サイバーエージェントも、藤田晋さんもすごいと思うし、尊敬しているけど、僕がgoogleや、はてな、ライブドア、paperboy&co.に感じる魅力を感じない。

 それはなぜか。サイバーエージェントに対してドキドキしたことがないからだと思う。

 サイバーエージェントはいつも「後発」を選ぶ。
 「melma!」は「まぐまぐ」を追いかけたものだし、クリック課金「サイバークリック」はバリュークリックジャパン(現ライブドアM)の「バリュークリック」、「ECナビ」は「カカクコム」、「アメーバブログ」も後発サービスである。

 しかし、後発を選ぶ、ということはマーケティング的な戦略上、企業の規模によっては、適切な判断であることが多い。

 その適切な判断によって、サイバーエージェントはここまで成長してきたのだと思う。

 だけど、それはインターネットをビジネスとして捉えている面がかなり強いので、僕には魅力を感じない。

 ビジネスからインターネットを捉えているのである。

 そんなことを思っている中、サイバーエージェント藤田晋が技術者に批判を浴びている動向を見つけた。発端は、業務連絡。その3|渋谷ではたらく社長のblogである。


「アメーバの進捗が遅れているボトルネックは何ですか?」

 という株主の問いに対して、

「一番は技術者の頭数が明らかに不足していることです」
(中略)
やりたいこと。やらなければならないこと。

それに対して頭数が明らかに足りない。


 という答えをしたことです。これに、仙石浩明CTO の日記: IT企業には技術者と経営者の両方と話せるバイリンガルが必要では、

うわっ、「頭数」なんて表現使ってる...

優秀な技術者であればあるほど、「人月」という考え方には反発するものだし、優秀な技術者は、平凡な技術者の何倍、いや何十倍のパフォーマンスを発揮できる (私は技術者の生産性は、ピンとキリでは 3桁の違いがあると常々主張してるのですが) わけで、「頭数」なんかで数えられたらたまらない、というのが、優秀な技術者の感覚だと思います。


 と反応、にぽたん休憩所 - サイバーエージェントの件では、

藤田社長が、「数にこだわる理由」が全くわからない。
下手な鉄砲を数撃ちまくって、一発当たる鉄砲が欲しいのか


 との反応。

 僕自身、プログラムをかけないので、本当の技術者の気持ちにはなれないけど、僕が優秀な技術者であれば、経営者が自分のことを「頭数」と考えている会社には行きたいとは思わないと思う。

 ここらへんに僕が最初に述べた、ビジネスからインターネットを捉えているのが明確に現れていると感じる。

 さらに、業務連絡。その3|渋谷ではたらく社長のblogでは、

さらってきてでも、必ずや採用します。


 という言葉を使っている。それに、仙石浩明CTO の日記: IT企業には技術者と経営者の両方と話せるバイリンガルが必要では、

こういう冗談が口から出ること自体に違和感を感じてしまいます。
技術者をモノとしてしかとらえてないというか...


 という反応は実にまっとうだと思う。そして最後に、

 業務連絡。その3|渋谷ではたらく社長のblogでは技術者への待遇として、

・技術者のいるフロアをリニューアル。空間デザイナーを入れて開発に集中できる環境に改善します。

 ・技術者のオフィス家具を総入れ替え。ひとり当たりのスペースをひろげます。

 ・最終面接では私もお会いして、今後の方針などを直接説明します。(6月末まで)

 ・給与面を含む待遇面を見直し、優遇します。

 ・マッサージを入れます。


 と締めくくっている。これに、雑種路線でいこう - 技術者を頭数で数える奴が報酬を弾むかなでは、

だいたい採用力とか何とかいいながら,オフィスのデザインとかマッサージチェアがどうとか,全く技術者に響く議論をしてないしさ.イントラじゃないんだから,こんな調子のエントリを社長が書いた日には真っ当な技術者を採るには逆効果じゃない?僕はエンジニアではないけど,この無神経さには流石に我慢ならない.


 と書いている。僕個人としては、技術者に、技術者ではない人ができることというのは、最初に述べた「ドキドキ」することとか、「わくわく」感を与えられることだと思う。それをするために舞台を提供する。僕はマッサージチェアがそのドキドキの舞台だとは思えない。

業務連絡。その3|渋谷ではたらく社長のblogでは、そのドキドキ感とか、わくわく感についてまったく触れられていない。それが技術者に批判を浴びている理由ではないだろうか。

 仙石浩明CTO の日記: IT企業には技術者と経営者の両方と話せるバイリンガルが必要では、

いろんな経営者の方々のお考えを見聞きするたびに、経営者と技術者との間には、深い深い溝があるなあ、という思いが深まりますが、今日読んだこの「渋谷ではたらく社長のblog」には、その断絶が極端な形で表現されているように思いましたので、あえて引用させて頂きました。

この断絶はあまりに根本的なので、経営者と技術者が互いに力を合わせることなぞ、所詮不可能なのではないか、という絶望感におそわれることもないわけではないのですが、とは言っても、「IT業界」で事業を推進し、かつ技術革新を進めていくには、両者の協力が必要不可欠であることもまた事実です。

経営者と技術者が反発しあうのではなく協力するために、技術者と経営者の双方と会話ができる「バイリンガル」こそ重要である、という思いを新たにした今朝の事件でした。


 これには僕も胸が痛い。自分は技術者のことをわかっているだろうか? と考える。僕自身、今のところ、技術者ではない。だけど、技術者の方と仕事をしていきたいと思う。そのためには、何が必要なのか。

 僕は「ドキドキ」感を与えること、その舞台を整えることだと思うけど、これからも自問自答を続けていきたい。

 そして、ドキドキ感との両輪として、重大なのは報酬だと思う。

 404 Blog Not Found:理解を求めるな、報酬を求めよでは、

あなたには理解してもらえない部分があるから、あなたは報酬をもらえるのだ。すべて理解されてしまったら、会社はあなたのクローンを要請してそちらを使うだけではないか。「こいつは理解不能だが仕事はきっちりしている」でいいではないか。あなたもそれを与えるものに対し、「こいつは目方でしか才能を計れないアホだが、ギャラはきっちり払う」という風に思っていればいいのだ。


 この言い方は過激であり、僕は全面同意するわけではないけど、「理解不能(理解に難しい)だから、報酬がある(増える)」という意見には納得する部分はある。

※追記

 引き続き、この議論に対してのブログをいろいろ読んでいます。その中で、U.gEn.FujitsU++ - 渋谷で働く社長が間違っていますでは、記事前半部分で「システム開発の遅れは、人数を増やしても改善されない」ということをとてもわかりやすく説明しており(おすすめです)、記事後半部分ではどうやったら技術者に動いてもらうか、ということが書かれており、そこに僕が思っていたことと同じことが書かれていたので、引用いたします。

尻を叩くことによって、開発者をがんばらせることは困難ですから、結局のところ自発的にがんばってもらわないといけません。自発的にがんばってもらうためには、、、アドレナリンです。開発者がわくわくする、さらに収益があげられる、こんな「お題」を設定することが非開発者にできる唯一のことです。



→サイバーエージェント藤田晋が技術者に批判を浴びている(2)naoyaのはてなダイアリーを読んで。

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