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この記事は、その2からお読み下さい。

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766577.html

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以下は、その3の目次です。

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目次

携帯電話でJICA専門家の支持をあおぐ
普段は何をしていたのか?
やる気の喪失
反省点の整理
灯油ストーブ爆発で火傷
やる気が復活するまでの過程
JICAへの報告書より、現地の地方自治体との計画の方が大事
2年目の2つの活動
砂質の土地に肥料を使うのは、意味がないと結論
自分の後任が必要かどうか?
富裕層に技術指導したので、貧富の差が広がった
ネリカ米の陸稲は収穫までが3か月と速い
2年目の2つの活動のまとめ
米だけじゃなく、オレンジも、やりたかった
病気は、したの?
住血吸虫
膀胱炎
交通事故は?
大統領選挙でデモと暴動
レイプは?
パキスタンとインドの食品が流通
個人的には、行って良かった
日本に残してきた彼氏とは、結局、別れた
米以外にも、いろいろやりたかった
お米は、最優先じゃなかった
メイズという種類のトウモロコシ
貧しい人のリスク・マネージメント
マイクロ・セービングと、家を途中まで建てる理由


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携帯電話でJICA専門家の支持をあおぐ


レモン あと、農家さんの家に隊員が分散した後、
    たとえば、稲の病気とかの被害が出たときに、
    専門家に電話したり、メールしたりして、相談をし、
    どんどん知識を付けていくんです。

山本 携帯電話は、U国でも普及していましたか?

レモン はい、凄い普及しています。

山本  読者のために解説をします。
    隣国のケニア等でもそうですけど、
    途上国ほど、(固定電話がないため)    
    携帯電話が非常に普及してます。
    これにより、病害(農作物の被害)が出た時に、
    関係者に相談ができる、ということです。

    さて、モデル農家には、
    どうやって、具体的に、あなたは教えたんですか?
    
レモン 各地で、やりたい人に手をあげてもらったんですよ。
    また、ジェラシーが問題になるので、
    やりたい人が複数人いたら、誰のうちでやるのがいいのか、
    皆で相談して、一人決めてもらいました。
    そして、畑の準備ができたら私に電話して、と伝えました。
    日程は、その人に決めてもらいました。
    準備ができてから、「この日に種まきをしよう」などと決めて
    周辺の農家さんにも来てもらいました。、
    そこで、デモストレーション(栽培の実演)をしました。
    畝間30cmのところにラインを作る、などです。
    『プランティングレイキ』というんですが・・・。

山本 プランティングレイキ?

レモン 鋤(すき)といえばいいんでしょうか。
    フォーク状のものを土表面に当てて、
    それを引いて、筋をつけて、種をまく。

山本 フォークの『でかいやつ』ですね。

レモン その使い方とか、蒔き方を教えますよ、と言って・・・。

山本 その線の上に、種を蒔いていって、
   種と種の間は、30cm離して蒔くんだよ、という話ですね。
   ところで、種もみの植える深さは、どのくらいが良いんですか?

レモン 2、3cmを推奨しています。
    私の地域は大丈夫なんですが、
    稲作の経験がないところだと深植えをしてしまうんですよね。
    そうすると、芽がでない、発芽しない、ということになります。
    一方で、ばら撒きをして、浅い所にある種が、
    鳥に食べられるというケースもあります。
    
    このため、次のようにして教えます。
    質問をして考えさせるのです。
    何cmが良いと思う?
    その理由は何だと思う?
    
    みたいなことを言って、じゃあ皆で植えてみようと。
 
    その後、発芽したら、
    「3週間後にね。」
    みたいな感じで、帰っていく、という感じですね。

山本 何か所位、やったんですか?

レモン 1年目は15、6か所位しか出来なかったですね。

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普段は何をしていたのか?


山本 各農家で、デモンストレーションみたいな事を
   していた時以外は、あなたは何処で何をしていたんですか?

レモン 県庁にいて他の人達と雑談してたりとか、
    ワークショップのツールを作っていたりとか・・・。

山本 ツールって、でかい紙に何かを書いたりとかですか?

