November 27, 2014

"丘" と "圧殺の海" のこと。

the yetis の曲"丘"をイメージソングとしてPeacenic2013の映像を作ったのは昨年夏のことである。
初夏に撮影をし、真夏に編集を重ね、晩夏に映像を発表した。
この映像に "丘" を選んだわけはある。
晩春から夏至にかけての、そう、ホタルが飛んでいる夜のことだった。

yetisの歌い手 "山田里美"さんの娘さんとライブを観ていると、"丘"が流れてきた。
ぼくの親友はこの歌好きなんだ、と言った。
すると娘さんは、こう続けた。

「この歌はね、辺野古の海を、丘から眺めてる歌なんだよ。」

どきっとした。
まだ小学生のおんなのこから、辺野古の海という、言葉がでてきたことに、
なにもかも、知っているようだった。
ぼくはこの歌を、ただただ丘から眺めた景色を牧歌的に歌ったのだと思っていた。
ぼくの耳は感性は的を外れていた。

それから、その子は、母親の歌声と重ねるように、
細く華奢な声で静かに口ずさんでいた。
まわりには、消えそうできえない光をまとったホタルが飛んでいた。

こういう唄です。
:::
「丘」the yetis

"ここへきて みてごらん
ここへきて みてごらん
ここへきて みてちょうだい
ここからの あの海を

山を入れて 山を入れて
山を入れて 青を埋めて
山を入れて 山を入れて
飛び立つのは 何のため?

山を入れて 山を入れて
飛び立つのは 何のため?

ここへきて みてごらん
ここへきて みてごらんよ
ここへきて みてちょうだい
ここからの あの海を"


ピースニックの伝えたいことと、この唄の想いはとても重なった。
この曲"丘"で映像をつくり、ぼくたちはピースニックを開こう、と決めた。

::::
それから一年すこし経った今、
辺野古の海は圧殺されている。
民主主義の本当はどこにあるのだろうか?民主主義の民は"庶民"の民ではないのか!

ドキュメンタリー映画"圧殺の海"を観た、ぼくの感想である。
痛く絶望を感じさせる暴力が日常に入り混じり、
法的な処置云々はさておいて(中央政府が撤回しない限り埋立及び基地建設は強行されていく)、
海が埋め立てられ、戦争のための基地を作り、
国家権力は庶民を抑圧するために、血税をふんだんに使い、それは警備会社では収まらず、機動隊や海上保安隊や防衛局、警察といったプロの軍隊を擁し、
庶民市民の想い、反対する声や行動を暴力によって圧殺している。

この映画はその一部がしっかりと撮られ映し出されている。

はっきり言って、怖いです。
ぼくも反原発行動の際に機動隊に引きずられ、背中に傷を負ったことがある。彼らの力は真っ当に立ち向かうものではない。
特に、海猿と呼ばれる海上
保安のプロたちの、海での捕獲と呼んでいる暴力は、無抵抗もいいところに、とんでもない恐怖を感じます。映画の中で海猿を指して「あいつヤバイ!」と叫ぶシーンがあるが、恐怖の声、そのシーンはやばいです。

真実を映したこわい映画であること。
たくさんの人に見てもらいたいが、隠すことはできません。
辺野古の最前線の現場は、ずっとこのような、国家権力による暴力が続けられています。

このことは知っていた。
仲間たちは辺野古へ応援に行き、yetisの田川くんからもそのように聞いていた。
それでもぼくは観ないと、ぼくはぼくを納得させることはできないと思い観た。

この映画の伝えたいことは、何なのか?

あそこでは暴力が蔓延していて、今日もおばぁがケガをした、ということを伝えるために?
民意の選挙で選ばれた沖縄県知事は、基地移設を全面反対拒否すると言っても、強行される工事を非難するために?
非人道的な国家権力の防衛部隊は、市民庶民に安全のためと容赦ない暴力を与えていることを伝えるために?

それは映画の一部であって、全部ではない、と思っている。

日本唯一の地上戦を強いられる戦争を体験したおばぁが、内地(同民族)の隊員を見つけ、戦争したいか?と聞くシーンもある。
テント小屋では笑いもあり、歌もあり踊りもある。

ここの海にはサンゴも生物もたくさんいて、ジュゴンも泳いでいる。
青くてあおくてあおくて、
とてもとても美しい自然がある。

人間は、この沖縄の民が愛したこの海を、山を削った土で、青を埋めていくという。

そんなことは今後一切あってはならない、だから反対をする。

:::
絶望を伝えたいわけではない、
暗闇の中に光が射し込む、その瞬間を誰もが知っている。
それまでは我慢である、執念である、けして譲れないのである。
そういう映画だと思う。

どうしようもない怒りが悲しみが憎しみに変わりそうで、笑顔が消えかけたとき、
"丘" の音楽は流れる。

エンディングシーンの美しさ、
ぼくが今まで観たどんな映画よりも美しかった。

ぼくは、the yetisのファンであり、仲間であり、そして"丘"という曲と向き合ったものの一人であり、
この歌が大好きです。
ぼくがぼくを納得させる方法はひとつだけ、真実をみる、ことです。

:::

映画 "圧殺の海" おすすめです。

11/30 at スペースオルタ(新横浜)
三回上映、全回上映後the yetis トークライブ

http://www.labornetjp.org/EventItem/1413688634403tomowada

::::

Peacenic2013 PV
挿入歌 the yetis "丘"


http://youtu.be/MLKIF8gLAKI


この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/toto463/53163802