリカで同性婚を可能とするかの議論。世論調査会社ギャラップによる数字では、1996年は「賛成27%、反対68%」で、反対が圧倒的多数派だった。しかし反対はこの時が最高であり逆に賛成はこの時が最低。15年後の2011年は「賛成53%、反対45%」。反比例を続けてきた賛否は逆転した

米国で同性愛の世帯数が2010年に64万6千となり、2000年の調査より8割増加したことが国勢調査局の調査で判明。2004年のマサチューセッツ州を皮切りに同性婚を合法化する州が増加。軍も2011年10月、同性愛の軍人を正式に認めた。同性愛者の世帯数の2割の13万が「結婚している」


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オバマ米大統領とクリントン米国務長官が同性愛を支持


オバマ米大統領は2011年7月、米軍が9月20日から同性愛者を全面的に受け入れるとする声明。同性愛者は公然と軍務に就くことを禁じられてきたが、この規定を撤廃することを公約していた。1993年からは同性愛者であることを周囲に知られないことを条件に軍務を容認する措置があったが、公式に

オバマ米政権が外交政策を通じて、世界で同性愛者ら性的少数者(性的マイノリティ)の人権擁護を推進すると“宣言”。2011年12月。オバマは国内の性的少数者支援で実績。米国防総省は9月、同性愛者と公言して軍務につくことを禁じた規定を撤廃。それまではカミングアウトしないことを強いていた

クリントン米国務長官は2011年12月、ジュネーブの国連欧州本部で10日の世界人権デーを前に演説し「同性愛者の権利は人権であり、人権は同性愛者の権利だ」と宣言、同性愛者など性的少数者の権利擁護に向けた国際協調を呼び掛けた。オバマも各省庁に、性的少数者の人権擁護の推進を指示する覚書

クリントン米国務長官は2011年12月、同性愛者といった性的少数者の人権保護に取り組むNGOを支援するため国際基金を設置すると発表。米政府が300万ドルを出資。「性的少数者は、西洋の発明ではなく人間の現実だ。文化や政治、宗教を理由に迫害することは、人権の侵害に他ならない」と発言。

2012年秋の米大統領選では『同性婚』が争点の一つ?結婚を男女に限った連邦法についてオバマ米大統領が憲法違反との判断を示した。9月に着任した大阪北区の米国総領事館でリネハン総領事(58)は、日系ブラジル人のカネグスケ(39)と同性結婚していることを総領事館のホームページで公にした

オバマ大統領は2011年2月、結婚は男女間に限るとした1996年成立の連邦法は憲法違反だとの判断を示した。これにより、同性婚に道が開くか?連邦レベルの合法化に向けた動きに、共和党支持層の中から強い反発が出てくることは必至。12年秋の大統領選挙で、大きな争点に浮上する可能性もある。


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米大統領選の共和党候補は、みな保守で同性婚に反対


米国ブッシュ大統領(2001-09年)は、共和党のキリスト教福音派原理主義者から支持されていた。このためブッシュは彼らの道徳や倫理観に配慮した政策を打ち出す傾向があった。聖書に「産めよ増やせよ地に満ちよ」とあるため、中絶・避妊・家族計画に反対。同性愛者同士の婚姻を禁じる州法を支持

アメリカ共和党を牛耳る「保守派」。キリスト教右派が勢いを伸ばしたため「家族」に関わる問題で伝統的価値観を唱える人が増加。人工妊娠中絶がキリスト教の考えに反するとして「禁止」を要求。同性愛者同士の結婚も認めない。銃規制にも反対。日本や欧州の「保守派」とは全く異なる主張を持っている。

ウィラード・ミット・ロムニー。1947年生。モルモン教徒。アメリカの政治家。共和党。ハーバードでMBA取得。2003年マサチューセッツ州知事。2008年大統領選へ。以前は同性愛や女性の中絶を支持したが、キリスト教保守の強い共和党で支持を得るため方針を転換。イラク戦争は一貫して支持

リック・サントラム(Richard "Rick" Santorum)。1958年生。イタリア系アメリカ人の政治家。以前、連邦下院・上院議員。カトリック信者。共和党保守派の代表格で自他共に認めるキリスト教原理主義者。妊娠中絶や同性婚に強硬に反対。イラク戦争を推進した。ブッシュと懇意

2012年11月に行われる米大統領選に向け、共和党のペリー・テキサス州知事(61歳)が立候補。規制緩和を中心とする経済政策は、保守派の草の根運動「ティーパーティー(茶会)」の受けがよい。妊娠中絶や同性婚に反対する考えを明確にしており、大きな支持基盤であるキリスト教福音派からも人気

草の根保守派運動「ティーパーティー」の支持を背景に2012年11月の米大統領選に共和党から出馬したミシェル・バックマン下院議員(55歳女性)が夫と共同経営するクリニックで同性愛の受診者を異性愛にするための“治療”が行われていると報道され問題に。超保守派の彼女は以前から同性愛に反対

米大統領選に出馬するのがロムニー(モルモン教)でもペリー(聖書の無誤性)でもいずれもキリスト教プロテスタント福音派(ネオコンの一要素)が強い共和党内で支持をとりつけるため、避妊(出産間隔の延長)・中絶・同性愛に反対。母子保健とエイズに悪影響。USAIDにその関係の予算が来なくなる


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芸能人やメディアの反応


レディー・ガガ(1986年生、米国の音楽家)に2011年7月オーストラリア・シドニー市から名誉市民の称号が授与。「世界中の同性愛者に対する揺るぎない支援」が評価された。アメリカの著名人に同性愛者を支援している人は多い。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのカップルなどが支持

