.

目次:

はじめに
児童虐待の定義
児童虐待の発生機序
児童虐待の診断
児童虐待を発見した場合の通告
児童虐待への治療
プレイセラピー
バウムテスト(ツリーテスト)
児童虐待を受けた子が、親から分離された後の経過
児童虐待の予後
児童虐待から、境界型人格障害へ
児童虐待、保健師・医師のためのマニュアル
児童虐待をしている親からの電話相談
思春期電話相談
ミュンヒハウゼン症候群
医療ネグレクト
乳児ゆさぶられっ子症候群
民法
児童虐待防止法
総務省の改善勧告
厚生労働省、子ども虐待による死亡事例等の検証結果等
児童虐待にあった人々
児童虐待に関するNPO法人など
高齢者虐待
その他
関連ブログ


・・・
・・・

はじめに


「交通事故やいじめ、大災害など様々なトラウマの中でも、虐待は最も深い傷を残す。虐待と一口に言っても身体的虐待とネグレクト、心理的虐待、性的虐待では影響は異なり一人の子供の中で複合。回復は時間を要し、また個別性が非常に高いため一人一人に適切な対応が求められる」大正大学・玉井邦夫教授


・・・

児童虐待の定義


子どもの虐待(児童虐待)とは。/搬療虐待。身体に外傷が生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること。∪的虐待。わいせつな行為をすること。わいせつな行為をさせること。ネグレクト。養育の拒否や放置。た翰的虐待。暴言または拒絶的な反応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力

被虐待児症候群(子どもへの虐待)。一般に、/搬療虐待、▲優哀譽ト、心理的虐待、だ的虐待に大別される。児童虐待防止法で、外傷がなくても、その恐れがある場合も身体的虐待と、虐待から子どもを守らない親をネグレクトと、定義が拡大された。


・・・

児童虐待の発生機序


被虐待児症候群(子どもへの虐待)。発生機序は、ゝ埖圓靴笋垢た董僻鏥埖堽鬚篝鎖声栖気簔療障害など)、∪験茲領濱僂垢襯好肇譽后憤藥負担過大、経済困窮、夫婦不和など)、社会的孤立、た討砲箸辰動佞鳳茲錣婿辧0幣紊裡款魴錙

児童への性的虐待の「家族習慣」化。ある少女が(父親から)性的虐待を受けている場合、その母親が、それを知っていても黙認していることがある。その背景に、その母も幼少期に「祖父」から悪戯されたことがあるなど。こうした「文化」の中、性的虐待にあった少女も自分が悪戯する対象を探すようになる


・・・

児童虐待の診断


被虐待児症候群。診断。親自ら相談することは少なく、、真実を隠す。そのため、子に特有の症状(新旧の外傷、発育障害、不潔など)があり、親に特有の言動(矛盾する病歴説明、子の症状を気にしない、受診の遅れ、入院拒否など)があり、心理社会的背景(育児負担過大、夫婦不和など)があれば疑い通告

児童虐待の代表的な所見。‖破弌Δ△供多発・新旧創傷の混在、通常では考えられない部位。骨折:他に種々の外傷を伴う、多発、治癒段階の異なる複数骨折、乳幼児の肋骨骨折。F部損傷:頭蓋内出血、頭部皮下出血。い笋韻鼻遅い来院、繰り返して重症化。ケ浜棔θ育障害:発育上−2SD 以下

児童虐待。赤ちゃんへの身体的虐待の場合、「多発性骨折」が生じていることが多い。レントゲンを撮った場合、体に複数の骨折があり、竹を無理にねじった時のように、繊維がバラバラとささくれて剥離した形に骨が折れる。また虐待は繰り返し行われるため、新旧の骨折の跡が、同時に存在しているのが特徴

CTなどで遺体を撮影し死因を調べる「死亡時画像診断」について厚生労働省の検討会は児童虐待などを見逃さないよう死亡原因が分からない子どもの場合、原則として全てのケースで行うべきだとする報告。2011年5月。撮影は原則として放射線技師、画像から診断するのは一定の研修を受けた専門の医師


