山本 :次ですね。

    4番目に来る重要な病気が、「はしか」ですね。

    英語だと、measlesって言いますが、
    麻疹ですね、医学の正式用語は。

    あなたは、はしかは見た事ありますか。

さおり:無いです。

山本 :そうですね。

    はしかはですね、日本でも、いまだに感染すると、
    千人に1人から1万人に一人くらいは死ぬ病気です。

    死亡率としては、そんなに高くは無いんですけども、
    仮に1億人全員が感染したとすると、
    1000人に1人死んだとしても、10万人死ぬ事になりますので、
    結構な数だという事です。

    途上国では、(医療環境がととのっていないので)
    はしかになった子が、そのまま死ぬことが多いです。
    (日本でも江戸時代では、結構死んでいました。)

    これがあるので、はしかに対する   
    ワクチンの予防接種が、
    途上国では特に重要だというふうに、言われています。
    というわけで、
    国連のunicefなどが中心になって、
    ほとんど全ての途上国でワクチンを打ちまくるって事を、
    やっています。

    話が多少、逸(そ)れますけども、このためunicefは
    EPI、という世界的に大規模なプログラムをやっています。
    EPIとは、Expanded Program on Immunizationの略で、
    日本語では、拡大予防接種計画、などといいます。

    で、具体的に、何をやっているかというと、
    次の6つの病気に対するワクチンの接種などをしています。

    それらは、
    ジフテリア、百日咳、破傷風
    (以上三つの英語の頭文字をとってDPT)、
    結核(BCG)、麻疹(はしか)、
    ポリオ(俗に小児麻痺、急性灰白髄炎、これのみ内服)、です。

    その6つくらいの病気に対して、
    unicefが世界中の子供達に、ワクチン接種を、
    がんばってやろうとしているはずなんですよ。
    ・・・と、いうことを、ここで触れておきます。

    さて、5番目です。
    
    5番目にくるのが栄養失調です。

    栄養失調は、食べ物があまり無いために、
    やせすぎている、子どもです。

    栄養失調をどうやって判断するか知ってますか、子供で。

さおり:体重。

山本 :まあ、そうなんですが、現場によっては、違うんです。

    どうやって診断するかと言うと、
    こういう、「栄養失調を判断するための専用のテープ」
    が、あるんです。
    やわらかいプラスチックなどでできた、巻尺のようなものです。
    それでここ(子どもの上腕)を巻くんです。

さおり:腕の周り。

山本 :ここを巻いて、ここの長さが12.5センチ未満だったら、
    栄養失調と判断するんです。

    11センチ未満だったら、重度、超重傷(の栄養失調)で、
    すぐに入院させて、「栄養補助プログラム」始めないと
    死ぬかもしれないとされています。

    途上国の田舎では、デジタルの体重計もないですし、
    また、子どもの体重を測ることは、
    (泣いてあばれて、じっとしていないことなどもあり)
    困難だとされています。
    ですので、栄養失調を判断したい場合は、
    この、専用のテープを、二の腕にまいて、
    その太さが、太いか細いかで、判断してしまう、
    ということです。

さおり:何歳以上とか、あるんですか。

山本 :1歳から5歳位の子供に関しては、
    今のやり方で全部やっちゃいますね。

    時間が短縮出来るからですけれども。

    2番目の方法が、
    「身長あたりの体重」で判断をする方法です。
    これには、さすがに、体重も使います。

    例えば75センチの子供だったら、
    仮に10キロくらいあるのが普通だ、としますよね、
    そしたら、それが通常よりも、
    標準編差の−2SD以下、であるかどうかで判断します。
    ともかく、
    「身長あたりの体重」で、判断すのです。
    
    これ、何でかって言うと、日本だと、乳幼児健診では、
    「年齢あたりの体重」でやっているんですけれども、
    途上国ではこれが出来ないんです。

    理由は何でだか分かりますか?

さおり:何歳だか分からないから。

山本 :そうです。
    
    途上国には戸籍が有りません。
    住民票も有りません。
    出生届けをする制度もありません。
    (または、あっても、実際に人々がおこなっていません。)

    このために、お母さんは自分の子供が何歳か、
    いつ生まれたかを知らないのです。

    このために、日本では「年齢あたりの体重」で栄養失調とか、
    健康不良児を判定するんですけれども、
    途上国では「身長あたりの体重」でやると、いう事ですね。

    それで、上腕の周りの長さ、
    これMUAC(ムアック)って言うんですけれども、
    MUACって何だっけな・・
    mid-upper arm circumference、上腕中央部の円周、ですね。
    覚えてね。

さおり:はい、MUAC。

山本 :で、基本的には(栄養失調の判定を)やると。

    もうちょっと(判断をする)時間が有れば、
    身長体重を計って判断すると。

    (時間があるならば)普通は両方やります。

    両方引っかかってたら、栄養失調なので、
    栄養を改善するためのプログラムを始めると、いう事ですね。
    (その詳細は、今回は、ふせます。)

    以上の5つ、肺炎、下痢、マラリア、はしか、
    栄養失調の5つの事を、
    BIG 5(ビッグ・ファイブ)と、言います。

    この5つが、NGOなどがやる、緊急医療援助で、
    一番重要な病気ですね。
    なんでかというと、難民キャンプなどの過酷な状況で、
    人々が死んでゆく原因の、トップにくるものだからです。

    あなたが途上国でも、首都とかじゃ無くて、
    本当のど田舎に行って(直接的医療を)やる場合は、
    必ずこの5つを、まず最初に診れなければいけない、って事です。

    あなたはこういった事を知っていましたか?

さおり:こういったこと?・・・。

山本 :今言ったこの5つ(の病気)が、
    (死亡率の)BIG5なのですが、
    それぞれの診断法や治療法は、
    どっかで勉強した事はありました?

さおり:BIG5、この日本では死因にならないけれども、
    途上国では大きな死因になるって事は知ってました。

    で、日本で診れる肺炎、 下痢とかの治療は
    勉強した事は有りますけど、
    その途上国ならではの治療法ってのは、勉強した事が無いので、
    非常に勉強しなきゃいけないなと、反省しました。

山本 :そうだね。



(次回に続く)

・・・

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