山本:ちょっといいですか?

M教授:うん。

山本:えーと、人口問題で、簡単に言うとですね、人口が増えると
   3つのものが足りなくなると思ってまして、
   1つ目が、おっしゃっているように食料。
   2番目が、エネルギーの元になる化石燃料と、
   具体的には原子力のウランですよ。
   3番目に来るのが、まあ水、なんですね。
   と思ってます。

   先ほどおっしゃったように、
   まあ、アメリカの農業が
   (自国の平野の下に埋まっている)地下水を汲み上げて、
   やっているというのは有名な話で、
   今、それが無くなりそうなので、
   アメリカがブラジル南部かなんかにある、
   地下水の水脈を狙ってですね、
   経済的に、あるいは外交的に獲得するようなですね・・・
   (話があります。)

参考:
オガララ帯水層。
アメリカ合衆国中部、グレートプレーンズ
(ロッキー山脈の東側と中央平原西側に広がる温帯草原の間)
の地下に分布する浅層地下水層。
グレートプレーンズは、ステップ気候に属し、
全体的に降水量が少ないため、
地下水が重要な水道水源、農業用水源となっている。

山本:もう1個の問題は、先ほど出てきた中央アジアの問題で、
   中国とインドに、要するに人口が、10・・・
   えーと、中国が13億、インドが11億ですけど、
   もうすぐ、インドが、50年以内に中国を抜くことが、
   国連の人口推計部ってところの試算に出てるんですけど、
   その2大国に4本の河が流れてまして、
   黄河、揚子江、ガンジス川と・・・
   もう1本、何とかという・・・

M教授:インダスな。

山本:・・川があってですね、
   その4つの河の源流になっている水の源(みなもと)が
   チベット付近なんですよ。

   で、中国は(ある意味では)賢いので、
   1950年前後にですね、
   チベットを滅ぼして水源を取ったというのは、
   実は、ものすごい先見の明があったという、、、。

   (侵略と虐殺をしたので)悪いことだけれども、
   (自国の国民のために)水の確保をした、という意味では、
   いいことだったと。

参考:
中国は、清王朝の時代の18世紀に、チベットを領土に組み入れた。
だが、1912年に清王朝が崩壊し、その支配が終焉。
1913年にダライ・ラマ13世は、ラサを奪還し、チベットは独立を宣言。
ところが、1950年、中華人民共和国がチベットに侵攻、
少なくとも数万人以上の大虐殺を行う。
1959年、ダライ・ラマ14世はインドへ亡命。

山本:ところが、なんとその、水の源がですね、今、要するに、
   今、一週間前の朝日新聞等の記事にですね、
   中国が水不足で、壊滅してるんです、内陸部が。
   農業できなくって・・・水が無いから。

   で、ガンジス川に行く川(その水源)を止めて、
   全部、黄河、揚子江に流す、そういうダムを作ろうという話が
   もちあがっています。

   これに、インド、パキスタンが気付いて、
   3カ国(中印パ)は、全部、核兵器持ってるんですけども、
   要するに、一触即発に、
   水をめぐってなるんじゃないかという話が流れ出してるんですよ。

   要するに、食料もありますけれど、食料を作る元の水である
   「水をめぐる戦争」がこれから増えていく可能性が
   示唆されていてですね、 
   はっきり言うと、第三次世界大戦が起こるのが、
   中国、インド間での核戦争じゃないかという可能性も、
   多分、10%くらい間違いなくあるだろう、
   という風に思ってるんですけど、
   先生、水については、何かお考えありますかね?