US版『VOGUE』編集長のアナ・ウィンターが、人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」より、米国の同性愛者、特にニューヨーカーで同性愛者の平等な結婚に対するサポートが認められ、「ナショナル・アリー・フォー・イクオリティ・アワード」を受賞。2012年1月。

英国では同性愛のベッドシーンがカットされた。人気英国ドラマ「ドクター・フー」のスピンオフ・シリーズで、新シーズンから物語の舞台をアメリカに移し、米英共同制作されている「秘密情報部 トーチウッド」。2011年7月から米英同時放送がスタートしたが同性愛シーンをめぐって米英では違う編集


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日本在住の米国総領事が同性婚を表明


大阪・北区の米国総領事館でパトリック・J・リネハン総領事(58)は、日系ブラジル人のエマーソン・カネグスケ(39)と同性結婚を公表。自身のフェイスブックで、それが朝日新聞の「ひと」に取り上げられたことに喜びの声(2012/01/19) http://t.co/2IWBLG1G


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ウガンダで同性愛が死刑になる法案、欧米は援助停止へ


ウガンダで、同性愛行為に対し、死刑などの厳罰を課す「同性愛禁止法案」が成立の見込みだと2010年10月与党議員が発表。これに対し欧米政府はウガンダへの援助を打ち切る方向。また人権団体などが圧力をかけている。ウガンダで同法案が通れば、世界で10カ国めの「同性愛が死刑となる国」になる

ウガンダで2009年10月、与党の国会議員が、『同性愛行為』に最高で死刑を科す法案を議会に提出、欧米諸国は「人権侵害だ」と批判。国内では賛成意見も多いが欧米側が援助打ち切りを示唆。既に最高で禁固14年を科す法律が存在するが、新法案では終身刑に。さらに相手が未成年者の場合などは死刑

ウガンダの国会で同性愛に対して終身刑や死刑などの厳罰を定めた同性愛禁止法案の成立を推進している議員が2010年10月法案は間もなく成立すると発表。デービッド・バハティ議員は「神はわれわれにさまざまな自由を与えられた。しかし、犯罪を犯す自由は何者にもなく、わが国では同性愛は犯罪だ」


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同性婚が合法化されている国


同性婚が合法化されている国が増加。オランダ、ベルギー、スウェーデンなどのヨーロッパの国や、アメリカの6つの州。

2001年オランダで「同性結婚法」が制定され同性間でも婚姻が可能になった。次いで、ベルギー、スペイン、カナダ、南アフリカでも同性婚が可能に。一方、結婚ではないが「同性のパートナーに特定の権利を与える法律」のある国も。デンマーク、ノルウェー、フランス、ドイツ、イギリス等。日本は無し


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同性愛が懲罰になる国


同性愛が死刑となる国は9つ。サウジアラビア、イエメン、アラブ首長国連邦、イラン、アフガニスタン、スーダン、ソマリア、モーリタニア、ナイジェリア(北部のいくつかの地域)

同性愛が終身刑となる国。シンガポール、モルディブ、インド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、ウガンダ、シエラレオネ、ガイアナ、ブリッジタウン。(いくつか、確認を要す)

「現在、(宗教などの理由で)同性愛を禁じる法律のある国が、80以上ある。9カ国が、いわゆる同性愛の性的志向があれば、死刑に値する、としている。これは本当に恐ろしいことだ。」 国連合同エイズ計画(UNAIDS)事務局長・ミシェル・シディベの講演(2010/09/02)より

ゲイなどの同性愛者に対する偏見・差別は続いており、社会的認知はまだ低い。86カ国で同性間での性行為が禁止、得に7カ国では死刑を課す法律がhttp://t.co/Q7HS5HUF


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同性婚が認められると、健康度も高まる研究結果


男性同士が正式に結婚すると健康度が高まる研究結果。イギリス公共放送局BBC。アメリカ・マサチューセッツ州では、2003年に全米初の同性婚合法化がされた後、病院へ行く同性愛者の男性の人数が、大幅に減少。米国の公衆衛生学誌は「安定した関係にいられるかどうかによって健康状態は変化する」

コロンビア大学の公衆衛生学科で、同性婚の法律施行をはさんだ2年間に渡って、特定の医療機関に登録した、同性愛者の男性1,211名の来院数を調査。同性婚の法律が施行された後、医療機関へ来る同性愛者の男性の来院数は、13%減少した。来院数が減少したのは、血圧の問題、うつ、適応障害など

男性同士が正式に結婚すると健康が高まる研究結果。コロンビア大学ハッツェンブルーラー博士「社会の障壁を取り除くことでゲイやバイセクシャル男性の健康に寄与することがわかりました。結婚の平等はストレス関連の健康障害を減少させることで広範囲に渡る公衆衛生の向上をもたらす可能性があります」

男性同士が正式に結婚すると健康度が高まる研究結果。「2等市民扱いをされると自己重要感は薄れる。そのような状況にいると不必要にリスクある行動をしがち。麻薬、アルコール、危険なセックス。同性愛者の男性を差別することは、終わりのない健康への悪影響を与え続けていることになる。」英国BBC


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日本

日本における同性婚。‘本国憲法第24条1項は「婚姻は『両性』の合意のみに基いて成立」としており男女間であることが前提。日本で可能にするには民法等の改正も要す。B綢悵討箸靴討鷲徂悗暴爐困觚⇒を与える(英独仏などの)パートナーシップ法を制定し、夫婦でなくとも家族とする方法もある