山本:で、ちょっとですね、
   (話を戻して)細かいことを確認したいんですけれども、
   要するにこれの、文献の方です。

   まずその、寒冷化が(周期的に)起きる可能性については、
   前から、
   いわゆる「ミランコビッチサイクル」という理論があります。

解説:
ミランコビッチサイクルとは、
地球の公転の形、自転軸の傾き、地軸のブレなどから、
周期的に、日射量が変動すること。
地球が、温暖化と寒冷化を繰り返すことに関与。
1920〜1930年代にセルビアの地球物理学者
ミルティン・ミランコビッチが提唱。

山本:それは、地球の自転、公転、ゆらぎの3つの複合ですけれども、
   あれでですね、現在(地球)は4千万年前から始まった
   基本的には「氷河期」にあって、(その中で)
   いわゆる、「間氷期」と「氷期」が繰り返しているんだけれども、
   現在は、1万2千年前くらいから始まった間氷期にある、
   ということです。

解説:
氷河期とは、南半球と北半球に氷床がある時期、を言う。
現在、北極にも南極にも氷があるので、地球は「氷河期」にある。
この中で、比較的暖かい「間氷期」と比較的寒い「氷期」が
数万年ごとに繰り返されているのだが、
現在は、前者の「間氷期」にあたる。
つまり、「氷河期」の中の「間氷期」なのである。

山本:で、だいたい、あと、
   2万年程度で現在の間氷期が終わるらしんだけれども、
   まあ、先生の本を読んでいたら、
   明日にでも終わる可能性があるかもしれないという
   不確実性があると書いてあったんですよ。
   それの根拠は、何かあるんですか?

M教授:それはね、どういうことかと言うとね、
   2万年周期とかというのは、
   過去の気温のデータをこうやるでしょ・・・
   そうするとね、
   2万年の(気温のグラフの)一番へこみのところの位置が、
   今から何年前かというところで、
   それが何年前という、
   きちっと時刻が決まらないということなんです。

山本:ああ、なるほど。

M教授:それは、非常にきれいにね、
   2万年周期がこうなってればいいんだけど、
   過去のどのデータを見ても・・・

山本:ボコボコッとなっている。

M教授:うん。
   要するに、(ミランコビッチサイクル以外にも)
   (気候に関係する)その他のいろいろな要素があるために、
   非常にきれいに2万年にきっかりなところがですね
   (周期の境目として、確定しているわけではない)。

   だから、そこをいつにするかということで、
   もう今世紀中に起きてもいいという議論から、
   もっと極端に言えば、今言った、平均をならすとね、
   1万2千年あたりから始まったとすれば、
   あと、8千年あるじゃないかという議論がある。

山本:最短で、いつですか?

M教授:そこが、だから、
   一番へこんでいるところが、いつかというところを決める研究が 
   人によってバリエーションがある。

   それと、もう一つは、2万年周期と言っても、 
   きっかり2万年じゃなしに、ある場合は、全然1万年で起きたり、
   というくらいの、エラーバーが非常に大きくある。
   そういう不確実性が2つあってね、そこはよくわからんと。
   
   で、まず、一番新しい、
   気候に関する情報の論争というか闘争は、
   宇宙物理学、宇宙の研究ていうのが、ものすごく進んだために、
   宇宙線や太陽の影響が、
   ものすごく強いってことがわかり始めた。
   それまで、気象学やってる人は、地球と太陽との関係、
   特に、地球のことだけを考えてやってた。
   だから、そういう時に、いきなり「黒船」がやってきて、
   宇宙物理学者が、急に、
   「地球の中(だけ)で、
    そんなこと(気候など)は決まってないよ。」
   ということを言い始めたために、
   起きている大きな論争ってのが、まず、一点ですね。

   それで、そちらの方の結論というのは、
   地球に入ってきている宇宙線の量が、
   観測至上、今、最大なの。
   2年前から。

   で、それは、何を意味しているかと言うと、
   雲の量が増えて、地球が上から冷えるってこと。

   今、そういう状態になっているんだけど
   太陽の量が今、観測至上最大に落ち込んでいる。
   この2つが何を意味するかというと、
   長期的に寒冷期というステージに入ったということです。
   それは、1年や2年の問題ではない。
   というのが、予兆ということに関しての、
   一番大きな理由ですね。

山本:はい。
   ええと、まず全体的なことをお聞きすると、
   先生の本にですね、
   2008年の気温が、21世紀に入ってから最低で、
   要するに、寒冷化が始まったと。
   で、去年もそうで、要するに横ばいでですね、少なくとも。
   横ばいだかちょっと寒冷化してるかどちらかですね。