M教授:だから、水の最先端のビジネスと言うかね、
   昔で言えば、中国と、いや違う、
   アメリカとメキシコが戦争したのも、水の取り合いなのね。

参考:
米墨戦争(べいぼくせんそう、Mexican-American War、アメリカ・メキシコ戦争)。
1846年から1848年の間にアメリカ合衆国とメキシコ合衆国の間で戦われた戦争。
テキサスの所属をめぐっての、アメリカとメキシコとの衝突が原因。
1836年、テキサス共和国がメキシコからの独立。
1845年、テキサス共和国はアメリカに併合。
だが、テキサスを併合したアメリカは、
メキシコとの国境をリオグランデ川(大規模な灌漑農業の拠点)以北としていた。
一方メキシコは同様にリオグランデ川の北側を流れるヌエセス川 以南としており、
両国の主張には相違があった。これにより戦争が勃発。

M教授:それから、東南アジアの分、メコン川というのは、
   たくさんのいろんな国を流れて、最後に、太平洋に注いでるでしょ?
   だからあそこは、水の紛争が起きやすい地域だったのね。

   で、中国とかの一番大きな問題、
   例えば黄河は河口まで、水が届かない、ほとんど。
   なぜかというのは、降水量が減ってるわけじゃないんだよ。
   要するに人間が増えて、
   途中で(農業)用水でみんな畑に引いているわけ。
   だから、下流まで来んわけだよね。

   昔だって日本は、水田に水を入れるのもそうだろ?
   上流側で水を貯めると、夏、水がちょっと足りなかったら、
   最後の末端まで来ないので、それで戦争が起きて、
   村八分というか、戦争じゃない、まあ、村でけんかが起きて、
   村八分というか、中で仲良くするというのは
   水の配給の問題だね、取り合いの問題。

   それで、水の最前線のビジネスは、どうなってるかというと、
   雲を打ち落とすという。
   北京オリンピックのときもそうだね。
   何千発もドライアイスをぶち込んだわけだね。

   それは、鳥を落とすのとおんなじで、
   落ちたら、こっち側には雲は行かなくなるわけだよね。

   それを、アメリカでは会社としてビジネスでやっていて。
   世界中で・・・

   で、アメリカの中では、ネバダの方は人間が住んでないから、
   カリフォルニアで、どんどん落とすと。
   で、向こうは、全然雨が落ちなくてもいいやという。

参考:
アメリカの水不足。
カリフォルニア州の「ソノマバレー」で、
過剰な地下水の汲み上げの影響が表面化しはじめており、
現在、作地面積に制限が課されている。
ソノマ郡は、
サンフランシスコ湾岸の北部太平洋沿岸に位置する郡。
ワイン生産地域として世界的に有名で、200以上のワイナリーがある。

山本:要するに、雲の凝結核になるような、
   ドライアイスなどをぶちこんで・・・

M教授:そうそう、何千発も打ちこんで。

山本:そこで、水を落としちゃうってことですね、水蒸気を。

M教授:うん。
   それは人間の力で、もう、そういうことができるようになっている。
   というのが、まず一つあるね。

   で、その次の問題は、人間の数が増えることによって起きた、
   水の戦争が起きてるでしょ、取り合いね。

   で、もう一つは、中国の食糧問題ですよ。
   で、何なのかと言うと、農薬ですよ。
   ごめん、農薬じゃない、肥料。

   膨大な肥料を、中国は生産するようになった。
   それで、国土の面積から言うと、アメリカと中国とを比べたときに、
   面積は、アメリカの方がちょっと多いと思うでしょ?
   だけども、作っている肥料は、この20年の間に、
   アメリカで使う肥料の倍以上の肥料を、
   中国は生産できるようになった。

   で、伸び率も、この10年で、
   さらに、150%増しくらいになっている。
   それで、何が起きているかというと、肥料は、中国は黄河の方は、
   もう河口まで(水が)届かないから、まあいいやとね。

   ところが、揚子江もね、
   揚子江というのは、河口に行ったらわかるけど、
   上海のあたりでも、ごうごう流れてるような大河ですよ。
   要するに、水は無尽蔵にあると。
   (水については)揚子江は、何の問題も無い。
   (だから)揚子江の一番大きな問題は、肥料ですよ。
   雨が降ると、膨大なせっかくの肥料が、全部畑から、
   最後に、上海から東シナ海に、ダーッと出る。
   それが、この10年で、ものすごい量になっていて、
   それで肥料というのは、同時に、
   海に住む植物プランクトン、動物プランクトンの栄養なんだよ。

山本:「富栄養化」(ふえいようか)ってやつですか?