レモン そうですね。

    水田やっている農家さんの家に行き、
    お茶飲んで話していたりとかしました。
    あまり忙しくなかったので、一年目は・・・。

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やる気の喪失


山本 話を戻します。
   2011年3月頃に、15人位の農家にデモストレーションをして、
   その後、それが発芽したのを見に行きましたと。

   その後、どうしたんですか?

レモン そのあと、ちょっと事故があって、私は火傷をしてしまいました。
    また、別な理由で、やる気がなくなってきていたこともあり、
    活動が、とどこおりました。
    まず、3、4月が忙しかったため、
    熱射病でよく寝込んでいたんです。

    次に、5月に足の火傷をして、
    1カ月位、首都で療養していたんですよね。
    3日に1度ガーゼ交換が必要でした。
    任地には、5月半ばに帰ったのかな・・・。
    
    足の痛みが取れて、
    バイクに乗れるようになったのが8月位でした。
    その頃、農家さんのところに行っても、
    とっくに穂が出ている状態でした。
    それまで、全然モニタリング
    (プロジェクトの監視)をしていませんでした。
    
    さらに、その頃、東アフリカ大乾季というのがあって、
    大きな旱魃(かんばつ)に見まわれました。
    このため、食料不足になりました。
    私の地域は、特に乾燥している地域だったので、
    凄く害が出ました。
    あと、畑全体に白アリが出て、
    畑2/3がシロアリで枯れちゃったんです。
    あんなに頑張って植えたのに、
    他の作物を植えた方がよかったんじゃないか、
    位に、やられてしまいました。
    帰ってきて凄くショックを受けました。
    私が住んでいた地域でも、5人位餓死者が出ました。
    それでちょっとやる気を・・・。

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反省点の整理


レモン これじゃだめだ、ただ、米の作りかとを教えるんじゃなくて、
    虫対策、旱魃(かんばつ)対策なども必要だと思いました。
    
    他のエリアと違って、私の赴任していた所は、土が砂っぽくて、
    吸水率が悪かったんです。
    U国の中部だと、1キロの種もみから、
    50キロ位取れるみたいなんですが、
    私ん住んでいたあたりだと、10キロ位しか採れなくて、
    収穫量が1/5位なんですよね。
    こんな悪い土地でも、どうやって収穫量を増やすかを
    考えるようになりました。
    こんなかんじで、やる気をあげていたのが、
    1年目の後半でしたね・・・。

山本 1年目というのは、2011年の12月までで、よろしいですか?

レモン そうですね。
    第二雨季が終わるからです。
    来年は、低収穫を、どうやって改善するかを考えていました。
    ・・・反省ばかりの2011年でした。

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灯油ストーブ爆発で火傷


山本 要するに、日射病で体調崩して、
   足に火傷を負(お)ったことなどから、
   一度、やる気を失ったんですよね?

レモン はい。
    火傷が左足全体の広範囲だったので、
    ガーゼ交換を、3日置きにしなければなりませんでした。
    病院に通わなくてはいけなくて、
    田舎の任地では、私の家からいちばん近い病院って、
    車で3時間かかったんで、
    首都に移動したんです。

山本 首都に、協力隊用のドミトリー(寄宿舎)がある国だったんですね。

レモン 灯油ストーブって分かりますか?

山本 私もアフリカで使っていたと思います。

レモン 灯油を使ったコンロなんですが、
    それを使って料理の煮炊きをしていました。
    ところが、灯油タンクに溜まったガスに引火したのか、
    軽く爆発してしまったんです。
    質の悪いガスストーブだったためで、
    熱湯が左手と左足にかかりまして・・・。

山本 ストーブの上に乗っていたやかんの中の熱湯が、
   こぼれてかかったということですね。

レモン 2時間くらい痛くて動けませんでした。
    水道がなかった家だったんで、
    バケツに貯めていた水に手足をつけて、痛みに耐えました
    でも、このままじゃ餓死すると思ったんで、
    近くに看護師隊員がいたので、電話をしました。
    そしたら、「すぐにおいで」って言ってくれたので、
    タクシーを街まで行って探して、ひろって、彼女の所へ行きました。
    ワセリンとラップでグルグル巻きにされたら、
    痛みが治まりました。
    U国には、首都に健康管理員がいます。
    健康管理員に聞いたら、「病院に行きましょう。」と言われました。
    皮膚を全部はがして、蜂蜜をつけられて、
    皮膚が上皮化するまでは、病院にいなさいとという事になりました。
    首都で、色んな人に餌付けされながら、生きていましたね。

山本 皮をはがしたということは、火傷で水疱ができていて、
   かつ、それが破けていた、という事で宜しいですか?