・・・

児童虐待を発見した場合の通告


被虐待児症候群(子どもへの虐待)。児童虐待防止法により虐待が禁止され、医師にも発見努力・児童相談所への通告義務・児童相談所への協力が明記された。

被虐待児症候群(子どもへの虐待)。疑った場合、医師も通告義務を持ち、子どもの住所地を所管する児童相談所または福祉事務所に連絡する。その時には、受診経路・同伴者・親が述べる病歴・子どもの発言・ケアの状況・成長発達・全身所見・子どもの精神状態・検査結果・虐待を疑った理由、などを伝える

児童相談所。児童福祉法第12条に基づき、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関。児相(じそう)と略称。0歳から17歳の者を対象に、_板蹐箜惺擦覆匹らの相談。△修硫板蹐砲弔、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定。△亡陲鼎指導。ぐ貉保護

児童養護施設。保護者のない児童、虐待されている児童などを入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設。入所対象者は、1歳以上18歳未満。以前は「孤児院」と呼ばれていたが、現在は孤児は少なく、親はいるが養育不可能のケース


・・・

児童虐待への治療


被虐待児症候群。治療の基本。発生機序4条件(虐待し易い親、生活のストレス、社会的孤立、親の意に沿わぬ子)の一つをなくすと虐待は軽減開始。まず発見者が親の相談相手になり親の心理的社会的孤立をなくし、次いで子の心身の健康問題を親に負担をかけずに治療。福祉制度を活用し生活ストレスを軽減

被虐待児症候群。治療。親を責めたり批判すると、虐待の増強や受信中断を招き、子を救うことができなくなる。(受信したこと、症状の改善、育児に努力していること等について)親をねぎらい、励ますことが重要。治療の目的は、死亡防止だけでなく、健全な情緒発達と、我が子を虐待しない大人に育つこと

被虐待児症候群。治療。3歳以下は死亡の危険が大きく、身体症状がそれほど重症でなくても入院させるほうが無難。入院を勧める際には「検査のため」「治療のため」とだけ話し、親に付き添いや経費負担をかけない工夫をすると受け入れられ易い。紹介先には事前に連絡し、同伴する。

被虐待児症候群。退院後の再発を危惧する時は、児童相談所を通して児童養護施設入所を勧める。在宅できる条件は、/討原因を認めている、⊃討生活を変える、親が援助を受け入れる、げ板軻發忙劼鮗蕕訖佑いる、セ劼デイケアに通う。親が否認し続け援助介入を拒否する時は、改心を誓っても危険

被虐待児症候群。退院後、再発防止のため児童相談所を通し児童養護施設入所を勧める。施設入所は「親失格」としてではなく、「子どもを守るための、親としてのつらい選択」として勧める。

被虐待児症候群。親元に退院させる時は、入院中から関係機関カンファレンス(病院、児童相談所、保健所、デイケア施設、学校など)を開き、援助ネットワークを構築する。虐待は短期間で治癒することはなく、長期援助が必須であり、入院は長期援助計画を作成する絶好の機会として認識する必要がある。

児童虐待の問題は一度親から分離してもいずれ病院等から児は退院する。すると親子間の関係が解決していない限り家に戻ってもまた同じことに。このため、[た董ν椰討藩椹勹鐐箸垢襪、家に戻すにしても、児童相談所または保健所の保健師に定期的に家庭訪問させ、かつ親子双方への電話カウンセリング

被虐待児症候群。子どもの治療。外傷だけでなく、栄養の改善、発達遅滞の取戻し、心的外傷の治療も。大人との信頼関係や自尊感情を育てることで、乳幼児期からの情緒発達をやり直すように、大人が濃厚にかかわり、感情や要求の表出を促す。在宅ケアでは日々かかわる保育士や教師や親族にこの役割を依頼