参考:
富栄養化。
海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象。
近年では、人間活動の影響による水中の肥料分(窒素化合物やリンなど)の
濃度上昇を意味する場合が多い。
このような富栄養化は生態系における生物の構成を変化させ、
一般には「生物の多様性を減少」させる。
極端な場合では赤潮などを引き起こすため、公害とされる。

M教授:富栄養化っちゅうんですよ。
   要するに、赤潮っちゅうやつですね。

   だから、今、大変なことが起きてるというのは、
   東シナ海の海の生態系が、ものすごく変化してるんですよ。

   あのエチゼンクラゲってのは、そのうちの一つですよ。
   膨大なクラゲみたいなのがね、今、ダーッとあそこから流れ出して、
   日本列島を取り囲んでるでしょ?

参考:
エチゼンクラゲ。
大型のクラゲの1種で、傘の直径が2メートル。
体色は灰色・褐色・薄桃色など

M教授:で、もっと小規模な規模は、
   例えば石垣島の周りのサンゴが死んだのは、
   あれは、全部、サトウキビの肥料が流れてるんですよ。

   オーストラリアの、
   グレートバリアリーフ(世界最大のサンゴ礁)の問題もそうで、
   それは、みんなオーストラリアの研究者は
   「何が(原因か)」ってことで(議論してたけど)、
   肥料(が原因)だと。

   それで、石垣島のサンゴの問題も、農民が知ってるわけですよ。
   サトウキビの肥料が流れ出ないように、
   あそこは、地域が、用水を、用水というのを作って、
   大雨や集中豪雨が来たときに、
   肥料がすぐに海に流れない手立てが必要なの。

   石垣島みたいな小さな(島の)話ね。

   で、中国の場合はスケールが違うから・・・笑
   で、それがだから、水に絡んだ、もう一つの大きな問題ですね。

山本:肥料に関してはですね、まあ、先生もご存知だと思いますが、
   要するに、リン肥料(の枯渇の問題)というものがありまして。

M教授:そうそう、リンがもう無い。

山本:(リン肥料が)農業肥料の最大のものなんですけども、
   そのリンが石油と同じように、枯渇するといううわさがありまして、
   これが石油の残存埋蔵量よりも、誤差が多くてですね、
   石油(が枯渇するまで)が、
   例えばだいたい68年前後とか言われてますけれども、
   リンに関してはですね、
   あと50年(でなくなる)と言っている人もいれば、 
   300年以上もつ、と言ってる人もいるんですよ。
  
   まあ、結局わからないんですけれども、仮に真ん中辺を取って、
   150年くらい、要するに、
   石炭の埋蔵量と同じくらいかなと思ってみても、
   そのへんで、リンを使った化学肥料が、
   使えなくなる時代が来るのかなと。
   そのへんも多分・・・

M教授:リンは・・・値段が高騰してるよ。
   それで、リンというのは、
   基本的に、ここの数年間のリン鉱床のね(減少によって)、
   値段がめちゃくちゃ高騰し始めてるのは、今言った、鉱床、
   特に太平洋の中にある、いくつかの国があって、
   それは国土自体が鳥の糞がかたまったやつで出来てるわけよ。
   ナウルってやつはね。

参考:
ナウル共和国、通称ナウル。
太平洋南西部に浮かぶ珊瑚礁の国。
最盛期には年間200万トンの鉱石を輸出していたナウルも
資源の枯渇が進み、2002年時点で数万トン、
2004年時点で数千トン規模にまで採掘量は減少。

M教授:で、それは、国自体が存続できないくらいに取り尽して、
   海面下になってしまう(国が沈んでしまう)という。

   で、もう一つの(問題として)リンの鉱床っていうのは、
   世界でめちゃくちゃ偏ってるんですよ。

   偏ってるんだけれど、中国は昔から、リンの膨大な鉱床があるんです。
   あれは、世界の分布を全部書いたらわかるんだけど、
   東南アジアのあるところに、(リンの鉱床は)集中してて、
   だから、中国の昔からの4大発明ってあるでしょ?