レモン 破けていないです。
    15個位水疱ができていて・・・。

山本 破けていない水疱を、医療従事者が、
   破いてはがしたという事ですか?

レモン そうです・・・。

山本 医者として色々言いたい事もあるんですが・・・。
   ここは黙っておきます・・・。

参考:
火傷には、3段階あり、掬戮ら慧戮吠類される。
水疱ができるのは第凝戞
一般に、医学では、
水疱が破れていない場合は、破かないのが原則。
その方が、細菌による「二次感染」がない。

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やる気が復活するまでの過程


山本 体調不良もあって一時期仕事を休んで、さらに迷いがあったと。

レモン 迷いというか、(農業全体の)生産量が落ちていていたことから、
    カウンターパートが(他の仕事で忙しくなり)、
    あまり一緒に活動できなかったんです。
    体調を崩したからなんですよね。

山本  忙しかったのは、カウンターパートの人の方?

レモン カウンターパートもそうだし、
    自分もそうでした。

山本 レモンさんが忙しかったというのは、
   何の仕事で忙しかったんですか?

レモン 村の集会に行って、モデル農家たちを決めて、
    モデル農家たちと日程を合わせて、土地を見に行って、
    耕されたかを確認して、デモンストレーションを行いました。
    そこまでいったのは、15、6件なんですが、
    各パリッシュで決めたモデル農家は、28件位なんですね。
    その土地などを見に行ったり・・・。

山本 あなたはその時、バイクが使えなかったんですか?

レモン その時は使えました。
    2011年3月3日に来たんです、バイクが・・・。

山本 実際に忙しかったと・・・。
   その後、病気して第二雨季が終わるのが12月位・・・。

レモン 11月位ですね・・・。

    第一雨季の散々たる結果を見て、
    また、いくつかの問題を認識したので、
    再び、やる気が上がってきたのが、この時期でした。

山本 旱魃で水がないとか、病害虫の発生も起き、
   土のせいで、生産量が低いようだと認識したとのことでしたが。
   そこで、「どうしよう」と悩んだと思いますが、そんな状態でも、
   そこで、やる気が上がってきたんですか?

レモン はい。

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JICAへの報告書より、現地の地方自治体との計画の方が大事


山本 3カ月ごとにJICAに報告書を書くはずですが、
   調整員からのフィードバックは
   期待できるものではないかもしれませんが、
   報告書を書くことによって、自分の頭の整理にはなりますよね。
   
   やる気がまた上がった位の時に、
   今後どうするという時に、あなたはどんな計画を立てましたか?

レモン 報告書については、3カ月毎に書くとか、
    色々決まっているんですね。
    私の活動計画は、
    現地の雨季、乾季に合わせて立てるのです。
    だから報告書とは、タイミングが合わせられないんですね。

    JICAに提出する報告書は、適当に埋めて書いて、
    配属先(U国の地方自治体)に提出する方を、
    まじめに書いていました。
    前回の結果はこうだったから、それを踏まえて、次回は、
    こういったふうにするという計画を立てていました。
    それをJICAへの対する報告書にも、
    添付資料として付けていましたね。

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2年目の2つの活動


山本 分かりました。
   2年目は、どうしようと思っていたんですか?

レモン 2つの活動をしました。
    1つは、県庁側から、他のサブカウンティーでも、
    やって欲しいと言われたので、
    他の地域でも、『ネリカ米の陸稲』の普及をしました。
    ちなみに、それぞれのサブカウンティーが・・・。
    農業省から種もみの普及を受けるというシステムでした。
    ともかく、新たな2つのサブカウンティーで指導を開始しました。

    2つめは、今まで活動していたサブカウンティーで行いました。
    こちらの方で、補助管理の方が、
    きちんとしていた農家さんを選んで、
    『肥料実験』をやるという事をしました。

    その、私のすぐ近くに住んでいたところの農家が
    「凄く低収量だ」というので、JICAの専門家に相談しました。
    すると、「そこの砂は砂質だ」と言われました。
    「砂質の場合、凄く肥料が流れやすいので、肥料を与えても、
    あまり意味はないよ」と言われました。

