スライド1

途上国において必要とされる 持続可能な国際協力と医療
〜ボランティアでなくプロの職業として、募金でなくビジネスとして〜

NPO法人・宇宙船地球号
山本敏晴


・・・

スライド2

山本敏晴とは? 医師・写真家・国際協力師

1965年生まれ、宮城県仙台市出身

小学校の時、南アフリカに行き、アパルトヘイト(白人至上主義政策)に触れる
中学校の時、一眼レフのカメラを買ってもらう。以後、撮影。

大学生の時、バイトで貯めたお金で途上国などを旅行、撮影。
各国際協力団体の援助活動に大きな疑問を持つ。

1990年、医師になり、1996年、医学博士を取得。
大学院時代に、プロ写真家から撮影指導を受ける
以後、銀座ニコンサロン、キヤノンギャラリー、ニューヨーク等で多数の写真展

・・・

スライド3

山本敏晴とは? 医師・写真家・国際協力師

以前から気になっていた「本当に意味のある国際協力」を実施する道へ

2000年より、国境なき医師団など複数の団体に入りアフリカや中東で医療援助
2003-2005年、国境なき医師団・日本理事に就任

2004年、NPO法人宇宙船地球号を創設。「本当に意味のある国際協力」を提唱
以後、国際協力師の育成、企業の社会的責任(CSR)推進、お絵描きイベント

2005年 国際協力機構(JICA)の本邦研修の講師
2005年 日本ユニセフ協会の国際協力人材養成プログラム国際協力講座講師

・・・

スライド4

山本敏晴(NPO法人宇宙船地球号)の三つの活動

A.国際協力師の育成
    無給のボランティアではなく、有給のプロとして行う道があることを提唱
    国連職員、政府のjica職員、開発コンサルタント、ソーシャルビジネス等
B.企業の社会的責任(CSR)推進
    日本において、商品分野別に、各企業のCSRランキングを公表
    ネットやスマホ、携帯電話からも(買い物の最中に)閲覧可能とし、
    CSR的優良企業の商品を優先的に買うことが、
    募金などをするよりも国際協力になる、と提唱
C.お絵描きイベント
    世界70カ国以上の国々で9000人以上の子供たちに
    大切なものの絵を描いてもらい、それらを活用して各国の社会問題を説明。
    同時に、それらに対して行われている各国際協力団体や
    企業(一般企業CSR,社会的企業、開発コンサルタント)などの活動を紹介


・・・

スライド5

本日の演題: 途上国での持続可能な医療

途上国で必要とされている医療と、
 皆様がイメージしている「映像的医療」が、大きく違っていること。
途上国で医師や看護師が直接的な医療を行うケースはごく一部
実際に途上国で望まれている医療とは、何か?
それぞれの有名な国際協力団体は何をやっているのか?
(国連ユニセフ、日本政府ジャイカ、赤十字、国境なき医師団など)
それぞれの有名な国際協力団体は何をやっているのか?
もし皆様が各団体に募金をしたいと思った時に、参考になるように。
募金以外でできることは?

・・・

スライド6

緊急援助と開発援助

緊急援助
 紛争の最中か、自然災害の直後48時間以内
 その国の政府も、地方自治体も機能していない(または不十分)

開発援助
 上記ではない状態
 平時(通常の状態)で、政府も地方自治体も機能している。


・・・

スライド7

緊急援助

緊急援助の特徴
  水、食糧、仮説住宅(テント等)、毛布、服。
  必要な情報(どっちに逃げたら安全か、避難所の場所など)
  上記の次に、第二優先事項として、医療を行うことがある。

  またその医療も、避難所(難民キャンプ等)における予防が主。
  予防とは、トイレの設置や水の煮沸などの下痢の予防が主。
  
  医師や看護師による直接的な患者の医療は、一部でのみ必要


・・・

スライド8

開発援助

開発援助の特徴
  その国や、その地域に必要なことを行う。
  必要とされることは、各地域で異なるので、
  おこなう援助は、様々。
  だが、大筋での傾向はあるので、それを説明する。