被虐待児症候群。親への援助。まず親が困っている育児の相談にのる。暴力は、子どもが思うようにならない時に、カーッとなってふるい、我に返って自己嫌悪に陥ることが多い。暴力をふるいそうな時に、子どものそばから離れることを勧め、暴力を減らす努力を評価し続ける。親の努力を、ねぎらい続ける。

コモンセンスペアレンティング(Common Sense Parenting、CSP)。米国の、被虐待児の保護者向けプログラム。暴力や暴言を使わずに子どもを育てる技術を親に伝える。2005年より日本でも普及。プログラム終了後、8割によい変化 http://t.co/jnci8hmE

コモンセンスペアレンティングとは(大阪府教育センター、大阪府立貝塚高等学校) http://t.co/Cf6jwWcU 米国ネブラスカ州の児童施設が開発した子どもへの援助技術。90年間ケアワーカーと子ども達との良好な関係構築、子どもの社会自立を視点にした研究。アジアでも多く採用

児童虐待をした親に対処するケースワーカー「子どもを傷つける親はあまり幸せな成育歴を持っていない。親がなんでも話せるような環境が大切。自分のありのままの気持ちを受け入れてくれる人がいる。そう思えたら、話してくれるようになる。そのうち混乱していたことが自然と整理され気持ちが落ち着く」


・・・

プレイセラピー


日本プレイセラピー協会 http://t.co/Ohng8iHh プレイセラピー(遊戯療法)とは、子どもとセラピストの適切で特別な対人関係の中で、安全な環境と遊び道具を使って、子どもが自分の気持ちや考えや行動を表現したり探索したりするのを、セラピストが促進し手伝うもの

プレイセラピーに適しているおもちゃ http://t.co/9Ip7ruLE ヾ莨罎任海錣譴砲い、年齢・発達に合った、複雑な操作の必要ではない、A和づな表現を促進、ご蕎霽集修鯊タ福↓セ匐,日々体験していることを投影し易い、子供が興味を示す、Ц斥佞鮖箸錣覆ても表現できる


・・・

バウムテスト(ツリーテスト)


バウムテスト(ツリーテスト)。性格検査(パーソナリティを知る心理検査)の一つ。木を描かせ構図や木の様子(実や葉の有無、枝や根の形など)から心理を判断。曖昧な刺激を用いて、被験者に何らかの課題の達成を求める「投影法」の一つ。曖昧な刺激に対しては、無意識が投映されるという仮定に基づく

バウムテスト(木を描かせるテスト)。患者の描く「幹」は、自我のあり方、本能・情緒。「枝」は、現実における行動と自我の展開。「葉」は、現実行動の実際と外界への適応。「実」は、目標に達した象徴。「花」は、ちやほや願望。「下から見上げた木」は諦めきれない願望。「上から見た木」は自信過剰

バウムテスト(木を描かせるテスト)の結果の分析・判定(大阪保健福祉専門学校)。観点1「画面の中の位置」。観点2「視点の位置」。観点3「おかれている環境」。観点4 「幹・枝の表現」。観点5 「葉・実の表現」。 http://t.co/LD42wBpT


・・・

児童虐待を受けた子が、親から分離された後の経過


虐待を受けた子どもが、表情のない、冷たい目をした表情になることを、「凍りついた瞳」(frozen watchfulness)と呼ぶ。親の愛情が、暴力や放置、心理的な虐待などに姿を変えた時、子どもの体と心の成長は阻害される。自分の存在を親に頼れない子どもは、次第に表情も失ってゆく。

虐待を受けた子。親から隔離した後、〆能藏枋イ靴道楡澆凌Πと距離をとる。△笋て警戒をとくとベタベタと甘える。その粘着質な甘え方は人を不快にさせるほどに。事情を知っている大人は、それを気にかけず抱きしめようとするが、突然反発する。愛情を示さないと怒るのに、愛情を向けると拒絶する