    ただ現地の農家さんは、
    「肥料使ったことあるけど効果はあるよ」と言っていました。

    ですので意見が対立しており、
    どちらが正しいか、わかりませんでした。

    次に私の後任が来たら、収量を上げるための方法として、
    「肥料を勧めていいのかどうか?」ということの
    結論を出してから、私は日本に帰ろうと思って、
    肥料実験をしたんですね。

    実験の進め方は、専門家からアドバイスを受けました。
    Aという土地には肥料を使い、Bという土地には
    肥料を使いませんでした。この2つで収量に差がでるかを
    数か月後に調べよう、ということでした。

    結局、2年目は以上の2つを柱にしました。
   
    後者の肥料実験の結果が出るまで、待ちたかったので、
    私は、派遣期間を、2年よりも、もう少し延長したんです。    

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砂質の土地に肥料を使うのは、意味がないと結論


山本 なるほど。
   では後者の方から行きますか・・・。

   砂質の土地に肥料を使うのは、意味があるんですかないんですか?
  
レモン 「ない」と思いますね。
    使った効果はないと思いますね。
    
    結局厳密に言うと、農学の専門家からしたら、
    笑っちゃうような感じの圃場(ほじょう、作物を栽培する田畑)
    だったと思うんです。
    農家さんがそこまで正しく区切ってくれなかったり、
    いきなり道の真ん中で道ができたりして、
    アカデミックに言うと、正確なデータではなかったです。
    それでも得られたデータから比較すると、
    肥料をやった方が、少し収量が増えるので、
    一応、差はあったんです。
    
    しかし、肥料を購入するためには、お金が必要です。
    そのお金を回収できるほどは、収量が増えないのです。
    ですので、私は、肥料をやった方がいい、とは思いません。

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自分の後任が必要かどうか?


山本 読者に説明します。レモンさんが先ほど言ったように、
   協力隊の2年間の活動が終わる、半年〜1年位前に、
   その案件に対し「自分の後任が必要と思うかどうか」について、
   JICAに報告することになっている訳です。
  
   ところで、それは、半年前?
   1年前?

レモン 結構、速かったように思います。

山本 あなたは、自分の後任は、「いる」と言いましたか?
   「いらない」と言いましたか?

レモン いるかどうかは、『プロジェクト』
    (U国におけるJICAの技術協力プロジェクト全体を
    統括している人)が考える事じゃないかなという話をしました。
    
    ただ、私の感触として、配属先もカウンターパートも、
    凄くやる気があるので、仕事をするには良い環境だと思いますよ、
    という話はしました。
    
    ・・・でも、後任が、「いる」かどうかは、
    プロジェクトが決める事じゃないですか、と・・・。

山本 「言及しなかった」ということですね。
   わかりました。

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富裕層に技術指導したので、貧富の差が広がった


山本 1番目はどうなりましたか?

レモン ネリカ米の陸稲の普及に関し、
    他の範囲へ広めたところなんですけれども・・・。

山本 他のサブカウンティーに協力してもらい、広めていったんですよね。
   種もみは、どうやってもらったんでしたっけ?

レモン 農業省のある大統領府から送られてきたんですね。
    大きな袋に種もみが入れられていて、送られてきたんです。
    このことは、
    (U国内のネリカ米の種もみの流通を管理しているはずの)
    JICAの技プロが知らないことでした。
    不思議でした。
   
    JICAの技術協力プロジェクトが、
    U国内の、米の流通に関しては、
    『統括』して管理しているはずだったんです。
    でも、どうやら、ちょっと省庁間のコンセンサスが
    なかったみたいです。
    JICAの技プロの知らない所で、勝手にこっち(協力隊)も
    米普及をやっていました。

    ところが、種もみをもらったのはいいんですけど、
    (U国の地方自治体側の)米の農業普及員に、
    知識があまりなかったので、困ってしまいました。

山本 「知識がなかった人」というのは、
   あなたが最初に派遣された所の人じゃなくて、
   新しく広げた2つのカウンティーの農業普及員に、
   稲作の知識がなかったという事ですね?