地元の人々自身が望むこと(ニーズ)を行い、
 しかも彼ら自身が実施していくのを助けるのが基本。

・・・

スライド9

緊急援助と、開発援助は、180度、逆

緊急援助
  外国人が主役。
  外国人が「良かれ」と思うことを、どんどんやる。
  食糧、水などを「あげる」援助をする。医療をして「あげる」など

開発援助
  地元の人が主役。
  外国人は、あくまでも、そのお手伝い。
  持続可能性を考慮し、外国人は、なるべく「あげない」援助をする


・・・

スライド10

途上国で必要とされる医療とは? (平時の開発援助の場合)

ケース1: 
すごい田舎。完全な無医村。医師も看護師もいない。

ケース2:
ちょっと田舎。小さい診療所あり。看護師1名。医者なし。

ケース3:
途上国の首都の大病院。医師も看護師も多数いる。


・・・

スライド11

ケース1:すごい田舎。完全な無医村

医師も看護師もいない。診療所もない。

外国人が訪れて、一時的に医療をやっても、あまり意味がない。
  (外国人は、やがて帰国し、いなくなってしまうため)
(医師でも看護師でもない)村人自身による医療を実施していけるようにする。

ワクチン。接種の仕方を指導。ユニセフが無料提供(麻疹、結核、DPT,ポリオ)
ワクチン。GAVI(企業のCSR)ビルゲイツがダボス会議でワクチン債など
(ロタ、 B型肝炎、インフルエンザ菌、肺炎球菌、DPT(ジフテリア破傷風百日咳)


・・・

スライド12

ケース1:すごい田舎の続き

マラリアのクイックテスト(迅速診断キット)の使い方を教える
(途上国では、マラリア・肺炎・下痢の三つで死亡率の90%近くに達することも)

エッセンシャル・ドラッグズ(基礎医薬品)抗生剤、マラリアの薬、消毒液など

水と衛生(トイレ、手洗い、煮沸、清潔の概念、寄生虫の存在など)


・・・

スライド13

プライマリー・ヘルス・ケア、10項目

前述のように、医師や看護師がいない状態でも、
村人自身によって、「健康の増進」をはかる活動をいう。
1978年、WHO(世界保健機関)とユニセフ(国連児童基金)が提唱

当初8項目
 健康教育(細菌の存在)、環境衛生(水と衛生、下痢の予防)、
 ヘルスワーカーの採用(ワクチン接種)、母子保健(出産の介助)
 風土病(マラリアなど)、一般的疾患(風邪、肺炎、怪我)への対処、
 必須医薬品の確保(マイクロクレジットと併用)、栄養改善(健診など)

後日2項目が追加された。
 結核、性感染症対策(エイズを含む)


・・・

スライド14

ケース1:完全な無医村への支援は?

つまり、援助をしたいと思う外国人がするべき仕事は、
自分で医療をすることではなく、
上述したようなことを、村人たちだけで、
ずっとできるような(持続可能な)医療(というか保健)の体制を作ること。

基本的に、村長さんや、地方自治体の健康担当者と、会議。

村の中で、ヘルスワーカーになれそうな、読み書きのできる人に、
数週間の講習をして、自分たちだけで、できるようにする。


・・・

スライド15

外国人が、直接的医療を、どうしてもしたい場合

モバイル・クリニック(移動式診療所)
  四輪駆動の車に、医師・看護師などが登場し、地方の町に拠点を置き、
  毎週1回などのペースで、無医村を巡回する。

アウトリーチ(田舎の村を拠点として、無医村を巡回する)
  村を拠点とし、看護師などが、自転車やオートバイなどで、
  近隣の無医村などを巡回し、診療やワクチン接種などをする。

診療所を建設・立ち上げる
  政府や地方自治体の許可、建築、水まわり、電気、スタッフ、何より維持費
  コールドチェインの確保(充電式の携帯可能冷蔵庫、太陽電池、四駆の車)