虐待を受けた子。親から隔離した後、〔襦悪夢、夜尿、遺糞(いふん)。誰かれかまわず、甘えようとする。だが、誰かがそれに反応しようとすると、急にその人に興味をなくし、どこかに行ってしまう。しばらくたつと自分より弱い子ども、赤ちゃん、老人を殴る。せ楡澆砲い蕕譴覆なり追い出される

虐待を受けた子。親から隔離した後、保護施設の職員はその扱いに困る。/Πになれなれしいほどの愛情を示すが、受け入れられないと、今度は挑発して相手の怒りを買おうとする。△世、職員が愛情を返すと、拒絶する矛盾行動。そこにあるのは可哀そうな虐待された子ではなく、親を苦しめた『存在』

虐待を受けた子。親から隔離した後の経過。,泙此⊃靴靴ぁ崕撒錙廚不安なので緊張し、引き籠る。安心すると保護施設の職員に『愛情』を要求。だがきまぐれに拒絶も繰り返す。ヒステリー、我儘、他児に暴力などで自己主張。過食、偏食も。◆きは、被虐待児が通常の精神状態に戻るのに必要な過程


・・・

児童虐待の予後


被虐待児症候群(子どもへの虐待)。「予後は、直後の死亡・外傷による障害だけでなく、長期に成長障害・発達遅滞・情緒行動問題・虐待の世代間連鎖を残す。」 小林美智子(大阪府立母子保健総合医療センター・発達小児顧問)

小林美智子。大阪大学医学部卒、小児科医・小児精神科医。日本子ども虐待防止学会会長、子どもの虹情報研修センター所長、大阪府立母子保健総合医療センター発達小児科顧問。昭和45年から大阪府保健所で障害児に取り組む中で子ども虐待に出会い、虐待予防・子どもや親の治療に携わる。朝日社会福祉賞


・・・

児童虐待から、境界型人格障害へ


米国の文献によれば、境界例人格障害(神経症と統合失調症の境界)の81%に性的虐待の経験がある。特定の人間関係が結べない、癇癪を起す、自殺思考があるなど、幼児期に安定した対人関係が構築されない時に起こり易い。米国では性的な児童虐待はその主因。日本では性の話はタブーのため表面化しない

境界性人格障害。神経症と分裂病との境界。ボーダーラインとも呼称。非常に衝動的で、感情の起伏が激しく、そのため対人関係がいつも不安定。感情をコントロールする力が弱いため、ときに暴力的だったり、自殺を図る。半数に近親姦の経験があるという報告も http://t.co/J0kBtY5X

性暴力情報センター http://t.co/ylsjgwfw 性暴力情報センターは、性暴力・性的虐待やそれに関連した問題についての情報を提供する目的で設立されたヴァーチャル団体。『水戸市で起きた知的障害者虐待事件』の被害者支援活動に参加した事をきっかけに創設。


・・・

児童虐待、保健師・医師のためのマニュアル


虐待への対応(東京都福祉保健局) http://t.co/ZnFaoPxO (1)医療機関がしなければならないこと(虐待の発見・通告) (2)虐待の通告と個人情報の保護 (3)通告の際に伝えるべきこと (4)虐待の代表的な所見 (5)医療ネグレクト (6)子どもの権利擁護

子ども虐待予防のための保健師活動マニュアル 〜子どもに関わるすべての活動を虐待予防の視点に〜 <マニュアル版> http://t.co/fsLvYTnl 平成13年度厚生科学研究補助金「子ども家庭総合研究事業」 地域保健における子ども虐待の予防・早期発見・援助に係る研究報告書

「児童虐待の早期発見とマニュアル」 http://t.co/xOXJ1ZVi 社団法人日本医師会。日本における子どもの虐待の激増は、最近10数年で約16倍にも達する。日常診療における子どもの虐待の早期発見と予防のためのマニュアル。日本医師会による研究調査の成果をまとめる。


・・・

児童虐待をしている親からの電話相談


虐待の電話相談。「上の子がかわいいと思えなくて」「夫は忙しくて協力的じゃないし、何もかも一人でやらないといけなくて辛い」「イライラすると、つい子どもに当たってしまう」「ひどいことを言ったり、手が出てしまうことも」「 公園で見かける他のお母さんは、みんな楽しそう。私だけどうして…」

