中村獅童が7日、アニメ映画「鬼神伝」(4月29日より全国ロードショー)のヒットを祈願し、京都の神泉苑で開かれた祈祷式に参加した。同作は鬼対人が戦う1200年前の京都にタイムスリップした15歳の少年が、謎の僧侶から自分が神聖なる力を持った「救いの御子」であることを告げられ、自らの運命に立ちむかう歴史冒険アニメーション。中村獅童は謎の僧侶、源雲の声を担当している。
祈祷式が行われた神泉苑は、主人公の少年が唯一操ることができ、物語のカギとなるオロチ(龍)が封印されている場所。また鬼対人間との壮絶な戦いが繰り広げられる場所として本編に登場する。
中村獅童は映画で演じた僧侶さながらのベージュの羽織袴で登場。凛とした神聖な雰囲気を醸し出していた。
中村は京都を何度も訪れている。ただ、神仙苑は初めてだった。僧侶役が中村と気づかないぐらい、声がいつもと違っている。「エンドロールを観て、はじめて「中村獅童が声をやっていたのか」と思われる方がうれしいです。役者の顔が見えないということは、それだけ、観ている方が映画に入っていただけているということですから」。
映画の中での源雲役は、まるで自分のためにあて書きしてくれたのではないかというぐらいに自分に近い役どころだったという。「『ピンポン』のドラゴンの時と同様、頭も坊主だし、自分のために書いてくれたのかと思うぐらい、やりがいがあり、役を膨らます作業が楽しかったです」。
神泉苑は文化財として国から指定された平安京最古の史蹟。延暦13年(794)桓武天皇が平安京の造営にあたり、大内裏の南に沼沢を開いて設けられて苑池であり、常に清水が湧き出すことから「神泉苑」と名づけられた。寿永元年(1182)雨乞いのため百人の白拍子が舞い、その中に静御前がいて、源義経と初めて出会った場所とされる。境内の池は、願いがかなう池といわれパワースポットとして注目されている。