・・・

スライド16

外国人は、任期が終われば帰国してしまう

地元の人にとっては、一時的な援助は、あまり意味がない。

持続可能な医療を作ることが、重要。

外国人が自分で医療をするのではなく、
 地元の人々を教育して、持続可能な医療を作っていくことが大切。


地元に看護師や医師がいれば、その人を教育。
 いなければ、普通の村人を教育(数週間の講習)して、
 最低限必要な医療ができるようにする。


・・・

スライド17

ケース2:ちょっと田舎の小さい診療所

小さい診療所に、看護師が1名いるケース。
前述のプライマリー・ヘルス・ケアの10項目を、全部、一人でやっている。
実は、この施設は、診療所ではなく、「ヘルス・センター」と呼ばれる。
つまり、日本語に訳すと、「健康センター」。

診療だけではなく、出産介助、予防接種、水と衛生、健康教育、栄養改善などなど。

日本の医師や看護師で、これらの10項目を全部一人でできる人は、いない。つまり、日本の医師や看護師が、このヘルス・センターに行っても、ほとんど、役に立たない。

このため、援助をする場合は、複数のそれぞれの分野の専門家が、そのヘルスセンターの現状(経済面も含む)にあった助言をする必要がある。


・・・

スライド18

ケース3:途上国の首都の大病院

その国の、中心となる病院であり、難しい症例(病気)が集まる。
診断のため、CT、エコーなどの機器もある(なければ提供する)。
癌に対する手術や、臓器移植、白血病の治療なども可能(にする)。

これらに対して先進国がおこなうべき援助は、
各分野の最先端の知識と技術を持つ人材を送りこみ(または来日させ)
日本にせまる医療ができるように、そこにいる医師などを教育する。
これも、自分で医療をするのではなく、人材を育成するのが主。

実際は途上国の医師や官僚などを来日させ数ヶ月研修させることが多い



・・・

スライド19

それぞれの有名な国際協力団体は、 何をやっているのか?


・・・

スライド20

国際協力団体の分類

国際機関(複数の国々の税金から予算を得ている組織)
  国連(国際連合)40以上の諸組織がある。WHO,ユニセフ、WFPなど

政府機関(一つの国の税金から予算を得ている組織)
  国際協力機構(ジャイカ、jica)

民間(直接的には、国の税金を得ていない組織)
  赤十字、国境なき医師団など。日本だけで、数十万以上の組織


・・・

スライド21

国連(WHO,ユニセフ等)の仕事

各国が守るべき、世界共通のガイドラインを作る。

WHOは、例えば、新型インフルエンザ等が流行した時の
 各国で実施すべき防疫対策のガイドラインなど。

ユニセフは、例えば、ワクチン接種のガイドラインとして、
 拡大予防接種プログラム(EPI)
 麻疹、結核、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風),ポリオ


・・・

スライド22

日本政府の国際協力機構(jica)の仕事

「二国間援助」といい、相手国政府から要請された案件を実施する。
これを、「要請主義」といい、要請されないことは、やらない。できない。

通常、(高額の予算を必要とする)インフラ(道路、発電、水道など)の建築などに対する要請が多いため、医療や教育は後回し。

ただし、いったん動き出せば、(国連や民間よりも)はるかに大きな予算での援助を実施できる。
しかも、「箱物」(病院建築)、と技術協力(スタッフの教育)などを同時に行う、包括的な支援を行うことができる。


・・・

スライド23

民間の国際協力団体の、用語の説明

NGOとは? 非政府組織のこと。 non-government organization

広義のNGOとは? 国連と政府以外の全ての組織。普通の会社なども含む
   日本で数百万
狭義のNGOとは? 社会貢献や国際協力を行っているもの
   日本で100万以上
NPO法人(特定非営利活動法人)とは? 日本の都道府県に認証された団体
   日本で約4万 (ちなみに、社会的企業の約半数が、NPO法人格を取得)
国連の認めるNGOとは? 国連経済社会理事会で発言権を持つ団体
   世界で約3千(赤十字国際委員会、国境なき医師団、など)


・・・

スライド24

赤十字とは?