(社福)子どもの虐待防止センター http://t.co/MJabLY62 子どもの虐待防止センター相談電話 03−5300−2990 全国共通ナビダイアル 0570-011-077 平日 : 10:00〜17:00 土曜 : 10:00〜15:00 日・祭日は休み


・・・

思春期電話相談


思春期電話相談。4年間に電話で寄せられた性的虐待71件のうち、近親者による被害は35件。うち母子間が21件。父と娘が2件、兄弟が11件。つまり母親による男児の性的虐待が多い。男児は高校生が多、次いで中学生。きっかけは「自慰を見られた」「父の単身赴任」「離婚後」「母の風呂を覗いた」


・・・

ミュンヒハウゼン症候群


ミュンヒハウゼン症候群。周囲の関心を引くため病気を装ったり、自らの体を傷付ける行動。虚偽の病気に罹患している対象が患者自身であるものと、近親者(母親の子供に対するケースが多)を病気に仕立て上げる代理ミュンヒハウゼン症候群も。「ほら吹き男爵」ことドイツ貴族ミュンヒハウゼン男爵が由来

代理ミュンヒハウゼン症候群(Münchhausen Syndrome by Proxy)。ミュンヒハウゼン症候群(周囲の関心を引くため病気を装ったり、自分の体を傷つける行動)の一形態であって、傷害の対象が自分自身ではなく何か代理のもの。多くの場合傷害対象は自らの子ども。児童虐待

高齢者や障害者への虐待を防ぐため、さいたま市が「高齢・障害者権利擁護センター」を開設。2012年2月。介護する家族やヘルパー側の人に、献身的な介護を演じて周囲の関心を引くため、お年寄りなどに故意に傷害を負わせる行為する、「代理ミュンヒハウゼン症候群」が見られる場合もあるという。


・・・

医療ネグレクト


医療ネグレクト(medical neglect、medical care neglect)。必要な治療を親が拒否すること。児童虐待に相当する。『エホバの証人』の輸血拒否が議論の一つ。児童相談所・裁判所命令による一時保護や、親権剥奪、刑法による保護責任者遺棄罪に問われる可能性がある

医療ネグレクト(東京都福祉保健局)。医療水準や社会通念に照らして、その子どもにとって必要かつ適切な医療を受けさせないこと。重症の病気やケガをしたときにあえて病院に連れて行かない場合や病院には連れて行くものの治療に同意しない場合(治療拒否)。例:宗教上の理由による輸血拒否や手術拒否


・・・

乳児ゆさぶられっ子症候群


乳児ゆさぶられっ子症候群(シェイキングベビーシンドローム)。乳児の頭が強くゆさぶられることにより、頭蓋内損傷を発生し、硬膜下出血や網膜出血をきたし、被害を受けた子どもは、死亡あるいは重度の後遺障害を残すことが多い。特殊な児童虐待の形として行われることがある。


・・・

民法


「親が子供にしつけをして何が悪い」。わが子を虐待しながら、開き直る親たち。こうした親に強く出られない児童相談所の職員たち…。百年以上前の法律が現代の児童虐待対応をためらわせている。明治31(1898)年に施行された民法の822条に親権の一つとして規定された、親の子供への「懲戒権」

児童虐待。親の「しつけ」を巡る法律。民法。第820条。「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」第822条。「親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒(制裁を科すること)し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」

児童虐待につながる(?)親の子どもに対する「懲戒権」は、明治3(1870)年の日本初の刑法「新律綱領」にさかのぼる。綱領では、子供が父母の「教令権」に従わなかった場合、「杖(じょう)一百(いっぴゃく)」つまり木の棒による百たたきの刑を科した。明治政府は、家父長制度を重視していた。

