中野聡さんのブログ記事も合わせてご覧下さい
http://wind.ap.teacup.com/hubc1396/380.html
私が、中野聡という役者と、初めて同じ芝居に関わったのは、
学生時代、野田秀樹の「半神」でのことでした
その公演は、複数ある学内劇団の枠を超え、超大作に挑もうという、
じつに野心的な公演でした

この「半神」というのは、
小劇場演劇に中ではスタンダードナンバーと言っていいほど有名で、
原作の萩尾望都大先生様がものされた16ページが、
俗にいう「半神ショック」を漫画界に与えたのと同様に、
80年代小劇場の隆盛の、余光を浴びて演劇界に身を投じた我々、
演劇ゼロ世代にとっても、
それは「ショック」と言っていいほどの存在感を持った作品であります

それゆえに、毎年どこかの劇団が上演しているほどの人気作でありながら、
うまくやるのは非常に困難な演目なのです

ある目論見のために、
近年、時間の許す限り、根強く上演されるこの「半神」を見るようにしていますが
私は未だ、正攻法でこの作品に打ち勝った演出を見たことがありません

この演目には、関わったものを高揚させる何かが含まれています
そして、我々こそが最高の演じ手であると錯覚させる罠がしかけられています
その確信に突き動かされて、「最高の」芝居を演じ、
そして、気がついた時には完膚無きまでに敗北しています

その反省が、
その狂騒への恐怖が、
坂本企画の核になっていると言えるかもしれません

あ、ほらまたなんか、こう、格好のいいことを言ってしまっている
こういうのが本当に術中にはまっているというか
呪いみたいなものですね

あ、ほら、また

閑話休題

で、当然中野聡氏のブログをすでに読んでいらっしゃる皆様には
ご承知おきの写真だと思いますが

これ

中野聡7


そしてこれ

坂本7


七年前の中野聡氏と
坂本(主に演出の方)ですね

あぁ、最近坂本企画をお知りになった方はご存知ないかもしれませんが
坂本企画は坂本(戯曲を書く方)と坂本(演出する方)がいます
大抵は坂本(戯曲を書く方)も、坂本(演出する方)を模した着ぐるみを着ているので判別し辛いですが
坂本(戯曲を書く方)には女性説、50代のおっさん説等、諸説あります
最近ではセレブ説なんてのも出てきました

中野聡氏がブログで坂木くんと呼んでいるのは、
原則、坂本(演出の方)です

当然のことながら、一部が嘘で一部が本当です

閑話休題

さて、注目すべきは二人の服装
ちょうど2005年の今頃の公演の、
打ち上げの写真ですから、
二人とも真新しいセーターをきていますね
じつに若々しい

翻って、
2012年(!!)2月13日22:00ごろの西宮市某所の風景

20120213


おや、どこぞで見たことのある光景ですね
あぁ、中野聡さんと坂本(演出する方)が稽古帰りに語らっているのでしょう
坂本企画vol.9『The Doll』も間近ですものね



注目するところはそこではありません



相応に年を経て、
しかし、この二人はなお変わらぬものを持ち続けている夢追い人です
その大事な大事な変わらぬものとは、

芝居にかける情熱(パッション)?

中野聡7


先輩後輩の揺るがぬ絆?

坂本7


違います



正解は


























お気に入りのセーターです

20120213



全く示し合わせていないのにもかかわらず
「しぇからしか」(関学劇研御用達のラーメン屋:阪急今津線仁川駅東改札、ロータリー出て通りの向こう側すぐ)に
行き合わせたり
所持金が小銭の内訳まで揃ったり(5円玉一枚、1円玉二枚、計7円でした)
様々なシンクロニティを発揮する中野聡と坂本(演出する方)ですが

たまたま見つけた七年前のアルバムを
たまたま稽古場に持ってきたその日に
たまたま当時と全く同じセーターを
たまたま二人とも着て来ているなどという

こんな偶然がありうるのでしょうか
いえ、これはワードローブの少なさという
じつに妥当性のある必然の成せる技なのです

正直喫驚しました
おたがい、普段着ている服装についてはそれこそよく見慣れておりました
この服装の組み合わせになったことも何度となくありました

しかし
ある意味、今日の演劇生活の始まりの時点において
すでにこの組み合わせが成立していようとは


七年前、本番を目前にして、インフルエンザに苦しんでいるとばかり思っていた先輩が
後年、実は痴情のもつれに苦しんでいたと知った時より衝撃でした
その日、私の属する照明班は朝6時集合でした
ちなみに前日解散したのは23時でした
チーフは風邪を引いていらっしゃいました
僕は37度の熱がありました
しかし、尊崇し、敬愛する、凡百ならざる大先輩との舞台です
休んでなどいられません

七年前、ようやく仕事を任されるようになったと
喜び勇んでやっていた美術の仕事が、
親会社の愛憎のもつれから来る納期の遅れを押し付けられた
下請けの孫請けだったことを知った時よりも衝撃でした
尊崇し、敬愛する、凡百ならざる大先輩との舞台です
手を抜くなんてことは考えられない、純真な十代でした
作業は、真冬の空の下、明け方にまで及びました

The Paperにおける中野聡一人芝居は
尊崇し、敬愛する、凡百ならざる大先輩との舞台で
単身、幕間をつなぐという重要な使命を託していただけた
せめてもの恩返しでした

そう
先日の坂本企画3しゃい発言を
今ここに訂正いたします
坂本企画の萌芽は

七年前の二月、その時にすでにあったのです



追記
この時の「半神」における谷野麻里江さんの「シュラ」役は絶品でした
その時から、私は、谷野麻里江という役者に惚れ込んでいるのです
そして、おそらくは中野聡も