M教授:うん、それぐらい。
   で、今年の冬が1月か2月の・・・
   インターネットその他で調べればいいけど、
   アメリカその他も、グローバルの平均を見た方がいいですよ。
   下がってると思いますよ。
   1月、ひょっとすると2月のデータまでも、
   出てるんじゃないかと思いますよ。

山本:で、その、
   (地球寒冷化説で有名な)スベンスマルクさんの、
   最初の原点の論文とかを知りたいんですけれども。

   私も博士号(医学博士)を持っている人なんで
   (論文の原典を引用して、議論を展開したいです。)

解説:
スベンスマルク効果。
宇宙空間から飛来する宇宙線が地球の雲の形成を誘起しているという説。
デンマークの学者ヘンリク・スベンスマルク(Henrik Svensmark)らが提唱。
太陽磁場は宇宙線が直接地球に降り注がれる量を減らす役割を果たしている。
そのため、太陽活動が活発になると太陽磁場も増加し、
地球に降り注がれる宇宙線の量が減少する。
スベンスマルクらは1997年、宇宙線の減少によって地球の雲の量が減少し、
つまり1997年までの地球温暖化は、太陽の磁場が増加したため、としている。
アルベド(反射率)が減少した分だけ気候が暖かくなった可能性を提唱した。
逆に、もし、これから太陽(または地球)の磁場が減弱すると、
宇宙線の量が増加し、雲の生成が促進されるので、
地球は寒冷化に向かうことになる。
なお、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、この説を認めていない。

M教授:ええ。
   それはね、今、この部屋には、ない。
   今ね、僕は、もう一つ、この部屋と、
   本郷の前に、その関係の書類、文献とかなんとか、
   全部移して、向こうの方に・・・

山本:東大とかにあるんですか?

M教授:ええ、東大のね、
   赤門のちょっと向こうのところの反対側にマンションがあって、
   それで、そこの部屋にこれくらいの本を移したんです。
   そこで、ちょっと、今、手元にないんだけど、
   それはね、(あなたの)名刺をもらって、
   そこにメールで送ってあげるようにします。

参考;
Svensmark, Henrik; Friis-Christensen, Eigil (1997).
"Variation of cosmic ray flux and global cloud coverage—
a missing link in solar-climate relationships".
Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics 59 (11): 1225–1232.

山本:そうですか。
   すみません・・・
   引用文献が、基本的にすべてだと思ってますので、私。

M教授:ええ、ええ、それは大変健全な、ええ、立派な・・・

山本:要するに、根拠を言って(他人の論文を引用して)、
   それで、その後、自分はこう思う、と述べる。
   それらを分けて・・・(議論を展開する)。

   まあ、医学に限らず、科学の基本だと思いますので。

M教授:ええ、ええ、そうですね。
   えーと、スベンスマルク、カーヴィー、それから、えーとそこにどっか
   スベンスマルクの本の「チリングスターズ」という本の
   日本語の翻訳版がそこに出ています。 
   桜井さんが書いた「不機嫌な太陽」っていうやつですね・・・
   それは専門用語をいきなり読むよりは・・・
   それと、「チリングスターズ」というその本。原書の本ですね。

参考:
The Chilling Stars
ノンフィクションの本。2007年に出版。
Henrik Svensmark と Nigel Calder が著者。
正式名称は、
The Chilling Stars: A New Theory of Climate Change
アマゾンで購入可能

参考:
“不機嫌な”太陽−気候変動のもうひとつのシナリオ
2010/3/12 発行。
H スベンスマルク (著), N コールター (著), 桜井邦朋 (監修)他
アマゾンで購入可能

M教授:ちょっと、ここに無いな。
   向こうに・・・
   それを(あなたが)見られて・・・
   それで、もう一つは専門雑誌の方が、もっとやっぱり短いから、
   ものすごくコンパクトに書いてあるから。
   その「チリングスターズ」というのは結構細かく、いろいろ書いてあるので
   背景という意味では、わかりやすいと思います。

山本:ありがとうございます。

   しかしながら、専門の論文でも、
   いわゆる(論文の出だしのあたりに書かれる)
   「イントロダクション」の部分に、
   普通、(その論文を書こうとした)背景も、
   ちょっと書いてあるじゃないですか?
   その後、順番に読むとだいたいわかると思います。