レモン そうです、そうです。
    彼らに知識を与えるために、
    (技術を)シェアする事を目標に活動していたんです。
    私がはじめに活動をしていたサブカウンティーでは、
    稲作のモデル農業を決めるときに、
    「やる気があれば誰でも良い」
    みたいな農家さんの選びかたをしていたんです。
    しかし、新しく活動を始めた方は、
    省庁からの支援(種もみ)を受けたので、
    成果をあげないといけない、そうでないと、
    次からもらえなくなるということになりました。
    ですので、かなり良い農場を持っていて、知名度もある、
    英語も喋れるという富裕層の農家ばかりが選ばれました。
    元々、条件が良かったので、
    やはり、教えた事をそのままやってくれて、
    しっかり成果も上がりました。
    しかし、もともと、裕福な農家を、
    さらに豊かにする結果となりました。
    貧しい農家には何もしませんでした。
    このため、貧富の差は、広がりました。
    ですので、複雑な思いでした。

山本 農民の中の、富裕層の方に技術を教えていたので、
   貧富の差が広がる一方だったという訳ですね・・・。

   元々教養のある人たちだから、成果は出たが、格差が広がったので、
   複雑な気持ちだったという訳ですね。

   政府系のやる「開発」では、ありがちですね。

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ネリカ米の陸稲は収穫までが3か月と速い


山本 凄い基本的な事を聞きますけど、田植えって、
   日本では梅雨のある5月にやりますよね?
   そして、それが、秋に実りますよね?  
   つまり、日本では、半年で実っていますが、
   U国ではどうなんでしょうか?

   U国では、年に2回雨季があり、
   年に2回、収穫がでいるようですね?
   つまり、ネリカ米の陸稲は、「3カ月で結果が目に見える」
   という事ですね?

レモン そうですね。
    私は前の会社にいた時、もともとリサーチャーなので、
    (モデル農家となった人たちに)リサーチしてみたいと思って、
    「ネリカ米の何が良かったですか」みたいな質問をしました。
    
    実は、私の前任者が農家さんに聞いて回ったんですが、
    評価が高いのが、「乾燥に強い事」じゃなくて、
    「収穫までが短い事」だったんですよね。

山本 収穫まで、3カ月位ですか・・・。
   それはいいですね。

レモン 雨季が始まるのが2、3月、
    学校の学費を払うのが6月位なんで、
    その頃に現金をもらえるのが素敵、みたいな・・・。

山本 いいですね、笑っちゃいますね・・・。
   わかりました。

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2年目の2つの活動のまとめ


山本 ここまでをまとめます。
   1つめのネリカ米の普及は、
   富裕層の農家を対象にしたので上手くいったと。
   2つ目の肥料をまく効果があるかどうかの実験は、
   意味がない、という結論だったと。
  
   もらえそうもなかった種もみは、結局、もらえたと。
   その理由は、JICAの技プロが、
   U国の種もみを包括的に管理しているはずが、  
   実際にはそうなっておらず、
   U国の省庁から、協力隊へ、というか、
   地方自治体の農業普及員へ、種もみが回ってきたと。

レモン はい。

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米だけじゃなく、オレンジも、やりたかった


山本 以上が大筋ですか?

レモン 殆ど米しかやっていなくて、
    私の住んでいたあたりが、オレンジの名産地だったんで、
    お米育てている農家さん家で、お茶のみ話をしていたついでに
    ジャムの作り方を教えようとしたり・・・。
    そういう事はしていましたが、それしかしていなかったです。

山本 なるほど。
   だいぶ概要が聞けましたね。

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病気は、したの?


山本 病気は日射病になったのと、
   灯油ガスが爆発して火傷したのと、他に何かありましたか?

レモン 大きな病気・・・。
    以前に山本さんにEメールで相談したんですけど、
    熱が3日下がらなくて怖い・・・ということがありました。
    結局、抗生物資を飲んだら大丈夫だったんですけど。

    あと全然症状がないんですが、私、水田に入っていたもので、
    活動で水に入るような事をしていた人は、
    帰国後、強制で、
    「住血吸虫」の検査を受けるんですね。
    それがポジティブ(陽性)だったんです。

    住環境が住環境だけに、
    帰ってきてから「ジアルジア症」ですと、
    また、診断されたので、大学病院で治療しました。
    それくらいですね・・・。

参考:
ジアルジア症とは、ランブル鞭毛虫を原因とする寄生虫疾患。
「人獣共通感染症」で、消化管で増殖し、下痢などをおこす。

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住血吸虫

山本 住血吸虫には、
   「ビルハルツ」と「マンソン」がいるんですが、
   どちらでしたか?