全く異なる、3つの団体からなる。それぞれは、 別組織である。

赤十字国際委員会(ICRC):紛争での「捕虜」に対する人権侵害(拷問)の監視

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC):自然災害に対する緊急援助

各国の赤十字(日本の場合、日本赤十字社):各国での医療と輸血
  自然災害が起きた場合IFRCに対し人材の提供をする場合がある


・・・

スライド25

国境なき医師団(MSF)とは?

もともとは、紛争地帯での緊急医療援助などだけを行っていた。
慢性疾患(エイズや結核)などは治療に時間とお金がかかるためやらなかった。
(10万円あった場合、エイズ患者一人の1年分の治療費。しかも完治しない。
 これに対し、肺炎は2千円で治るので、50人、助けられる。しかも完治する。)

ところが、近年、エイズが蔓延してきたため、慢性疾患も、扱うようになった。

また、創設者の一人がジャーナリストだったため、見たことをマスコミに報告する、ということが団体の使命となっている。(ちなみに赤十字は報告しない)
このため、半分は医療だが、半分はジャーナリズム団体、とも言える。


・・・

スライド26

もし皆様が各団体に募金をしたいと思った時に、参考になるように。

国連は、各国が守るガイドラインを作る。ユニセフは、ワクチンの配布など

政府は、途上国政府からの要請主義で動く。包括的な巨額の援助。
  ここは募金の必要ない。というか我々の税金から年間約6千万円

民間は、狭義のNGOだけで、100万以上あり、活動も様々。
  各団体が独自の理念。カリスマが良くも悪くもひっぱっているケースが多い
  NPO法人格がない団体は収支の報告の義務がない。住所すら不明


・・・

スライド27

募金をするなら、最低でも、4つの条件

固定電話回線を持つ(ネット上だけでなく、実際の事務所がある)

NPO法人を取得している(都道府県に毎年、予算の報告義務がある)

活動の収支報告書を、ネット上に、PDFファイルなどで明示している。

予算のうち、何%が、人件費と事務所の家賃等の経費になっているか?
 (30%未満なら、可。3%未満なら、優良。明示してなければ、論外)


・・・

スライド28

募金以外で、できることはないのか?


・・・

スライド29

募金以外で、できること。例えば、、

プライマリー・ヘルス・ケアを支援する(無医村または診療所レベル)

その、10項目の、いずれかを支援

それらを実現・維持するための、資金援助(村おこし、産業の育成)


・・・

スライド30

プライマリー・ヘルス・ケアの10項目

健康教育(細菌の存在などを教育、食品の中の栄養成分の知識など)
環境衛生(水と衛生、下痢の予防)
ヘルスワーカーの採用(ワクチン接種や健診を行う人材の発掘と育成)
母子保健(妊婦健診、出産の介助、乳幼児健診、ワクチン接種)
風土病(マラリア、デング熱など)
一般的疾患(風邪、肺炎、怪我など)への対処
必須医薬品(抗生剤、抗マラリア薬)の確保(マイクロクレジットと併用)
栄養改善(健診などで、上腕の円周を測定、身長あたりの体重など)
結核(予防、DOTs(直接的監視化での治療)など)
性感染症対策(エイズも。VCT(自主的カウンセリングと検査)、治療など)


・・・

スライド31

資金援助以外で、できること。まず、「物」は?