M教授:ええ、そうですね。

山本:はい、わかりました。
   で、そのスベンススマークさんの言う、
   いわゆる太陽活動(の減弱による地球寒冷化ですが)、
   黒点数が減って(いるので)
   太陽活動が減った(と思われる)から
   太陽風と呼ばれるプラズマが減ったんで、
   (宇宙船がふっとばされないので)
   (地球に)宇宙線がいっぱい降ってきたと
   (だから雲が誘発され反射効果で寒冷化がおきる)。

   それに関しては先生が言っていた、東大のなんとか助教授・・・
   えーと、吉村宏和助教授・・・

参考:
吉村 宏和
(東京大学大学院理学系研究科 助教授)
「太陽輻射と磁気変動の地球変動への影響」
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/report/heisei11/pdf/d-2-13.pdf
太陽から地球に降り注ぐ輻射が、
太陽周期とよばれる太陽の11年磁気周期変動と連動。

M教授:あ、吉村さんね?
   太陽の。そうそう。
   それは、太陽の周期的な活動と、
   昔はですね、GCMの計算のグループが現れる前は、
   基本的には、もう、太陽と気候との相関が非常にいいので、、
   太陽の熱で来るエネルギーの変化で、
   (温暖化などの気候変動を)説明できると思ってたんですよ、
   長い間。

参考:
全球気候モデル(Global Climate Model,GCM)
大気(大)循環モデル(General Circulation Model)とも呼ばれる。
大気・海洋・陸地・雪氷などの変化を考慮して、
流体力学などの方程式を用いて地球の気候を再現し、
気候の変化を表現する数理モデル。
地球温暖化の影響予測や原因の推定などに用いられ、
これがIPCCの報告書の根拠の1つになっている。

M教授:ところが、人工衛星をあげて、
   そうして、「11年周期」くらいの太陽の変化で説明できる地球の気温は
   0.1度くらいだということになったんですよ。

山本:ははは。
   そうですか。

M教授:一割くらい。
   計算をしたら。
   それで、温暖化ガスのほうが、
   強いんじゃないかということを言い出した。
   という流れがある。

山本:はい。

M教授:その次にスベンスマークらがやってきて、
   実は、雲というのは、
   それは簡単な計算をしても、
   もう圧倒的に決まってるんですよ。
   「アルベド」っちゅうのはね。

山本:(雲の白い色による太陽光の)反射率ですよね?

M教授:そう、反射ね。
   ところが雲が、全球でどれくらい地球をカバーしてて、
   どれくらい変わっているのかということを、
   データとして誰も(示して)なかったんですよ。

   人工衛星があがって、
   しかも、曲軌道をまわる人工衛星じゃないと、
   全部カバーできないでしょ?
   で、そういう一番最初、
   まあ15年分くらいのデータがたまったからといって
   スベンスマークがそこ(雲のカバー率など)に飛びついて
   さっきの論文などを書いたんですよ。

   それは、背景にそういう観測のあれが無かった。
   原理的に重要だということがわかってても、
   観測のデータがなかったから議論できなかったんですよ。

   それで、スベンスマークのデータを見ると、
   雲というのは、だいたい50パーセントくらい
   地球の表面を覆っているんだけれど
   プラスマイナス1.5から2パーセントくらいの範囲で
   変動してるんですよ。

   だから、(雲の)反射率が100パーセントの
   アルベドというようにしちゃうと、
   雲だけで、プラスマイナス1.5度は説明できる。

山本:なるほど。

M教授:過去20年ですよ。 
   で、どれくらい地球の平均で温度が上がったというと 
   過去140年で、0.何度しか上がってない。
   だから、そんなもん、雲だけの力だけで、もう簡単に説明できる。
   というのが一番のポイントで。

   で、それで、スベンスマークのデータを、
   ちょうど歴史的に、観測データが来たから、
   ちょうど良い時期に(彼が)いたわけですよね。
   それで、論争が起き始めた。

   で、僕は、過去千年にわたって、
   宇宙線の量と太陽の活動と気温を比べると、
   そうすると、スベンスマークのデータはほんのわずか、
   これくらいの変化しかないの(笑)
   過去20年だからね。
   で、過去千年までやると、
   それはもう、それの数十倍くらいの変動があるので、
   それを比べると、もう、スベンスマークのいってるとおりになってる。

山本:なるほど。

M教授:だから、僕はスベンスマークの説についたわけ。

山本:なるほど。

M教授:ただし、問題はスベンスマークはメカニズムについては、
   はっきりしたことは・・・
   いくらかのことはサジェスチョン(提案)したんだけど、
   (雲ができる)メカニズムは単純じゃないかもしれない。