レモン ビルハルツです。

山本 ビルハルツ住血吸虫は、恐ろしい寄生虫で、
   水田、湖、川等に入ると、
   幼虫が透明なドリルの形状をしており、
   皮膚を貫通して体内に侵入します。
   怪我などしていない足の皮膚からでも、
   幼虫は体内に入って来ます。
   膀胱に巣を作り、10年程潜伏し、膀胱癌の原因になる、
   とんでもない恐ろしい病気です。
   アフリカの死亡率をあげる要因の一つになっているものです
   レモンさんもそれにかかっていたということです。
   東南アジアにもいるんですが、
   アフリカの川や湖に入ると、それだけで、感染する危険性があります。
   バックパッカーの人は、少しはビビった方がいいと思いますよ・・・。

   ちなみに私は、感染の危険がある地域に行って、
   どうしても水に触れないといけなかった場合は、
   私は医者で、治療薬を自分で持ってますんで、
   「プラチカンテル」という強力な薬を飲んで、駆除していました。
   
   協力隊行く人は、安易なバックパッカー系が多いので、
   もう少し、気をつけた方がいいです。  
   
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膀胱炎


レモン あと、膀胱炎が辛かったですね・・・。
    1回しかなってなかったんですが、ケニア旅行中に、かかりました。
    その辺の薬局で抗生物質を買いました。
    薬剤師隊員に電話で聞いて薬局に行って、
    勧められた薬を買いました。
    再び、電話して聞いたら、
    「語尾が○○だから大丈夫じゃない」と言われました。
    私、首都から遠い隊員だったので、
    バスで7時間くらいかかるんですよね・・・。
    トイレ休憩がなかったんです。
    このため、首都に上がる日は前日夜から水分取らないです。
    バスに乗るとトイレに行かずに我慢して乗るので・・・。
    未だにあの狭い空間に似たようなところに行くと
    思いだしちゃって気分悪くなります。

山本 もしも、トイレに行きたければどうぞ・・・。

レモン 大丈夫です・・・。

山本 日本では、膀胱炎になった事ないの?

参考:
膀胱炎は、女性に多く、「習慣的」となり、
繰り返してしまう人が多い。

レモン 日本では、3回位なりました・・・。

山本 膀胱炎は、繰り返しなる人が多いんですが、
   基本的には抗生物質を飲めば治ります。
   ニューキノロン系抗生物質のシプロフロキサシンなど。
   商品名はシプロキサン、クラビット、タリビットなど。
   以上の、どれかを、1週間位飲むのが普通だと思います。

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交通事故は?

   
山本 あとは、交通事故、特にくらってないですか?

レモン 遭いそうになった事はあります。
    バスに乗った時、
    巨大トレーラーが横転してきたんです。
    あと5mで、巻きこまれていたんですよね・・・。

山本 死んでたかも・・・。

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大統領選挙でデモと暴動


レモン 大統領選挙が2011年4月にあったんですが、
    その時はあれだったんです。

    しかも、5月位に食料価格がめちゃくちゃ高くなって・・・。
    食料価格の高騰で、デモが多発したんです。

    バスで首都に向かっていたら、
    何か道路にいっぱい石が置いてあって、
    丁度1時間前に警官隊とデモ隊の衝突があって、
    警官がバンバンやっていたとか、
    催涙弾も飛んでいたと言う話を聞きました。

    そういう危うさもありましたね。

山本 補足しますと、アフリカ諸国は、大体、大統領選挙の時に、
   クーデターとか、デモなどが起こることが多いのです。

   理由はアフリカは多民族国家なためです。
   U国は何個位、民族がいるのかな?

レモン 50いくつ位かな・・・。

山本 少なくてもその位はいるでしょう。
   選挙に勝って自分の民族から出そうとするのです。
   自分の民族から大統領を出した方が金がくる、
   良い道路を引いてもらえる、ということです。
   
   あとは、レイプ、強姦等はなかったですか?