参考:
古代中国の四台発明とは、
羅針盤、火薬、紙、印刷。

M教授:そのうちの一つが火薬ね。
   火薬、紙、活版印刷術、それと・・・なんとか。
   なんで、中国が火薬を、がんがん作れるかというと、リンがある。

   リンの鉱床っちゅうのがあって、それと同時に、
   ものすごい公害のソースになってるね。

   リンの鉱床って、もうちょっと別の言い方をすると、それはね、
   地球の歴史の中で、6億年前に集中的に、ドーッとできるんですよ。
   大陸の浅い海に。

   それが、現在のリンの鉱床にもなってんだけど、
   同時に、リンというのは我々の骨の主成分だろ?
   だから、それが、小さな湖の中で、
   リンの濃度がものすごく上がったというのは、
   つまり、そこで最初の動物が生まれてんですよ。

山本:ああ、例のカンブリア爆発の起こった原因の一つが、
   リンとカルシウムが火山から、
   噴火して増えたからという説がありますけども。
   その話ですか。

解説:
カンブリア期に生物の大発生(進化の加速)が起こったことは前述した。
それが起こった理由の一つが、
宇宙線の増加による遺伝子突然変異の増加だが、
他にも原因がある。
それが、(宇宙線の増加で)地球のマグマが刺激され、
海底火山の活動が活発化し、海底で噴火が起こり、
海中のリン(燐)とカルシウムの濃度が増えた。
これにより、生物の「骨」を作る成分が豊富になって、
「骨を作ることが可能」になった。
この結果、外骨格(昆虫、甲殻類など)の祖先と、
内骨格(魚類、爬虫類など)の祖先となる動物が、誕生していった。

参考:
山本敏晴のブログより、以下の記事が上記に関係するので紹介。
神様はいるのでしょうか?前編 7959字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65497539.html
神様はいるのでしょうか?後編 6996字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65497540.html
生命の誕生 4608字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65308270.html
人類の歴史(猿人、原人、新人)、そして 2433字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65337783.html

M教授:そうそう。
   リンの鉱床っていうのは、その特殊な場所で、
   ある条件がそろった時に、動物が生まれたって言うのはね、
   その、最初言った、スノーボールの問題のその他は、
   地球が用意した、受け皿ってのがあって、
   どの生物も、例えば人間も初めて生まれたのはアフリカでしょ?
  
山本:はい。

M教授:アフリカの「リフトヴァレー」って、生まれる場所があるんだよね。
   いろんな条件がそろったときに、ある特殊な動物が生まれる。

参考:
リフトバレー(rift valley、裂谷、地溝)

参考:
大地溝帯(グレート・リフト・バレー、Great Rift Valley)。
アフリカ大陸を南北に縦断する巨大な谷で、プレート境界の一つ。
ケニアやタンザニアをはじめ、
大地溝帯周辺では人類化石が多数発掘されている。
これは、この地域は火山活動による堆積物が大量にあるため、
化石が残りやすいからだと考えられている。
人類化石の多さから「人類生誕の地」とも呼ばれる。

M教授:それとおんなじでね、リンってのはそういうのを持ってるんだけど、
   で、それと同時に、だから今、リンの鉱床が、どんどん・・・
   それも、有限だからね。
   今、それが深刻な問題で・・・
   どんどんどんどん(価格が)高騰し始めているっていうね・・・


(次回に続く)

・・・

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