   どうやったら、(宇宙線の照射で)雲ができるかという、
   雲をつくるメカニズムについては、その後、人工宇宙線を作って、
   それで、
   チャンバー(機械の中にある気体や液体を入れる部屋)の中に
   アルコールの水蒸気なり、
   普通の蒸気でもいいんだけれど、それを入れて、
   そうして霧箱の実験のようなことをやって、
   雲のメカニズムを議論するグループがいる。

山本:はーはー、はーはー。
   (たしか、読んだ本によると、雲の生成については)
   その宇宙から来たプラズマが、
   ガンマー線を帯びたプラズマでしたっけね、
   それが空気にぶつかって、イオンを作って、
   そのイオンが、凝結核になって・・・

M教授:そうです。そこのメカニズムですね。
   そのメカニズムについては結構複雑で、
   一つではないかもしれないですね。

   だから、そこのメカニズムというのが、
   まあ、その次の重要なターゲットになって 
   いろんな人が論争しているという状況ですね。

山本:客観的に言うとですね。
   結局、IPCCが現段階では、スベンスマークの宇宙線の理論を
   気候シミュレータに入れていないじゃないですか?

M教授:入れられない。

山本:入れてないですよね?
   入れていないのは、学会の方で主流になっていないからですか?

M教授:メカニズムがわからないから。

山本:メカニズムがわからないからですか・・・なるほど。

M教授:だから、入れられない。
   それは、ただ単に、例えばね、
   水が凍ったり、雲ができるメカニズムというのは、
   化学(ばけがく)平衡じゃないわけですよ。
   だけど、計算するときは化学平衡を仮定するしかない。

山本:うーん。

M教授:例えば、水を凍らせて、氷にするとると。
   そっとやると、マイナス3度の氷ができるでしょ?

山本:はい、ああ、急に振動を与えると・・・
   (0度で凍ってしまう)

M教授:そう、その刺激ね。
   で、宇宙線というのは、その刺激なんですよ。
   だから、真っ青な青空、秋晴れのね。
   空でも、だいたい(水蒸気が)過飽和になっているわけですよ。
   だから、飛行機がぶーんと飛んだら、雲ができるでしょ?

山本:はい。

M教授:で、そういう刺激になるようなものが、
   どれくらいたくさんとんで来るかということが、
   雲を作るファクターになっているというのが、
   まあ、スベンスマークの言い分。

山本:なるほど。
   そうですね。

M教授:で、それはだから、入れようが無いんだね。計算の。
   で、やれることは、水蒸気がちょっと増えたり減ったりすると、
   気温はどれくらい変わるかというような論文が、
   この間のネイチャーかサイエンスか何かに現れて
   それで、6度くらいの気温は平気で変えられるんですよ、雲で。

解説:
ちなみに、地球温暖化には、温室効果ガスの影響が大きく、
それは、人類由来の二酸化炭素(CO2)が原因だ、
などと説明しているケースが多いが、これは正確ではない。
地球表面を覆う温室効果ガスには、さまざまなものがあるが、
その50%以上は、水蒸気である。
二酸化炭素(CO2)は(温室効果の)20%にもみたず、
その増加だけで温暖化が起きている、と説明するのは、
基本的に無理がある。
なお、5割以上を占める水蒸気の大気中での動態は、上記の通り、
いまだに「よくわかっていない」のが現状。
つまり、温室効果ガスについては、
その5割以上をしめる水蒸気の動態が、よくわかっていないため、
気候シミュレーターなるスーパーコンピューターでの計算
(気候変動の予測)などできるはずがないと考えるのが妥当である。

山本:ああ、はい。

M教授:白亜紀の1億年前というのは、生物多様性が最も豊かで、
   北極も南極も大きな樹が生えていた。
   で、大型の動物が北極も南極も走り回ってたわけでしょ?
   で、そのころの気候を、
   どうやって復元するかというような、
   計算をする人の論文があって、
   で、たくさん植物があると、
   植物の活動で水蒸気の量が多くなるでしょ?
   あがってくる。
   で、それを見積もると、要するに簡単に温度に換算したら、
   6度くらい、簡単に説明できる。

山本:ああ、なるほど。

M教授:だから、ちょっとした温暖化その他でも、
   まあ、それはさっき言ったアルベドの変化ですね。
   水蒸気が増えて、雲の量が多い少ないで、、

山本:反射率を決めている、、と。
   なるほど。


(次回に続く)

・・・

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