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目次:

頭脳流出(brain drain)
国際協力における途上国からの頭脳流出
アフリカから欧米への頭脳流出
逆頭脳流出、疲弊した欧州から新興国へ
欧米から中国への頭脳流出
日本から中国への頭脳流出
日本では基礎研究が癌の新薬開発に結び付かない
日本の東日本大震災後の頭脳流出
米国CIAの対イラン戦略


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頭脳流出(brain drain)


頭脳流出(brain drain)。高度な技術を有した人材が外部に流出してしまう現象。母国(または自社)で受けた教育や訓練の価値が外に出てしまうことから、(その国または企業等の)経済的な損失とみなされ、人材不足につながる。原因は、外部の方が、高所得・自由を求める・国の政情不安など


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国際協力における途上国からの頭脳流出


頭脳流出。「国際協力で途上国の『人を育てる』プロジェクトをしても無駄だ」とする意見がある。理由は、途上国で優秀な医師・法律家・IT技能者等を育てたとしても、高収入を求めて、多くが欧米等の海外に移住し母国を離れてしまう。つまり自分だけが金持ちになれば良い、というのが人間の性(さが)

頭脳流出。国際協力で途上国の人に高度な教育をしても、その人は高収入を求め欧米等に移住してしまうので意味がない場合がある。このため比較的移住しないとみられる途上国の官僚(国家公務員)に日本はJICAを使って研修などしている。だが官僚なら母国を離れないというのは本当か?データが見たい


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アフリカから欧米への頭脳流出


頭脳流出。国際連合開発計画(UNDP)は、エチオピアでは1980年から91年の間に75%の技能労働者が失われ、国が貧困から脱出するのが難しくなったと発表。エチオピアでは多くの優秀な医者が輩出されたが、エチオピアにいる医者よりも、米国のシカゴにいるエチオピア出身の医者の方が数が多い

英国医学協会(Britain's Medical Association:BMA)は、途上国からの頭脳流出(brain drain)が拡大しているためHIV/エイズ等の保健課題に対処する人材が不足していると指摘。アフリカの医師の多くがイギリス等に移住し自国の医療が崩壊してゆく現状

イギリスはアフリカ等の医師を引き抜き自国の医療に従事させ英国民の健康を維持してきた。このためアフリカの医療が崩壊してしまったため"Code of Practice"を作成。これは特定の途上国からの雇用の自制。WHOは2010年5月の総会で"Code of Practice"を指示

従来は途上国から先進国へ優秀な人材が一方的に流出していた。これが頭脳流出"brain drain"。頭脳循環"brain circulation"とは先進国の技術者不足を補うためアフリカで技術研修を受け先進国で短期間働き自国に帰るもの。しかし自国に帰るインセンティブがないので定住


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逆頭脳流出、疲弊した欧州から新興国へ


ポルトガルから旧植民地への、逆頭脳流出。ポルトガル人の女性歯科医セシリア・マルケスと、ソフトウェア関係の仕事をしている夫は、モザンビークへ移住。ポルトガルはユーロ危機の影響でマイナス成長、モザンビークは+7.5%の成長。近年、欧米は債務問題を抱えGDP成長率も低い。新興国の方が…

ポルトガルから旧植民地への、逆頭脳流出。モザンビークの首都マプトには約2万人のポルトガル人がいると推計。ポルトガルの駐モザンビーク総領事ペレイラによれば、同領事館に名前を登録したポルトガル人の数はここ2〜3年で約10%増えており、2011年に登録者した人の数は1000人を突破した


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欧米から中国への頭脳流出


フランスから中国への頭脳流出。エイズウイルス(HIV)の発見(1983年)により2008年にノーベル医学生理学賞を受賞したフランス人のリュック・モンタニエ教授(78)。流出先は中国教育省直属の国家重点大学である上海交通大学。仏労働法では大学など公共施設では65歳以上の雇用は不可能

米国から中国への頭脳流出。2010年4月。ノーベル賞受賞者を多数輩出した米ニューヨーク州のコールド・スプリング・ハーバー研究所。そのアジアの学術交流拠点が中国の上海に近い蘇州に。「誘致したのは、世界最高峰の頭脳が集積するアメリカのシステムを人脈ごとごっそり持ち込むためだ」北村義浩


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日本から中国への頭脳流出


日本から中国への頭脳流出。田村守(68)北大教授。「日本では研究一筋でやってきた人はほとんど報われない。頭脳流出は日本社会が自分でまいた種だ」。『まいた種』とは、日本の特に技術系研究者が機械的に年齢制限という枠に当てはめられ、定年になると公的な研究費を失い、居場所を奪われること。

日本から中国への頭脳流出。かつて北海道大学教授だった田村守(68)は「光を使った治療・診断研究」(生体分光学の基礎及び生物医学分野への応用)の国内の第一人者。日本人として初めて清華大で常勤の「客座教授」に就任。100周年を迎えた清華大は中国きっての名門校で国家主席の胡錦濤らを輩出


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日本では基礎研究が癌の新薬開発に結び付かない


「日本では癌を直すための基礎研究を行っても、それを患者さんに還元するための仕組みが、全くない。(癌を治す)新薬の開発につながっていかない。このままでは良い研究ができない。だから日本を離れ、アメリカに行く」 中村祐輔。1952年。国立がん研究センター研究所所長。日本を離れシカゴ大へ

中村祐輔(ゆうすけ)。1952年12月8日生。医師。東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター教授。77年大阪大学医学部を卒業。旧大阪府立病院等に勤務後、渡米。91年大腸癌抑制遺伝子APCを発見。2010年 独立行政法人国立がん研究センター研究所所長。12年3月、シカゴ大学へ

日本発の画期的な医薬品作りを目指すため、内閣官房医療イノベーション推進室長に就任していた、中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して、2012 年4月から米シカゴ大学に移籍することが判明。2011年12月。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で波紋

ゲノム研究の第一人者、中村祐輔は2011年末、内閣官房医療イノベーション推進室室長を辞任し、渡米。「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」


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日本の東日本大震災後の頭脳流出


東日本大震災後に海外の大学や研究機関から東京大や東北大の研究者らにヘッドハンティングを働き掛けるメールが相次いで届いていることが判明。2011年4月。鈴木寛文部科学副大臣が大学関係者から聞いた話として発表。「被災で大変で研究活動ができないだろうから、これを機に移ってきたらどうか」


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米国CIAの対イラン戦略


米CIAは「ブレーン・ドレーン(頭脳流出)」と呼ばれる対イラン諜報活動。核開発計画の情報収集するスパイを募集。任務終了後の米国での新生活を保障し、提供した情報に応じて数億円の報酬を約束して、核開発専門家のスパイ転出を募っていた。原子力科学者のシャハラム・アミリなど。2010年7月