児童虐待を行う親が、それを他人から指摘され非難された場合、インターネットなどで(民法第822条の)「懲戒権」(親が子どもに制裁を科す権利があること)を知り、「法律にあるじゃないか」と児童相談所の職員に迫る親もいるという。民法に規定されている以上、どうしても対応が弱腰になってしまう

法務省は2009年、有識者会議「児童虐待防止のための親権制度研究会」で懲戒権について初めて検討。10年に公表された報告書は「懲戒権を削除すべきとの意見がある」としながら「削除が社会的にどのように受け止められるかといった点に配慮しつつ、さらに検討が深められることが期待される」と曖昧

政府は2011年12月、親による児童虐待から子供を守るため最長2年間親権を停止できる新制度などの施行日を2012年4月とする閣議決定。従来の民法では、親族らの申し立てに基づく家裁の決定で、父や母の親権を無期限に剥奪する「親権喪失」の制度しかなかったが、ほとんど活用されていなかった


・・・

児童虐待防止法


親の「躾」を巡る法律。児童虐待防止法。第14条「児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その適切な行使に配慮しなければならない。2。児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れることはない

児童虐待防止法の施行から十年。報告のあった虐待件数は年間4万件超。十年で8倍に増加。最近の日本は少子化のため、子どもを作れという風潮が強いがそれは間違い。作っても育てる自信がない、そうした責任を持ちたくないのであれば作らないほうが理性的。なんとなく作って養育放棄するよりよほどまし


・・・

総務省の改善勧告


児童虐待への対応について、総務省が厚生労働省と文部科学省に異例の改善勧告。2012年1月。総務省が全国から児童相談所や学校、市町村などを抽出し、2007〜09年度の事例を分析した結果、小中学校や保育所で虐待を疑いながら通告しないなど不十分な対応事例が多数あったため。

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。通告しないなど不十分な対応。学校や保育所は虐待の確証が得られなかった点などを理由に挙げる。だが早期発見が可能な立場の学校教職員などに通告を義務付けた児童虐待防止法は通告の際に「確証」まで求めてはいない。保護者への配慮か、子供の安全か

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。調査対象の42小中学校、17保育所のうち虐待を疑いつつも通告しなかった事例は23件。児童相談所などで作る「地域協議会」はほとんどの市町村にあったが個別事例を協議する下部組織の会合を一度も開いていない自治体が264市町村中、88市町村

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。2010年度の児童虐待件数は、前年度比約1万2千件増の約5万5千件となった。大阪で2児が養育放棄され餓死した事件も。

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。平成22年度に全国の児童相談所が対応した件数が、10年前の3倍余りの5万5000件ほどになるなど、増加に歯止めがかからない状態。このため総務省は2年余りかけて国の児童虐待の対策について調査。関係機関同士の連携許可などの改善措置を勧告

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。学校や保育所は、虐待が疑われる場合、すぐに児童相談所に通告することになっているが、(総務省が)調査を行った59の施設だけでも、通告しなかった事例が23件。通告まで1か月以上かかったケースも10件あるなど、早期発見の取り組みが不十分

総務省が「児童虐待」の改善勧告。2012年1月。個別の事例について、市町村や学校、警察、児童相談所が共に対策を話し合う「地域協議会」も、調査した264の市町村のうち、少なくとも88の自治体では、虐待の事例がありながら一度も開かれないなど、関係機関どうしの連携がうまく図られていない


・・・

厚生労働省、子ども虐待による死亡事例等の検証結果等


厚労省の「男女の生活と意識に関する調査」で18歳までに両親等から虐待を受けた経験のある人は5%(女性7.1%)。身体的な虐待が男性80%、女性48%。心理的な虐待は男性53%、女性69%。性的な虐待は女性の15%。調査は2010年16〜49歳の男女3千人を対象、1540人から回答

厚生労働省、子ども虐待による死亡事例等の検証結果等(第7次報告)。2009年度の1年間の虐待死47件。0歳児の割合が40.8%。死因は頭部外傷が30.6%。加害者は実母が46.9%。「望まない妊娠」、「妊婦健診未受診」、「母子健康手帳未発行」が多く、これらの問題を併せて抱える傾向