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レイプは?


レモン なかったです。

山本 同期隊員でなかったですか?
   話を聞いたことも・・・。

レモン 「多分ある」という話が(協力隊の隊員の間に)出ていました。
    でも、「あったとしても、誰にも知らされないで、
    他の理由で帰国しているから分からないよ」と、
    言われていました・・・。

山本 あなたのいた時期に、
   隣のK国で(レイプが)あったんですけども、
   それは知らされなかったようですね。
   
   では、U国で2年間いるはずだった隊員が
   途中帰国したケースは、ありましたか?

レモン いました、いました。

山本 どのくらいいましたか?

レモン ・・・。
    10人に1人位・・・。
    ひとつの隊が大体10人位ですけど、
    毎年私の隊の人が、任期を短縮していましたね・・・。

山本 公式発表として、理由が知らされた場合は、
   その理由は、何だと聞いていますか?

レモン 知らないです。

山本 帰る時に、同期の隊員に知らされないんですか?
   例えば、母が死んだ、とか・・・。
   聞かされないの?

レモン 同期隊員が、途中で、帰っているんですけども、
    帰る前に皆で集まって、パーティーをしました。

山本 どんな理由だったんですか?

レモン お父さんが余命6カ月宣言を受けたので帰国・・・。
    任期満了までいると、
    死に目に間に合わないので帰りますとのことでした。

・・・

パキスタンとインドの食品が流通


山本 よくU国でクッキーを晩御飯にしていたという事ですが、
   何処のですか?

レモン パキスタン産のです。

山本 何か、アフリカに流通している、
   薬や食品は、パキスタン製が多い印象があります。

レモン インド人が多いからでしょうか・・・。
    町のスーパーでこのお店、品揃えいいなと思うと、
    店主がインド人ですね。

山本 なるほど・・・。

・・・

個人的には、行って良かった


山本 で・・・。
   21012年の12月に帰国しましたと・・・。
  
   2年間の協力隊の活動の手ごたえはどうですか?
   感想は?

レモン 個人的には、行ってすごく良かったと思います。
    ほんとに凄く良い経験が出来たと思います。
    この2年間がない人生は考えられないなと思います。

・・・

日本に残してきた彼氏とは、結局、別れた


レモン 行って・・・。
    彼氏に振られたんですけど・・・。
    結局・・・。

山本 派遣前のインタビューで聞いていた、
   2年前の彼氏の話ですね。

レモン フフフフ・・・。

山本 それちょっと後に置いておいてですね・・・。

参考:
派遣前のインタビューの以下の記事を参照。
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65762730.html

・・・

米以外にも、いろいろやりたかった


レモン ただ、私は、個人的には、行って凄く良かったです。
    現地の人達にとってプラスになったかというと、
    よくわからんないんですが。

    というのも、ほんとに米しかやらなかったからです。

    私の担当した案件が、もしも、もっと大雑把な要請だったら、
    いろんなことができたんですが。
    村落隊員って、普通は、もっといろいろ模索して、
    色んな事やっているんですよね・・・。
    かまど普及したりとか、料理教室したりとか・・・。
    
    ケーキ作りビジネス成功させたり・・・。
    そういう事を見てると米だけに縛られず、
    色々やってみるとよかったのかなと思います。
    色々後悔はしていますね・・・。

山本 個人的によかったと思った理由は何ですか?

レモン 途上国の農家さんが、
    何を考えてどういう生活をしているのか、よくわかりました。
    こっちに帰ってきて、本とか読んだりすると、
    より理解が深まりました。
    現地の事、U国だけですが、
    そこそこ分かったような気がします。

山本 では、現地の人は、どんな生活をしているんですか?
   具体的に・・・。

レモン 一言で説明するのは、難しいんです。

    農家さんが色々畑を作る時に、
    何を優先して順番に仕事を勧めていくのか、です。
    よく通(かよ)っていたので分かるようになりました。

    お米にとっては、水が重要なので、
    雨季が始まったら、ヨーイドンで、
    お米を作っているかと、私は思っていたんです。
    でも、違ったんです。
    まず雨季が始まっても、ひょっとしたら、
    これは雨季のスタートじゃないかもしれない、
    と農家さんは考えるんです。
    雨が降って、しばらく止んで、
    また降り出して雨季の本格スタートという事もあるから、
    野球で言うと、見逃しみたいなことをするんです。
    雨が、ちょっと降って、
    1度耕して、2度目耕して、3度目耕して、
    ようやく植えれるようになってから、種もみをまくんです。
    「そうか、そこまで待たないと、
    種まきスタートできないんだ・・・」ということに気づきました。
    そうして、ようやくお米を植えられるようになるんです。