水質の検査キットの提供
水質を浄化するキット、薬品の提供
ワクチンを運ぶための、車両・携帯型冷蔵庫・ソーラーシステム
マラリア検査用キットの提供
妊婦用の、救急車・搬送用担架・分娩台など
栄養失調の判定をするための身長・体重計、栄養補助食品の提供
結核・エイズの薬、施設の建物とソフトの提供、サポーターの育成
それらを実行するための、コーディネーターになるか、その雇用


・・・

スライド32

BOPビジネス

BOP(Base of the Pyramid)
世界人口のうち、一人当たり年間所得が3000ドル以下の低所得者層。

BOP市場は、世界人口の約7割に相当する40億人、
潜在的な市場規模は我が国のGDPに相当する5兆ドル。

このBOP層を対象とする途上国事業


・・・

スライド33

簡易型浄水剤「PUR」 (ピュリファイア・オブ・ウォーター)

P&G
『子どもたちへの安全な飲み水』プログラム
(Children's safe drinking water)に使われている商品

世界でも権威のある米国疾病予防管理センター(CDC)が効果を確認
国連のWHOも支持

ティーパックに入った粉末を10リットルの水に入れれば
5分で有害物質を分離・沈殿可能


・・・

スライド34

シャクティ・プロジェクト

ユニリーバ

子供に紙芝居を用いて石鹸を用いた手洗い、歯磨き、シャンプーによる洗顔など衛生に関する啓蒙活動

農村地帯の女性に販売員となってもらい(女性の自立支援もし)、
ユニリーバの石鹸等の製品を売る。

・・・

スライド35

ライフストロー(LifeStraw)

スイスの、ベスターガード・フランドセン社(Vestergaard Frandsen)
2005年に開発した携帯型浄水器

フィルターでの濾過で15ミクロンまでの寄生虫などを除去
サルモネラ菌やブドウ球菌も除去

WHOによれば、コンゴ民主共和国にて下痢の発症率が15%下がった
泥水飲んでも病気予防


・・・

スライド36

水質浄化剤(凝集剤)の「PGα21Ca」

日本ポリグル社
提供し利益をあげながら住民の衛生状態を改善

バングラデシュでは人々は川の水を生活用水に使っている。
だが汚れがひどく下痢などの病気。


・・・

スライド37

太陽熱を利用した水の煮沸と料理

ソーラークッカー
川からの水汲み、森での薪拾い、火をおこし、炊事をするのは女性、女児
ちなみにアフリカ等の砂漠化の最大の理由は温暖化ではなく薪の伐採

太陽炉(solar furnace、Solar thermal collector)
レンズや反射鏡を用いて太陽光を集光し高温を作る装置

一石三鳥
水の煮沸で、水の消毒、
薪の採取が必要なくなるので、森林減少を予防・児童労働の減少
太陽電池で夜の電気となり子供が勉強でき本も読める


・・・

スライド38

オリセット・ネット

住友化学。
マラリア予防用に、殺虫剤を練りこんだ糸を使用した蚊帳を開発

国際機関の支援により、50以上の国に供給。
殺虫効果が5年以上持続し、経済的・効果的にマラリアを予防

タンザニアで生産を行い、約7000人の雇用を創出。
地域経済発展にも寄与。


・・・

スライド39

途上国で健康や衛生に寄与する商品を開発し売る


例えば、オリセットネット。

まだ、自社の研究者が、自社内で、予防効果を発表。
興味を持った大学の教授や講師などが、効果があるかを実験

複数の有名な大学教授が支持をすれば、WHOから、お墨付き
国連ユニセフが、採用。途上国の全域に配布。数十億の収入になる。

さらに、その商品の生産のため、途上国に工場を建設。
雇用を生み、貧困から脱出。


・・・

スライド40

マイクロクレジット


必須医薬品やワクチンの購入、その運搬の費用、
 ヘルスワーカーの給料を持続的に捻出するための、仕組みが必要。

「村おこし」は、同時に必須。


・・・

スライド41

マイクロクレジットの例


ある女性は、牛の乳をしぼり、それを売って生活している。
貧しいため、牛は所有しておらず、ある金持ちから、牛を借りている。
牛乳を町で売ると500円だが、400円は、金持ちにとられる。
このため、1日の収入は100円で、その全てが食費に消える。
これを改善するため、この女性に、お金を貸すことにした。
牛が1頭、20万円として、そのお金を出してあげる。無担保で。
彼女の収入が500円になるので、毎日400円ずつ貯金できる。
20万円÷400円=500日なので、2年弱で、全額を返済できる。