厚生労働省、児童虐待防止対策・DV防止対策 http://t.co/sJ1aIXDK 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等(第6次報告) http://t.co/TWmuVAsh 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等(第7次報告) http://t.co/6wcRWasd


・・

児童虐待にあった人々


「どんなに叩かれても母からの愛情をあきらめなかった。あきらめられなかった。でも、何をやっても決して褒められなかった。求めても得られなかった愛情は、次第に色を変え黒くにじみ、心に影を落としていった」。少女時代、実母から躾と称して身体的・心理的虐待。満たされず売春まがいを。32歳女性

「生まれてくる子供を愛(いと)おしく思えるだろうか。虐待して殺してしまわないだろうか…。誰にも言えない不安が私の心をさいなみ続けました」。虐待された子が親になったとき、わが子を虐待してしまう虐待の世代間伝達(世代間連鎖)。さまざまな研究から、虐待する親の3割に当てはまるといわれる

「虐待は子供の心に取り返しのつかない傷を作る。親の愛情を最も求める時期に虐待が長い間続くことが、どんなに子供の成長を妨げるか。自分と同じような子供を作りたくない。私だけで終わりにしたい」。虐待の連鎖を止められたのは、恋人の言葉。『あなたは、お母さんとは違う。あなたは、あなただよ』

傷つけられた子供の目に「虐待の風景」はどう見えていたのか。児童虐待で死んだ7歳の子が描いた絵。国語の教科書の童話に添えられた母グマと2頭の子グマの写真をまねて、鉛筆で描いた。亡くなった際に開かれていた区の展覧会で優秀作に選ばれた作品だが、3頭の中で母グマだけ目がつり上がっていた。


・・・

児童虐待に関するNPO法人など


オレンジリボン運動。子どもの虐待を防止する啓発キャンペーン。2004年、栃木県小山市で子どもの虐待。2005年、栃木県小山市の「カンガルーOYAMA」という団体がオレンジリボン運動を開始。2006年から全国的な活動  http://t.co/F1qxopB

NPO法人・児童虐待防止全国ネットワーク (オレンジリボン運動) http://t.co/zmZdl686 「child abuse−チャイルド・アビューズ−子ども虐待」。「虐待」はきつい感じを受ける言葉なので、「不適切な関わり−maltreatment−マルトリートメント」に

NPO法人・児童虐待防止協会 http://t.co/iPTjzFrX 1990年創設。虐待から子どもを救い、親を援助するための様々な活動を行い虐待防止の社会システムを構築することを目指す。子どもの虐待ホットライン 06−6762−0088 月曜日〜金曜日11:00〜17:00

「日本子どもの虐待防止民間ネットワーク」 http://t.co/f2oeSWLC 2004年設立。子育て・虐待防止ホットら人 0570−011−077 月から土、10時から17時。SBI子ども希望財団の助成。後援:厚生労働省、全国社会福祉協議会、日本子ども虐待防止学会

特定非営利活動法人(NPO法人)あきらめない http://t.co/I6I8VXGS  2007年設立。虐待問題や養護園が抱える問題、児童養護施設の実態を多くの方に知ってもらうこと。子ども達と『触れ合う』という事を体感していただき『愛情』の大切さを認識

NPO法人「子どもの村を設立する会」 http://t.co/ngnA0zId 子どもの村とは、「家庭的」な雰囲気の中で、子どもたちを養育する「新たな大人との絆」を築き、傷ついた子ども達の また その養育者の居場所、癒しの家・憩いの家・自立していく所として 家の建設

NPOびじっと(離婚と子ども問題支援センター) 虐待のない社会を目指そう http://t.co/tThTbZ1P (無錣篶ズ等の理由で、離れて暮らすようになった親の子育て支援、∧無錣篶ズ等をする夫婦が、未成年の子どもの養育監護において、共同に親としての責任を果たすための援助

