山本 :次は、「スフィア・プロジェクト」ですね。

    これ何かって言うと、トイレの数などです。
   
    要するに、緊急状態の時に、戦争の難民キャンプだろうが、
    地震津波後の何も無い状態だろうが、
    人間が生きていく為に、最低必要な物、
    食い物、水などが有ります。

    それをスフィアプロジェクト、地球計画と言って、
    色んな世界中のNGOなどが相談して作った、
    ある種の「基準」です。

    緊急状態で、人間に、最低必要なもの(または項目)を
    まとめたものです。
    インターネット上にも有ります、英語ですけど。

    1人あたり、1日に飲料水、安全な水として、最低2L、
    飲む水だけで2L(リットル)必要だと、いうこと。

    生活用水のすべてを考えた場合は、
    最低15L(または18L)くらい必要だと。

    なんで15Lも要るかと言うと、
    要するに、人間は、さっき言ったように、
    うんこしたら、手を洗わないといけませんよね。

    あと、着ている物も、あまりにも汚いと、
    痒くなってきたりして不愉快で、
    精神的に不穏になるので、洗濯もある程度はしないといけない。

    あと、沐浴、清拭、なども、必要です。
    清拭とは、病院で看護師さんらが、使う用語ですが、
    身体を濡れたタオルで拭く事です。
    震災の後は、水が止まるので、
    風呂もシャワーも有りませんから、
    その清拭しかない場合もある、ということです。

    で、15L要るんですね。

    あと、トイレですね。

    本当の緊急状態の時は、トイレは、
    最初100人あたりに1つ、難しい場合は、
    200人あたりに1つ位作るように頑張るんですね、
    緊急援助団体(おもにNGOたち)は。

    それが終わったら、もうちょっとマシな状況になったら、
    女性25人に対して大便用1個、
    男性35人に対して大便用1個、小便用1個作るって事に、
    国際的に決まっています。

    これが基本なんで、これは知っておいた方が良いですね。

    女25人あたり、ひとつ穴を掘ると、
    男性35人あたりにも、ひとつ穴を掘って、
    小便用の場所を作ると、いう事ですね。

    あとゴミですね。

    ゴミは、状況にもよりますけど、うんこを埋める場所とか、
    燃えるゴミ、燃えないゴミ等を、分けます。
    あとは医療用廃棄物(血液が付着したもの、針など)等も、
    もし有るんでしたら分けなきゃいけない、という事ですね。

    次、ORS(経口脱水改善薬)ですね。

    何だかんだ言って、皆、下痢になるんですね。

    さっき言ったように、飲む水すらも、ろくに無いので、
    手洗いはするわけないじゃ無いですか。

    皆、うんこしたまま、手も洗いません。

    すると、簡単に、細菌感染や、
    ロタウィルスやノロウィルスが、他人にうつりまくりです。

    皆、下痢になります、それが広がります。あっという間です。
 
    で、必要になるのが、ポカリスエットか、
    アクエリアスを飲むか、
    (脱水に対する)点滴を受けるかなんですけれども、
    どれも無いですから。

    で、出てくるのがORSって言って、
    Oral Rehydration salt、経口脱水改善塩、
    さっき言ったように、こんくらいの袋、
    3センチ×5センチくらいのビニールの袋に入った粉で、
    1Lの水に溶かすと、ポカリスエットのような物になるので、
    それ飲んでれば死なないって事ですね、下痢になっても。

    と、いうわけで、今まで話したように、
    看護師というよりは、保健師としての仕事のほうが、
    震災の直後には必要だ、やれることが多い、ということですね。

    ちなみに、看護学生が、国家試験をうれて、
    看護師の免許を手に入れるときに、
    同時に、保健師の国家試験を受ける人がいますが、
    恐らく半分以上居るんじゃないかと思いますが、そうだよね?

さおり:半分も居ないと思いますよ。

山本 :半分は居ないんだ。

    どんくらい居るの、3割くらい?

さおり:全体の看護師の・・・。
    4大(四年制の看護大学)出ている人と、、

山本 :(2〜3年制の)専門学校で違うの?

さおり:専門学校は、看護師だけなので、
    もう1年学校行かないと保健師取れないから、
    3割も居ないと思いますよ。

山本 :じゃあ、
    その3割も居ない保健師的な知識が必要になるって事ですね。
    国際協力や、自然災害後の現場では。

    (というわけで、これを読んでいる、あなたが、
     将来、看護師として国際協力をやりたい場合、
     看護師の国家試験と同時に、保健師の資格も、
     とっておくことを、強く勧める。)

    衛生の維持、感染症の予防、栄養状態の維持ですね。

    今までの話を聞いていれば分かるように、水が無くなると、
    下痢が流行るのは、ほぼ確実と言って間違い無いんですね、
    分かりますか?

さおり:分かりました。



(次回に続く)

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