・・・

スライド42

マイクロクレジットの根幹は、 「同じ立場の人」による共同責任・監視

5人組
  一人にだけ、20万円ものお金をかすと、夜逃げしてしまう可能性。
  このため、5人で連帯責任をとらせる仕組みを作る。
  一人が逃げたら、他の4人が、連帯責任をとる約束。

ピア・エデュケイション(同じ立場の人による教育)
  同じ立場の人が、成功した場合、その人を講師としてまねき、
  いかに自分が成功したかを、これからやる人の前で演説してもらう


・・・

スライド43

マイクロクレジットが成功したら、医療へ


プライマリー・ヘルス・ケアが大切だということを説明して理解してもらう

余剰となった1日あたり400円の余剰金のうち、何割かを、必須医薬品やワクチンの購入、ヘルスワーカーの給料などにまわす。

これにより、持続可能な医療(というか保健)を実現していく。


・・・

スライド44

マイクロクレジットを行っている団体


バングラデシュ、グラミン銀行が起源
  2006年、創設者ムハマド・ユヌスはノーベル平和賞

現在、似たようなことをしている団体は無数に存在(NGO、政府、企業)
  ADIE(フランス)
  Finneva(フィンランド)
  Fundusz Mikro(ポーランド)
  日本リザルツ:マイクロクレジットキャンペーン
  大和証券:マイクロファイナンス機関(MFIs)
  CARD(フィリピンの農業農村開発センターに日本政府のODAが拠出)


・・・

スライド45

何を言いたかったのか、というと

1.たぶん、皆さんが、イメージしていた、国際医療協力と、実際に行われていることが、けっこう違っていたのではないか、ということ。

2.ビジネスとして国際協力にかかわる方法もある。大手の国際協力団体に大量に購入してもらえる商品開発、BOPビジネス、マイクロクレジット、社会企業、一般企業のCSR、ワクチン債、など

3.プロとして国際協力をやっている、国際協力師がいる。
あなたもなれるかも。国連職員の給与は500万〜2000万。政府JICA職員の平均年収は800万。JICA専門家はそれ以上。など。


・・・

スライド46

本日の結論

持続可能な医療を提供
外国人がおこなう直接的医療だけでは、限界がある。

村人自身を教育し、プライマリー・ヘルス・ケアを実現していく。
そのために、持続可能な資金調達が必要。
マイクロ・クレジットや、BOPビジネス(雇用創出なども)が必要

医療従事者でなくても、参加できる。BOP,ビジネスとして参入可能
募金をする場合は、最低でも4つの注意(電話、NPO、収支、人件費)


・・・

スライド47

本日、使われた略称の一覧

WHO、国連の世界保健機関 (World Health Organization)。

jica、ジャイカ、独立行政法人国際協力機構(Japan International Cooperation Agency)

NGO 非政府組織(non-governmental organizations)

NPO、特定非営利活動法人(non-profit Organization)

MSF、国境なき医師団(Medecins sans frontieres )

CSR、企業の社会的責任(corporate social responsibility)

GAVI 、GAVIアライアンス、ワクチンと予防接種のための世界同盟
(The Global Alliance for Vaccines and Immunization)

BOP、所得階層ピラミッドの下辺(実際は年間所得が3,000ドル弱の、世界的にみれば中間層が対象)
 ベイス・オブ・ザ・ピラミッド (Base of the pyramid)、ボトム・オブ・ザ・ピラミッド (Bottom of the pyramid)

DPT、ジフテリア・百日せき・破傷風、三種混合ワクチン(Diphtheria、Pertussis、Tetanus)


・・・

スライド48

参考文献一覧 (山本敏晴の著作より)

「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも (2012年、小学館)

世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ(2006年、小学館)

国際協力師になるために(2007年、白水社)

世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団(改訂増補版、文庫化、2012年、小学館)

アフガニスタンに住む彼女からあなたへ 望まれる国際協力の形(2004年、白水社)