子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク http://t.co/2lf9714R チャイルドファースト・ジャパンは、全国に司法面接研修を展開し、司法面接ができる面接者を増やすのみでなく、地域に子どもの安全と福祉に関わる多職種専門家からなる多機関連携チーム


・・・

高齢者虐待


高齢者の虐待。「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」では、虐待は、/搬療虐待、⊃翰的虐待、性的虐待、な置・放任、シ从囘虐待、に分類される。これらの虐待行為が重複して行われることは、珍しくない。法律も整備されており、「人権侵害」にあたることが明記。

高齢者の虐待。発見者には通報義務がある。高齢者の場合には、『地域包括支援センター』が通報受付窓口となることが多い。通報を受けた当該公的機関は、虐待の有無について調査し、対応する義務が課せられている。

地域包括支援センター。介護保険法(1997年制定。2005年改正)で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関。センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互連携。2005年の法改正で制定

高齢者の虐待。家庭内虐待は多くの場合、同居家族によって行われる。被虐待者は、身体障害あるいは認知症・知能障害を有する場合が多い。経済的虐待は、財産を有する認知症高齢者や、知的障害者が受けやすい。

高齢者への虐待。家庭内虐待への対応は、大きく、_板軈澗里鮖抉腓垢觴衙,函↓被害者を分離して保護する方法とに分かれる。いずれにしろ多職種連携による対応が必要。

高齢者の虐待。被害者の分離ではなく家庭全体を支援することが多い。この場合『加害者』への支援が有効。加害者が障害を有したり貧困や介護負担に苦しんでいることが多い。人間関係の能力に問題があることもあり孤独で助けを求めることができない。介護保険制度、障害者自立支援法、生活保護制度の活用

高齢者の虐待。継続的かつ深刻な身体的虐待が強く疑われる場合、被害者を分離する。分離により被害者はようやく本音を語るようになる。一時的な分離の後、永続的な分離(二次分離)に踏み切る。地域包括支援センターなどと連携しながら老人施設あるいは加害者のアクセスできない場所での生活に持ち込む

高齢者の虐待。認知症高齢者の増加とともに「経済的虐待」が増加。家族・悪徳業者による虐待が、ともに多い。「成年後見制度」を活用するのがよい。加害者が成人しているが、生活能力に乏しい人間であることが多い。この場合、福祉事務所などと連携して、加害者の生活支援や就労支援を行う必要がある。

成年後見制度。判断能力の不十分な者を保護するため、一定の場合に本人の行為能力を制限するとともに本人のために法律行為をおこない、または本人による法律行為を助ける者を選任する制度。裁判所の審判による「法定後見」と、本人が判断能力が十分なうちに候補者と契約をしておく「任意後見」とがある

「認知症患者のQOL向上に何が必要か?」日本認知症ケア学会。在宅診療の草分け的存在の和田忠志医師(1963年生、あおぞら診療所高知潮江)は高齢者虐待の現状を報告した後「加害者支援の重要性」を強調。認知症高齢者への虐待が発生する背景には加害者(介護者)自身の疲弊や貧困が隠れていると


・・・

その他


ドラマで学ぶ心療内科「心療内科医涼子から学ぶ心理学(心療内科入門・心の癒しのために)」 http://t.co/UKXsOyog ゞΠ預,過食、虚言癖、2板軻睨塾蓮↓で磴な依存症、ソ昂繕寡歉鼻↓心身症,嫁姑問題、父子関係,AC、╋界性人格障害、痙性斜頸、母子関係


・・・

関連ブログ


「児童虐待、居所不明児、ドメスティックバイオレンス、未受診妊婦、母子手帳、学校保健、子ども心のケアに関するツイート 20120126まで 9042字」 http://t.co/SEGcxRl5 山本敏晴のブログより

災害後の心的外傷 http://t.co/42eE4k6f 子どもの心のケア http://t.co/usl5Zky6 サイコロジカル・ファーストエイド http://t.co/fg1mSUMz 臨床心理士、認定心理士 http://t.co/O1GAIn3w 山本敏晴のブログ