・・・

お米は、最優先じゃなかった


レモン  ところが、どっこい、お米は最優先じゃなくて、
     私の住んでいた地域では、まず最優先させるのは、
     落花生だったんです。

山本 落花生はピーナッツのことでしたっけ?

レモン そうです。
    あちらではピーナッツと言わず、
    グランドナッツといいます。
    それが、もっとも生活に密着している。

山本 主食は、ヒエと、アワでしたっけ?

レモン ヒエ(稗)ですね・・・。
    農家さんは、落花生と、ヒエを最優先させるんですよ。
    それが生活に一番密着している、毎日食べるものなんです。
    これがなかったら飢え死にするから最優先させて作るんです。

    その次に植えるのが、メイズ、キャッサバ。
    そして、最後に米とか・・・。

・・・

メイズという種類のトウモロコシ


山本 メイズとレモンさんが言いましたが、
   アフリカのトウモロコシは2種類あって、
   メイズとコーンがあります。
   コーンは日本でも売ってる。
   メイズは日本のトウモロコシと違って、
   1度粉にしてから食うとか、
   調理しないと食えないものです。
   それで、良いですか?

レモン はい、そうです。

山本 メイズのことは知っていましたか?

レモン メイズはそのまま焼いて食べたりもしていましたが、
    蒸したり、粉にしてもち状にしたりもしていましたね。

・・・

貧しい人のリスク・マネージメント


    作物を植える優先順位を考えて、
    上手くやっているんだな、ということを学びました。
    貧しい人でも、色々リスクマネージメントをしているんですよね。
    アフリカに行ったら、
    大抵の人が建てかけの家を見にすると思います。
    日本人の感覚からすると、
    何故、一気に建てないんだろうと思ってしまいます。
    お金貯めて、一気に建てればよいのにと思うんですが、
    どうやら、それは違うようなんです。

    あっちの人達って、お金をとどめておく事を警戒していて、
    人が困っていて、貸してほしいと言われれば、
    貸しちゃうかもしれないし、
    そしたら、かえってこないかもしれない・・・。

    銀行だったら預けるのにお金がかかるので、
    だったら家を少しでも建てるのに、
    使っちゃった方がいいということで。

山本 U国では、銀行にお金預けるのにお金かかるんですか?

レモン 「口座維持料」というのがかかります。

    私たち協力隊も、JICAから、
    月405ドル手当てをもらっていましたが、
    そのうちの7ドルを口座維持料としてとられていました。
    ちなみに、それも計算しての405ドルなんですよね。

山本 (電卓で計算して)2%位か・・・。

・・・

マイクロ・セービングと、家を途中まで建てる理由


レモン U国では、銀行にお金を預けるのに、金かかるんですよ・・・。
    なので、金持ちとかは、口座を持っていますが、
    貧乏人は、そもそも信用がないので、
    口座持てないんですよ・・・。
    なので、貯蓄手段として、
    マイクロセービングをやっている人が大抵ですね。
    
参考:
マイクロセービングとは、
貧しい人でも貯金ができるようにした、金融システム。
NGOや社会企業が行っている。

    皆やっているんです。

    それをしないと、家長の男性が、
    お酒などをすぐ買ってしまって、
    お金が永久に貯まらないんです。  
    だから、くだらないことにお金を使ってしまわないように、
    あるお金を使って、途中まででも、家を建てるんです。  

    あと、強度の問題で、家の1/3まで作ったら、
    一度、完全に乾燥させるまで待った方がいいんです。
    それで強度を保ってから、また建てる・・・。
    インターバルは必要なんだと教わりました。
    そういう貯蓄の仕方だったり、建て方なんだと・・・。

山本 そうなんですね。
   それは知らなかったですね・・・。
   面白いですね・・・。





・・・

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